武器を磨け 弱者の戦略教科書『キングダム』感想 

キングダムが好きでずっと読み続けているという方は多いが、中でも最も多い読者層って何だろう??

色々いるが、やっぱ普通に会社に勤めてサラリーマンとして働いている、20代後半から40手前の男性の方が多いんじゃないかなって気がする。

まあ、最近は若い女の子の読者も増えてきて非常に嬉しい限りではあります。(笑)

職場の女の子も、

「まずは人に勧められてから、読みだした。最初、絵が濃くてなんか、んん?って感じがしたけれど、ドンドン引き込まれた」とか言っていたなぁ。

さて、そんなキングダムの作者の原 泰久先生ご自身も実は、デビュー前、キングダムの連載をスタートする前は、我々と同じくサラリーマンとして働きながら、漫画家として成功したいという望みと葛藤しながら、お仕事されていたというのはファンの中でも有名な話ですよね。



以前から、書店の最前線に置かれている、話題であった、キングダムのビジネス書籍を読んでみました。

武器を磨け 弱者の戦略教科書『キングダム』

正月の間に読んで以来、漫画とは違った感銘を受けた部分、これから生きる社会人として、共感した部分などもあったので、いちキングダムファンとしては、まだご覧になられていない方にもお勧めしたく、自身の忘備もかねて残すコトにしました。

本書は、対ロシアの外交官、外務省の主任分析官を務めており、退職後は作家として活躍されている 佐藤 優さんの著作、もちろん執筆の為に原作者の原先生とのタッグで生まれた著作です。

ただ実際は、原作者である原先生による記述の部分はなく、『キングダム』という一つの漫画を題材にした佐藤 優さんの経験による仕事の流儀、考え方が書かれているといった内容だっと思います。

実際読んでみた感想としては、自分の好きなキングダムという漫画を、ある種のツールとして用い、そこに描かれている、物事の原理的な部分が、佐藤さんの外交官としての体験を例えに説明されることで、俺自身かなりの納得感と共感を得られた本です。

そういう意味でも、これほど現代社会を意味づけることのできる漫画としてもキングダムはすごく、やはり、ただの漫画ではなくて、実践的処世訓なのだと再認識できたと感じたところです。

ただ読み手によって表面的に捉えられてしまえば、巷に溢れる空疎な自己啓発の類にも見られてしまうと残念です。

しっかり、深く読み込んでこそ、そこには著者としての佐藤さんの人並み外れた見識、知力、経験、人脈等に裏付けられた圧倒的な説得力と、単純に言い換えてしまえば内容の“重み”が感じ取れるのだと思います。

第一章 負けない極意

著作の目的といったところが記されている部分でしたね。

弱者であっても知的サバイバルさえできれば、自分が絶対に守りたいものは守り、最低限叶えたい夢は叶えられる。そして、机上の空論ではなく、現実を生き抜くための術を身につけるための動きが必要であると説かれています。

ここでの、ポイントの一つ、「逃げ時を知れ!」というのは、キングダム本篇での序盤の戦いや、対廉頗編での王翦や玄峰の退却シーンなどから説明されており、分かりやすく、本作品の中に、私自身深く引き込まれました。

呂不韋の言葉の「正義とは勝った者に宿るのだ」を例に、最後に残った人間が物語を作るという視点も非常には納得がいきました。

第1章で使われたキングダムの名シーンは!?

・第1巻 漂との別れ

・第5巻 羌瘣の登場時、初陣での自己紹介

・第19巻 信と蒙驁の夜食のシーン

・第20と21巻 王翦、玄峰の退却シーン

・第35巻 成蟜反乱編の最後で信が呂不韋と対峙するシーン

・第41巻 政の中華統一期間の宣言

第二章 組織を泳ぎ切る

世間では組織の中で生き残るために、盛んに勉強会が開催され、資格取得や異業種交流会などのイベントが盛んに行われています。

そして、そこで一歩深く考えなくてはならないこととして、第二章では、本当に、そういったコトで力をつけて、権力を実行できるようになるのか??という視点を持つことが大切であると書かれています。

総合力=知力×力の二乗!! 

組織の持つ既得権益の力と、かつてのホリエモンを例に、何故、彼が既存の経済勢力にコテンパンにやられたのか? 

あれからかなりの時間がたっていますが、なるほど。ここで説明されているロジックが一番分かりやすかったです。

力=現代社会に例えたら経済力

その、力を倍の大きさ持った相手と戦うなら、二倍ではなく、四倍の知恵を出さなければならない。

つまり、おおきな資本力や経済力を持った敵と戦うには生半可な知恵なんか役には立たないということがよく理解できたと思う。

ある意味、実際にインターネットが発達して、一般人にも多くの情報が手に入れられるようにはなりましたが、それを有能に活かすことのできる人間ってまだ少ない。そんな気がします。

企業や国家の知ってはいる、聞いたことがある、見たことがある。でもその情報を得たからと言って自分一人では何もできないというのも受け入れるべき現実でしょう。

では、知恵だけでは勝てないなら、我々一般人はどうすればいいのか??

その答えは、『非認知能力』を武器にする!?つまりは我らの本能型の将軍、麃公将軍がヒントをもつと説明されています。

認知能力に併せて、『非認知能力』を持っている人間は最後まで評価されているという点がポイント。

そして、そのうえで、仲間の不義や組織の不正にも、まずはしっかりな斜め上の味方を増やして、その場の感情で対処しないことが鉄則であると説明されています。

この部分は、あの有名な、信と蒙恬を中止に描かれた千人将 乱銅を斬ったシーンや、最近の話では黒羊戦での桓騎との衝突を例に記述が進んでいきます。

第2章で使われたキングダムの名シーンは!?

