( 李牧 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第628話 )
二週間のお休みを経て次回のキングダム発表まであと少し。
まあ、当然ですが神(作者)も合併と休載があったからと言って、その間全てお休みをしていたワケでもないと仰っています。
十分鋭気に満ちた話の続きが拝めるのが楽しみです。
さて、前回の予想で、信死亡状況からの龐煖が瀕死の間際でヒーラープログラムを起動させてから、物語退場じゃないのか?という信の生存確保の部分について次回話の予想を進めてみましたが、ココからは別方向の予想で、龐煖の戦いを見届けた李牧がどうやって鄴まで撤退するつもりなのか?その先の予想について記述を進めてみました。
また、王翦としても朱海平原戦での勝利を狙っていたならば、李牧の撤退が撤退することは想定済みであったハズです。
王翦にとってはこのまま予定調和になっていくのか?についても興味深いトコロです。
この点、李牧撤退はカナリ微妙です。
微妙っつーか、開戦からすべての作戦想定が覆されているので、軌道修正を重ねすぎた誤差蓄積が最早尋常ではありません。
李牧やその側近は机上計算で済む話なのかもしれませんが、現場クラスの指揮官になってくると朝令暮改の多さで混乱の極みにしかならないでしょう。
既に部下の不信感の蓄積で、指揮系統制御に問題が生じていてもおかしくありません。
具体的に言って、逃げ出す奴【フテイだったら似合いすぎる(笑)】もいれば、追い込まれただけ勝手に反撃に出る奴【馬呈だったら似合いすぎる(笑)】も出てくるとなれば、集団行動を維持するだけでも大きなロスが生じるでしょう。
そもそも伝令将校が末端まで李牧や中間指揮官の命令を正確に伝えることが出来るかどうかも疑問です。
・右翼(紀彗軍)で壊滅⇒蒙恬が阻止。
・左翼は堯雲たちが撃破、もしくは膠着で秦軍食料枯渇⇒堯雲、趙ガ龍、岳嬰、ついでに本陣側金毛討ち死に。
・鄴の食料危機が知らされて防御戦略を放棄。
・本陣戦で改変本能型で迎撃⇒王翦軍が何の訓練も無しにアドリブで改変本能型で対抗。
・王翦軍本陣をバナージで急襲⇒馬呈が蒙恬を連れてきたがために失敗。
・運よく龐煖登場⇒神(武神)頼みになるも、読者の為にカイネと解説役にならざるを得ず、撤退が遅れる。
ざっくり振り返ってみると、必ずしも軍師として李牧個人の見通しが甘かったというだけではないようですが、やはり大前提にしていた秦軍の食料枯渇を狙う戦略を放棄せざると得なかった時点で、朱海平原軍以外に王都圏をバックアップする軍力が存在しなかったのが致命的であったのかもしれません。
とは言え、ほかに軍力が残されていないのは王翦を始めとする秦軍も同じです。
特に、秦軍が朱海平原戦で勝利を収めたとは言え、この先の趙国内での食料調達がどうなるのかという課題が残されています。
この点から、今回のキングダムネタバレ予想を進めてみたいと思います。
キングダムネタバレ‐鄴をどうやって開放するのか?
冷静に考えてみたら、李牧がある程度の軍力を伴って朱海平原から南下するだけでも難しいのですが、前回の628話の李牧のセリフを見てみると、どうやらすでに各将校に撤退戦術を吹き込んであるあたり、南下を妨害するであろう王翦軍に対してはすでに対策を講じていたことが分かります。
とは言え、王翦としても李牧がどうやって背後のダメージを最小限にしつつ、撤退南下を進めるのかぐらいは考えているハズなので、ここでも二人の知略戦が勝つのかが焦点になってきます。
ネタバレ予想‐鄴を開放するのに必要な想定戦力は?
