( 李牧さん 作画引用元 原泰久先生 作 キングダム)
振り返れば、楚国の動乱。
春申君を暗殺した李園と、禍燐が宰相タッグを組んだ時、禍燐は『朝廷でブヒブヒやってる文官共が大嫌い』とか言っていましたが、そこらへんは、李園が上手く立ち回ってくれているのでしょう。
キングダム初期で描かれておりました、嬴政と呂不韋の権力闘争も、広い意味で言ってしまえば、禍燐の申しております、『朝廷内でのブヒブヒ』そのものなのですが…、
近年のキングダムは、バトル漫画の側面ばかりが強くなって来ていて、歴史漫画としての醍醐味である、当時の政治・経済・文化等、闘いの背景にある者の描き込みが、カナリ弱くなっている傾向にあります。
近年の秦で云えば、韓非子先生を登場させて、死に様を描いたはいいけど、一番重要なのは、“その中身よ中身!”。
嬴政や李斯ら、秦国の首脳が、韓非子から何を学び、何を国政に活かしたのかが重要であって、バトル漫画をメインで描くはいいにしても、内政ターンで、秦国がどのようにアップデートされていったかを描くのが無いと、やっぱり、そこは歴史好きでキングダム読んでる読者層には、嬴政たちが真面目に天下取りやってんのかどうか、イマイチどころか全く響いて来ない訳なんですわ。
そう、何が言いたいかと、申しますと、禍燐の言っている“朝廷内のブヒブヒも今一度、確り描き直していったら、もっとキングダムに深みが増すだろう”という感じでしょうか?
というか、勿論、内政って普通に考えてめちゃクチャ重要なので、“ブヒブヒ”の一言で片付く話じゃないのも、当然です。
でなんで、次週こそ、戦の撤収が完了しまして、恐らくキングダムも、秦と趙の両陣営で内政ターンが再開。
秦軍にかんしては、先週の予想編で書きました通り、反省に反省を重ねての、王翦や李信に対する処遇等、大幅な人事処分にはじまり、兎に角、敗戦処理に奔走しなければならない事は間違いありません。
正直、六大将軍制度も、まったく機能していないかったので、普通に考えましたら、見直し、若しくは解消は必然でしょう。
まあでも、散々、読者が予想したところで、秦国、上記の通り、嬴政は韓非子から、何も、学んでいない。
或いは、単に学んだ心算になっていて、何も理解してないため、韓非子の知恵を、全く実務に落とし込めていないので…、
相変わらず、誰に対する処分も無しで、「李牧と司馬尚が凄かった」という嬴政の心象だけで、全ての方針が再決定されるという顛末になる事、間違い無いでしょう。
で—、
今回の予想は、もう一方の勢力である、趙軍の戦後処理についてです。
戦に勝った、趙軍。
李牧さんご自身、合唱軍(合従軍)編の顛末譚で、フテイとカイネに対して、『勝った秦軍の方が大変ですよ。内部権力構造に大きな変化が生じますからね。今後、合唱軍撃退に成功した大王派閥と、それまで王宮の実権を握っていた呂不韋派閥の権力闘争が激化するでしょう。』的な事を言って居たのを、果たしてご本人様は、覚えておいででしょうか??
僕は、非常に心配です。
他人の事はとやかく言う癖に、いざ、自分の事となると、全く対応できない人っているじゃないですか?
李牧さん、ホントの所、『秦軍の危機が去ったら、全て辞任して雁門に帰る。』なんて言っている場合じゃないのは明白で、今回の勝利を政治的に活かして、朝廷内の地位をガッチガチに固める以外やる事ァ無い訳です。
それも―、
二度と、カクカイに寝首を書かれて、同じ轍を踏まない様にするためにも。。
キングダムネタバレ-李牧さんの政治的地位確立プラン
キングダム李牧さん…。
なんと言いますか、強いて例えるなら、日本の源義経みたいなポジション設定に見えます。
戦にはめちゃクチャ強い(?)武将という設定ですが、明らか、政治的な文脈を絶望的に読み取ることが出来ない、人物と云えばいいのでしょうか?
