( 政 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第670話 )
秦軍大本営が早くも、列国攻略に向けた新たな手を打ってきました。
いや、15年で六国全てを滅ぼすと明言しているので、そこから逆算すると、特段の勇み足でもなさそうです。
第670話のラストで、政が明らかに宣言したように、いよいよ作中では秦国六将制度が復活することになりました。
それでは早速、次回の予想に入っていきましょう。
【目次】
1.キングダムネタバレ-これから決まる新六将
670話の政の口ぶりをみていると、新六将と言っても、これから次年度に向けて決まるような言い方です。
流石に政や昌平君の中では、大枠で人選が決まっているとは思うのですが、実際に誰が就任するのかは、これから決められていくのかもしれません。
しかし、これから六将制度が復活することは、もう明確な事実なので、いつか明かされると思っていた新六将についての論議も、ここから一気に白熱してくるでしょう。
現在、秦軍の大将軍に就任している将軍は蒙武と騰です。
そこに、王翦、桓騎、楊端和の候補名はスグに想起されると思いますが、これだと一名足りません。
現時点の大方の予想では、『この残りの一名がどうなるのか?』という観点から、新六将論議が喚起されるかと思うのですが、この点、もう少し物語を囲む背景から深堀して、予想を進めていく必要がありそうです。
早速、秦六将のメンバーはコイツ等だッ!などと、話の核心に踏み込んでいきたいところなのですが、幾つかの予想要因に分けて話を進めてみます。
1-1ネタバレ予想①-戦争の自由が無い。
まず、制度として、新六将=旧六将は同じなのか?という部分が核心として一番重要です。
ぶっちゃけ、ここからして既に、新六将は本来の六将制度の意味である、本国と主力部隊との“伝令ロスを回避するための現場即断即決システム”という意味から、大きく乖離していると思います。
この点、過去回から、旧六将の背景を振り返ってみましょう。
①昭王がいた。
はい、まずコレ一番重要な要素ですね。
当時の六将の中心となっていたのは昭王でした。
この方がどういった意味で重要なのか、過去のキングダムを読み返してみると、彼も当時の六将達と一緒になって、年ガラ年中戦場に出まくっていた王様であるコトが分かります。(たまに、王宮に戻っていたトキもあっただろうが。)
この点、基本的に王宮で本来の王様としての仕事をしている政とは、決定的に違います。
繰り返すようですが、本来の六将のコンセプトは、『メチャクチャ強い将軍が6人いたから、そいつ等との“伝令ロスを回避するための現場即断即決システム”を導入したったw』という話なワケです。
そして、この要因を、昭王が年中戦場に出まくっていたという状況と重ね合わせてみると、恐らく、その実情として、王である昭王の軍も、六将の軍と同じく、戦場に出た主力部隊の一つとして数えられていた可能性が高いです。
実質的には六将軍+昭王本軍で、敵から見たら、秦軍の主力部隊は7つもあった勘定になるのではないでしょうか?
