(李牧 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第615話 )
619話のキングダムを読んでから一晩たちましたが、あきませんわ。
去亥の最後を振り替えると、龐煖の大矛が目前に迫って死を悟った彼が「信…。」と心の中で呟くすがたを思い返すと、もう何も言えませんわ。
で、李牧は結局のところ、今までと何にも変わらず…、
最終的には龐煖頼みの最後の一戦というコトで、対王騎戦から対劇辛戦、対麃公戦と今回に続き、全部、戦の決着の付け方一緒なんかーい!?とばかりに…、読者のため息を持って、軍師としての活動をここで止めて、龐煖の観戦に集中しだした様子が描かれています。
カイネが慌てながらも、「さっさと離脱しましょうよ?」的なコトをいっているのですが、何気に河了貂がここで李牧を仕留めなくては他に決定的な機会など無いといった趣旨の指示を出しているだけに、ほんとにカイネの臨む通り、この場はサッサと龐煖に任せて別に作戦行動を再構築するコトのほうが秦軍にとってもカナリの痛手になるのではないかと思えてきます。
まあ、合戦の上で十分に詰んでいる趙軍なので、離脱したところで…。という先の問題点もあるのですがね。
それにしても李牧…、もしもホントに龐煖が山から降りてこなかったら、どうするつもりだったんだろう?と思わざるとえません。ホントにこの点は鄴攻め編最大の謎として、全キングダム読者の心の中に、李牧の真意について疑問が残り続けることになるでしょう。
趙王に詰められることになった際には…、
「鄴の城主である趙貴伯が戦を急かしたから、作戦変更を強いられて勝てませんでした、すべて王様の叔父である趙貴伯さまが悪いです。自分悪くありません。」とでも言うつもりなのでしょうか?
とは言え、鄴の包囲状態についての城内食料の問題があるにしても、秦軍も鄴を一旦は陥落させても、王都圏の中で軍団を維持するだけの食料が残っているワケでもありません。
読者目線で言えば、あっさり昌平君マジックと遼陽で待機中の楊端和が、この点の問題をあっさり解決してしまいそうな気がするのですが、李牧の当事者目線で見れば、まだ漫画の枠外でどのように昌平君や楊端和が動いているのか、把握することはできない為に、案外、李牧がドライに鄴の問題はあくまで趙貴伯の責任と割り切りだすなどによって、まだ李牧にも強気に出れる余地が残されているのとも取れます。
それでも、やはり一番気になるのは、ココからの羌瘣を交えた龐煖と信の勝負ですよね。
王騎将軍の言葉を借りれば、信は起こった仲間の犠牲、悲しい出来事を心に背負いこんで、先に進まなければならないのが大将軍の道です…。
この瞬間、信と羌瘣がどのように去亥の死を受け止めるのか?
そこから龐煖との最後の戦いがどのように描かれていくのか?
同時に、朱海平原全体の戦としての顛末がどのように収束していくのか?
しっかり予想、考察を進めていきたいと思います。
10月31日ヤングジャンプ掲載予定、キングダム第620話について予想。
ここから発生可能なネタバレを検証します。
キングダムファンの皆様、今週もよろしくお願いします。
キングダムネタバレ-第619話のおさらい
第619話本篇考察⇒【キングダムネタバレ最新619話 李牧本陣 考察】
第619話の予想⇒【キングダムネタバレ619 李牧、龐煖に全てを委ねる。】
キングダム考察ー淡の手柄
仁がその身を犠牲にして、さらに淡が怒りに目覚めた結果、敵に向かって矢を放てるようになり、この弓矢兄弟の活躍によって、金毛に急襲されていた河了貂は、危機を脱することが出来ました。
気絶した仁の介抱を淡に任せて、河了貂は軍師として戦線復帰します。
気をうしなった仁に向かって「死んじゃダメだよ…。」と言い残す河了貂ですが、それを部下に言うんだったら、お願いだから君自身がもっと慎重に行動してよ軍師さん?と思ったキングダム読者もたくさんいたことでしょう。
鄴攻めが終わったら、信だけではなく、それこそ楚水さんや岳雷の大人あたりから、重々の説得力で説教してもらいたいくらいです。
まあ、多分それでも河了貂は反省しないでしょうが。
河了貂のコトはともかく、馬に踏んづけられた仁が生き残っていけるのかは、まだ心配です。
生き残ってくれれば、飛信隊のダブルビームライフルとして新十弓兄弟として活躍出来そうです。