まず、李牧自身がアツヨ方面軍と遼陽方面軍を除いた、恒騎包囲軍の戦力をどのくらい見積もっているのかが分かりません。
恐らく自国内の軍隊で宰相という地位もあるわけですから、李牧にとって不明であるハズではないでしょう。
また、ここからの標的である恒騎軍の戦力が6万であることも把握しているでしょう。
現状の鄴包囲の恒騎軍とそのさらに外周を包囲する趙軍の兵力がある程度均衡していると仮定するならば、李牧という最高指揮官とその側近、さらに攻撃の核となる李牧直下の雁門系列の部隊が登場すれば、恒騎軍にとっては決定打となるやもしれません。
また、李牧としては自国内で宰相という権限をもつ最高指揮官という立場を使えば、鄴場内が極度の食料危機に見舞われているにしても、先ずは一日で恒騎軍を蹴散らしてから、後でゆっくり周囲の地域から食料を運搬して住民たちを救えばいいと考えているのだと思います。
そして、この点で李牧がどうやって南下策を展開するかについては、前回のキングダムネタバレ予想で記載したとおり、先行を機動力に富む雁門部隊で進め、それまでの主力であったアツヨでの編成軍で王翦軍からの背後攻撃を最大緩和するのが作戦の大筋になるかと予想します。
特に、現在、王翦本陣に絡んでいるフテイと馬南慈などは、李牧本陣から見れば、王翦の背後にいることからも最も鄴方面に近い部隊です。
また、李牧追撃に最も近い飛信隊が、信が死亡の間際にいることで機能不全に陥る可能性が高く、追撃に関しては亜花錦だけが頼りになる状況です。
前回の628話を見る限り、李牧は既に夕刻になっているにもかかわらず、「今すぐ全軍戦を解いて南下!」とか言っているので、南下も強硬的に夜間行軍するつもりなのでしょうか?
もともと15日目の戦闘中の目論見では、一日戦闘して移動は次の一日で恒騎を討つ予定だったのですが、この辺がなんだか急遽軌道修正した作戦のミソになっているのかもしれません。
大軍のままであれば、夜間行軍は難しいでしょうか、少数精鋭ならばなんとか!?といった意図もあるのかもしれません。
しかしながら、ただでさえ抜け目のない亜花錦の追撃をすり抜けるのは李牧でも容易ではないかもしれません。
李牧自ら亜花錦を打ち取って真っ向から脱出することも考えられますが、李牧も脱出が目的であった、賭けに近い勝負などは現実味がないような気がするので、ここらでカイネが亜花錦の追撃の間に入って、堯雲が残した予知夢の回収話に繋がるのかもしれません。
ついでに言うと、今はカイネの近くに河了貂がいることになるけど、今更、昔の旧交を振り返ってどうたらとかにはならないで欲しいところです。
まあ、結局は状況の混乱と謎の雁門馬スペック+ワープ、それでも無理筋が残れば再び新しい森が出現するなどして、李牧の脱出する確率はカナリ高いといえるでしょう。
中華広しといえどもナ〇トの柱間みたく、“樹海降誕”を使いこなせるのは李牧しかいないのですから…。
ネタバレ予想‐半日と3日の想定誤差
いきなり結論を書きますが、上記の前提状況を踏まえて、李牧の鄴救出の最大の急所のなってくるのが、現在、鄴を預かっている趙貴伯と李牧の想定誤差です。
趙貴伯さんは、李牧に救援を求める手紙の中で、鄴は食料が尽きたら「半日と持たず暴動が起こって内部崩壊する。」と言っているにも関わらず、一方で李牧は「趙貴伯は賢者だから3日は余裕」とか言っています。
何なんでしょう、この温度差!?
まあ、李牧にしてみれば最低でも3日は持たせてもらわんとどうにもならんワケなのですが、どうやらなんぼいい人であっても王族であって武人ではない趙貴伯さんに、李牧の実情が理解しようにもできるハズもありません。
正直言って問題の当事者同士の間で、危機管理対象【この場合は鄴城内の民度】の猶予期間について2.5日もの耐久誤差があるって何のコンセンサスになるのでしょうか?
たとえ、趙貴伯さんが、半日からのばして丸2日の間城内を維持したとしても、暴動が起こる前に恒騎に対して城門を開いてしまえば、それまででしかないリスクを抱えるワケです。
李牧にとって、もっとも残念な結果がなんになるか?
