(藺相如 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第597話 )
キングダムネタバレ-回想から回想へ
もしかしたら今回のキングダムは、最近になってキングダムを読み始めた方から見れば、少し分かりずらかったかもしれません。
今回の趙峩龍の回想描写については、藺相如から堯雲と自分自身へあてた言伝の場面と、さらにそこから、具体的に“中華について”の言葉を敵と交わすために王騎軍との対峙する場面によって構成されいました。
つまり、二重の回想になっています。
藺相如としても、ほかに藺家十傑として強力な武将は何人もいたわけですが、こと、自分の遺言の核心となるべき部分のメッセージだけは、この二人にしか託すことができなかった。
この場面にいたるまで、堯雲と趙峩龍がそこまで藺相如の信頼を得られるほどに、大きな実績を積み重ねてきたことがうかがえます。
キングダムネタバレ-2つの重要ポイント
さて、ここでは特に印象残っている部分が2点あります。
まず1点は、今回の597話で垣間見られる戦の結果から回想シーンを含め、どうも王騎よりも藺相如のほうが、全体の主導権を握っていたように見える点です。
キングダム考察①-主導権を握るのは藺相如
少なくとも会話に関しては、完全に藺相如のほうが主導権を握っています。
王騎将軍は今は亡き、かつての剛成君、政と王建王を引き合わせた、蔡沢老ですら、「ワシですら、ぁ奴は苦手じゃ…。」と言わしめるほどの男でした。(キングダム99話参照)
この一例に限らず、いままでどんな相手であっても、捉えどころの無さと人を食った態度を見せてきた王騎将軍です。
【※この点、その王騎将軍に無理やり酒を飲ませるほどの、ヒョウ公の押しの強さはさらに特筆すべきであろう。】
結果的に、ここで語られる“馬丘の戦い”戦果がどちらのものになったのかは分かりませんが、少なくとも、この場面の一連の会話の流れを見る限りは、将軍としての強さはともかくとして、少なくとも人物の存在感としては藺相如のほうが王騎よりも格上であったことが分かります。
また、趙峩龍が序盤で録嗚未に語ったように、この小川を隔てた場所に王騎軍の幹部一同をおびき寄せたという表現も決して誇張ではないことが伺い知ることができるでしょう。
キングダム考察②-照王と二度のコンタクト
この点だけでも、藺相如はただの趙国の軍隊のトップの一人ではなく、敵国同士とは言え、列国の王と同等の視点、政治的発想で趙国のリーダーシップをとっていたことが分かります。
この点、神(作者)としても、かなり史実ベースに寄せてきた部分ではないでしょうか?
前回のキングダムネタバレ記事でも、読者様から頂いていたコメントでも、廉頗や李牧(特に史実面において)のキャラクター色が非常に軍人的要素のほうが強く出ていることに対して、藺相如などは非常に、政治家としての側面が色濃く出せるキャラクターとして位置付けることができたのが大きな印象として残せることが挙げられています。
また、象徴的だったのは、麟坊が側近の槍を投げ込み、同じく堯雲が同時に反応し、同じく投擲を仕掛け、王騎を騰が守り、藺相如もまた趙峩龍の矛によって守られる場面です。
人物のしての格は藺相如のほうが上かもしれませんが、武将としての実力は互角。
つまり、実際の力が均衡を生み、静的な空間が生まれ、そして、そこで初めて、意義ある話し合いの場所が形成され、意味あるメッセージが託される。
まさしく、この世の真理として、力ある大国がリードし合う。国際政治の在り方の縮図がここに残されていると捉えることもできるでしょう。
そして、ここで最後に何故かではなく、やはり録嗚未が安定のイジられ方を見せることで、緊張緩和が図られる異なったのは流石です。
これが調和です、予定調和です。まさしく安定の録嗚未の真骨頂です。
最終的に、藺相如は六将として全盛であった王騎には、今は全ての意図が伝わらなくてもいい。
むしろ、「少しは分かっているハズ」程度の今の王騎であることを含めて“中華を熟させる”という意味も兼ねていたことは間違いないでしょう。
いつも間にか、回顧から一時のあいだ、戻ってきた趙峩龍の目が、信のまっすぐな目と、右手に握る王騎将軍の矛を捉えます。
まさか、今回のキングダム597話がここまで胸熱だとは思いませんでした。
趙峩龍、先週のネタバレ予想で、君のコト、もう李牧なんか裏切るぐらいでいいんじゃないのか?などと適当なコト言ってすいませんでした。
きちんと潔く、信と黙って向き合ってるじゃありませんか。
キングダムネタバレ-1つ目の遺言
趙峩龍がこんなに大きな口を開けて叫んでるのは初めてです、そして相変わらず、どこからが黒目でどこからが白目なのかがよくわからない目です。
今週も目が細いです、口は大きく開いたけど、やはり今週も目が細いです。
恐らく、信にとっては目が細すぎるために表情が読みづらい趙峩龍。
突然の本気の彼の攻撃に、一瞬、防御態勢を取るのが遅れたためでしょうか。堯雲と対峙したときのように、上体がのけぞるほどの強烈な一撃を喰らってしまいました。
ネタバレ考察①-中華補完計画
藺相如的には、趙峩龍の次なる回想で思い返される二つの伝言が彼なりの答えになります。
1つ目の伝言は―、
中華を統合する“剣“が現れたら、全力でそいつを殺せというものでした。
では、ここから語られる二つ目は何か?
おそらく、それは、ここで最後に始まった趙峩龍が命を懸けた、信との最後の打ち合いの果てに、趙峩龍と辿り付くことになるのでしょう。
藺相如が残した遺臣に打ち勝つことで、本物の中華統合の決め手になりうる“剣”になる。
そう考えれば、何となく、わかる気がするのですが、それは、言葉で語って得る感動ではなく、勝負の結果で生み出すもの。
敵も味方も含めて一つの中華を愛した主。藺相如の心意気とともに、信と趙峩龍の戦いを見守りたいと思います。
キングダムネタバレ第597話 武運を 考察 以上
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。
Twitter:しんいち ダム垢(@takikomigohande)