倒した金毛が将軍なのは、特に淡の功績として残るでしょうが、これで彼が百人将、千人将として昇進を果たすキッカケになるかどうかより、むしろ列国にどのように新十弓として認知されていくのかのほうが、彼の場合より重要な評価の受け方になると考えます。
兄ちゃんのほうは、今は出世よりも、ここから何とか生き残ってくれるかどうかが、勝負なのですがね。
キングダム考察ー金毛軍崩壊
金毛がここまで覚悟していたかは疑問です。
多分に河了貂を殺害して、まんまと自分自身は本陣にまで帰還することを目論でいたかもしれません。
しかしながら、結果は狙った河了貂は多少の負傷を負ったものの、軍師としては余裕の姿で戦線復帰。
逆に、最終防衛ラインとしての最高責任者を損失した金毛軍、引いては李牧本陣の左軍全体は、明確な指揮系統のトップを失い、ココからは河了貂が狙った通りにすべて後手に回る指揮と作戦しか展開することが出来ませんでした。
誰なと奮戦する金毛軍ですが、もう殆ど烏合の衆なのか?やすやすと各部署が飛信隊に突破され、すぐに金毛軍本陣が壊滅されてしまいました。
そこからは、趙軍中央軍、つまりは李牧の直接指示する直下兵を相手にするワケですが、それでも飛信隊の勢いは止まりません。
フウ忌や慶舎の本陣に向かった時は、本陣中央である標的のフウ忌や慶舎に近づいていくにつれてより、敵が協力になって、何週間も粘っていたように感じたのですが、李牧の身辺兵である本陣兵を相手にまで、ほとんど飛信隊は素通りです。
楚水騎兵団の獄突陣って何??
キングダム名物の名前だけの陣形であるハズなのに、普段、控えめな楚水さんが口にし出した技の名前であるために、どんな戦術なのかめちゃめちゃ気になります。
そこからは崇源が歩兵をさらに先導し、敵本陣への圧力を強めます。
信と羌瘣に代わって渕さんが猛りって見方を鼓舞します。
沛浪や田有も負けていません、ほぼ全員の飛信隊が士気最高潮のまま進撃を重ねます。
キングダム考察ー仕事放棄の李牧
士気の高まり、本陣への肉薄、これら全てが飛信隊の勢いの高まりに直結したのは言うまでもありませんが、これらの加えて、李牧が直接指揮するハズの本陣兵が、つい先ほどまで金毛が健在であった頃の金毛軍の守りよりも全然弱く見えるのには別の理由があるように思えてなりません。
それは至極単純な理由で、李牧がすでに指揮官としての仕事を放棄していたからに違いありません。
金毛軍が抜かれたら抜かれたで、もしも李牧本人が、本陣から直接的に周囲の兵の用兵を始めたら、当然金毛が防御するソレよりも、かなり強い守りの厚みを見せたでしょう。
そうでなければ、本陣の精鋭兵の全てを、先に金毛に委ねてしまっていたのでしょうか?
そうであったとしても、619話を見ている限り、李牧がこの局面で、自分から最終防衛ラインを発動させて、自ら直接飛信隊を迎え撃つだけの迎撃布陣を見せた様子が一切描かれていないのは不思議です。
まあ、単純にサッサと龐煖の見せ場に繋ぐために、神(作者)がそうしているだけの話でしかなのですが、それにしても追い詰められたら、軍師として早々に抗戦意欲を喪失してしまう李牧って何なの?
龐煖が居るにしても、せめて自分でやれるだけの仕事はしようよ?と、思わざるを得ません。
ホントにこんな奴に王騎将軍は負けたのか??
何度16巻を振り返ってみても、尚さら不思議でしかありません。
馬呈と持ち場を交代したカイネが李牧に「何してんですか?」と詰め寄っていますが…、このとき実際に、何も側近に指示も出さず、遠目に信の姿を見下ろすだけの李牧が描かれています。
合従軍編ではそれこそ、龐煖が近くに待機していたにも関わらず、流体導術などの試作戦術などを披露していたのですが、ここでは完全に無手です。
おもむろにカイネの頬に手を当てて、静粛を促す李牧ですが、この時点で李牧は、自分で戦う軍師ではなく、他者の戦いを傍観者に徹する立場に、切り替えていたのだと思います。
飛信隊に向かって待機していた龐煖の為に。
ただ、やはりなんぼ良い言い方しても、李牧が指揮官として何の反応も見せなかったのは気になってしまうのですがね。
最終的に、李牧がココで何もしなかった理由としては、やはり金毛に主要な兵士を預け切ってしまったのと、正面から接近する田里弥と倉央の軍に対処のリソースが割かれて、どうにもならなかったと捉えるのが妥当なトコロなのでしょうか??
