( 羌瘣? 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第662話 )
今回のキングダムネタバレ予想のテーマは明確ですね。
松左が居なくなって残念ってのは分かりますよ。そこに異論はありません。
しかし、河了貂が言うように彼一人の損失が発生して、歩兵団がめっちゃクソ威力ダウンしたってんなら、それはそれで松左本人がまるで自分の後継者とか片腕を全く育てていなかったみたいな“サゲ要素”にも繋がりますよね。
そもそもマジレスすると、部隊長の損失と補充をまったく想定しないで訓練しているのもおかしいんですが…、
つい最近も、隊長の信が仮死状態になって李牧を取り逃がしたコトに関しても何も改善点を考えようとか思わないのでしょうか?
もちろん、飛信隊というキャラクター集団の特性上、あんまりそこは言ってやんなや…。という意見もごもっともですが、まぁ、他にも色々考えられそうです。
ではでは、さっそく考えていきましょう。
キングダムネタバレ-現実的な松左ロス対策
河了貂は662話本編の中で、鄴攻め終了後、松左の損失が歩兵団のパワーダウンに大きく繋がるコトを懸念していたと吐露しています。
しかし鄴攻め編終了後、概ね半年から一年弱の期間が経過しており、その間飛信隊は兵力規模で羌瘣隊を含む兵力8千の規模から合計1万5千を誇る兵団の規模に発展しています。
当然、兵力単位でここまで規模が大きくなっているワケですから、単純にこの規模拡大の再編成の最中に、それなりの数の指揮官クラスの人員の合流などもあったかと考えられるのですが、ここら辺の細部については本編で何も触れられていませんね。
また、643話で論功行賞後に実質軍に規模拡大して、軍編再編成を施した後の飛信隊には、相当の訓練をほどこしていた風の描写もありました。
でなんで今回のキングダム662話本編を読んでいて一番腑に落ちなかったというのは、まさしくこの点です。
いくら松左が優秀だったらからって言っても、緒戦の戦場でまったく勝てないとかなると流石に大げさじゃない?と感じるワケです。
ネタバレ予想-本当の原因は?弱いワケがない飛信隊
別段、大した敵武将も居るワケでもないモブ軍団を相手に…。
河了貂と信は、松左が松左が~、、、とか言っていましたが、それでも参考に643話の扉絵になっていた新飛信隊の組織図を見てみたら…、
松左の後を継いだ沛浪が直接受け持つ兵力は、一万人中の500人に過ぎず、彼の指揮下に配された、竜有、中鉄、尾平、竜川、澤さんの歩兵規模を合わせてもたったの1千人しかありません。(※崇原は隊長格単独1千人抱えていますね。)
むしろ、独立した千人将部隊である渕さんと田有、さらに特別部隊である我呂、岳雷、那貴の各隊の指揮下で管理されている歩兵の数の方が2千8百とはるかに多いです。
だったら、実の話は今健在の飛信隊諸将が不甲斐ないで済む話なんじゃないですかね?
しかもですよ??
飛信隊って、この様に歩兵の数を数えてみるだけでも、実は異様な規模の編制であることが分かります。
何がっつーと騎兵の割合がもの凄く多いんですよ。
数えてみたら1万人中騎兵の数が3700なんですよね。
楚水さんが『なんだかんだで戦は数が多い歩兵が主力…。』とか言っているんですが…、この現実を見ただけでも『お前らに限ってはどこがやねん?』と言いたくなります。
騎馬部隊が軍団構成のほぼ4割ってどんだけ金が掛かった部隊なんだよ?こんだけのハードリソースが掛かっていて何で負けるんだよ??とか、めちゃくちゃ言いたくなるんですよ。
まぁ、モノは言いようで…、例えば『今は対趙戦の序盤だから騎馬兵を損耗させたくないから歩兵が中心なの!』とか言う理論補正も可能ではありますけどね…。
しかし、そうならそうで別に歩兵団といっても繰り返すようですが、643話の組織図を見る限り沛浪という現松左ポジションに兵力が特段集中しているワケでも無いんだから…、
今になって信と河了貂をはじめ、崇原や他の部隊長までが『松左が松左が~…。』とか言って嘆いているのはヤハリ違うんじゃないかな?と私は思ってしまうんです。
逆に言ってしまえば、何を自分たちの実力不足をその場にいない松左の責任に転化してんだ?って話でしょう。もちろん、崇原自身が言ってるように彼だけの責任でもありません。
この様に考えてみると、今の飛信隊が弱いのは、単純に考えて5千人隊当時から倍に増えてしまった人員を…、
各部隊長が全く使いこなせていないのが原因であると考える方が極めて自然だと考えられるからです。
もっと言えば、松左が死んで歩兵団の性能が下がるのを予想できているんだったら、それを見越して作戦を考えるのが河了貂、君の仕事だろ!?と言ってしまえば身も蓋もないでしょうか??
王賁、蒙恬の二人は万単位に拡大した人員をフル活用できるだけの作戦知識と優秀な中堅指揮官を抱えているのに対して、今の飛信隊はそのどちらの準備も怠ってきたというのは酷でしょうか??