それを考えると、李牧が鄴に到着する数時間前に、既に恒騎に対して鄴の城門が自ら開放されてしまったというのが一番の残念賞になるように思えてなりません。
そして、それにしても鄴の住民…。
もしも趙貴伯さんの言うとおり、ホントに半日食料を口にしないくらいで暴動起きるなら、いくらなんでも短気すぎるだろう?という気もしないではないです。
サイの住民の辛抱強さを見習ったほうがいいんじゃないか?などとも思えてきます。
また、王翦自身が鄴の城について、「完璧な城、攻め堕とすのは無理」と評価している通り、王翦の目論見としては陥落させるにしても、あくまでも内部からの崩壊を狙っており、その趣旨も恒騎ならば容易に汲んでいることは想像できます。
また、この鄴城の堅牢さは烈尾城のそれとは反対に、一度敵の手に渡ってしまえば容易に奪還することが極めて難しい城であるとの反証にもなります。
ネタバレ予想‐鄴、内部崩壊のキッカケ
ココで渭水(黄河)軽油で昌平君から食料が恒騎に届く。で決まりなのかな?と考えてしまいます。
前回のキングダムネタバレで書いたとおり、現在3か所に散った秦軍ですが、王翦軍はこのまま朱海平原での趙軍の輜重を強奪し、李牧が南下するために殿に残したアツヨ兵を捕虜にすれば、さらにアツヨ城を支配下におさめることも不可能ではありません。
楊端和はすでに遼陽城を支配下におさめています。
なので、単純に考えて一番食料に乏しいのは恒騎軍になります。
しかしながら、すでに多くの読者様がお気づきのとおり、恒騎軍が待機する鄴周辺は、極めて渭水(黄河)に近いこともあり、仮に制水権を秦軍が確立していたとすれば、輸送インフラの上では秦本国からダイレクトに兵糧を輸送することは不可能ではありません。
そして、仮定を重ねるとある意味恒騎軍以上に食料に逼迫しているのが鄴の住民たちです。
王翦が鄴城内に放火チーム以外に、住民たちを煽動して暴動を誘発させる一団を送り込んでいたとかも想像できますが、現状この可能性は低いです。
なので、暴動、内部崩壊のキッカケを秦軍側が作るとなれば、別に恒騎側でコントロールして趙貴伯と住民に働きかけるための仕組みが必要になってきます。
既に、趙貴伯は即日撤収を李牧に要求して朱海平原に伝令を送っているとおり、李牧自身の南下速度との期待値に大きな隔たりがあります。
また、曲がりなりにも鄴城を除く、他の9城の住民たちは恒騎軍を含む秦軍に一度、城を堕とされたものの命は救ってもらっているという“懐柔”にも似た体験を植え付けられています。
この点、恒騎が外部供給された食料をチラつかせて開城を迫ればどうなるか?
例えば摩論とオギコを使者に立てたとしたら、摩論に条件提示させつつ、やんわりと断ったトキの恐ろしさ想起させて、「オギコと一緒にゴハン食べよ!」と誘うだけでもカナリの揺さぶりになるかと思われます。
また、この点でも趙貴伯にとってみれば、李牧がいつ南下してくるのか分からないことは味方同士の不信感として大きく作用するかと思います。
キングダムネタバレ‐SSS:昌平君サポートサービス
さて、前項で渭水(黄河)経由の食料ダイレクト輸送について触れましたが、この点の行間を埋めるキングダム本編内での描写、複線上の構造が極めて少ないのがこの予想の弱点です。
以前から考察を続けている通り、第499話での王翦の昌平君への頼み事については本編でどのように実現化されるかについては、多くの議論が進んでいるワケですが、ここでは上述のとおり、499話のSSSが鄴城及び恒騎軍への食料黄河輸送策であるとすれば、499話以降の秦軍本国サイドでどのような動きがあったのか?
整合性のとれる昌平君のリアクション、具体的にいうと準備工作がどのようにして進んでいったかについて予想してみたいと思います。
ネタバレ予想:SSSの発動条件は?
趙貴伯も李牧の状況が詳しく分からないように、昌平君もまた王翦の戦況を詳しく知る術がありません。
また、第555話で昌平君がほかの参謀たちと同じように、王翦が独自に進め始めた兵糧戦略に疑問を呈していたことからも、第499話で伝言を受け取った後の時点であるにも関わらず、王翦と昌平君の間にコンセンサスが成立していない様子が分かります。
なので、昌平君が本国で王翦の真意に気が付くか?
