( 李牧とカイネ 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第704話)
いや~、今年最後のキングダム面白かった~。(笑)
新キャラ、新部隊も出てきたのは勿論、趙軍は、李牧や司馬尚もそうですが、封建制の国だけあって、地方ほど優秀なリーダーが散在していることが分かります。
狼孟城の公孫布さんも、地味にいい味を出しています。
信もようやく楊端和の魅力が理解できる歳になったか。(笑)
妙に女子率が高かった今回のキングダム。
玉鳳軍は未だに、影丘での損傷を復旧中でしょうか?姿が見えないのが気になります。
ではでは、来年に向けた布石としての大きい、今回のキングダム、振り返っていきましょう。
キングダムネタバレ-狼孟と閼与の攻防
扉絵では恐らくカイネ…、と、その子供たち?
明らかに李牧遺伝子のキャリアーと思しき僕ちゃんたちが、カイネを中心に微笑んでいます。
たくさんの羊が無く放牧地で…、
カイネ『はーい、ご飯にするよー。』
子供たちが『はーい、母さーん。』と答え、牧場作りに勤しんでいる李牧と思しき男性を相手に、『お父、抱っこ~。』というこで…。
確実にカイネの夢ネタであることがよく分かります。
夢の中の幸福を噛みしめるカイネですが…、
李牧『カイネ、カイネ…、カイネ? 起きなさい。邯鄲に戻りますよ、スグに準備を。』と起こされてしまいます。
これ多分、アレやぞ。
李牧がこうして起こしてくれんかったら、凍死してたかもしれんぞ、カイネ。
邯鄲帰路の道中、不意に『邯鄲に戻らず、このまま李牧様と雁門に帰りたいなー。』と吐露してしまうカイネですが、慌てて不自然な咳払いでごまかします。
聞かぬふりをしているように見える李牧でしたが…、
李牧『いつか全てが終わったら、一緒に雁門に帰りましょう。』
未来への希望を込めたのか?それともカイネの気持ちも汲んでくれたのかは分かりませんが、思わぬ李牧の言葉にカイネは戸惑いを感じます。
うーん?
しかしながら、史実知っている読者的には、『やーめーれ李牧。逆の意味で不幸な方向へのフラグに感じるやろが。』と、若干ネガティブな顛末の方を想起してしまい止みません。
李牧が独身男性であるのは、史実とも大きく違うのがキングダムですが、呂不韋ですら存命を図ったキングダムなので、最後はもう全てアホらしくなった李牧が、カイネと一緒に、生きて北方に帰っていくような最後でもアリかと思えてきます。
『国のリーダーが趙王から秦王に代わっても、大して俺らの生活変わらんかったワ。』みたいな感じで、
李牧は単に軍人として強いだけで政治的な思想性は正直ゼロなので、このまま政治そのものから距離をおけば、命だけは助かると言う路線もありなんじゃないかと思う。
さて、王都に戻った李牧ですが、宜安の視察結果をもとにすぐさま青歌と狼孟の地に伝令を飛ばします。
この青歌への伝令を受けて、狼孟の地に馳せ参じた男が2人。
新キャラのカン・サロとジ・アガです。
見た目も名前も異民族系ですね。
しかも、遼陽犬戎よりもデザイン仕上がっているのがいいです。
見た目で強キャラっていうのは分かるんですが、特にカン・サロさんのほうは、青歌を代表する手前で、いち城主と指揮権交渉しているあたり、武編一辺倒の人物ではないということがよくわかります。
ジ・アガさんのほうは、キングダム初期の王都奪還編で逝った魏興さんを、カッコよくして復活させたみたいです。
彼と対談しているのは、狼孟城城主の公孫布さんですが、面貌に傷があるように、彼自身も軍を指揮することができる武人であるように見えます。
三国時代の公孫氏とは全くの別なのでしょうが、北方領域に公孫性を名乗る武将が出てくるあたり、神(作者)様も北方という地域性を重視した展開を準備しているように見受けられます。
カン・サロが、公孫布に気を遣い、狼孟軍を中心に、青歌軍との共闘で秦軍の迎撃を提案しますが、公孫布もまた名君の一人でした。
何より、李牧が推挙する二人であることから、自軍兵を心置きなく、カン・サロとジ・アガへの指揮下に委ねます。
これは、部隊の二重指揮権を回避する上でも立派な即断だったでしょう。
