( 廉頗 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第701話)
今週は、廉頗エピソードが出て来てよかった~。
『廉頗将軍もご健勝で何よりです。(泣)』って、この袁静さんのセリフに共感した読者様も結構いたんじゃないでしょうか?
で、その廉頗の申し出さえ退けたカクカイですが、完全に廉頗の存在そのものにビビッてましたね。
う~ん?
しかしその反面で、李牧もそれぐらい内部に対して、廉頗の様に剛に出てくれればいいのにとも思います。
カクカイ目線から見て、朝廷内に引き入れるのに廉頗なら怖くてヤバいけど、李牧だったらなんとか御せるから大丈夫という、この線引きの違いは一体なんなんでしょう?
まー、史実の李牧はここからが登場なので、この史実の廉頗エピソードを額面通り受け止めれば、廉頗の人物像やその影響力の大きさを表現するに足る十分なお話として機能するのですが…、
この点、キングダムの李牧は以前から趙の朝廷にいたことになっているので、優秀なハズなのに、廉頗ほどは佞臣共に何も手が出せない体になっているのが少し微妙に感じます。
ん~、しかし単純に、李牧+司馬尚+廉頗の三大天陣容が実現する妄想を抱くと、コレは激アツなんですがね。
ではでは、今週もキングダム本編を振り返っていきましょう!
キングダムネタバレ-保身大好き♡趙国大臣の皆さん
趙国王都の邯鄲。
平陽戦の戦死者の報告が高札に掲げられて、市民一般の方々に、知らされていきます。
同時に、ここでタダの戦死などではなく、桓騎に投降後斬首されて首も焼かれたことの、話まで伝わっていきます。
スグに、記憶に古くはない、長平の恨みが想起され、市民たちに怒りが伝播していきます。
一同『おのれ秦め!!』
と、いうことで…、秦軍が王都に迫ってくる恐怖よりも、この場では、趙国民の士気が高まり、対秦軍報復への機運が高まっていきます。
して、このように民こそは我が事としては、戦意も高まっているのですが、肝心の王都中枢ではどうなんでしょう?
はい、カクカイさん?
アナタたち、いまどんな気持ち?
カクカイ『フーッ…、フーッ…、フーッ…、』
大臣一同『…、』
全員汗して、神妙な顔しています。(笑)
そりゃ、このまま秦軍をほっといたら、平陽、武城を抜いて邯鄲に攻めてくるのは必定です。
いやいや?でも、もともと鄴落とされた時点で、邯鄲という喉元に刃物突き付けられていたのは、分かってたことやんけ!?
そうならん為に、李牧らがあんなに頑張ってたのに、コイツら危機感に火が付くの遅ェエ!!
今更ながらですが、李牧にしたってコイツらを焚きつける為に、“秦軍が迫れば、権力闘争どころじゃないんだよ?的”な利害調整をするくらい、どうして出来なかったのか疑問が残ります。
それとも、もうアレなのかな?
カクカイ達がアホすぎて、二手三手先程度の話を理解させる事すら不可能だったという事なのでしょうか??
