( 鄴と黄河の配置 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第509話 )
今回のキングダムネタバレのテーマは明確です。
635話のラストに提示された、鄴に再結集した王翦と桓騎軍の食料をどうやって賄うかという点です。
すでに、過去の当キングダムネタバレでも考察や予想を進めるなかで何度も記述してきており、多数のご意見やコメントもいただきました。
なので今回は、有力な意見などを中心にの再整理といった感じになるかもしれません。
ここまでに出てきた王翦の食料難解決策をざっくりまとめると下記の5つで大きくまとめられそうです。
①閼与の陥落による補給線の再構築
②楊端和が遼陽城から帰還
③和睦交渉で趙側に吐き出させる。
④秦本国からの支援.1(昌平君サポートサービス1)
※秦側から援軍で列尾を再突破させる
⑤秦本国からの支援.2(昌平君サポートサービス2)
※黄河経由の河川輸送を実施
特にキングダム第635話が描かれ切ったことで②と③は大きくネタバレの実現可能性が減じてしまった感が否めません。
②は前回のキングダムネタバレで解説したとおり、楊端和の動きと勘に頼った結果論でしかなくなるのが理由です。
(とは言え、鄴攻め終了に伴い、いずれ全軍が合流する過程があるとすると、結果的に楊端和軍が持ち運ぶ遼陽城の食料が役に立つことは間違いないとは思います。)
③は今回公表された635話で、桓騎軍によって人質に出来そうだった鄴の城主の趙季伯が自害して、さらに住民もほぼすべてが城外に脱出してしまったからです。
なので今回の記事は上記の中の、
①閼与の陥落による補給線の再構築
④昌平君サポートサービス1-秦側から援軍で列尾を再突破させる
⑤昌平君サポートサービス2-黄河経由の河川輸送を実施
これら3つのネタバレの観点に絞って記事を進めます。
では、さっそく本題に移りましょう。
キングダムネタバレ‐閼与の陥落による補給線の再構築
もう閼与ネタバレは無かったことになるのかな…?
と、つい昨日までそう考えていたのですが、改めて考えてみると秦も趙も比較的南北に縦長い領土を持つ国であり、国境線がかなり不明確が部分が多いです。
やはり史実ネタだけあって結果的には今からでもこれが一番いい結果になるんじゃないかな?と考えて最初の項に持ってきました。
一時期はGoogleの検索サジェストにも『キングダム あつよ』とか出るほどでした。
当時の検索意図の意味合いとしては、食料問題の解決を兼ねて朱海平原戦の勝利につなげる為の情報考察に使われていたハズです。
で、結局のところ神(作者)の真意はともかく、連載が長引いて居るうちに『閼与』というキーワードが広がり過ぎた感があります。
有り体に言うと、史実ネタが連載に出てくる前に読者のほうが先に閼与ネタに飽きてしまった状況です。
よく考えれば酷い話です。
鄴攻め開戦前に、昌平君に「胡傷は俺の軍略の師だった、その胡傷が王翦を軍略の才だけで六将の席に割って入れるほどの逸材と認めていた。」
などと、あれだけ沢山の前振りと、閼与でその胡傷が敗戦した地である点などの史実ネタ匂わせも盛り込まれていたのに…、
結局は本編ではネタが何ら採用されることなく、読者側に飽きられてしまった閼与という地…。
一体、閼与が原先生に何をしたというんでしょう?
