( 信 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第624話 )
普通に考えて体格差と体重差を考えたら、例え騎乗していない地平戦闘だったとしても、信が圧倒的不利であることには変わりがありません。
この点、彼よりも体格の小さい羌瘣などは、体術の上での俊敏さなどに加えた軽気功による巫舞特有の跳躍力で、ワレ武の体高よりもカナリ高い打点からの頭上攻撃が可能であったことが強みになっていました。
元より人並外れた長身であるワレ武ですから、地平戦闘であっても馬上戦闘であったとしても、他人から頭上を急襲されることは極めて稀であったと推測できます。
しかしながら考えるに、例え羌瘣の様に我武に対する頭上急襲が可能な戦闘スタイルであったとしても、元々の体格差によるリーチの長さによる有利差は埋まりません。
作中、羌瘣が龐煖を切りつけた回数は、相手のそれよりも遥かに多く描かれていました。
元より、馬陽編で信が龐煖の強みを深く分析した結果、“強力な矛撃そのものよりも、羌瘣の巫舞を受け切った“受け”の強さこそに武神の強みがあると見て取っていたワケですが、
その受けの強さを掻い潜って、我武の身体に武器を当てることが成功しても、元々のリーチ差によって、その一撃が非常に浅いモノに止まってしまうという結果になってしまっていました。
この点を踏まえると、羌瘣の強みは緑穂という片手剣による俊敏さと軽気功、さらに巫舞による頭上攻撃が強みで、逆に弱点はリーチの短さによるダメージの浅さとまとめることが出来ます。
このように単純に考えると、龐煖を倒すには、逆に数少ない打撃でも、彼のリーチを上回る打撃で我武の身体の“芯”にダメージを発生させることが課題になってくることが分かります。
【まあ、そんなコトを言ってしまえば蒙武が居れば解決するという、身も蓋もない結論になってしまうのですがね…。「ってゆうか最強目指すなら今の蒙武と戦ってみろや?って思っている読者様は多いハズですよね。(笑)】
なので、このようなフィジカル面からの格闘技考察から勝負予想を進めてみても、武器を剣から矛に持ち替えた信の姿は、対龐煖戦の決着仕様として期待させるものを神(作者)が与えているように思えてきます。
蕞攻防戦でも、信が使用していた武器は漂から受け付いだ剣であった点で、撃退こそすれ致命打撃を与えるまでには至りませんでした。
しかしこの点、信は今戦において対堯雲、対岳嬰、対趙峩龍戦の三戦で見事に王騎将軍の一閃を体得している経緯を見ると、やはり勝負のカギは極限まで集中した状態からのノーモーションからの一閃を龐煖が反応しきれない瞬間に発動させるという一点に尽きるのではないかと考えます。
12月12日ヤングジャンプ掲載予定、キングダム第625話について予想。
ここから発生可能なネタバレを検証します。
キングダムファンの皆様、今週もよろしくお願いします。
キングダムネタバレ-第624話のおさらい
第624話の予想⇒【キングダムネタバレ624予想 李牧と龐煖コンビ解消】
第624話本編の考察⇒【キングダムネタバレ最新624話 人の代表 考察】
ネタバレ検証-李牧の講義は続く
李牧としても、ホウケンがおかしなコトを言っていると言うのは十分理解した上で話す19年前の出会いと求道者の目的。
今回の冒頭シーンにて、質問を返したモブ将校さんが言わんとするように、「人類を救いたいのであれば、それは人類を愛するが故に出ないの? 俺たちの人から愛されてるようには全く感じないんだけど??」的な疑問はもっともなことだと思います。
しかし、李牧はそれを踏まえた上で、一般人の常識で推し量ることができないのがホウケンであり、“情や愛”からの脱却こそが求道者の思想であると説明します。
ただ、ホウケン本人がそう語っているわけではないので、これは私の個人的な邪推としては、もしかしたらホウケンを幼少期の頃にさらっていき、技を仕込んだ先代の武神が当初の人類救済の目的を伝え忘れてしまったのか?
