(龐煖 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第620話 )
次週のキングダムは休載なのですが、全体の状況整理みたいな回になっていたので、合戦がかなり佳境に入ってきてはいたものの、あまり嫌な感じではなかったような気がします。
また、緊迫した場面が多い中で、傅抵だけはヤハリ今回も、真正面にやってきた絶好球(王翦)を振り逃がすという空振りミスを、見事にサラリと実現してくれました。
さすが、あの李牧が誇る趙軍の若手エースだけあって、もう、“なごみ”と言っていいのでしょうか?
緊張の連続であるキングダムの中でも、安定のショボさ加減で、彼だけは読者に息の抜きドコロを提供してくれています。
そして、今回開戦された一騎打ちですが、“武神”と実質的には“現役蚩尤”を名乗ってもいい羌瘣との対戦になっています。
もしも、ここで羌瘣が今現在、過去最深にまで堕とした巫舞を放っているのであれば、単純武力としての対決と言う意味では、キングダムキャラ最強決定戦の体を成しているとも言えるでしょう。
しかしながら、このように実質的には最強キャラ決定戦の要素を備えている対戦カードであるにも関わらず、実際に一騎打ちが始まっている様を何度読み返してみても…、
例えば肝明VS蒙武のときのようなテンションに読者が到達するか?と問われれば、それ程のボルテージを伴うカードではないように感じます。
対戦者の選定という意味では間違いなく好カードなんですが、恐らくこの点の理由としては、別段両者ともがこの戦の大将の格を背負って戦っている者同士ては無いということが大きいかと思われます。
また、羌瘣本人がベストコンディションとは程遠く、14日目の対趙峩龍戦において、土雀を殆ど皆殺しにすることで、体力と精神力を使い果たしてしまっているコトもあり、どの道、勝負の先が見えてしまっている点もあるでしょう。
まあ、羌瘣は信と戦わせない!という決意のもと対戦に臨んでいるのは確かなのですがね…。
また、単純に“武神”と“蚩尤”のどちらが強い?などと想定戦を進めたトコロで、もうほとんど“カブトムシ”と“クワガタムシ”のどっちが強いの?っていう程度の話でしかないような気もするので、神(作者)も別にソコにキングダムのストーリー上の重さを置いているワケではないと思います。
620話のラストを見ていて少し印象に残ったのは、それほど大きくはない最後にコマで、信が「ど、どけ!」えらく存在感も勢いもなくした様子で、申し訳程度の存在感で、モブ敵兵、ややもすれば味方をかき分けて進むのすら、思うようにいかない状態で李牧や龐煖の方に向かっているうように見えるところです。
更に、一話遡って、去亥が武神と接敵して無残に切り飛ばされた第619話のラストでも、信はたくさんの汗を拭いて驚いているようにしか見えない表情です。
その存在を関知して待ち構えていた羌瘣と比べると、ややもすれば信が龐煖の出現を前に、何か気後れしていると表現してもおかしくないような表情であるように見えてきます。
これらの信の状態を勘案すると、信はマジで我ブと勝負するつもりあるのかまで心配になってきます。
11月14日ヤングジャンプ掲載予定、キングダム第621話について予想。
ここから発生可能なネタバレを検証します。
キングダムファンの皆様、今週もよろしくお願いします。
キングダムネタバレ-第620話のおさらい
第620話の予想⇒【キングダムネタバレ620 龐煖と一緒、李牧の真骨頂】
第620話本編の考察⇒【キングダムネタバレ最新620話 武神の咆哮 考察】
キングダム考察-傅抵、安定の引き立て役
蒙恬を王賁を両袖に従えて田里弥軍方面に脱出を果たした王翦。
結果的に傅抵は、真正面から向かってきた絶好球を見事にトンネルエラーしてしまったことが判明します。
「これを完全なる、作戦の失敗という。」
この場面こそ、まさしく合従軍編で仁央さんが蒙武を相手に言い放ったセリフがぴったりくるのではないかと思います。(参照:309話)
それでも心配なのは、傅抵を始め追撃しているのが雁門馬に乗っている連中だとしたら、追撃の馬速では傅抵たちに有利なので、田里弥の軍に接触するまで、王翦の護衛隊は背中を撃たれ続ける事になる点です。
とは言え、傅抵だけでなく馬南慈すら王翦と肉薄していた完全包囲の状態であったコトと比べると、正直言ってカナリ楽なのは確かなので、どちらかと言えば焦っているのは蒙恬や王賁などよりも、完全に傅抵の方だったりするのかな?と思えてきます。
マジで李牧も愛想をつかすでしょう。
恐らく遠目に、王翦を獲り逃がして追いかける様を見た馬南慈なども既に内心で「口だけのクソガキ」くらいにしか、傅抵のコトを思っていないかもしれません。
ネタバレ考察-龐煖登場の影響
羌瘣の亡骸を見た、先頭の騎兵たちが涙を流します。
そして、飛信隊の先鋒を粉砕した武神が、いきなり昂って咆哮を響かせます。
姿が見えにくいように、騎乗せず徒歩でいたのは確かな様子ですが、いままで、息を潜めて我慢して待機していたのでしょうか?