それとも555話の時点で昌平君ですら真意には気が付かずとも、それ以降、何らかの形で昌平君を含む秦国の勢力に趙国内での戦闘状況を伝達させる仕組みが必要になってきます。
ネタバレ予想‐昌平君も把握していない秦国内勢力
私が大きく引っかかっているのは上述の通りの555話での昌平君のリアクションです。
王翦に頼みごとを聞いていたにも関わらず、王翦が列尾を捨てて作戦の独自展開を進めだしてもから何も能動的な反応を示さなかったからです。
物事の依頼と言っても、必ずしもそれは何か具体的な具体的な行動を伴うもとは限りません。
例えば、「何もしないで下さい。」といった不作為を要求することも依頼のひとつになります。
既に明らかになっている作品中の情報として、王翦は全軍で列尾を立った後、秦国本営に「列尾は敵に封鎖されるのでもう食料は送るな」といった趣旨の伝令を発しています。
そして、ここから考察を進めると、輸送待機になった食料はおそらく中継基地であった金安に残留されていた可能性が最も高いと思われます。
もし、王翦がこの残置した食料の輸送を昌平君に頼んでいたら、第555話での昌平君の反応は沈黙を守って微動だにしなかったでしょう。
なので、この残食料の輸送の担い手は昌平君も知らない、別の勢力に託されたことが考えられます。
昌平君も補足できない勢力となれば、王翦は秦国に正規に認められた国軍以外に、戦の度に王翦個人で接収してきた旧敵国兵士がいることが真っ先に思い出されます。
彼らは普段、王翦個人の領内のなかで遇されていることは王翦本人の談から語られていますが、中央集権化が他の列国よりも進んだ秦国で、このような独自兵力を構成する王翦は極めてイリーガルに近い隠し手札を持った武将と言えます。
また、キングダム本編の中で秦国随一の貴族である王家の領土(本拠地)が何処にあるのか不明です。いい換えれば、渭水(黄河)や鄴への距離がいかほどなのかという部分が余白として完全に残っています。
そして、この点で、例えば王翦が昌平君に秦国で他の武将の領地を王翦の私軍が通過したとしても不問にしてほしい。金安の備蓄食料を列尾出立後は王翦軍独自で使わせてほしい。などといった趣旨の依頼であれば、王翦は味方からの情報漏洩も防ぎつつ、同時にコミュニケーションも必要とせず、独自のタイミング把握のみをもって効果的なタイミングで食料輸送を発進させることが可能になります。
ネタバレ考察-間者の密度がイマイチわからないキングダム
キングダムの世界では王騎や王翦は独自の間者による情報網を持ち、文官では昌文君も同様でしかも、カクカイなど趙王宮中枢の極めて急所に近いトコロまで情報の網が広がっているようにも見えます。
また、楊端和も第500話で自軍を指して「これだけの大軍なら当然敵の間者も紛れている。」などと言っています。
しかしながら、そのスパイ網の展開もどうやら、キングダム世界の中ではカナリ偏在が激しいようです。
例えば、コレまでにも秦軍には上記のとおり各武将ごとの独自情報網がある事が分かっていながらも、現在の秦軍本営にしても列日封鎖後の情報伝達については、王翦軍からの正規伝令以外の筋からの報告が全く入ってこないなどの点は非常に不自然です。
秦軍の大本営にしては、なぜこんなに情報チャネルが乏しいのだろうか?
また、楊端和が自軍を警戒しているように、逆に秦の間者が趙軍側に紛れ込んでいてもおかしくないのに、この点からの情報の動きも全く存在しません。
この点でもおそらく神(作者)の設定に余白が満ちています。
結論から言って、恒騎軍と鄴に対して効果的なタイミングで秦本国からの食料を発進させるにしても、第501話でネタバレしているように、趙国内に放っている王翦軍独自の間者網でそれを成しえたとすることが可能だったりします。
ではこの場合、王翦の独自の間者は何処にいてどのような手段で食料輸送団を動かすタイミングを発したのか?
何度もキングダムを読み返す中で、おそらくそうではないか?と可能性のある瞬間を図らずも李牧本人が提示しているシーンを発見しました。
第603話の冒頭で、李牧が鄴から朱海平原に伝令が渡るまでの経路のなかで、一旦、鄴からの中継地として邯鄲を経由してから早馬で情報が届けられたという趣旨のセリフが残されています。
キングダムでは、昌平君も昌文君も今戦の標的である鄴中枢には間者を放った様子がなく、王翦にしても偽装難民を除く侵入者は特に放っている様子はありません。
しかし、趙貴伯さんのような人格者設定の領主とは違い、何故か必要以上にダメ君主設定になってしまった現趙王のもと、すなわち邯鄲であれば、すでに昌文君の放ったヨウカさんだけなく、王翦の間者までもが潜伏していてもおかしくありません。
恐らく王都と言えど、趙国にとって情報漏洩の危険性が一番高いのが邯鄲であると思います。
そして、邯鄲と秦国内の王翦軍拠点との間に鳥の伝達経路が作られていたならば、鄴で食料が焼かれた翌日の14日目の間に食料輸送軍を船で発進させ、李牧の南下が完了する前に、恒騎に陸上合流させることは可能ではないか??
うーん?自分で記事を書いていながら、趙壮が李牧に言っていたように『仮説に仮説重ねているようで信じられません。』の状態なんですが、とりあえずなんとか脳内で整序した予想をまとめてみました。
― キングダムネタバレ最新629話 予想 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
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Twitter:しんいち ダム垢(@takikomigohande)
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