それとも先代からキチンと教わったはずなんだけれども、ホウケンがアホすぎて理解ができなかったか? あるいは聞いた側からすっかり忘れてしまっているとかじゃないの? という風にも見えてきます。
だいたい前回623話で、信が聞いてきてくれているのに、自分のやってることを自分で説明できてないわけですから…、
これで信が勝利を果たしたとしても、秦軍サイドにとってみれば「毎回アイツ、一体何がしたかったんだろう?」というモヤモヤか、カイネが前回で李牧に返しているように、「自分の強さを誇示するためにムキになってたんじゃないの?」という誤解しか残りません。
まあ、別に本人がそれでイイならいいんですけど、敵の“想い”すら紡いで戦う大将軍になるってのが信のスゴみなワケで、せっかくだから自分の真意ぐらいは残してから逝ってもいいんじゃないかなと余計なお世話ながら思いついてしまいます。
キングダム検証-バトルシーンでは龐煖優勢
本記事冒頭のように、戦技に余程の実力差がない限り、身長差と体重差でホウケンの方が優位になるのは当たり前です。
戦闘の序盤では、あれだけキョウカイから有効打を受けていたように見えたホウケンですが、ココでは完全に戦闘のペースを握っています。
しかしながら信がホウケンの渾身の一撃を受けるたびに、遠くに弾き出されるようになっているので、ダメージ蓄積はともかく信はギリギリで致命的打撃を回避しています。
なんとか攻撃に転じますが、ホウケンに真っ向で受け止められては、そのまま膂力で捻じ伏せられています。
しかりながらそれ程劣勢であるだけに、今し方、李牧からホウケンの存在意義を聞かされたカイネなどが本陣から信を見ると、今度は逆に信こそが不可解な存在に見えてくるようです。
「圧倒的に強い武神を相手に何度も立ち上がるアイツこそ何なの?」ってトコロなのでしょうか。
その問いに再び李牧が答えます。
曰く―『彼らも人の代表です。』
しかし何気に、信は王翦たちと一緒に、ただ単に鄴を占領しにきただけなのですが、本人たちの知らないトコロでいつの間にか何かの『人類代表決定戦』にすり替えられているのが嗤えます。
だから鄴攻めが終わらないんだろうが。(笑)
ネタバレ考察-人の答え?
相手に王騎将軍の姿が重なって見えた龐煖。
おそらく、ここからが龐煖の本気だったのでしょう。
待っていたものが現れた瞬間、それまで若干、力で龐煖を押し返していた信を弾き返し、倒れた瞬間から乱撃を重ね放ちます。
殆ど、反撃どころか立ち上がる余裕すら与えない龐煖ですが、信も転ばされたまま矛を離さず、懸命に致命打撃を回避します。
流石にヤバいとおもった飛信隊の仲間が『やめろォ!!』と叫びつつ駆け寄りますが、武神の一睨みで体が射竦められて動きません。
しかしながら、ここまで追い詰めて信を殺すことが出来ないしぶとさは、我武にとっても理解しがたい粘りに映ったことでしょう。
ここに来てやっと口を開いた龐煖。
『何故、俺に抗らえる、貴様らは一体、何のだ?』と問いかけます。
これまで一貫して、自分ゆく道を宣言してきた信は、『うるせー、何度も何度も、天下の大将軍だっつってんだろーが!』と答えます。
そして、李牧が言うように、コレこそが武神道の答えとして、一人求めさまよって生きてきた男の答えなのでしょう。
キングダムネタバレ-信の勝機はどのように来る?
ネタバレ予想①-ワレ武負傷の影響
王騎の矛による一閃が、龐煖を討ち果たすために体の“芯”からとらえるために、ここから信はどのような動きを見せるのでしょうか?