私は違うと思います。
ネタバレ予想-何故か中間層の育成が無い飛信隊
だいたいにして、飛信隊から無名でもいいので、生え抜きの中堅指揮官が殆ど育っていないのも何か不自然です。
端的に662話の場面を例にして言うと、渕さんが咄嗟に口にしたみたいに、松左がいない⇒『じゃあ若手達(干斗たち)のさらなる成長。』というのはカナリの飛躍じゃないのかな?と思うワケです。
例えば、松左という指揮官の代役をどのように探そう?と課題設定をするにしても、河了貂にしても信にしても、“ただただ松左のお陰だった…。”で済ますのではなくて。
彼らは“松左のどういった働きがどういった作用で飛信隊に貢献していたのか?”というのを把握していたのでしょうか??
コレは同僚であった崇原が『自分の知らないトコロで松左が助けていてくれた。』と言うのはいいのですが、軍の首脳である信と河了貂がコレを分かっていなかったでは話になりません。
訓練の段階でこれらを要素分解して準備を施しておくべきだったのですが、おそらくこの辺は河了貂であってもこのような人事考課とかマネジメントといった領域には手が及んでいなかったように思えてきます。
そういった意味でも、仮説で考えてみてみれば、河了貂としては松左の働きを少しでも再現させるのが目的と捉えれば、
とくに大きな理由もなく他部署で戦っていた沛浪を松左の後釜にコンバートしてくるよりも…、
むしろ無名でも松左の直下で戦っていた奴を抜擢して再現性を高めた方がより効果的な人事になったと考えられます。
いつも松左の近くで戦っていて、間近で彼の指揮を学んでいたという男がいないワケでもないと思う。
コレは別に松左に限った話でもなく、飛信隊の各隊長ごとに個別の№2を備えていないのは、今の軍団の規模を考えるとキツイです。
でなんで、今の飛信隊が直面している問題とは、信が言うような『歩兵部隊の底上げ』という末端兵の地力の話ではなくて、幹部育成の問題であるように考えられます。
また、人材の外部補充という意味でもどうでしょう?
例えば、王賁と蒙恬も秦国随一の貴族の出身なのか?軍団の規模拡大に際して、自陣営にそれぞれ自分の親の軍から、愛閃と亜花錦を招へいするのに成功しています。
しかし、それを言ったら人脈という意味でも、信と河了貂などは、秦国のトップである嬴政とナンバー3である昌文君と、もうベッタベタの関係なのですから…、
何が何でもなりふり構わず人材を融通してくれだのと言った姿勢を示すべきだったのではないかと思います。
ほら?壁さんだって将軍の地位を金で買ったんでしょうに。(笑)【そういえば、彼は今頃なにやってんでしょうね?遼陽鳳方面に駐屯かな?】
今となっては、信も河了貂も、自軍強化の為に秦国内に於いてそういった人事活動やリクルーティングが出来る地位にあるのですから、ここら辺は彼らの性格的にカナリ穴があったんじゃないかと思うワケです。
それこそもう壁さんなんか信の部下になるとかでいいじゃないですか。(笑)
もちろん、読者様からの声もありましたが…、某ジャイアンツみたいに、選手を育てるでなく金で買って強くする集団みたいになってもアレなのですがね。(笑)
それでも今のキングダム作中の雰囲気を考えて、我呂が岳雷が旧麃公軍の領土に仲間を補充するためにスカウトに向かう話や…、
桓騎軍に入った入ったはいいけど、やっぱりココ無理とか思っている連中に那貴がスカウトして引き抜いていく話とかあったら私はチョット読んでみたいです。(笑)
キングダムネタバレ-最強の羌瘣ロス対策
羌瘣はもう剣士としての力を失うでいいと思う。
羌瘣はいままで武力的には主人公よりも強い存在であったワケですから、ある意味決算時にはジョーカー的存在でした。
でなんで主人公を立てる為になのか、イチイチその本領発揮には呼吸の制限とか言ったデバフをかけたり、それこそ合従軍編では登場させないだのといった工夫が必要だったワケじゃないですか。
とは言え、それでもなんやかんやで史実の記述的には、主人公の李信を差し置いて王翦、楊端和と共に邯鄲を包囲して陥落させるまで名前が残るくらいの将軍になるワケなので、もう可哀想だけれども死にかけにでもしとくくらいでなくては、主人公の立つ瀬がない状態になってしまうんじゃないだろうか?