あまりの突然の登場と咆哮のお陰で、飛信隊がひしめく一体の最前線は、動物的な威圧感が伝播されて、特に騎馬が大パニックを起こしています。
また、過去に我ブと対峙したことがある尾平と昂くんは、その姿を見ずとも、異様な存在感が戦場を包んでいるコトで武神の登場を察知して身震いが止まりません。
いつも、死んだふりして敵の強軍をやり過ごす事を得意としてきた尾平ですが、この時ばかりは、信が龐煖と戦ってしまうことを最大の危機と捉えて、自分の実力では何も出来ないことは覚悟しながらも、最前線に向かい昂くんと共に歩みを進めていきます。
一方、本陣から眼下に登場した龐煖を見下ろす、李牧とその側近たちですが、カイネが再び登場した龐煖を見て「三大天、龐煖…様…。」と、存在確認するかのように呟きます。
しかしながら、そのカイネの一言を流さず、李牧が敢えて被せて、「“武神”龐煖です。」と説明します。
まるで、三大天として登場したのではなく、武神として戦場に出てきた存在であると再定義するかのような一言です。
また、カイネと同じく李牧の傍に待機するモブの将軍職らしき趙将らが、武神の登場以降、全くもって飛信隊の動きが停止してしまっているコトを見て取ります。
キングダム考察-元麃公兵の激情
飛信隊に組み込まれている飛麃が元麃公兵で組織されているのは有名ですが、もしかしたらその構成員のカナリの多くが、信たちと共に、合従軍編の南道戦で麃公将軍の最後を見た兵士たちなのかもしれません。
我ブの姿を視認するや否や、一瞬の進軍停止の後に、こみ上げるようい麃公将軍の最後の姿、我ブへの怒りで新たに戦意が沸き起こってきます。
読後の今となっては、飛麃の皆が我ブを見たらこうなるよな…。と言うのは納得なのですが、正直言って現場にいた楚水さんや渕さん達のように、620話を見るまでは、この憎き龐煖の姿を見た元麃公兵がどの様に感じるか?までは予想が回りませんでした。
実際に、楚水さんや渕さんの二人の副将をしてすら、最初に突撃する二人の元麃公兵の動きを予期できないだけでなく、その後に突撃する彼らを制止しきれない様子を描いているシーンは、キングダムという作品は創作上の話でありながらも、かなりリアリティで自然な流れの悲劇性を描き出しています。
そして、その場に既に騎馬を進めていたのは、我呂と岳雷も一緒です。
楚水さんや渕さんも、いくらなんでもこの二人のロストはあってはならないと想起した瞬間です。
先に龐煖の矛に散った、元麃公兵にはかけることが出来なかった制止の呼びかけを、近くにいた楚水さんが発します。
しかり、それでも待てるわけがないのが、この二人の武将の激情です。
打ち合った後の結果はともかく、流石に武神であっても、その咆哮による威嚇程度で身動きを留めることなど出来ない実力なのが我呂と岳雷です。
楚水さんや渕さんの最後の制止と同時に、騎馬を進め矛を振り上げた瞬間、再び、最前線の戦場が凍り付いたように、動きが止まります。
ネタバレ考察-羌瘣の巫舞
羌瘣は幽蓮を倒した後は、再び丁寧に意識の没入を誘うための「トーン タン タン」の韻律を用いた巫舞は、全く使っていませんでした。(参照:362話)
一応、以降も対堯雲軍のトキに、断片的に巫舞の呼吸で戦うことはあったのですがね。(参照:549話)
そして、我呂と岳雷が、味方のであるハズの羌瘣の気配を察するや否や、まるで時間の進み方が狂ったかのように動きを停止させてしまっています。
そしてこの瞬間、おそらく我ブもまた、我呂と岳雷に対してではなく、羌瘣の存在を把握するために、意識が使われていたのだと思います。
気配を感じた先で振りぬいた矛がですが、羌瘣がすでにその意識を向けた先の背後に回っています。
ダメージを受けながら、受けで反応をする龐煖ですが、その反撃を躱して刃をヒットさせているのは羌瘣の方です。
「戦わせない、信が来る前に我ブを仕留める。」
彼女の巫舞がいつまで持のか?