また、軍としての実績は不明ですが、狼孟軍そのものもカナリ勇猛な軍隊であると形容されています。
公孫布さんとしては、邯鄲の喉元にまで迫った秦軍が、今更こんな北の戦線を攻めるものかと、半信半疑ですが、カン・サロとしては、この北辺への誘導こそが李牧の策であると説明します。
いや、まァ~、公孫布さんの所感が正しく常識的な判断なのですが、それにしても改めて、『邯鄲を攻めたところで王族が来たに逃げるかも?』などという、なんとも優先順位をはき違えた判断で、王翦と昌平君が北上を決め込んだものです。
コレを李牧が秦軍の本営側の心理として見抜いていたかどうかは、分かりませんが、未だにこうして北方戦線編が描かれていること自体が、夢でも見ているようです。
そうだ…、
カイネの夢オチみたいに、コレも神(作者)様の夢であったと誰か、目を覚ましてやってくれ。
とは言え、李牧とカン・サロが語るように、秦軍が北辺の太原からの派兵と、閼与からの北上を考えているなら、河川を挟んで大原と対峙する狼孟は、重要拠点であることは間違いありません。
秦軍もまた、狼孟の攻略なくて宜安の征服はあり得ないでしょう。
青歌よりの道中を労う意味も込めて、酒宴を進める公孫布。
早期に狼孟に入った、カン・サロたちは、冬以降に進軍を開始する秦軍を迎え打つために、入念な準備に取り掛かります。
キングダムネタバレ-温存されていた楊端和軍
いままで多くの読者が気になっていた楊端和軍が、ようやく前線に登場します。
ホントに、一体彼女らは何をしていたのか??
そこを問うてはならなくなってしまったのが、今のキングダムなんですが、桓騎と王翦らが落とした平陽、武城はそのまま楊端和軍が受け持つことになりました。
いままでの神(作者)様の絵より、さらにきめ細かさが増したように見られる楊端和。
若くなっているようにも見えます。
連載初期より、共闘している信ですが、今更ながら彼女の尊顔を拝して、“ぼへ~”っとしだす反応を示します。
同時に羌瘣と河了貂の冷たい視線を感じる信。
丁度、楊端和軍は飛信隊が北上するタイミングで到着した様子です。
そして、ここでそれまで楊端和軍にいた壁軍も、北上軍に合流します。
壁『端和殿、それでは。』
楊端和『武運を壁将軍。』
壁の動員する兵力1万は、王翦から召喚を受けての出陣ですが、なんやかんやで、王翦からいろんな意味で気に入られている壁。
キタリに、前日まで『行きたくない!』と泣いていたような事を言われています。
壁『キタリ殿、泣いてなどいない!』
キタリ『死ぬなよ壁、からかうヤツが居なくなる。ナジャラ族!壁将軍を頼んだぞ!!』
と、ここで楊端和軍が誇る援軍。
ナジャラ族300名の勇士たちが、何かの雄たけびを上げて登場します。
信『なんかスゲーのついてきそうだな!』
仮面…、メラ族やバジオウらと比べると、全然カッコよくないのですが、山の民軍の勇者たちなら、壁軍中の必殺部隊として期待できそうです。
李牧が復活している情報を掴んでいることから、『気を付けて行け信。』と助言する楊端和。
『ああ、分かっている。』と端的に答えながら、突如思い出すように、『あ!楊端和!?六将って何か首飾り貰ったんだろ?見せてくれよ。』とお願いモードで近ずく信。
そりゃ、楊端和が首に掛けている、六将の飾りを手にするんだから、距離も近いです。
羌瘣『はーやーくーいーくーぞー。』と釘を刺す羌瘣がほほえましいです。
そして、平陽城から、桓騎本軍が打ってでました。
それの姿を見た、信と壁も出陣の号令を挙げます。
同じころ。
武城方面の王翦軍と楽華軍も出陣。
やはり、玉鳳軍と王賁の姿が見えないのは、何か理由があるのでしょうか?
今回、秦軍負けるので、後でパッパを助ける為に、遅れてくるヒーローの役目なのかもしれません。
取り急ぎ、王翦と桓騎が最初に狙うのは、閼与。
史実ではとっくに陥落しているハズの閼与。
いまからそこを攻略する王翦たち。
前回の考察、予想でも書いたのですが、最短距離で敵王都邯鄲を攻略するための戦略だった鄴攻めのコンセプトは、完全に忘れ去られた模様です。
マジレスすると、これじゃ一体なんの為に松左たちが犠牲になったのか?