いや、ホントのコト言ってごめんな信。
まあ、とは言っても普通の強敵くらいなら浅い巫舞の呼吸でも難なくブッ殺せる程度の回復は見せるだろうが、既に羌瘣本人が362話で幽蓮を仕留めるときに『見てて象姉、これが私の最後の巫舞…。』っつってんだから、剣士としてのピークはアノ時が最後という解釈が自然なのではないかと思うワケです。
で、それはそうとここで重要なのは当面の話ですよ。
もう、殆ど独立軍としての体を誇っている羌瘣隊のトップである彼女が戦闘不能なので、羌瘣隊も絶不調なのが現状です。
羌瘣隊の5千人がどういった部隊構成なのかは謎設定なので、端的に言えば実質的に羌瘣個人のワンマンチームの体を現しているのですが…、
そういった意味でも、神(作者)としても、そろそろ羌瘣隊に独自の部隊として何らかの特色や仲間を与えてあげても良いんじゃないか?などと言った路線で予想を立ててみるコトも可能なんじゃないかと考えたりできそうです。
で、ここで予想したのは、現在、羌瘣を取り巻く巫舞族としての環境を整理してみるとそれは自ずと分かりそうな気がしてきます。
まず、662話ラストの羌瘣個人の精神内描写で出てきた巨大な黒い影についてなんですけど…、先ず明確に分かる範囲で言えば、アレの登場も信の命を禁呪で救ったコトによる作用の延長なのだと思います。
いま気になって読み返すと、象姉が632話で信の命を救った禁呪は“蚩尤族の奥義とは真逆にあるモノ”であるというコトと“誰も使えなかった”というコト。
さらに、“他の術も使えなくなったり、弱くなったりする”等といった事後説明をしていました。
羌瘣は事実として“祭”を通して蚩尤になったワケではありませんが、対幽蓮戦で魄領の域まで巫舞の呼吸を深化させ、実際に自分の妹を手にかけてまで名実と共に蚩尤になった幽蓮を仕留めてたワケですから…、
彼女はある意味で伝統としての巫舞や求道者としての巫舞の在り方を、たった一人の意思で完全に粉砕してしまっているワケですよね。
特に、信を復活させた禁呪の発動に関して言えば、象姉が632話で“蚩尤族の奥義とは真逆にあるモノ”と解説しているコトをもう少し吟味してみれば…、
この禁呪を発動させる巫舞族が出てきたという事実も殆どそれまでの彼女らの文化否定に繋がるぐらいのインパクトだと思うんですよね。
で、私はこの事実を自分なりに拡大して解釈してみたんですが…、
662話ラストで羌瘣の夢枕に出てきた巨大な影とは、強いていうならこれまで羌瘣を含む巫舞族の全てを深層心理で支配してきた、集合意識※みたいなモノなんじゃないかと推測しました。
【※まぁ、私自身フロイトだのユングだのといった心理学をキチンと学んだワケでもないのでちゃんと説明できる自身はありませんでスイマセン。】
なんとなく巨大な黒いシルエットが羌瘣自身に似ているのと、怒っている様にも見えるので、ここはシンプルに羌瘣自身が抱くイメージの投影だと思います。
んで、問題なのは上述の通りに、これまで羌瘣自身が巫舞の術を使って起こしてきた事実からの一連性が何を起こしたか?という部分ですよね。
羌瘣やったコトは、それまで数百年間もの間、多くの巫舞族の女を拘束し続けた歴史の重圧を…たった一代でアッサリと打ち砕いてしまったのですから…、
なんなら初代の蚩尤やらから蓄積してきた巫舞の文化的な集合意識に大きな衝撃を与えてしまったのではないかと推測しました。
結果だけ簡単に予想すると、巫舞族にある種のシンクロニシティが発生して、そこいらの巫舞族の集落で…、(羌族、幽族、蛾族…)
羌族のA『あれ?もう“祭”なんかヤル必要なくね?』
幽族のB『そういえば何で“蚩尤”なんかになりたかったんだろう?』
蛾族のC『つーか、なんだか無性に村の外に出たくなって来た。』
羌族のD『ああん ♡ 急に男のチ〇ポが見たくなってきた。』
羌瘣のババア『儂もじゃ!』
見たいな感じで、それまで全ての蚩尤族を深層心理で拘束していた、ある種の呪縛みたいなモノが消失して…、
結果的に蚩尤族がテンデンバラバラになって、羌瘣が望んだ通りに“祭”が起こらなくなるという顛末に繋がるのではと考えました。
そして、羌瘣は剣士としてのピークを過ぎているという問題を抱えてはいるのですが…、
上記の結果として社会に解放されてヤルことが無くなった蚩尤族の数名が羌瘣に接点を求めてきたらどうなるでしょう?
半ば傭兵団的に羌瘣5千人隊に合流して、羌識と羌礼を中心とする蚩尤部隊を結成。
そして、我呂が『そこらの普通の五千人隊と変わらん…』とか言っていた部隊が、一夜にして、そこらでヒュンヒュンヒンヒンと唸る剣風と共に阿鼻叫喚をまき散らして死の山を築くチート部隊の完成とはなりませんかね?
ちょうど羌瘣が禁呪を使ってから時系列的に、半年から1年弱ほど経っているので、羌瘣が寝て起きて外に出たら合わせたように村を捨てて出てきた識と礼が居て『祭なくなったのでここでバイトさせて~?』みたいな感じで合流してきたら、全員WIN&WINだとおもうんですよね。
そろそろ第56巻のオマケ漫画で出てきた、羌識と羌礼の祭がどうなったかも気になるので。
― キングダムネタバレ最新663話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。