( 王翦さんたちの持ち場 作画引用元 原泰久先生 作 キングダム第773話)
李牧さん、今回は奇策使ってみたようです。
宜安戦の対桓騎軍のときの合戦は、ただただ数で圧倒するのが基本でしたからね。
桓騎を相手にした際は、彼の奇策に付き合わない為に、李牧も策を用いない。
逆に慎重な王翦に対しては、挑発ともとれる誘いを施すということで、傾向と対策の在り方としては、けっこう良いんじゃないでしょうか。
亜光の前に突然姿を現した李牧さん。
王翦も誘いと分かっているものの、さらに誘いと見切りつつ、李牧への強襲を試みる亜光さん。
しかし―、
当然、李牧とて、亜光の予想される行動パターンに応じて、この後の、動き方の準備をしているハズです。
A:亜光が李牧に襲い掛かるパターン
B:亜光が李牧をスルーしたパターン
そして亜光の反応に関する、上記のAまたはBの動きに加え―、
①:亜光と他の秦軍までもが強襲してきたパターン
②:亜光がスルーして、他の秦軍が強襲してきたパターン
③:亜光以外の秦軍まで李牧を無視するパターン
李牧には、AB×①~③に対応すべく、最低でも6パターンの対応プランが在ったことでしょう。
例えば秦軍的には、ある意味、李牧さんほど秦軍に有益無害な敵武将など居ないのですから、亜光が李牧をスルーした上に、他の秦軍も李牧を無視する、A③パターンで対応するのが最適解だったんじゃないでしょうか??(笑)
個人的に、この李牧完全無視パターンは物凄く見て見てみたかった思いがします。
李牧『…誰も、構ってくれませんね…。』(林の前で静かに涙を浮かべる李牧)
モブ騎兵A『そ、そんなコトありませんよ!(汗)』
モブ騎兵B『そうだ李牧様! クリスマスツリーの飾りを付けましょう! きっと亜光将軍も気づいてくれますよッ! オイ、みんな手伝え!』
…ゴソゴソ。
クリスマスツリーの飾りを付けた李牧『なんでしょう? 亜光どころか、楽彰とフーオンの心が私から遠ざかっていくような気がしませんか? ご覧になられました? さっき私を見たトキの、ゴミを見るような彼らの冷やかな目を…。ウッ、ウグッ…、ヒックヒック…。』(林の前で嗚咽する李牧)
否! 秦軍にとって有益無害な敵武将であれば、無視は良くありません。
ココは秦軍の皆でお礼を言いに行きましょう。
亜光『何だアイツ、構ってほしいのか?』
王翦『察してやれ亜光、それは“お誘い”だ。』
李信『李牧、いつも油断してくれて、俺達の応援ありがとうな!』
王賁『毎回悪いな、だが、今回くらいはちゃんと趙軍の為に仕事しろ、それがお前の責務だ!!』
(…とか言いながら、秦軍全員でボコボコにする。)
李牧『…良かった! 桓騎だけじゃない!!今回も秦軍のみんな、俺のコト構ってくれる!!(歓喜)』
この展開であれば、みんな幸せになれます。
しかし! 今回、神(作者)様が選択したのは―、
おそらく李牧さんが戦闘の前提として期待したであろう…、
反応Aとして、亜光が強襲に来る反応を引き出しました。
李牧の誘いである事を見抜いている王翦としては…、
主力の亜光に李牧をスルーさせて、他の部隊で李牧の牽制対応を望んだかもしれません。
というか―、
また、何を神(作者)様は、シレッと李牧を趙軍最後尾からワープさせているのでしょう?(笑)
亜光も亜光で、李牧の影武者さんかもしれませんし、強襲したところで李牧には脱出の裏付けが在った上で姿を見せていることなどは、少し考えれば思い至るハズなのですが…、
亜光さんも亜光さんで、李牧の首の価値はともかくとして、目前の楽彰軍を軽く見過ぎているキライが在るように思います。
とにかくとして、信頼関係第一のハズの王翦と亜光の間に、早々と認識のズレが生じた部分で、初っ端なら秦軍に致命的なエラーが生じつつあります。
ではでは、今回もキングダム本編を振り返っていきましょう。
キングダムネタバレ-三つ軍の緒戦
飛信隊から開戦して、楊端和軍も突撃します。
迎撃の矢を放つ舜水樹。
真っ向から矢を浴びる山の民軍。
骨珉伯『ギャハハ!猿、やっぱり猿!!』
うーーーーーんww
読者としても“ヤッパリ”な、小物感満載の舐めプ反応を示す骨珉伯、流石です。
しかし、この程度では止まらぬ山の民軍。
バジオウ軍の突撃につづき、メラ族とフィゴ族も進撃し始めます。
