( 桓騎:作画引用元 原泰久先生 作 キングダム第752話)
ここ最近の神回続きで緊張感が高り過ぎまして…、
漸く、皆々様も、最後まで見届けたという感じでしょうか。。
いや、全くキングダムが最終回を迎える訳ではないのですが、なんと言いましょうか?
例えば、長編小説を読み終わった後の気持ちと云ったらいいのでしょうか??
例えば、司馬遼太郎さんの書いた“竜馬がいく”とか“坂の上の雲”とか…、まぁ、小説の内容がそのまま主人公である登場人物の人生で、その生涯の幕を以って物語が終わる…。
で、実際に、小説自体が何巻もボリュームがあるものですから、読み応えの軽い疲労感もあり、主人公とともに長い時間過ごした愛着もありで、何かしらの喪失感を感じるわけですね…。
うん、まぁ言語化するとそんな感じです。
すいません。
直接キングダムとは関係のない話ではございましたが、ここは主人公李信も、読者である我々も、全くの区別のないところでございまして…、
起こった事実を受け止めて進む。
これしかないわけでございます。
ではでは今週も、皆々様方とキングダム、本編につきまして、振り返ってまいりましょう。
キングダムネタバレ-那貴の問いかけ、召の答え。
宜安戦の決戦前夜、那貴と桓騎が赤麗城で交わしていた会話が回想されます。
桓騎『戻ってきたいと泣きつきにきたのかと思ったぜ、クク。…絶対に戻さねえけどな。』
那貴『…。フッ、頼まれても戻らないッスよ。(笑)』
そして―、
いま現在の那貴は…、前方に李牧、右方に向って桓騎の姿を視認。
突撃した李牧の陣の中で、何とか健在の那貴。
しかし…、敵の虚を突く形で登場した那貴一家ですが、ここから趙軍も、迅速な応戦を見せ始めます。
雲玄『この野盗上がりのクソ共がぁ!!』
ロビン『お頭ッ…!』
那貴『呂敏!!』
那貴の副官的立場であったロビンさんが、ここで早々に迎撃に遭います。
どうやら、立ちはだかる趙将は、死亡した上和龍の副官であった男の様です…。
クッソ!!
毎回毎回、一騎打ちで大将ロストした軍は、ほぼ完全に無力化されるのがオチのキングダムで…、何で、この副官だけこんなに優秀なんだよォォッ…。(泣)
那貴『どけ、俺がやる!!』
すり抜け様に一刀。
那貴が、この雲玄なる、優秀な副官を屠ります。
これはスゴイ!!
しかし―、
ドッ!!
…既に一家の半数が脱落した那貴一家。
背後から、如何ともし難い、敵兵からの刺突を受ける那貴。
胴を貫かれながら、那貴は何を思うのか??
那貴『…お頭、、俺はあの夜知りたかったんだ…。お頭は何のために戦ってんのかを…。本当は、、何処に向かおうとしていたのかを…。 お頭…。』
那貴は…、恐らく相当なまでに、桓騎のすぐ近くに迫っていたのだと思います。
急な気配の喪失に気が付いたのは、リン玉さんです。
リン玉『!?那貴が…、やられた!?』
桓騎『……。』
一方、その頃の飛信隊。
これまでの話を聞き続けていた李信が、瀕死の召に問いかけます。
李信『…桓騎にとって摩論達が家族なら、砂鬼(一家)、お前たちは一体何なんだ??』
摩論『そうですね…、今思い返してみても、貴方たち(砂鬼一家)は、ずっと危険な戦地からは外れていた…。普段も「砂鬼は危ないから近づくな。」と言って、粗暴な我々から遠ざけられていた。お頭はずっと、貴方たちを守っていたように思える。』
それは何故か?