・第18巻 千人将 乱銅を斬ったシーン

・第30巻 本能型の武将の極み

・第39巻 呂不韋の天下の起源説

・第44巻 桓騎との衝突

第三章 掛け合う

サラリーマンであれば、日常的に顧客からの値引き交渉、無理な納期の調整、そしてクレーム対応、あるいは単純に嫌な上司からの嫌な押し付けなど仕事において避けられない場面が多々ありますよね。

そんなときは、まず自分の権限を確認せよ。と説かれています。

権限が無ければ相手から舐められるだであり、そもそも自分がやる必要の無い仕事だから他人にパスするのが正解で、もしやるにしても限度を決めないといけない。

下手な正義感で、「誰かがやらないといけない」などと考えるのは権限を持ってからでよく。

そうでなければ結局、現場が混乱し、誰の為にもならないことが説明されている。

では、そのうえで実際の駆引きとはなにか??

欲しがっているものを与えるとはよく言われるが、ここでは、蔡沢と斉の国の王建王とのやり取りで端的に表現されていました。

このシーンでは、蔡沢はお金で、王建王に合従軍から離反させますが、重要なのはお金で動かすが正しいかそうではない、と考えるのではなく、王建王にとっての利益が何で、それを提供できるかの判断が重要だったと説明されています。

そして出世を否定しないこと、なにより権限を持たなことには、蔡沢のような、大した交渉は出来ませんよね。出世欲は自己実現に必要という事もここでも解説で納得しました。

第3章で使われたキングダムの名シーンは!?

・第17巻 呂不韋と李牧の秦趙同盟

・第19巻 蒙驁からの課題と信の千人将へ昇格

・第25間 蔡沢の外交、王建王との会談

第四章 世間を渡る

本書の一番のコアの部分でしたね。

ここで特に印象に残ったのは、ドライな人間関係こそ、助け合えるといった視点ですね。

仲間をテーマにした作品は非常に多いですが、キングダムはその点でも他の漫画作品とは違うといえるでしょう。政も信も貂も三人とも最初はただお互いを利用するだけと言い切っていましたからね。

ここでは佐藤さんからも、具体的な仲間との距離の置き方や、上下とのかかわり方について、調整能力と人を見る目の養い方について説明されていました。

また、出世を語るうえで欠かせない視点としてのリーダーの一つ下のポジションである地位をいかにこなせるかが、信の五千人将へ昇格した際のシーンで語られる部分も、カナリ現実に当てはまる説明でした。

そのほか、ここは見るべきものが多い部分です。

現代のSNSの価値の疑い方、実際に奇跡と呼べるものがどうして生まれるのか??など、キングダムの物語と現実に活かすべき、人とのつながり方についての具体的な例を示しつつ、内容が進んでいきます。

第4章で使われたキングダムの名シーンは!?

・第4巻 信が成蟜に啖呵を切るシーン

・第7巻 紫夏と政の思い出

・第9巻 河了貂に羌瘣の正体がバレたトキ

・第10巻 王騎将軍と一緒にお風呂

・第19巻 信の千人将昇格を認めた蒙驁を語る蒙武

・第23巻 飛信隊のみんなで羌瘣を見送るシーン

・第26巻 騰が王騎を支え続け来た自負

・第37巻 信と王賁が五千人将へ昇格した際の騰説明

第五章 図太く生きる

この著作の中でも、人生の特に苦しい時期にどうあるべきかが書かれた部分です。

思えば、信もキングダムの仲間の多くも、苦しくない時期なんかほとんどなかった様に思えます。

しかし、そんな信も政にこう語っています。

「苦痛しかなかったわけじゃねぇよ」

キングダムは戦乱の時代の物語、実際にここではナチスドイツの強制収容所で生き残った人の経験なども交えながら、最後まで残る人間とは??心に力を与えるユーモアとは何かに焦点をあてて、大将軍王騎の最後の戦いや、合従軍編最後の闘争、偉大なる蕞の攻防戦の終幕を中心に叙述がすすみ、この著作の最後に繋がります。

第5章で使われたキングダムの名シーンは!?

・第4巻 政の特殊スキル【大王の激】発動時

・第16巻 天下の大将軍

・第16巻 貂が戦から帰った信を迎える

・第26巻 あの世で同金、鱗坊、録鳴未と酒でも飲むがよい

・第27巻 信が万極を倒したシーン

・第33巻 『不抜。』

・第34巻 李牧の左遷先

・第38巻 政の戴冠の儀

まとめ — 武器を磨け 弱者の戦略教科書『キングダム』 

本自体は、200ページ足らずですが、内容は考えさせられるコトが多く、読み進めている途中で、考えに耽ってしまい、何度もページをめくる手が止まってしまいましたね。(笑)

実際に、書いてあることに感動を受けるといった類の書物ではなく、コレをどうすれば応用できるか??

知ることよりも、考えて行動に移すための本だったといえるでしょう。

「スグに、読んだった!!俺、本読むの早い~~ww」

という態度などではなく、暮らしの折に触れて何度も実践して、再び読み直す。

そんな、学び方が適している本だと思いました。

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