王都の佞臣たちが迫る秦軍に恐怖を感じています。
しかしながら、ここで『慌てめさるな。』と韓倉なる廷臣が登場。
『扈輒は敗れど、兵はまだこの王都圏には十二分におりまする。』と提言。
しかも、桓騎の虐殺に平民が士気を上げそれは平陽、武城でも邯鄲と同様である旨を伝え、今は寧ろ。財を抱えた商人たちが、邯鄲から脱出しない様に、内部に向って城門を閉ざすべきと進言します。
この韓倉さん…、
漫画だから仕方がないのですが、史実の趙に反して『兵がまだまだ十分存在する。』と宣言しているだけあって、読者の人口構造への疑問について、サラッと小事として流してしまいました。
はい、これで神(作者)様としても、この半モブキャラの説明で、何事も無かったかのように、趙の兵力問題を一気に解決してしまいます。
カクカイ&韓倉『減ってない。趙国の稼働人口は長平や平陽で数十万人以上人が死んでいても減っていない。』
やはり読者的にも、キングダムの世界観は、どうしても事あるごとに、このような脳内補完をするしかないようです。
で、この韓倉さん。
政策では、城門封鎖を唱えておきならが、ご自身はどうやら、邯鄲脱出の準備をしていると噂されている人物なのですが…、
これには『当然。』と保身もブレない姿勢で開き直ります。
曰く―、『ここにいる我々は、一般の民草とは違いまする、無論ギリギリまで戦いまするが、いざとなれば我らは大王を守り、脱出せねばなりませぬ。国家の中枢にいる我々は生き延びねばなりまぬ。』
―などと、死んだ目で語りますね。
一同『お、おう!その通りじゃ!!』
しかし、それはそうとカクカイ。
カクカイ『バカなことで喜ぶでないわ!その時は命があっても今の地位も権力もなく、敗走の徒として生きるのだぞ!!』
と、そこは現政権の維持こそ、第一である旨で、一同を鼓舞。
韓倉『…その通りです。』
こうしてみると、佞臣どもでも、明らかに“地位上の関係”や、“手を汚している度合い”から、必ずしも佞臣共もその利害関係が一致している訳ではないことが明らかです。
なんども書きますが、李牧もこの点で、カクカイ陣営がバラバラになっていくよう敵対工作することも可能だったハズです。
何故、本作で宰相の地位にまで就きながら、内政工作や人事調整について彼が無策であったのか、非常に悔やまれるところです。
でなんで、復活した李牧には、武将三大天として活躍だけでなく、内政工作で第一次李牧内閣の反省をしっかり活かしてもらいたいもの。
第一次李牧内閣とか言ったら、なんか安部さんみたいに聞こえてきた。(笑)
で、話をもとに戻すと、とりあえず『趙はまだ兵力はたくさんある!』という前提に立って、扈輒は死んだけど、総大将を誰にするか?という観点で、カクカイが問題を提起します。
いやいや?もうなんとはなれば、合従軍編の呂不韋見たく、カクカイと遊牧王を残して、こぞって趙の貴族連中が秦に降るとかあってもオカシク無さそうなんですけど、まだまだ抵抗するつもり見たいです。
モブ大臣A『英傑“趙忽”がいます。』
モブ大臣B『早い!もし趙忽を失わば、本当に我々は…、』
えっと?趙忽って、後に李牧が司馬尚と一緒に更迭された後に、王翦に負けてアッサリと降伏した人じゃなかったでしたっけ??
キングダム内では英傑になっているようです。
それだけでも驚きなんですが、モブ大臣Bが語る、『早い!』って何だよ?人材の出し惜しみしている場合か?(笑)
こうしてまるで消去法みたく、他の大臣から『ならばやはり、ここはもうあのお方しか…、』と吐露するように、李牧の存在を一同想起していきます。
と、そこに邯鄲王宮に急報が舞い込みます。
発信元は楚からです。
楚と趙王宮と、一番関わりのある人物と云えば、あの男という事で…、
カクカイ『ま…、まさか…!?』
久々の廉頗の登場です。
見開きで、魏軍がおもっくそ狩られていますね、(似合う。笑)
そして、介子坊と姜燕も健在で何よりです。
ここからは、楚国王都へ出向いた趙国の使者との会見が描かれます。
廉頗元にはせ参じた、使者は、父親に廉頗との旧交を持つ袁静という若者です。
廉頗『オオ!袁多の倅、袁静か!』
袁静『ハイ!私の父は袁可です! 本当に廉頗様ともう一度お会いできるとは、ご健勝で何よりです。』