召『うん、守られていたと思う。それは…桓騎にとって砂鬼一家は❝家族❞ではなく、、、❝故郷❞だから。』
李信『故郷?』
召『そう…、根無し草の皆を連れて、いつか帰る場所…。』
瀕死の身体を押して、召は語り続けます。
『桓騎が戦い続けていたのは、ただ帰ることが出来ればよいという事ではなく、帰る前に“落とし前”つけて納得してからでなければ…、虐げられてた者たちの痛みと、偲央の無残な死の落とし前を、もう仕方がないと諦めきれずに、桓騎だけが納得できずに怒り続けていたんだ。』と―。
李信『ふざけんな!だからって何でもしていいって話しじゃないだろ!!』
召『もちろんそう…、飛信隊の信? 桓騎はきっと、キミのこと…、好きだよ。』
李信『はぁ!?』
そして―、
最後に、今まで被っていた頭巾を外して、焼けただれた素顔を李信に見せる召。
李信『…!? それを、、ガキの頃にやられたのか?』
召は語り続けます。
皆がこの顔を見て、恐怖して、同情と哀れみを注ぐ中、桓騎だけは違った事。
始めて召の姿を見た桓騎は、まるで、水たまりで転んだ友を見るような目で笑い、それが召にはたまらなく嬉しかったと。
召『信、桓騎はそういう奴なんだよ…。フッ、、なんとか話切った…、衣央、琳…、今までありがとう。先に行って待っているよ、、僕たちの聖地で…。。』
李信『オイッ!!』
召くんの言葉、これかキングダムで描かれた、桓騎という謎の答え…。
まぁ、正直言いますと。
桓騎が山陽編で登場して、黒羊戦を経て、これまで抱いてきた桓騎の正体について、期待したような答えでは無かったという部分はあります…。
これまで十年近く、キングダムという漫画で、桓騎という存在と、時代を共に過ごしてきたワケですから…、
今まで描かれてきた桓騎の姿とは裏腹に、どこか感傷的で“自分達の居場所を守りたかった”的な、ある種の“ネバーランド”こそが桓騎の全てだった…。と云うのは…、
大将軍という生き様やリーダー像が描かれるのが、醍醐味であったキングダムという作品からしてみれば、『あれ、こんな作品だったけ?』という拍子抜けした感じが拭えなかったからです。
この顛末は、李牧が云うように『思想家としてはそれでいい。』と同感を得る反面で…、
『とは言え、それは“将軍として在り方”は失敗しているんじゃないか?』という、ある種の壮大な“梯子ハズシ”を喰らったような気分を覚えると共に…、
結局、桓騎は過去の因縁の世界から、抜け出せないまま、白老や張唐らが指し示めしてくれた“大将軍”への道を、結局歩まずに、武将として未完成のまま李牧に討たれるのか?という部分を先週まで感じていたのは確かなのですが…、
まぁ…、それも今となっては、正直、『これでもいい。』と感じてしまっているのも事実です。
理由は、李牧の桓騎への、人物理解として、上記の通り、『思想家としてはそれでいい。』という、落としどころがあったからです。
もう少し強いて言うならば…、
フランス革命で無茶した、ロベス・ピエールやら、カストロと袂を別った、ゲバラみたいなリーダーの在り方だと考えれば、これは自分の中では納得がいく…。
そう…、予想外の部分で、こうした李牧の様な、桓騎軍に対して、ある種の傍観の立場に徹した趙軍の皆さんのお陰で、桓騎も読者も、何処か救われた部分があるように感じます。
そう考えると…、
今回は敵も味方も、お互いの掛け合いがよかった、一連の神回だったと思えるわけです。
キングダムネタバレー決着
那貴、喪失後の桓騎の突撃。
再び姿を現した虎白公。
まぁ…、やはり出てきましたか…。という感じはします。
迎撃に出るリン玉さんの、左手を切り落として、桓騎に迫る虎白。
虎白公『桓騎ィ!!』
桓騎『何だよ?』
ザンッ!!
虎白公『!?』
そのまま側頭部からスライスされる虎白公。
上和龍さんもそうなのですが…、
メインの李牧一家の代わりに犠牲になってくれて、お疲れ様…。という感じでしょうか?