そして、そのように考えると、咸陽の秦軍本営など経由せずとも、昭王自身が最初から最前線に出ているワケですから、当然、状況によっては、他の六将と共闘するコトもあったでしょう。
昭王自身が各戦地を結ぶ伝令網を所持していた可能性が極めて高いです。
そして、上記の“本営との伝達ロス”の問題も、実際のところ、そもそも昭王が王宮に居ないのですから、上記の実情との兼ね合いも踏まえると、実際のトコロは『昭王が王宮に居なくて、六将達と一緒に戦っているようなもんだから、考える必要が無くなってきた…。』という話なのではないか?と分析できます。
②胡傷がいた。
河了貂の伝聞で分かった、当時の六将の運用方法です。
そして、前項の昭王が六将と戦場で一緒に戦っていたという事実と同じくらい重要な分析要素になります。
第499話では彼女から、『戦争の自由が与えられて個々に戦ってた六将だけど、実際は戦争の大枠は胡傷がつくり、他の六将を操っていたとも言われている…。』というセリフが残されています。
この点、実際問題的に照らし合わせて考えてみると、胡傷が他の六将を操っていただけでなく、少なくとも、六将間である程度の情報共有があって、行動指針にしていたと考える方が自然です。
そして、また、前項の“①昭王がいた”という事実と重ねて考えてみても、本営の戦略参謀を担う存在が、昭王と共に前線に出てきてくれているのだから、“本営との伝達ロス”など気にする必要が無いという話になります。
有体に言えば、昌平君も胡傷みたいに、前線で実戦生活する覚悟が在ったうえで『六将復活』とか言ってんだろうな?という話になります。
なので、ここまでの話によると、もしも新六将に、当時のような“戦争の自由”なるコンセプトを維持したいのであれば、少なくとも“求心力と戦略共有”の観点から、当時の昭王と胡傷の二人の様に、政と昌文君の二人まで前線生活を実施する必要があるコトが分かります。
絶対に、そんなつもりないだろう?昌平君。
どうするつもりだ?ボードゲームの天才青年。(笑)
③昭王と六将がビジョンを共有していた。
そして、①と②の要因に加えて、それらが実施出来ていた最大の要因がコレですよね。
昭王+六将の全員が、みんな“本気で中華を獲ろうとしていた”ワケですよ。
ぶっちゃけ、今の秦将には完全にココが欠けています。
正直、今の秦軍の大将軍クラスの人間で、この要因を理解しているのが、六人揃っているかどうかは厳しいでしょう。
政の中華統一の目的意識を正確に掴んでいる大将軍クラスというえば騰と楊端和しかいません。
蒙武は、最初から中華最強武将を目指しているので、ある意味では、政の目的に通じるものがあるのですが、政の理念や目標を理解しているか?と言われればカナリ微妙です。
もちろん、逆に言えば、コレで三人までは人材が揃っているとも言えます。
では、残りの三人はどうか??
信と壁も理解は、当然しているのですが、彼ら二人はまだ大将軍クラスの人間ではありません。
王賁も堯雲戦で、明に秦の中華統一への道筋を理解しているセリフを残していますが、彼もまた実力が及んでいません。
じゃあ、昌平君も中華統一の目標を語っていましたが(参照432話)、それなら秦軍総司令とか言ってないで、彼が“いち大将軍”なって、粉骨砕身、前線に出て働いたほうが良いんじゃないかとさえ思えてきます。
それはそれで、新六将メンバーが発表されるときに、自分で自分を紹介して、「俺も新六将に加わるコトになった、よろしくな!」とか、言い出してくれたら面白い。
また、実力的には、王翦と桓騎は、現時点で大将軍クラスと評価してもいいかもしれませんが、凡そ、政の中華統一の目標や理念からは最もかけ離れている武将です。
1-2ネタバレ予想②-新六将のコンセプト
ココまで記述を進めてみたトコロで、恐らく施行されたところで、これからの新六将制度は、旧六将制度から大きく改変を加えた上での制度になるのではないでしょうか?
少なくとも、政と昌平君が王宮で現在のポジションでの役割を果たしながら、更に桓騎や王翦にに“戦争の自由”が認められた上で六将に就任するとは思えません。
しかし、それならば、政や昌平君が、一体どういった目的で六将制度の復活に踏み切ったのかが気になります。
この点については、既にキングダム本編に答えは出ていて、第364話で羌瘣が『六国を滅ぼすなら戦略的に代将軍は六人必要。』と言っているのが、神(作者)の意図するところなのだと思います。
しかし、史実でも列国ごとに攻略順序があったわけで、国境線上も秦国は別に、六国全部と隣り合っているワケでもなく、外交手順で、敵を孤立化させて、包囲していくなどと言った順序立てなども考慮すると…。