勝手に期待されて勝手に忘れられるなんてあんまりです。
とは言え、キングダム本編では、厳密に解釈するともしかしたらキチンと閼与を史実ネタとして採用している意図なのかもしてません。
神(作者)や編集部的には、「閼与という拠点を制圧した」というより…、
「閼与を拠点に招集した李牧軍を倒した」≒「閼与を制した」=「王翦が閼与を征服して鄴攻めを成功させた。」という式図なのかもしれません。
ネタバレ検証‐基本に戻ろう、史実に触れてこそ歴史漫画。
何故ここにきて自分でも半ば終わった話だと考えていた閼与ネタを、今回の食料問題のネタバレの中に持ってきたのかというと…、
残存軍である田里弥と渕さん達の存在が原因です。
まあ、精鋭の選抜に漏れたとはいえ、王翦軍の生き残りの八十パーセントの構成員がいるわけで、食糧難という意味では鄴を占領し始めた精鋭軍+恒騎軍と危険度はほぼ同じです。
とは言え、一度は戦線を離れた李牧をはじめ、おそらく王都圏などの敵からの監視が比較的緩いコトが考えられます。
なので、半数以上の兵員を史実ネタのように本国に返すでもないなら、王翦はそれほどの人員の利用方法も何か考えていたハズです。
コレで王翦がなんの意図もなく、半数以上の兵員を無計画に、そこらの家でお坊さんみたいに托鉢でも実施させていたとしたら…、
王翦も田里弥もアホなのか!って話でしょう。
また、今の田里弥軍が列尾城を攻めたトキのような攻城設備等を今でも保持しているか疑問は残りますが…、
今の拠点施設としての閼与は李牧が全軍を南下させてしまっている事を考えれば、王翦軍の残軍でほぼ守備兵力がゼロになった閼与城陥落させてからの南下合流もアリかと考えました。
また、そもそも論を話せば元も子もありませんが、長く続いた朱海平原の戦闘自体が完全な創作ストーリーでした。
そこに、最近になってようやく“王翦軍の兵力を5分の1の精鋭軍に分けた“などといったような史実ネタへの回帰が見られてきています。
なので、この点でも最後に着地点として史実ネタを原先生の画力で遺憾なく表現しきるといった本来の作品の持ち味が出せる方向に作品が進めば嬉しいといった期待も込めてこの項を書いてみました。
ネタバレ検証-本国支援型の結果の弱点
また、これから記述する上記③と④の本国側からの支援策としてを、昌平君サポートサービス(499話の頼み事)で表現するにしてもネタバレ予想としてはカナリ大きな穴がたくさんあります。
むしろ、その欠点の反証としてここに改めて史実である閼与ネタって悪くはないと考え直した意味もあって最初に持ってきた意味も大きいです。
まず、そもそも『船を使って物資を運ぶ』という発想そのものが『驚くべき手段』と言えるほどのことか?と言えば疑問です。
そんな簡単に黄河を戦略運用できるなら、昌平君だって最初から作戦に組み込むハズです。
そして、同時にアレだけ巨大で目立つ渭水を見て、何も制水権を考慮していない李牧と趙国もどうかしている連中になってしまいます。
神(作者)としても李牧に、
「秦軍が渭水を渡って食料を運び込んできた?信じられません!水の上を人間がどうやって?」
…とでも言わせたいのでしょうか?
また、王翦が昌平君などと鄴陥落のタイミングについて意思疎通できるかの課題も大きいでしょう。
ネタバレ検証-閼与の陥落パターンネタバレの弱点
このネタバレ予想の場合、499話の昌平君へのお願いが何だったのか分かりにくいです。
なのでこの場合は、499話のお願いはもう鄴攻めが終わったあとの別の理由にするでもいいかもしれません。
また、いっそこの際、「昌平君の策を捨てた後は、何もしないでくれなど(この場合であれば列尾陥落以降)」と不作為そのものを願い出たのがオチだったと考えるのもいいと思います。
また、そうであれば逆に499話で王翦から直接何かを頼まれていたハズの昌平君までが、第555話で李斯や政などと一緒に「王翦の意図が分からない」などと言っているコトとも上手く繋がるからです。
キングダムネタバレ-秦側から列尾を再突破
今のトコロ、これは殆ど実現性が低いです。
理由は前項で書いた通りです。
昌平君が援軍を発するにしても、499話で王翦から戦略の概略を聞かされているハズの彼が、何故か第555話で李斯や政たちと一緒になって王翦の意図に気が付かないのは変です。
また、どのタイミングで援軍を発進すればいいのか、王翦と意思疎通をはかるのは現時点では無理でしょう。
それに、コレを実現するなら、秦本国から趙に再突撃させる軍も10万規模で興さなくてはなりません。