キングダム考察ー去亥と龐煖の矛
この時、飛信隊で一番突出して、敵本陣への急先鋒を務めていたのが去亥でした。
河了貂もその彼の勢いを見て取って、そこを起点とてして本陣包囲の指揮も進めています。
龐煖は、今までと違って、騎馬に乗って目立つ姿でいたワケではなさそうです。
一定の本陣のラインに去亥たちが到達した瞬間が、待機していた武神の矛の間合いでした。
信や王騎なら、どうにか反応できたかもしれません。
最後に去亥が目にした武神の矛の巨大さは、より強大に映っています。
それは、およそ鍛えた戦士が実際に龐煖の矛を間近に目にすればこのように映るという情報を読者に伝えるものでした。
去亥の武神との接敵は、瞬時に信と羌瘣に伝わります。
キングダムネタバレ‐龐煖一人で飛信隊止める。
飛信隊はすでに信と羌瘣の動きを止めればどうにかなるような規模の部隊ではありません。
現実的に龐煖がどれだけ強くても、かれの強さは物理的に彼の矛が相手に接触する範囲でしか効力を発揮できません。
なので、河了貂の指示ですでに李牧の背面に回りかけている那貴の部隊や、それこそ飛麃や楚水騎兵団が李牧の背後を取れば、完全に趙の詰みになるかと思われます。
それに加えて、亜花錦隊も包囲を縮めてきてはいるハズですからね。
しかしながら、武神龐煖。
そんなコトもお構いなしに、その存在感と威圧力だけで、羌瘣と信を除く飛信隊の行動を完全に抑止封殺することが可能なのかもしれません。
その存在感を露わにした瞬間、馬がビビッて動けなくなるといった現象がこれまでも頻出しているからです。
結果的に、すぐにでも龐煖が現れた瞬間、何故かち直接彼と戦うワケでもない飛信隊の面々までもが、前進不可能となって進軍が止められるといったことになるでしょう。
ただし、そのような予想とは裏腹に、ここで合従軍編の時とは違って、龐煖の出現を目の当たりにしたうえで、河了貂がどのような機転を利かせるかは気になるトコロだったりします。
それこそ禍隣のように、「一騎打ちなんかしょーもない」とまでは言いませんが、龐煖などとは直接的な因縁が何もないのが河了貂であったりするので、遠巻きに龐煖のことなんかはほっといて、一騎打ちの勝負がどうなろうが、きちんと李牧を包囲している。といった成果を期待するのは無理でしょうか?
まあ、作品上のクライマックスとして、ココで彼女に機転を持たせるのは、かなり難しいとは思いますが、信や羌瘣の武の上に、彼女の策を詰めの上でもう一押し利かせるコトが出来れば、より早く敵本陣の陥落に資するのではないかと考えるトコロであったりします。
キングダムネタバレ‐久しぶりの本気巫舞
渕さんの目から見れば羌瘣が消耗激しく、ただ勢いある仲間に埋もれていただけに見えていただけなのかもしれません。
しかし、読者目線から見れば、実際に神(作者)がほとんど619話まで、羌瘣の姿を描いていなかったのは、実際にはチャージタイムとしての意図的な貯めであると考えられます。
今回の619話で出てきた彼女も実際には巫舞のポーズを取りながら「スーッ」と呼吸を整えていましたが、これも15日目が始まった時点で武神の接近を察知していた羌瘣がこの瞬間に力を蓄積してきた証拠であると読み取ったかたは多いと思います。
思い返せば姉である羌象の仇を討った対幽連戦にて、「これが最後の巫舞。」と言っていたことを思い出します。
個人的は剣士としてのピークはこの仇討の瞬間で、“魄領の域”に迫った頃ではないか?と考えていたのですが、その後、部分的あるいは瞬間的に自分を巫舞堕とす羌瘣はこれまでにも連載の中で描かれてきたことはありました。
しかし、全力の最新モードで巫舞を発動させるコトはそうそうないのであろうと考えていたので、これから先はバジオウの野獣モードと同じ程度のレア度でしか拝めない特殊スキルになってしまったと捉えていました。
結果的には、龐煖の登場によって、これから殆ど見ることが出来ないとあきらめていた本気の巫舞…、ガチ巫舞が拝める事になりました。