本当に六人の大将軍が必要なのか?その、合理的な理由が出て来きません。
2.キングダムネタバレ-そもそも六将に拘る意味は無い。
もう、身も蓋もないけれど、今の秦国の状況にとってみれば、別に六将って、それほど導入にこだわるほどの制度だとは思えません。
無くても十分やっていけると思いますし、むしろ、今の主力の蒙武や王翦の実力や特性に合わせた制度を新しく導入していったほうが、六将制度に勝る編成が実現できるのではないかとさえ思う。
王騎将軍&騰だって、『六将制度が凄いのではなく、それ以前に我々六人が桁外れに強かったのです。』『実の無いトコロに制度作っても意味がない。』って言ってましたよね。(参照:106話)
なので、仮に六将制度を復活させるにしても、それは旧六将制度のソレと同じには出来ないし、必然と今の実情に合わせた、改良点を加えた制度にしていく必要があります。
実際、旧六将とて、最初から6人が揃っていたワケでもないので。(参照:164話)
でなんで、少しずつ時間を掛けて決めるでしょう。(蒙武と騰はもう決まりでしょうが。)
蒙武と騰の次には、鄴陥落の功績で王翦が入ってきますよね。
そして、蕞攻防戦(参照:439話の大上造の爵位)と遼陽陥落の功績がある楊端和を加えた四人から暫定で初める感じになると思います。
そして以後、欠員と増員を繰り返しながら、『あれ?そもそも六将ってどんな制度だっけ?』って困惑も織り交ぜながら、キングダムという物語が進んで行くんじゃなかろうか。
細かい部分でマジレスすると、王翦と楊端和は、そもそも秦国人と言えるのか?という物言いが政治的に入るのなら、そこに録嗚未と隆国が就任レースに参戦して来るぐらいは順当かもしれない。
その上で、金で地位を買った壁も台頭してきて、そこに、胡傷ポジションの担い手約として、渋々、昌平君が総司令の座を辞退して六将になってくれたら、とりあえず六人の数はいつでも揃えられるだろう。
んで、桓騎にしても、例えば麃公や蒙驁みたいに、実力や格はあっても、別に六将なんぞの称号などなくても、十分、列国の陥落に貢献できる武将として扱えばそれで済む話ではないか。
そうそう!
別に、麃公将軍という例を挙げれば、大将軍=六将ってワケでもないんですよね。(参照:325話、昭王から声が掛かっても無視w)
ならば、桓騎や王翦なんかは、そのキャラ性を重要視したら、政や昌平君に『六将にしてやる。』なんて声を掛けられても、逆に自ら話を蹴るくらいのほうがカッコよく映るかもしれません。
後々の対楚戦時期の王翦に至っては、六将などと言っても、他の将軍と一括りに出来る程の戦績に収まっていないので、最終的には、六将という称号すら彼には役不足になってしまうでしょう。
3.キングダムネタバレ-それでも六将制度に付き合うとこうなる。
とりあえず神(作者)的に、蒙武、騰、楊端和はそのまま三席に収まるでしょう。
そして、“戦争の自由”のコンセプトは一旦置いといて、次に声が掛かるのは王翦なんですが、筋から行けば、ここで王翦の野心の正体について、ここで核心に触れる政治的背景に踏み込まざるを得ないでしょう。
山陽編と合従軍編でも、断片的に噂のレベルですが、王翦に危険思想の疑いがあるのは、何度も語られてきたワケですから。
少なくとも、鄴攻め成功の功績で就任候補には上がっても、先に王翦の背景に踏み込むか、それとも、嬴政なりに王翦の野心がどうであれ、危険人物であっても使いこなせるだけの、制度的裏付けがあった上で任命するのかもしれません。
おそらく、そうなれば、秦国の法治国家制度を生かした、独自の徴兵システムであったり、領土政策であったりという話になるのではないか?
少なくとも、王翦や桓騎を六将に取り込むためには、“六将”という単体の制度だけでは語り切れず、その前後に、別の制度設計の裏付けと重複させて話を進めざるを得ないでしょう。
また、桓騎は鄴攻め編では、基本、座ってカッコ付けていたら良かっただけなので、六将就任の前に手柄でしょう。
コチョウ将軍に合掌。
信、王賁、蒙恬は…、桓騎が李牧に敗れて、騰も韓を征服して行政官になって武将を引退するなりしたら、いつでも六将になれるから、誰も六将に落選することなんか心配していない。
壁さんは、もう、本人からして大将軍目指すって言っていたことなんか忘れてるだろう(参照:53話)。
― キングダムネタバレ最新671話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。
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