あるいは、ワレ武もまた信との勝負を挑むまでノーダメ―ジであるというワケでもありません。【とは言え、胡漸副長や羌瘣からのダメージが全く軽微なくらいの描かれっぷりですが…。】
この点、龐煖は普段、まるで痛覚を感じないような素振りを見せていますが、案外、つけ入るとしたらこの点で、信が勝利を掴み取る切っ掛けになるかもしれません。
蕞攻防戦の最終局面において、信は麃公将軍の置き土産として、武神の左腕が折れているコトを知っており、実質的には片手でしか矛に体重を乗せられない様子を見て取っていました。
今回においては、信は羌瘣と龐煖が戦う様を、ずっと見ていたワケではないですが、この点、逆に最強を自負する龐煖自身が自分のダメージについて無頓着で戦う姿勢が仇となって、信の勝利につながるかもしれません。
古いネタですが、懐かしい《幽遊白書》の暗黒武術会編にて、対イチガキ戦での戦闘マシーンを相手にしていた蔵馬の姿を思い出します。
当時のジャンプで彼は「痛覚を感じない敵は一見最強であるかの様に見えるけれども、自分の体の異変に気が付かないために、戦い方を調整することが出来きずに負けてしまう。」といった趣旨の話で勝負を語っていたワケなのですが…、
この点、龐煖などは、まさしく胡漸副長の刺突(恐らく大腿部あたりの貫通傷)や、羌瘣によって切り捨てられた左小指とクスリ指の欠損を持ったまま強引に戦闘を続ける龐煖は、ある意味、上記設例の状態に近い状態かもしれません。
実際に、元々膂力と技術でも勝るようなヤツが、ワザワザ相手を転ばせるようなやり手まで行い、圧倒的に有利の体制を作っておきながら、結局、信を殺すまでには至っていないのは、意外と主人公の粘り以外にも、上記の二つの負傷が一因になっているのではないか?と考えることが出来ます。
ネタバレ予想②-信が相手に慣れてきている。
上記ネタバレ予想①のワレ武の負傷による影響とは別に、もう一つ、信が勝利をつなぐ要因となる点を挙げると、今戦で信が龐煖と戦うのは既に4度目を数えるという点です。
馬陽編で2回。
蕞攻防戦で1回。
そして、更に特筆すべき点として、信は仲間の手を借りながらとは言え、既に馬陽戦の第2戦目から龐煖の懐に飛び込んでの有効打を当てるまでのことには成功しているコトや(参照:146話)、
上記のように信は過去3戦の対戦経験値を数えるのに対して、逆に龐煖は信と戦う上で何が対策やトレーニングを積んでいたとは想定しにくいという点が挙げられます。【※特に王騎の矛を実装した信を想定して。】
この点、龐煖が普段基本的に周囲に示しているような「自分より強いヤツはいない。」という心構えなどは、確かに勝負においては強気に出て緊張から体の動きを開放するというメリットもありますが…、逆を言えばただの油断にも繋がり兼ねません。
実際に、上記の第146話で信にダメージを受けた当時には、実戦最中に「ただの油断、不思議な力を持ってる…。」などと信の実力を評価しながらも、蕞攻防戦で再戦した局面を読み返すと、それまで信と戦ったコトを思い出すことは無かったことが分かります。
また、蕞攻防戦以降、山中で修行をしていたコトが分かっている龐煖ですが、その間に信が対魏火竜戦でガイモウ、対黒羊戦で馬呈と戦っていったように、対重量級戦闘においても確実に対戦経験値を重ねてきた成長スピードを考慮すれば、この点でも信の実力が龐煖の期待するそれを上回っていたとしても不思議ではありません。
キングダムネタバレ-龐煖の弱点
ネタバレ予想-平常心の無さ。
端的に言って、龐煖の弱点は“逆境”さらに言い切ってしまうと“ストレス耐性”が全く無いという点に尽きるのではないでしょうか?
普通、人間にとってストレスというものは必ずしもマイナスに働くだけのものではなく、例えば、クリア可能か不可能かがギリギリの難易度のゲームなどは、心地の良いストレスとなって逆に心身の健全な発達に寄与するといった作用があるといわれています。
実際にこのように考え方は、個人の勉強であったり仕事のスキル向上に置き換えてみると、適度な難易度のストレスこそが課題達成後の成長感や達成感になってフィードバックされることもあり、非常に納得しやすいものだと思えてきます。
しかしながら、この点、龐煖という個人についてこの原理を置き換えてみるとどうでしょう?