秦国王宮でも、番吾の前の頭佐平原にて秦軍が着陣した事が報告されます。
また、本日時点に開戦される旨も飛鳥の伝達で報告され、王宮でも大いに意気が高まります。
嬴政『頼んだぞ…。』
で、再び戦線。
飛信隊がカナリ押し込みます。
干斗が若干、先輩風を吹かそうとして失敗している以外は、特段変わった様子がありません。
信が一人で出過ぎのようですが、田永や崇原が付いて来ているぐらいなので、大丈夫なんじゃないでしょうか。
対する袁環さんも、飛信隊の実力の高さを警戒していますが、飛信隊3万に対して自軍が7万で有利である点を、仲間に誇示してさらに士気を高めます。
袁環さん…、
恐らく自分自身が、殆どモブキャラに近い急造将軍であることを、よく分かっている方のように見受けられます。
なので、李牧さんと違って油断することはないと考えていいでしょう。
河了貂が、現状の戦力差をみて、飛信隊の持ち場が一番厳しい持ち場で、李牧軍的には彼らに一番有利な戦場であると考察しています。
しかし、彼女としては、袁環さんが一人で頑張っている趙軍左翼と違い、羌瘣隊もいて、後方には玉鳳も控えている状況を鑑みております。
この点で、彼女も、自軍の方こそ、ユニット単位数での有機的な動きで作戦行動できると考えており、決して自軍の強みを見失っている訳ではありません。
ただチョットですね…、
この後の展開初め、王賁の姿も含めて、本軍の動きや事情までを、河了貂の視野で把握するのは難しいです。
羌瘣はともかくとして、王賁とまでどの程度、意思疎通が共有できるかは、河了貂の期待する作戦展開について明暗を分けるような気がしてなりません。
キングダムネタバレ-王翦軍はノープランであることが判明
で、そんな王翦率いる中央軍ですが―、
今のところ動きはありません。
倉央『左右が始まっているのに中央が静寂って?ンハハ、どうした?趙中央ビビってる?』
倉央が語るには、王翦中央軍の相手する趙軍は正体不明という事で、一応、慎重対応で相対する方針であることが語られます。
まあ、倉央の言う通り、今の状況で王翦軍が慎重になるのは理解できるのですが…、
ぶっちゃけ言うと、相手の情報が全く分からないんだったら、そもそも戦争すんなよって話なのですがね。
と、そんな身も蓋も無い事を思っていたら…、
王翦軍としては慎重方針と倉央が言っていたソバから、亜光が動き出しました。
亜光『出るぞ。』
いや? 王翦軍は慎重に行くんじゃなかったの?
コレが王翦の下知なのか、亜光の現場判断なのか、亜光進軍の意図がちょっと分からないのが気に掛かります。
亜光だけが小出しに動いていくのが、どうも朱色平原戦で、王翦を中心とした田里弥・倉央の三将が、極めて一体感強く李牧本軍に対抗していたトキと違い…、
なんかですよ?
王翦軍の中で亜光が余ってしまったみたいな違和感を感じさせませんかね?
左右の翼軍のみたく、攻守の役割が明確になっている訳では無く、秦中央軍は攻めたいのか?待ちたいのか?どっちか分からん中途半端な動きを亜光が見せてしまっています。
その様子を見て、直後に反応したのが、趙軍 楽彰です。
配下に強駒であるフーオンを擁する楽彰軍ですが、亜光軍にどの程度通用するのでしょう?
いや? 通用しまくるでしょうね。(汗)
何故なら、亜光軍とは名ばかりで、その兵隊の八割は、設定上の士気はあるものの、対カン・サロ軍襲撃を喰らうまで、近年に於いて実戦に乏しいとされた東北軍皆さんなので、実際上は亜光軍などと呼べる代物ではありません。
正確に表現するなら、“亜光という武将が率いている東北軍”です。
くどい様ですが、名目上は王翦軍にして亜光軍なのですが、実態としては、ほぼ東北軍そのものと言って差し支えないでしょう。
今戦、そんな状態で、何故、王翦も亜光も自信満々なのか全く意味が不明なのですが…。
この様子を見ていたハズの同じく中央軍前衛の倉央さん。糸凌が『我々も始めますか?』と聞いて来ても…、
倉央『いや、こちらの相対する敵が動くまではまだいい。それより亜光の方が気になる。』などと答えます。
コレ、何気ない会話かもしれませんが…、
倉央は実に恐ろしい発言をしていることが明かされました…。
この発言の、一体何が、恐ろしいのか??
