( 羌識 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第669話 )
決死のカウンセリング、お疲れ様でした羌瘣。
やはり、今回の羌瘣VS羌礼の剣闘は、バトルの形をとった、羌瘣による認知療法だったことが分かります。
そして、礼の意識を導いていった先に在ったものは、やはり識の最後の笑顔でした。
今回はさらに、キングダム56巻のオマケ話の先も回収したという意味では、まさしく神回だったのではないかと思います。
では、さっそく今週も本篇の内容に踏み込んでいきましょう。
キングダムネタバレ-開かれていく記憶。
冒頭、キングダム読者であれば、皆が思い出す、第56巻のオマケ漫画のラストシーンですよね。
神(作者)による、本編仕様の絵で、識が余りにも美人過ぎます。
目を細めて笑ったトコロなど、微かに二重で、やさしい朝の光のような表情を見せてくれています。
識と同じ世界で生きていたらば、もう結婚したいです。
結婚できないなら、その場での生活を捨てて、旅に出ようかと思うくらいです。
しかし―、
こうして、各々の読者が識への思いを噛みしめつつ、ページを勧めた先には…。
唐突に、この時の礼の記憶から跳躍して、祭の現実が、彼女の脳裏と読者を襲います。
回想のにとっては、自身の死を覚悟した次の瞬間の出来事です。
識の旨を貫いた、自身の剣、首筋にとまった識の剣、勝負が止まった瞬間が僅かに過ぎた、その時に、思わず礼は『え?』とこぼします。
眼前には、闘志の消えた識の瞳。
礼『何で…』
自身も闘志の消えた刹那、識の致命傷の手応えと、おびただしい出血と吐血が始まり、終わった勝負の先の時間が流れ始めます。
再び、現実の礼、羌瘣を前に、反芻する記憶で語ります。
『―識が私を裏切った。』と。
負けたハズの自分が識を殺して生き残り、ともに残った、識の突き刺した剣の感触と識の最後の苦悶の表情。
礼が、幽蓮のように、自我を崩壊させ、変貌していくには十分な“供物”であったと語ります。
個人的には、前々回から、識の最後の顏か鍵だとおもっていたので、この時点で、礼が『識の最後の苦悶の表情』とか言っているので、この表現にはビビりました。
え?これが最後の表情って嘘やろ??とか言って、イッキに最後のページを先読みしたくなるくらいでしたよ。(汗)
礼『あの時、最後に識の命を糧にして、私は本物の蚩尤になった!!』
そう断言した彼女、羌瘣らとは立っている世界が違うなどとも、吐き捨てました。
このトキ、つば競り合いで、語っていた礼と羌瘣ですが、振り切れた感情のままに、力で羌瘣を押し倒し切った礼。
同時に、礼の剣の切っ先は、振りぬき様に羌瘣の右腕を捉え、大きな出血を伴う傷を負わせました。
礼『何が仲間だ、大バカが!!』
羌瘣の言葉で、再び識の死を反芻した、礼は更に昂ります。
曰く、死をまき散らす闇の神。
曰く、他社など、自身を更に闇の先に進める糧にすぎぬと。
しかし、勝負を見守る、尾平や昂君。
沛浪や竜有。
彼らとて、武神龐煖とも戦い、初期の羌瘣と過ごしてきた仲間だからか、動じていない様子がうかがえます。
礼も言いたいことを言い切ったトコロで、何やら、勝負は近いようです。
右腕の傷を抑え、羌瘣が立ち上がります。
利き腕のケガは、勝負に不利に働きますが、果たして、羌瘣はそもそも勝負として挑んで礼と向き合っているのでしょうか。
羌瘣『やめろ礼、お前は間違っている。』
巫舞が切れかかっているのか?
息の乱れを現す羌瘣を見て、一方的に斬りかかる礼。
しかし、それでも反撃に出ない羌瘣は、再度の説得を試みます。
『闇の先に道など無い。』と。
『戻って来い礼。暗闇の淵からもどって、初めてお前は本当の強さを得る、恐らくそれが蚩尤の本当の…。』
血涙をみせながら、嘲笑を見せる礼が、反撃に転じぬ羌瘣を見て、『あんたが私を戻せるのか!?』と、自ら諦観を促すような発言で境遇を貶めます。
そして―、
とうとうここに来て、羌瘣の決死のカウンセリングは事の核心に到達してきました!!
羌瘣『私じゃない、お前を戻せるのは識だ!!』
識の最後を思い出せ。
識はただただ苦痛の中で、逝っただけは無い。
きっとそうではなく、識はきっと礼に…!?
キングダムネタバレ-悪夢の終わり
礼『何を言っている瘣姉、識は何も言っていない、胸を私に貫かれて…。』
…ここで、羌瘣という実力者を相手に、本気を出したことと、羌瘣に度重ねて、挑発的に祭と識との記憶を刺激されて続けたこととによって、
精神的な傷ごと、抑え込むを得なかった、記憶が解放されてきます。
祭が終わった直後、礼の自我が崩壊を迎えるその時、
微かに、その声は聞こえていました。
『ごめんね、礼。覚悟ができていないのは、私の方だった…。』
『ずっと、礼を手にかけるのは無理だと分かっていた。』
『だから、本当にごめん。』と。
―あとは、ただ、礼が生き残れてよかった、と。
自我崩壊を起こしかけている礼が反応できないのは、仕方がありません。
既に力が失せて、俯き、動けぬ識。
意識が働かず、天を仰ぐばかりの礼。
この時の礼の視界には、識の顔は入ってすらいません。
しかし、この時の識は、残る命の全てを、礼への愛へと昇華させていました。
顔を上げて、感謝の涙と優しき笑顔、そして、残りの二言。
『外の世界でも、精一杯強く生きて…。』
『大好きだよ、礼…。』
ただただ、静かなるこの瞬間。
崩壊しかける寸前の自我の礼の、天を仰ぐばかりの視界は、最期の識の笑顔を奇跡的に捉えていました。
否、奇跡などではありません。
全生命力を振り絞って、識が“生命のメッセージ”として、伝え切ったのに決まってます。
この瞬間から、今の戦いの決着まで、識が礼を守り切っていたのです。
引き戻される、礼の自我。
反応できないのも、当然なのに、礼が一番、悔やんでいたものの正体が、あふれ出てきます。
礼もまた、言わなければいけなかった。
覚悟していたハズの最後に、識の事を、礼も『大好きだったよ。』と。
『頑張って、生きるよ』と。
キングダムネタバレ-あの時の羌識。
これは、礼と識の二人だけの思い出。
礼『識はもし外にでたら、何がしたい?』
識『んー、私はねー。』
『ない。』
礼『はぁ?ずるいぞ、識。私にだけ言わせて! あ、さては識も犬だな!』
識『アハハハハ』
― キングダムネタバレ最新669話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。
前回までの予想:キングダムネタバレ最新第669話予想 羌識の最後の顏は?