どうやら彼の中では、既に自分が進歩の余地がないほど完成された“最強”であり、格下の相手に苦戦させられるコト自体が許しがたい事象になっているように見受けられます。
622話での羌瘣の動きを掴み技で捉えたあとの叩きつけ攻撃も、どちらかと言えば勝負の為の攻撃ではなく、受けたストレスの発散…。
少なくとも明らかに好敵手に対する態度ではありません。
敵に苦戦させられるという事態は、既にワレ武の中では適度な難易度ドコロの話では無いようです。
【※馬陽戦では、そうでもなかったのですがね…。李牧と深く付き合うほど、何故かワレ武の精神退行が進んでいくのが不思議です。】
この点、過去の敵では汗明などが特にそうだったのですが、最初から相手を舐めているのはまだいいんですが…、
龐煖にしても汗明にしても、神(作者)に戦略級の個人武力を与えられていながらも、挑戦者の実力や努力を評価してやる余裕が全く伴っていないのが弱点になってしまっている様に感じます。
例えば、再びここでも汗明を例にとってみると、蒙武が汗明の右腕を開放骨折させるまで追い込んだ局面でも…、「ほゥ…、この汗明の右腕を砕くとはな。楽しませてくれるわ!」とでも言えば、より尊敬すべき強敵として読者の中に記憶が残ったかもしれません。
しかし、実際の結果としては、そこからの彼は最強存在としての平常心など完全にロストしていたことが分かります。
この点、汗明と龐煖が割かし似たり寄ったりなラスボス設定に見えるのが個人的には非常に興味深いトコロです。
汗明も龐煖も相手が予想以上に粘りを見せれば、それを楽しむ余裕を示すどころか、期待通りにならないと苛ついて平常心をロストする…。
そして、ストレスがやがては劣勢になり、より自分を見失って負けていく。
何となくですが、いままで自分よりも強いヤツと戦ったことがなくて、予想外事態への対処にメチャ弱いというタイプと言えば早いのかもしれません。
ここでは“平常心のロスト”という表現を用いましたが、言い換えてみれば李牧が解説したように、人間の“愛や情”を切り離した求道の先に最強を見出したハズの武神様が…、
見事に“最強な俺”を想定した“自分自信という人間”に対する“自己変愛”と“執着”から脱却できていないというのはどうなんでしょう?
【※あるいはこのような“揺らぎ”を即座に感じ取っていた麃公将軍ってホントに凄かったと言えます。】
この時点ですでに求道者としても道を踏み外しているってゆーか、これじゃあ第16巻の169話の無我の境地に戻った龐煖の方が、遥かにマシじゃねーか!?と思えてきます。
キングダムネタバレ-“答え”に到達してどうなる?
李牧がカイネに向かって、自分自身を武神龐煖の道を答えである信という存在に導く存在であったと語っています。
この点で興味が持てる点は、龐煖本人は李牧の回想シーンの中で瀕死の李牧に向かって“答えに導く”約束をしたというよりも、勝手に自分の希望というか感じたコトを李牧の使命として、押し付けただけなワケですが…、
求道者なのに自分で歩むべき道を捜すこともせずに、それを探し出すのを李牧に押し付けておいて…、
結果的に李牧が信を見つけたら見つけたで、それを素直に認めない龐煖って、どんだけワガママなんだよ??って話だったりします。
大筋から言って神(作者)的には、もし龐煖が信に勝つことが出来たなら、他者の想いを集めて戦う大将軍の力に勝る龐煖の力こそが、最強の力であり、武神として歩むべき道が完成するということを李牧に言わせたいのであろうと思います。
そして、その点は逆の立場である信や王騎に連なるモノたちにも言えることで、“想いや情”を切り捨てた先に到達した武神の力を倒してこそ、初めて中華統一者事業者を名乗るに相応しい力の持ち主足らんとしているのでしょうか。
しかし、勝負は信の勝利で終わるコトを想定しても、今の龐煖がその事実を素直に受け止めてキングダムの物語から退場していくことが今は少し考えにくいです。
結果的には、このままバトルが完結すると、羌瘣による象姉の仇討ちにときのような、『情けを切り離した個の力VS紡いだ想いの力』のテーマとほぼ変わらない気がするのですが、
特に、このまま龐煖が「我は武神、キサマらのような力は認めん…。」などといったような終わり方になってしまうと、ホントに単に羌瘣と幽蓮を信と龐煖に置き換えただけになってしまいます。
なので、恐らくベタベタでもいいから、例えば全力の勝負の結果の果てに、最後に龐煖には信という答えに辿りついたというコトが求道者としての完成だった。と李牧に納得させて龐煖の旅が終わるといったトコロが妥当なネタバレ予想になりましょうか?
結局最後は、龐煖がどの様に自身の敗北を認めるかが、龐煖が信と絡んだ一連の出来事の顛末になるので、この点については神(作者)も非常に慎重な表現を期する事かと考えます。
― キングダムネタバレ最新625話予想 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
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