この発言から分かる事は一体何でしょう??
それはつまり…、
今回、王翦軍は、完全にノープランで会戦に臨んでいる事が分かってしまった事です。
有体に云うと、王翦、亜光、田里弥、倉央の間で、“一応、慎重に”という言う、極めて大雑把な話がされただけで、結局、各将がどのタイミングでどう動くか?
バラバラに放任されているだけの状態じゃないですか…、コレ。
少なくとも朱色平原戦のように、王翦が翼軍の機を見て、最大攻撃力で乾坤一擲を穿つような心算は一切ありません。
それどころか、前衛同士の倉央と亜光の間でさえ…、
待ちに徹するのか?迎撃時の補完関係をどう構築するのか?
攻めるなら攻めるで、攻撃力を最大化させるタイミングを共有しておく等、何の準備も見られません。
せっかく10万単位の軍団を動員しているのに、各武将が方針性も無く、バラバラの作戦行動を取っている…、
中央王翦軍では、緒戦が始まる前から、既に軍としての統一性を維持できていない事がイキナリ分かってしまいました。
其れだけでは無く、敵の中央軍が正体不明なら正体不明で、その解明、解析を試みる様子も全く見られないですよね…。
また、敗北したとはいえ…、いえ、敗戦したからこそなのに…、
一度は秦軍とやり合った、楽彰軍、カン・サロ軍、ジ・アガ軍に対してまで、何故、王翦軍は初めて出会った敵のような対応をしているのか?この点も私は全く理解が出来ません。
そんな状況の中で…、
亜光の行軍に合わせて、楽彰軍が歩測を合わせているように見て取る倉央。
後方の高所で、同じ様子を見て取る王翦ですが…、
王翦『速さ合わせ…、ではなく位置合わせか。』
王翦は、楽彰軍の側にある小さな林を見て勘づきます。
同時刻—、
遊撃軍の王賁も同じ見立てをしている様子が描かれますが、王賁はそれ以上に、朱色平原戦での麻紘の討死劇を思い出し、亜光自身が強襲を受ける事まで想定します。
王賁『…何かあったらいつでも亜光軍の援軍に走れるように準備しておけ。』
警戒しながらも、王賁目線では、中央軍の間に、森林が介在するのが邪魔になっているのが難点ですよね。
目前まで迫った楽彰軍に対して突撃態勢を取る亜光。
しかし―、
亜光の右側面に写った林には、少数ながら見知らぬ騎馬一団が待機。
なんと、その先頭には李牧がいます。
亜光『李牧!』
亜光が気が付いたのは、現場目線が在ったからですが…、大きく後方に居る王翦にも、その僅かな影が映った模様。
王翦『…右の森付近に敵の別働隊が居る。』
いやいやいや??
はるか後方に居る本陣で、その敵影に気づけるなら、何故、亜光を単独で動かしたのって話ですよ、王翦さん??
亜光も亜光で、大隊動かす前に、明らか視界の邪魔になり、玉鳳との連動を邪魔する“この森”があるの分かってたなら、ここは積極的に斥候使うべきでしょう。
※これ、亜光は前回の話で、ワザワザ王賁の居場所にまで足を運び、連携を期待するような細かさを見せている割には、絶対に目にしたハズの森林地帯の周辺把握を、何故か怠っているワケです。
いくら何でも、名将だったハズの亜光の劣化が酷すぎる…。
王翦『惑わされるな亜光、それは“誘い”だ。』
亜光『“誘い”は百も承知!だが、この亜光に対してその誘いは命取りだぞ李牧!!』
亜光軍、右方転進!!
右に出現した李牧の首を取る!!
亜光軍の皆さん『御意!!』
いや、亜光さん?
流石に李牧さんだって雁門馬のスピードで逃げれる成算あっての姿見せだと思いますけど。。
つーか、最初は慎重作戦だったのが、そもそも何の目的で、亜光軍は単軍で出て来ちゃったのでしょう?
逆に、李牧は亜光軍の単独行動を読んでたってことですよね。
王翦を中心に、諸将が作戦目的や意志統一が出来てない時点で、もう、キミたち、完全ノープランでここまで来ちゃっただろう!!(汗)
今度は亜光軍が保育園児のサッカーやってるじゃねーか!!
― キングダムネタバレそれ最新774話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。