実際にも、キングダム馬陽編においても、次にやったら修練の下に(半年後には)、必ず勝つと信に宣言していたので、この勝負は彼女の健闘についてカナリ期待できるのではないかと考えます。
龐煖は今まで李牧の本陣元で、周囲に見つからないようにあの巨体をかがめて体育座りでもして待機していたのかはわかりません。
ただ、619話の描写を見える限り、騎馬兵主体の戦場にあって彼の大矛だけが“フォンフォン”と舞っているのを見ると、いつもの巨大馬に騎乗しているのではなさそうです。
なので、この点でも羌瘣の強みがより発揮できる、徒歩同士の激突としてこのまま対決に繋がるかも気になるところです。
また、その龐煖の存在を見て取った信は、羌瘣と違ってむしろ単純に驚いてしまっているようにも見える分、やはり最初の龐煖との接敵はいままで武神対処のためにコンディションを整えていた羌瘣に任されるのは確実だと思っていいでしょう。
キングダムネタバレ‐勝負をどうやって信に繋げる??
問題なのは、李牧がこの勝負を羌瘣などとは裏腹に、龐煖VS信の落としどころとしてとらえている点です。
羌瘣が武神を仕留めてしまった…。
まあ、戦争の結果なのでどうなっても仕方がないといえばそれまでなのですが、キングダムという作品の性質上、因縁を主人公 信が乗り越えていくという性質を考えたら、ここからどうやって対龐煖へのバトルを羌瘣から信に引き継いでいくのかが気になるトコロです。
実際に、信本人が今はじめて武神の存在に気が付いたといった状態で、しかも結構驚いている様子なので、どういった流れで羌瘣から信に役目の引継ぎが行われるかが予想しづらいです。
単純に考えて龐煖にはコゼン副長から受けたダメージが残っていると考えられますが、それでも連日の疲労とダメージの蓄積具合で言えば信の損耗のほうが著しいので、対羌瘣で武神にある程度の下ごしらえ的なダメージ調整を施してから信の前に立たせるのかもしれません。
また、次に考えられるのは、信と羌瘣の巫舞の武力の性質の違いを龐煖が指摘して、勝負を交代するのではないかと考える点です。
どれだけ羌瘣がガチで巫舞を放ったとしても、正味それは龐煖がこの数年間苦しんで悶えた大将軍の一閃とは、違う性質の攻撃であると考えることが出来ます。
なので、龐煖をガチ巫舞で追い詰めた羌瘣とは言え、王騎将軍と麃公将軍という二人の大将軍と戦った龐煖が、敵ながら成長をしていて、
「確かに我(龐煖)のように強いが(羌瘣が)、俺が求めていたのはコレじゃない。」的なコトを言い出して、龐煖から信をご指名しだす。といった流れで、信に勝負の行方が任されるのではないかと予想します。
また、合従軍編の時と違うのは、山の民が救援に駆け付けてくれて、ややもすれば戦の結果がほとんど決定していたのが合従軍編のラストバトルだったワケですが、
今回は李牧を前に龐煖が立ちはだかるといった状況になるので、秦軍としても李牧を仕留める、あるいは敗走させる為に龐煖の打破が必須になるといった必要性が付与されている点で、勝負の価値が区別されるのではないかと考えます。
まあ、どんな勝負になるにしても、実質的には龐煖に助けてもらっているに過ぎない李牧が…、
急造設定としか思えない20年前の約束だのなんだのを持ち出して、まるで全て自分が仕組んだ勝負みたいに語り出すことが予想できる分、
なんだか武神なりに、一生懸命ムキになって戦う龐煖まで哀れに感じてしまうのですがね…。
武神の王騎コンプレックスを利用して、それを全て自分の手柄に塗り替える李牧。これが廉頗や藺相如を上回るという現三大天の戦いです。
もう、戦いの次元が違いすぎて、誰も彼に勝てません。
― キングダムネタバレ最新616話予想 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。
Twitter:しんいち ダム垢(@takikomigohande)
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