武神の本気はここまでなのか?
信が疲労とダメージを抱えながら、少しずつ最前線に近づいてきます。
キングダムネタバレ-羌瘣の限界と武神の本調子
項題のまんまなんですが、羌瘣の今のフルスロットルの状態と武神のギアの上げ調子って、このままの流れで捉えたら完全に反比例し合っている状態のハズなんですよね…。
羌瘣の擦り切れ具合については、もう連載を読んでいる方にとって見れば言わずもがな…。
また、幽蓮との激戦を通過した羌瘣にとって、馬陽戦でかつて龐煖と戦った頃よりもさらに深度を深めた巫舞であっても、その分、結果的には堕とした反動が更に大きくなっている代償も伴っています。
武神と蚩尤。
一族は違えど、求道者同士の戦闘であるコトを考えたら、これまでの戦闘で龐煖の武神としての呼吸の深さについて触れられた戦闘は存在しないので、求道者としてのデータ上の強さ情報がないのが最大のリスクになります。
また、求道者同士としての同じ属性の力で戦いの決着がつくものなのか?
もともと羌瘣は幽蓮との決戦に勝利するうえで、巫舞の力を追求した先として、さらなる深みである“魄領の域”と呼ばれるあるの“ゾーン”に至ることで“蚩尤”に対する対極の力で勝利を収めています。
そいう考えると、羌瘣が本当に求道者である武神を相手に勝利を収めたいのであれば、ここでの戦闘もただ単にいままでよりも深く落した“巫舞”で勝負するよりも、さらにその先の“魄領の域”至って龐煖と勝負を進める可能性があります。
ネタバレ予想‐羌瘣リタイアのタイミング
しかしながら、私は羌瘣がここで“魄領の域”に巫舞を堕としてまで勝負に挑むことにはならないと考えています。
理由としては、恐らく羌瘣が“魄領の域”で幽蓮と戦えたのは、あくまでも相手が羌象の仇である、幽蓮であったからと考えるからです。
また、“魄領の域”との往来も元々、その奥義の体得も羌瘣自身が訓練を重ねて導き出したものではなく、羌象との回想から閃いた形で導出された奥義であることからも分かります。
その発動には一定の条件の重なりが必要になると考えると、およそ全ての条件下で再現性がとれるタイプの技術では無いことが分かります。
なので、おそらく勝負のネタバレ予想としましては、羌瘣としても現状使える巫舞の深層領域での活動を限界として、求道者という同属性である武神ステータスを持つ龐煖に決定的な差をつけることが出来ない為に、体力的なハンデ徐々に後手に回っていくことが考えらます。
また、今回の羌瘣は“魄領の域”の代わりと言うワケでもないですが、なにやら緑穂の命を借りて自分の力の上乗せとして戦っているといった様子が描かれています。
緑穂の五つあるうちの宝玉が彼女に答えるように“ビシッ”と亀裂を生じて損壊が進み、同時に龐煖の胴体に攻撃がヒットした様子が描かれているだけに、単純に緑穂のダメージ蓄積を持って活動限界を迎えるといった描写も予想できます。
キングダムネタバレ-真武神龐煖
この項のネタバレ予想では、多数のネタバレ予想の論点がある中で、特にここでは羌瘣と龐煖が戦う意味と、ここから信との対戦にシフトしてく為の、我ブさん自身の再調整という意味に絞って記述を進めました。
アレだけ王騎将軍といい麃公将軍といい、力を内部に求める求道者である武神という存在と対極の力を示す、“大将軍の力”を目の当たりにしてきた龐煖ですが…、
武神としての道を究めて李牧などの導き手の言葉をかりながらも、最終的にはそこから武神以上の存在にもなるコトができなかった形で終わるのでしょうか?