この点、冒頭で書きましたように、『戦に勝った国ほど、内部権力に変化が生まれる』という、概則そこ見て取れる程度には、内部の権力闘争を理解されてはいるのですが…、
恐らく、この点、やはりジュリアス・シーザーや織田信長の様に、軍事も政治も同時にこなせるスーパーキャラ設定に持っていくのは流石に無理が在ろうことかと考えられます。
確かに、李牧さんがそうなったら、それはもう、歴史漫画として逸脱してしまいますし、李牧さんが李牧じゃなくなってしまいますからね。
でなんで、現実的には、楚の禍燐には李園がいるように、秦の六将の背後には嬴政が居るように、強力な軍には、強力な政治的背景による支えが存在しているといった役割分担が李牧さんにも在って然るべきなのですが…、
この点、李牧さんだけ、武将としての彼の立場と、趙の朝廷同士が、相反し合っている状況なのが、李牧さんの悲劇です。
いや?
李牧さんの悲劇と云うより、趙の悲劇と云ってもいいかもしれません。
何故なら、李牧さんがマジに愛想を尽かして、このまま雁門に引き払ってしまっては、秦が復活する度、国が危機に晒されるからです。
この点、趙の戦後処理として、今から、最重要になってくるのは、秦国の敗戦ダメージが、①本当に再起不能なレベルで与えることに成功したのか?
その結果を踏まえて、②李牧さんと朝廷は、今一度、どのような関係性で、向き合っていくべきかなのか??
この二点を精査するべきであります。
ぶっちゃけ、今の遊牧王(幽繆王)、妥協による決断とは言え、李牧を邯鄲近くの防衛都市に、武安君として封じたり、国の防衛のために、王都軍を李牧さんに預けることも厭わないなど、明確なレベルで先代と違い、李牧の作戦に非常に協力的です。
また、彼は、自分はあくまでも“神輿”に過ぎない事を理解しているだけ、先代どころか、無能なクセに中途半端に自信を持ってしまっている、兄のやる気王子(嘉太子)なんかよりも、遥かに有能なリーダーの気質を備えております。
でなんで、上記の①と②の問題点を踏まえて、李牧さんと遊牧王(幽繆王)、そして、さらに重要人物として、実務家のカクカイも巻き込んで…、
今後の趙国コアユニットを形成できるか?
合意形成できるか?
これらが最重要の課題となります。
キングダムネタバレ-秦軍は本当に再起不能なのか?
先ず、そんなワケがないです。
しかし、ことキングダム世界の趙国首脳、および李牧さんの甘々のお花畑脳内で、検証されてしまうと…、
『コレで最早、秦軍は趙国に侵略してくることは不可能でしょう。』などという、愚にもつかない事を言いだしかねないかマジで心配です。
そりゃまあ、六将の内、対趙戦線を張っていた、桓騎軍が宜安戦で桓騎本人含めて完全ロストした事と、番吾戦に関しては王翦こそ取り逃がしてしまいましたが、主要武将の3名が今戦で全て戦死及び出奔。
王翦は、ほぼゼロから軍を再構成せねばならん状況で…、今さら楊端和軍だけで、どうやって趙軍を攻略するんだ?って状況なのは確かなので、李牧さんら趙軍首脳が、『もうコレで秦軍は対趙戦線張れんよね。』と、思いを馳せる気持ちもわかるんですが…、
流石に、そんな単純な話で事が済むワケがないだろうという話です。
例えば、王翦軍。。
今回の戦で、ほぼ無傷で撤収できた、玉鳳軍と飛信隊を麾下に加えれば、ほぼ復元可能です。
それから、神(作者)様の事ですから、飛信隊に我呂や岳雷が加わった経緯のように、今回、番吾戦に参加しなかった残足亜光兵がめちゃクチャ残ってて、ソイツらがシレっと再編成復帰するとか、普通に在るでしょう。