気にしては負けなんですがね…。
また、恐らくですが、あれだけ朱海平原戦でボコボコにした閼与軍ですが、ケロッと復活していること間違いありません。
そう考えると、この二、三年足らずの間に、閼与で生まれた子供たちが急成長して、一気に成人して秦軍を迎えるみたいで、ホント、こんな新生趙軍が恐ろしいです。
キングダムネタバレ-意外に使える遊牧王
動き出した秦軍の報告を得て、驚きを隠せない李牧軍メンバー。
バナージ・フテイ『本当に、李牧様の言っていた通りに。』
それは読者が一番驚いているわ。
馬南慈『いよいよ始まりますな、李牧様!』
フテイ『ククク、ワザワザ死にに上がってきやがった。』
うん、これはフテイが間違っていない。
李牧はちょっと長城で匂わせただけなのに、なんでそれが宜安攻めに繋がることになったのか、作戦上の整合性で、未だ完全に謎です。
だったら、史実みたいに、最初から北方ルート攻略しとけよって話です。
作戦を都度変更して、逐次追加などしていったら、詰みますよ。マジで秦軍。
李牧も相当『ラッキー♪』と思ったのかどうか不明ですが、とにかく第一陣の出発をカイネに発令します。
そして…、
ここでイキナリ、
『おー、盛り上がっておるな。』と、遊牧王の登場です!
李牧陣営一同『あ!』
フテイ『だ、大王様!?』
拝手して礼を示す一同。
遊牧王『あー、よい。ちょっと近くを通っただけだ。邪魔はせぬ。それに私はお前たちに疎ましく思われていることも知っている。』
李牧『滅相もありません。』
遊牧王『フっ、自覚はある、こんな性分だからな。』
と、ここで、一瞥したカイネを見て女性であることに気が付く遊牧王。
『なんだお前、女か。』とカイネの手をとって舐めまわします。
おののくカイネですが、激昂寸前のフテイ。
李牧『大王様、その者はわが軍の大切な将校です。』
と、李牧の進言でおふざけを中止する遊牧王。
カイネに『その手を拭いたら斬首にするぞ。』と脅しを掛けます。
李牧が嘉太子を推薦して戦っていたことを知っている遊牧王ですが、おもむろに自身は『別に李牧の事を好いても嫌っていない。』と自分の考えを表明します。
遊牧王『カクカイらと違って、私はお前らのことなどどうでもイイのだ。私の興味は快楽に溺れていた父王を超える、快楽の極み達することだけだ。』
『故に、お前の邪魔をするようなバカな真似はせん。その分、父王の時よりかは、幾分マシであろう。』
などと、好き放題勝手な事を言いまくりです。
しかし、これまでカクカイの陰に隠れていて、セリフらしいセリフもなかった遊牧王なだけに、これだけでも彼の人物像を捉えるにあたり、多くの判断材料が提示されたように思えてきます。
実は、そこまでバカじゃないのかもしれません。
少なくとも、自分がバカであることも分かっていて、カクカイらが佞臣として振舞いやすいように、演技でもいいから、突如祭り上げられた神輿として、自分がどんな役割であるかについて、自己周辺が見えている人物に思えてきます。
もしかしたらですよ?
“自分がバカである”ことを理解している分だけ、嘉太子よりは優秀なヤツである可能性が非常に高いです。
因みに嘉太子は、“やる気だけがあるバカ”ということで、何よりも”一番質の悪いタイプのリーダー”の典型です。
ここ?
非常に重要な局面なんですが、李牧は何も気づいていません。
別に高潔な人物であることが、優秀なリーダ―であるとは限らないのですが、この点、悲しいかなコレが、儒教思考に固まった人事観の弊害といいますか…、李牧にはこの視点が全く理解できない観点なのかもしれません。
個人的には、むしろ遊牧王のような人物こそ、李牧が朝廷内でカクカイとの主導権争いにさえ勝利すれば、いとも簡単に制御できることかと思います。
遊牧王が『自分はバカでお飾りの大王に過ぎない。』ということが理解できているリーダーであるなら、その後の寡頭体制を運営していくのに、最も適した“標識”になるからです。
しかし、『王ならば国の事を考えるべきです。』と、性格的に真面目過ぎる李牧。
このように直球でマジレスしたことで、遊牧王も『やめろ、次に私を諫めたら、その舌を切り落とさせる。』と、ややご立腹。
遊牧王『余計な事は考えずに、闘いに集中しろ。邯鄲の兵だろうと何でも好きに動かせばよい。私がいつまで快楽の王座にいられるかは、お前にかかっている。』
『お前の命に替えても私の遊興の時を守り抜け、李牧』
という事で、『邯鄲王都軍をフル活用できるなら、最初にお前とカクカイを惨殺してやるよw』とは言わない李牧。
ここでも『元よりそのつもり、趙国を滅ぼさせたりはしません。』と李牧。
ホンマ、真面目か!?(汗)
遜る李牧に一笑する遊牧王。
『―で、まずは閼与か? 何か仕込みは?』などと、興味など無いとか言っているクセに作戦内容に嘴突っ込んできています。
それに対して、『テメ―みてーなバカに説明しても理解できないだろーがよww』などとは言わない李牧。
バカ丁寧に、『閼与で王翦軍・桓騎軍を半分にします。』と説明を開始します。
と、本編はここまでなんですが…。
ってゆーかさ?