現状の列尾にはコチョウ将軍が率いる5万の駐屯兵と舜水樹が引き連れてきた9万弱の趙兵が合流して14万人近くの大兵団が国境を守っていることになるからです。
(当然、舜水樹までが列尾にいることは王翦は知りようがありません。)
しかしただ一点、このネタバレ予想に関しては有力な要因が残っていることが分かります。
もしも神(作者)が自己都合を優先させるなら非常に描きやす点です。
例えは、キングダム内ではイマイチどの程度の正確さで鳥(鳩)の伝達やり取りされているか分かりません。
かなり、モヤッとしています。
本来はハトの帰巣習性を利用した伝達手段なのですが、
どうやら趙では鄴と邯鄲は鳥で連絡し合い、戦地である朱海平原へは早馬で連絡をしていた様子が李牧のセリフから分かります。
しかしながら今のキングダム、趙に雁門馬がいるように、秦には何故か帰巣習性に頼らずとも、いとも簡単に目的地へ飛ぶことが出来るハトが出てきてもおかしくありません。
そして、499話で王翦が昌平君に依頼していたのは、「密かに軍を興しておいて欲しい」的な感じで収めといて、
同時に555話で昌平君が一緒に悩んでいた場面は神(作者)的に無かったことにすれば「これは漫画だから。」の一言で方が付きます。
死んでもいない亜光が結局は復活しなかったり、最近だと消えた対桓騎包囲軍の謎だったり…、
あるいは、残り10日分の兵糧しかなかったハズの秦軍の食料も結果的に18日目まで保たせていることから分かるとおり…、
神(作者)的には以前に描いた設定が、それほど重要な作品作りの条件では無かったりする部分が少なからず見受けられます。
キングダムネタバレ-黄河経由の河川輸送を実施
おそらく神(作者)としても、次回のネタバレは“黄河で食料運びました。やってくれたのは昌平君で~す!”のオチで描くのが一番楽だと思います。
既に多くのキングダム読者が気が付いているように、そもそもキングダムの中では不自然なくらいに鄴が黄河(渭水)の異様に近い位置に配置されている以上…、
どうしても使い勝手が良すぎるからです!
そして今の原先生は、前項に記述した趣旨の通り、鄴攻めが非常に長期化している結果も兼ねて、多少は過去の設定や開戦当初から様子を変えて今の戦局を描いているトコロもあります。
なので、これが顛末として描かれるのであれば499話の伏線回収も可能になると同時に、且つ、第555話の昌平君のリアクションには目を瞑れというオチもあるでしょう。
また、少し考えてみたのですが、王翦としてた単に鄴制圧ごの食料さえ手に入ればいいだけなので、タイミングまで調整する必要はありません。
黄河は広いので、開戦と同時に非常に大きな迂回航路を経て、趙の制水圏を掻い潜り、鄴周辺に移送船団を鄴が陥落するまで停泊待機させていた。
あとはユックリ取りに行くだけ。というオチにすることも可能です。
このまま鄴周辺の桓騎包囲軍はいなかったことにしておけば、到着待機していた秦の兵糧戦団も敵にエンカウントしなかったとの理由に据えることも可能です。
また李牧は閼与という遥か北方から南下してくるルートなので…、黄河の様な完全に反対側の領土や領水域の情報など届いてこなかった…。
というコトにでもしておけば、どうにか説明はつくかもしれません。
また昌平君にしても、王戦から頼み事をされた出陣直前から、輸送のための船団を1カ月弱で趙にもバレず送致出来たら凄いですが…、
恐らく王翦的には昌平君は偉い人だからそれくらいどうにでも出来ると思ったのかもしれません。
そう考えるとコレって実は王翦の戦略って…、
有体に言えば『人に頼んでおいてモノを運んでもらった』ってだけの話でしかなくなります。
別に戦略自体は全然大したことじゃありませんよね。
むしろ、それを実現するために実務に従事した連中がものスゴイだろうって話になってきます。
黄河を下がって食料を運んでくるのは介億や蒙毅でしょうか?
大河の波を乗り越え、海(黄河)の男になった蒙毅が小麦色の焼けた肌に早変わり。
褌一丁で河了貂をお出迎えします。
― キングダムネタバレ最新636話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
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Twitter:しんいち ダム垢(@takikomigohande)
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