廉頗『ぬハハ!喜びすぎて鼻が出ておるぞ、袁多の倅、袁静よ!』
袁静『ハイ!私は袁可の倅です!』
丁寧に、人の名前を二回も間違えている廉頗にご愛嬌を感じます。(笑)
そして、見開きのとおり、どうやら史実でも、廉頗はかなり高齢になっても、戦場に出ていたことが分かります。
そして、この袁静という若い使者、さっそく本題にということで話を切り出します。
廉頗にも、扈輒敗戦の報が届き、秦軍が平陽に迫る勢いであることは明白の事実でした。
それゆえに、廉頗の報せは、廉頗自らが邯鄲に戻って桓騎ら秦軍を真向から撃破する旨を彼は打診してきてくれたのです。
その言葉をきいた袁静は感激します。
そりゃ、嬉しいでしょう。廉頗の実力を知っている趙人なら泣きますよ。
そして―、
袁静『スグに邯鄲に戻って、その旨を報告させ頂きます!』と、即座に答えるこの若い使者。
対して、飯でも食っていけど諭す廉頗。
なんか、こうして若いもんに気を遣ってやれる廉頗に、良きオッサンの懐の深さを感じて止みません。
史記には、こうしてか?廉頗が大食を示して、健在ぶりを趙国に伝えたという逸話が残っていたようです。
しかし―、そこはあのカクカイ。
普通だったら、廉頗の救国の申し出に喜ぶ反応を示すべきトコロなんですが、廉頗の名を聞いて、明らかに戦慄を示しています。
その反面で、廉頗の帰還を聞いて、額面通りに、モブ大臣共は歓喜しているのですがね。
モブ大臣C『すごい!あの廉頗将軍がご帰還される!』
モブ大臣D『いいぞ、これで十分に立て直せるぞ!』
単純で幸せな大臣たちなのですが、ここで水を差す韓倉。
韓倉『本当にそうであろうか?』
韓倉は、廉頗が出奔した経緯を語り、現状の遊牧王は、先の登場王に輪を掛けたバカであることを暗に語り、今の朝廷を見た廉頗が黙って居られるか疑問を呈します。
モブ大臣一同『うッ!?』
さっきまであんなに素直に喜んでいたのに、花粉かコイツら。
カクカイ『黙っている訳が無かろうが…、かつて上卿であった藺相如でさえも、気に食わぬと殺す勢いで喧嘩を売った男だ、ここに戻らば、我らは一掃され、下手をすれば問答無用に全員首を刎ねられるぞ!』
韓倉『(全員は大袈裟だが、カクカイ殿は間違いなく無事では済むまいな…。)』
うん、やっぱりこの韓倉という存在からも、カクカイ派閥とて本当は一枚岩ではないのがよく分かりますね。
カクカイが一番悪いのは自分であることを棚にあげて、連帯責任に持っていこうしているのが分かると同時に、それを見抜いている韓倉みたいなダブスタに転じることも辞さないであろう男がいる点も興味深いです。
結局、ここでも史実に則って、廉頗の帰還はカクカイの讒言により、趙王は却下。
このカクカイの捏造によって、英雄廉頗は生涯、趙に帰れないことが決定しました。
あるいは、廉頗も、王宮の面子が全員保身の豚野郎しかいないのは、もとより覚悟だったのかもしれません。
しかし、この廉頗の申し出の却下を聞いた、使者の袁静さんは、当然納得できません。
袁静『廉頗将軍の帰還が認められない!?なぜですか、一体!?なぜ!』
怒りも明に示して、命を懸けてでも大王に進言を願う袁静さんですが、まだ趙にも、こんな若者が残っているトコロに、さらに趙の悲哀を強く感じさせます。
しかし、ここでもカクカイは王に再度の進言するのは、自分がやると言い、袁静を下がらせます。
同時に、韓倉へ袁静の始末を命じるカクカイ。
結局、再びカクカイが全てを捻じ曲げてしまいました。
そして、扈輒の後に、カクカイは口惜しいと言いつつも、李牧召喚を決定。
青歌に早馬が走ります。
そして、二年ぶりの李牧復活。
次回の予想編で深堀したいですが…、やはり予想した通り、ちらほら新顔が出てきていますよね。
おそらくは青歌一派の武将でしょうか?
李牧一派からは、馬南慈と舜水樹、フテイにカイネも健在です。
何気にカイネが鎧装着なのは新しいですね。三千将から出世したのでしょうか?
つーか、それはそうと、冒頭でも書いたのですが、廉頗は佞臣共を一網打尽にできることが出来てビビられているのに、何故、李牧がそれを出来ないでカクカイに舐められているのかが謎です。
― キングダムネタバレ最新701話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。