遊牧王が一人でノコノコ李牧陣営にやってきてくれたんだから、もうココは李牧陣営にとって最大のチャンスでしかなかったでしょう。
李牧『カイネ、扉閉めて鍵を掛けなさい。』
カイネ『はッ!』
遊牧王『!?』
李牧『良いトコロにきてくれましたw 戦国の君主というモノを徹底的に指導して差上げましょう、ここなら誰も学習の邪魔はできません。』
ボグッ! ドカッ! バキッ!!
遊牧王『ギャ―! 何をする!?』
李牧『…オイ。餓鬼コラ!?首の骨を折られたくなかったら、先ずカクカイの死刑だ? 俺が居ねーと秦軍が来て王位どころじゃねーもんな? それとも何か? テメェ、秦軍の、特に桓騎軍の餌になりてーか? ァアッ?』
李牧『クククッ オイ、馬南慈? 「カクカイが王家を乗っ取ろうとしている事を危惧して、遊牧王様が庇護を求めて李牧のトコロに身を寄せてこられた。」とでも、今から喧伝するがいいぜ。』
馬南慈『ハ、ハァ…、李牧様、なんかキャラが?』
李牧『ククク、そうだイイ事思いついた、オイ、フテイ? お前、このバカ(遊牧王)裸にして、お前が王の服を着ろ。』
フテイ『え??』
李牧『このバカ(遊牧王)始末して、手前ェがこの国の王に成りすますんだよ。』
カイネ『それはいい考えです!(これで李牧様との仲を邪魔されないw)頑張れフテイ!!』
馬南慈『ガハハハッ、三千将以上になれんかったお前が、一気に大出世じゃな。』
フテイ『え!?ちょっと、待って。え、あの李牧様? そのキャラ、桓騎みたいになってません!? えっ、ちょっとヤダ、みんな、ボクの服を脱がさないで!? や、やめて―…!!!』
―その後…。
遊牧王に扮した大王フテイを擁し、新宰相に返り咲いた李牧は、見事に秦軍を撃退。
フテイはカイネを忘れる為に、王宮の宮女を相手にヤリまくるのであった。
後の街頭インタビュー(目隠して、高い声で。)
趙臣A『いやー、ウチの王様、李牧様のジャマだけはしないんで、前王よりマシなんですが、宮廷で女とヤリまくっているだけなんで、ホント馬鹿っスわ~。』
趙兵B『流石、李牧様ッス、秦軍ボコボコでしたよ。え?趙軍側の損害って?えーっと確か、あの名前なんつったか? あ、そうだフテイさんってゆうの? なんか古株の三千将が一人死んだとかなんとかって、それだけで済んだ見たいっすっよ。』
趙臣B『前より仕事? ああ、だいぶやりやすいっスよ。大王がバカでも、バカはバカで黙っていてくれたら気にならないんで。王の仕事なんて血を絶やさないだけで十分でしょ。俺も、「嘉太子が戻ってきてくれたら…。」なんて思っていた時期ありましたけど、今となっては遊牧王のほうがイイっス。』
趙国民C『遊牧王様っつったら、バカとは聞いてたんですけど、なんかね? ただ人よりスケベなだけで、そんなに悪い人じゃないらしいですよ。なんかね? ほら? 桓騎に平陽めちゃくちゃやられたでしょ? あれで相当凝りて、突然カクカイを首にして、李牧様のいう事聞くようになったらしいよ。世の中、何がどうなるか分かったもんじゃないよね~。』
元趙国太子Kさん 『は?趙の国?もー、どうでもイイっスわ。李牧から見たら王なんか誰でもイイって事でしょ。いや、ほんと来ないで下さい。つーか、あの王、俺の弟じゃねーし。 へッ!?アァ、いや何でもない! 今の無しの方向で!! ホラ? 俺、下手したら李牧に消されるから…。スイマセン、スイマセン、もう帰ります。』
今週の李牧は、のこのこ目の前に現れた遊牧王を前に、救国のチャンスを見す見す逃がしてしまったように思えてならない…。
― キングダムネタバレ最新704話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。