(韓非子:作画引用元 原泰久先生 作 キングダム第758話)
韓非子さん?
どうせ議論するなら、李斯や嬴政とバッチバチにヤリ合えばいいのに。
確かに李信は秦軍の中でも、際立った武将だとは思うけど、戦う相手を間違えていないか?韓非子先生…。
今回のお話は、介億が堂々としてて、もの凄くカッコいい!!と思った回でした。
また、李信も李信なりに、韓非子の問いかけに対して、愚直に、自分自身の言葉で返答しようと苦しんでいるのを見て、とても応援したい気持ちになりました。
ただ、その反面で…、
ちょっと渋い感じを受けたのは、韓非子自身への印象です。
李信に対して『説得できるかい?』等と絡んで来たのはいいですが…、
コレ、適当に冗談で済ませておかないと、秦も韓も、双方で落としどころを見失ってしまう恐れがあり、非常に心配です。
介億が『その者はただの護衛にすぎません。御戯れを、韓非子様。』等と云うように助け船をだしてくれるかもしれませんが…、
仮に、韓非子がマジに、李信からの返答次第で、秦への招聘に応じるか否かを決める心算だったら…、
はっきり言って韓非子は、頭がどうかしているオッサンだと思います。
これで、秦が外交失敗しても、それは韓側が、秦国特使介億を、❝特使として遇せずして❞に無下に突っ返したという事実に他ならないので、寧ろ、下策にしかならないからです。
それだったら、最初から秦に来朝を見合わせてもらった方が全然ヨカッタという事になってしまいます。
この点、恐らく韓非子は、李斯と決定的に違い、好奇心が勝る優秀な法学者ではあったとしても、政治家としての立場までを、それほど重んじているワケではないのかもしれません。
ではでは、ココから先のキングダム予想を進めていきたいと思います。
キングダムネタバレ-外交からの顛末を予想、韓と秦のメリットは何処に?
まァ、キングダムでは、往々にして史実とはキャラクターの設定が大きく違ったりと云うのはよくあります。
ホーケンなんて、李牧に歴史上野手柄や功績を全部横取りされて、頭がバグっている武神になってましたから。
で、今回、注目されるべき韓非子さんなのですが、登場して早々、かなり史実との立ち位置の違いが見て取れます。
まだ、具体的には解説されていませんが、こうして秦との外交のカードにされている様に、かなり韓の中で重宝されている様子が分かります。
そもそも、国同士の関係性から言っても…、
史実だと、韓非子が、韓が秦に伺いをたてに行ったのに対して、キングダムでは、秦が韓非子の居る間に、お伺いさせて頂いている体になっています。
まあ、外交の場に韓非子が立っているという点では、同じなのですが、韓が秦の足元を見ている外交展開になっているのが、大きく史実と違うトコロです。
また、史実だと、韓非子は韓の国では、どちらかというと、使えない厄介者みたいな扱いで、あまり意見が用いられなかったと様子ですが…、
キングダムでは何か?
宰相や王の意見が、介億に通じないと見るや否や、その場を丸投げされるくらいの格のあるキャラクターになっています。(笑)
最高責任者なのに、何故、自分で決めれないんだ王安王と張宰相??
これ、仕事という意味では、コロコロ担当者が変わる、厄介な取引先と凄く似ている気がします。
で、はい。
ここまでの話だけで、なんとなく韓という国の外交姿勢が分かります。
どううやら、のらりくらりと論点ズラシをしつつ、態度を明らかにせず、❝緩衝国家としてスルーしてもらう為に、他国同士で争ってもらう❞事で生き延びてきた国なのだと思います。
そして―、
確かに、韓にとって秦と同盟を長期間結べるなら、その利益が大きいのはよく分かります。
魏も趙も、秦に韓を抜かれるのはマズいわけですから、外交で秦の東進を止めたことで国際社会の評価も高まります。
何より、同盟を口実に、秦が攻撃しなくなるだけでも大助かりです。
しかし―、
その反面で、秦にとっては韓非子を手にしても、結局はデメリットの方が大きいように思えます。
同盟が原因で韓が滅ぼせないなら、列国制覇が何も進みませんからね。(※まァ、史実の様に、実力差で事実上の属国扱いになってしまう可能性が高いですが。)
そこで、有り体に言えば、王安王と張宰相が『韓非子やるからこれ以上、韓を攻めるな。』と持ち掛けたところでしょう。
とは言えですよ?