まあ、歴史的な退場時期が近づいているコトと、別にキングダムは龐煖のための成長物語でもないコトを考えると、たしかに王騎と麃公に触発された我ブが大将軍の力を手に入れて信と真っ向から勝負すると言った話の流れも別に必要が無いです。
だとすると、ここで朱海平原戦として最後の秦軍の課題として、武神龐煖ができる敵としての存在意義とは何でしょう?
有体に言えば、多くの読者様が想起なさっているように、信が単に将軍としての地位を獲得すると言ったハードの面での手柄と言うよりかは、実質的に王騎の矛と意思を継承する者としてのソフトの面での完成を見るという点だと思います。
そう考えてみると、ここでの龐煖と羌瘣の戦闘は、ある意味で敵を真の武神としてブラッシュアップさせる為の錬成に近いモノになるのではないかと考えました。
振り返ってみると李牧は龐煖に対して、いままで武神と対極の力である、王騎や麃公の“大将軍の力“が存在することを仄めかしていましたが、別段、それを別の強さの可能性として提示することはあったとしても、最終的にはどの戦でも、あくまでも彼のを“武神”という道具として彼を利用してきました。
まあ、そういう意味では、李牧は龐煖のコトをおちょくっていたのでしょうか?
決してそうではないと思いたいのですがね。
ただ、それでも第16巻169話を振り返ってみると、李牧が改めて龐煖の武将としての真骨頂が、無我の境地にあるコトを説明していることが分かります。
『我欲を捨てし求道者の龐煖が、9年前の復讐の塊となってしまっている、求道差が道を外れてしまっては意味がない…。』
『無我の戦いこそが龐煖の真の姿…!』
そしてその時の姿の龐煖が、武神としての本来の実力を発揮することが出来る姿であるというならば、王騎が死んだ以降の龐煖はズット、純粋に勝負をつけることが出来なかったが故の妄念のとらわれた、未完成の武神であったと考えることが出来ます。
ある意味、龐煖としてもこれまでのキングダム連載は長い旅だったといえるでしょう。
信との戦いを前に、龐煖もまた信がこれまで激戦の中で消耗しながらも、王騎の矛の振るい方を自分のモノにしていったように、
龐煖もまた、ここで全力の羌瘣と刃を交えることで、漫画の演出上、信とのダメージレベルを整合すると同時に、求道者としての戦い方を取り戻していくのではないかと考えました。
そう考えると求道者としての戦いがどういったものか、取り戻させる存在としては、羌瘣ほど適任な相手は存在しません。
ココから先、結果的に龐煖は身体的には羌瘣と戦うことで消耗しますが、精神的には本来の武神の姿をとりもどして落ち着いてしまうとったトコロでしょうか。
李牧が思い出したように、三大天としてではなく、武神としての朱海平原にいる龐煖を定義しているのは、
王騎戦った以降、再戦という我欲を求めて道を外れた龐煖が、最後に武神として立ち戻ることができれば、信を止められると考えてこの場を託したというのが真意ではなかと予想しました。
― キングダムネタバレ最新621話予想 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
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Twitter:しんいち ダム垢(@takikomigohande)
第620話の予想⇒【キングダムネタバレ620 龐煖と一緒、李牧の真骨頂】
第620話本編の考察⇒【キングダムネタバレ最新620話 武神の咆哮 考察】
第621話本編考察⇒【キングダムネタバレ最新621話 堕とす者 考察】