最初から、コレが虎白公の役割だったのだと思います。
職業として戦争してて、部下の恨み&上司(扈輒)の恨みとか…、前々から『今更なに言ってんの?この人…。』という感想を持たせてくれた、この人物なのですが…、
今にして思うと、そーゆーピエロにも等しい役割を、李牧たちに代わって演じてくれていた事を思うと…、ラスト、桓騎自らの手で、退場させられたのは救いでしょう。
しかし―、
桓騎の最後の突撃に動いた武将は、この虎白公が最後です。
李牧までの距離は、アトどの程度か??
桓騎『まだやれるかリン玉?』
リン玉『余裕!』
この二名を入れて…、桓騎の仲間は五人のみ。
桓騎『クク、じゃあ…、行くぞ!!』
再度、突撃を繰り出す桓騎。
コレを遠目に見ているのがフテイでした。
フテイの側近『行かなくていいのか!?』
フテイ『ああ、…行くまでもねェよ。』
李牧の近くには、騎馬するまで回復を果たしたバフージが待機。
横目で、李牧の安全に気を配ります。
李牧『(桓騎…。)』
やがて…、
リン玉さんを含む側近達も、趙兵の槍が貫くに至ります。。
何も、一切の指示を出さない李牧ですが…、如何ともし難い、単純兵力の前では、当然の結果。
何より…、
今回ばかりは、敢えて何も指示を出さずに、見届ける事に徹する李牧も見事です。
リン玉『(クソ…、ここまでか…。最後まで供が出来てよかったが…、一人にしてすまねェ。。)』
桓騎『(気にすんなリン玉、すぐに行く。)』
趙兵『よォし!残るは桓騎だけだ!!』
フテイの側近『今なら、桓騎を生け捕りにできるんじゃ…。』
フテイ『ンな残酷なこと言うんじゃないよ。』
ッ!?
どーして、フテイなのにッ、そーゆー粋でカッコいい事言えるんだよォォォッ!!(泣)
李牧もそうですが…、フテイもまた桓騎一家と戦で交わることで、著しく人物としての成長を果たしたものだと考えたいです。
ぶっちゃけ、最早、李牧ですら桓騎を手に掛けるに値するキャラクターが居ないこの戦場…、
無数の槍の穂先が桓騎に向けられる。
その刹那。
桓騎の脳裏に浮かんだ者は?
偲央『だから一人で苦しむって言ったでしょうが…。』
お前のためじゃねーよ。
偲央『じゃあ私たちのために。』
うるせェ、俺が勝手にムカついてるだけだ。
偲央『あっそ。』
雷土『お頭!次はどこで暴れるよ?北か南か…??』
雷土、お前…、北がどっちとか知らねえだろ。
黒桜『私は南がいいな、あったかいほうがいい。』
リン玉『おれはどっちでもいい、お頭と一緒なら。』
那貴『同じく~。』
雷土『ああん!?那貴てめェ!!』
オー、手前ら。暴れる前にお前ら連れて行きたいトコロがあるぜ。いいよな?偲央。
リン玉・黒桜・雷土・那貴『ん??』
偲央『ウフフフ。』
黒桜『何だコイツ!?なんか勝ち誇ったよーな?』
リン玉『何処に連れて行ってくれるんだ??』
偲央『…私たちの聖地だよ。』
以下—、史記趙世家を記載。
三年、秦政赤麗宜安李牧卛師、興戦肥下、却之
同時に…、
戦国策 趙巻を並記
李牧敷破走秦軍、殺秦将桓騎…。
か、神(作者)様…。
文献上、どっちの説を採用するか、当然のこと滅茶苦茶気になっていましたが…。
まあ、確かに矛盾はしないけど、両方採用て…。
いや…、
それよりも、今回は、めちゃクチャ神回を続けてくれて、ありがとうございました。
全てを出し切られたと事と思います、本当に感謝が尽きません。
これは来週、休載でも仕方ないです。
そして―、
桓騎、ありがとう。
桓騎一家も今までありがとう。
お疲れ様。
どうか、聖地でゆっくり休んで欲しい。
読者の皆様も、この神回続きであった怒涛の数週間、本当にお疲れ様でした。
― キングダムネタバレそれ最新752話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。