秦にメリットや妥協点が無い事を、王安王と張宰相が何も考えていない時点で、これは、韓にとっての交渉方法としては、悪手にしかなっていません。
こんなの秦にとって逆に言えば、、、
『じゃあ、これからガンガン攻めてやっから、止めて欲しかったら韓非子を使者として咸陽に送って来いよ?』で済む話だからです。
そうなれば、秦はそれまでの間に、韓の領土と最終的に韓非子の身柄確保まで持って行ける可能性があるので、メリットしかありません。
うんうん、結局は史実展開と同じことにしかならないので、何の為に、キングダムの展開が、何故わざわざ歴史と逆張りしているのか、意味が分からなくなってきあす。
そして、介億にとってみれば…、
会談予定に無い❝同盟❞が条件として突き付けられたならば、これって、もう仕切り直し案件として、国に持ち帰るしかないです。
介億『それでは仰せの御意、しかと賜りました。重ねて申し上げますように、同盟の成否について、私はその権限を持ち合わせておりませぬので、大王の叱責を覚悟して、一度、秦に戻り、朝廷の裁可を奉じて参りたいと思います。』
まあ、こんな感じの口上でです。
そして、持参した金品等は韓に押し付けて行って、それでいて韓非子は韓を離れずとなればどうでしょう?
そうなれば“貸し”です。
介億も言っていますが、タダでモノを貰うほど、怖いものはありません。
何より、法治国家制度を目指すワケでもない韓が、韓非子を韓に残して、何にどう人材として活かすのかも不明です。
そういう意味では、、
今回の交渉って、提案したはいいけど、明らかに王安王と張宰相は断られたらどうするのかについて全く考えていないのが、めちゃクチャ痛いことがよく分かります。
なので、王安王も張宰相もそうですが…、
バカじゃ無ければ、絶対に何処か、秦に対しての妥協点を用意しているハズだと考えられます。
王安王『え、介億さん怒った? ゴメンゴメンゴメン!!! 言い過ぎた、言い過ぎた、言い過ぎた!! ホントゴメンゴメン、さっきのウソウソウソウソウソウソ!!』
張宰相『そそそそそそ! 介億さん? あの? もう帰るなんて言わないですよね? オッケーオッケー!社長(王安王)? じゃ、さっきの無しの方向で(汗) もう韓非子なんて要らない要らない! アイツ大嫌い、マジでムカつくから! サッサと秦に持って帰って♡』
いざとなったら、これくらい言ってくれないと。
でも多分…、
王安王も張宰相も、バカとは申しませんが、恐らくそこまで深く考えていないでしょう。
だからこそ、落着点など何も考えずに、結局は韓非子に丸投げしたのだと考えられます。
キングダムネタバレ-韓非子、思想家としての興味
韓非子は思想家ではありますが、流石に公子としての立場も併せ持つので、政治について、まるで理解していない訳ではないと考えられます。
(ただ、見た目はエエかっこでも、趙のヤル気だけ王子の例(※嘉太子)もあるので、心配ではあります。)
なので、韓非子が外交特使である介億を無視して、何故か、護衛に過ぎない李信に声を掛けているのは、それなりの理由があっての行動だと思いたいです。
若い武将でも、戦場で決して略奪等を行わないという、キングダムの中では、際立った特徴を持つ李信だから、そこから秦王嬴政の輪郭を掴もうとしているといったところなのかもしれません。
なので、ここからの展開を考えれば―、
李信は確かに直感的な部分で、バカではないというか?
キングダム連載初期から、"いざという時に発揮される謎のコミュニケーション能力”で、山の民の心を掴んできたり、王騎将軍やヒョウ公から指導してもらえたり、初対面から蒙家の皆さん(白老、蒙恬)に気に入られて助けてもらえたり、…、
それだけでは無くて、敵だった輪虎や廉頗から薫陶を授かっていたり、万極とも剣を交えて語っていたりと、なんやかんやで一番嫌いだったハズの桓騎からも好かれていたりとか…、
兎に角、対人的な関係性に於いては、めちゃクチャ恵まれている存在なのは間違いがないので、結局は、韓非子にも気に入られてしまうのだと思います。
こうして考えると、今一番気になる前回ラストの場面の続き、李信が韓非子の問いかけに、どう答えるか?について、少し見えて来るような思いがします。
また、例えばですよ?
韓非子は李信に人は、善か悪か?
性善説か性悪説か??などと聞いてきていますが…、
実は、これと極めて近い構造の問答が過去のキングダムでも展開されていた事が思い出されます。
それが、王都奪還編にて、生協(成蟜)と対峙したトキです。
あの時、生協(成蟜)が性悪説を拠り所にした、王権の在り方を語っていたの真っ向否定したのが李信でした。
で―、
あの時はあの時で、かなり初期キングダムの見せ場ではあったのですが、、、
それ以降、李信は成蟜互いに成長し、成蟜の今わの際に再開を果たし、その後にも、李信は桓騎とその一家と絡みを経て、現在の人格を形成するに至っています。
そして―、
おそらく、その結果として、、
李信は李信で、韓非子が言っているような、現実から乖離したような善悪二元論とは違う、現実に即した、醒めた答えを云ってくれるものではないかと予想します。
例)
李信『あぁん? 難しいことはよく分んねーけど、俺の仲間にはイイ奴はたくさんいる。…でも桓騎みてーな奴は確かに悪党だったと思う。ただ、俺が戦ってきた万極って奴もそーだが、その桓騎にも、悪党なりに何か譲れねえもんがあったから戦ってたのは俺にも分かる。でも、そうは言っても、どうせ、お前らから見たら俺たちは全員悪党なんだろう? お前の云う、人が善か悪かなんてのは、結局、お互いに決めつけ合って戦争している間は答えが出ねえ。
だから―、俺の王様は戦争を終わらそうとしてるんだ。』
そして―、自分の想定以上の答えを発した韓非子もまた…、そんな李信という武将を用いている秦王嬴政という人物に、より強い興味を抱き…、
韓非子『ま、まずまずの、こ、答えが、き、聞けたな。き、君の王に、わ、私も会って、見たいぞ。』
とかなんとか言いだして、秦へ赴く流れが進んでいくものと予想します。
で―、
韓非子先生が、言論ガチのレスバを展開するのは、やはり李斯や嬴政と会合を果たしてからの話でしょう。
ワザワザ、神(作者)様が、介億を使者に立てながら、韓非子が話しかけるのは李信とした理由は、嬴政に興味を持たせる導線と考えるしかないと思います。
神(作者)様としても、脇役というか議論するうえで邪魔者に過ぎない、王安王や張宰相らが居るようなトコロで、李斯や嬴政とガチバトル
させる事はないと思ったかもしれません。
少し早いですが、今回の王宮会談を総括すると―、
介億さんは、しっかり仕事しました。
着地点の無い要求を吹っ掛けた、王安王や張宰相の交渉方法って、、、。
あたかも、初めて会った気に入った女性に、イキナリ何も手順を踏まずに、『好きです、付き合ってください。』
もしくは―、『今すぐヤラせて下さい。』とか云うているようなもんじゃないですか?
それをやんわりと介億さんに切り返されて、なんも言い返せなくなり、韓非子だよりで詰んでしまった時点で、王安王&張宰相側のレスバは、“化かし合い”どころか、3回コールド負けの“バカ試合”として見事に消化。
4番ピッチャーの介億クン、満塁ホームラン連発&完封ですよ。
そして―、
韓非子⇒李信⇒『秦王に会ってみよう!』に繋げたものと分析、予想いたします。
いや~、来週が楽しみです。
― キングダムネタバレそれ最新759話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。