勿論、それらの施策を進めても、再び秦が対趙戦線を張るには時間を要するでしょうが、その間、間違いなく秦は、対魏・対韓戦線である六将騰の受け持つ別の戦線から、対外的な力関係の再構築を図ってきます。
でなんで、李牧さん始め趙首脳部は、秦が落ち着いて、対魏・対韓戦線に、集中できないように、趙方面からも圧力を加える必要が在る訳で、現状、撃退できたからコレでオッケーなんて話には絶対にならないハズなのです。
この点、李牧さんと、カクカイらが、何か自分達の状況とコレカラを履き違えないか、非常に心配です。
何で、私がこんなにも心配しているかの言えば、李牧さん、カクカイ、遊牧王(幽繆王)の三者で、ここで李牧さんが、安牌判断を下して雁門に帰ってしまう事が、なんとなく利害関係で一致してしまっているからです。
李牧さん『これで秦軍は、もう攻めて来れないです。雁門に帰ってカイネの結婚するので、もう私の事は放っといて下さい。』
カクカイ『李牧が全て辞任して朝廷から去るなら、アトはワシの好き放題じゃワイ。』
遊牧王(幽繆王)『李牧が大丈夫って引退する云うてて、今後、兄貴(嘉太子)を担ぎ上げてくるとかも無いなら、コレでイイか。またピンチになったら雁門から呼べばソレで良いよな。』
いやいやいやいや?
三人とも、ソコはそうじゃないだろ!?
何で李牧さんまで、自分の事しか考えていないんだ??ってなるんですが…、
先ずは、一応は、冗談抜きで、今回の番吾戦勝利の結果、現在の李牧カクカイ暫定連合政権が終了してしまう事になりそうじゃないですかね??
ついで云うと、今の李牧陣営の最強戦力である、青歌軍の連中も、ここで消極化するのは同じなんですよね。。
もう、これ以上、趙の対外戦争に付き合う、目的もメリットも、無いといいますか。
秦の対魏・対韓戦争を牽制する目的の為に、動員を許すなどは、軍の性質上からしても、今回の戦のダメージからしても、もうこれは無理という実情が伴ってくるわけです。
キングダムネタバレ-李牧・カクカイ連合政権の本格化こそが、趙の繁栄を確約する。
で、前置きが長くなりましたが…、
本題としては、ここから李牧さんが取るべき施策や行動指針は、それなりに明確になってきたと思われます。
今一度、整理しますと、今後は、秦が対魏・対韓戦線に注力していることが予想できる以上、趙は、秦の対魏・対韓戦線が少しでも長期化して損耗する様に、今後も継続して、秦に圧力を加え続けなければならないのです。
その軍事目的および作戦の円滑化の為に、李牧さんは、今後の朝廷でのポジションを安定させるために、カクカイと王とに、今後も利害関係が一致するように、内政工作に奔走する必要があります。
李牧さんが今からやる事は、以下の3点で、現在の趙の強みを支えている事を整理して、今後、遊牧王(幽繆王)を中心とした、より強力な李牧・カクカイ連合政権を作り上げることだと考えます。
今回の番吾戦の勝利について、宜安戦から続く勝利と併せて、①現政権の首領であるカクカイに対して、実質、地方軍閥を支配しているのは李牧自身であるという背景を示しつつ…、
その反面として、前王と違い、②現:遊牧王(幽繆王)による王都軍動員許可によって、李牧自信は、カナリ作戦の自由度が向上していた背景が事実として存在てしいる事を挙げ、
現在、その王都軍の動員については、鄴を落とした対秦戦線に関して言えば、③王都圏行政権限の大半以上を掌握している、カクカイを始めとする官僚たちの実務能力に依存する面が多々在った事を、踏まえて…、
李牧『カクカイ殿、遊牧王(幽繆王)様、私は使えるべき君主を間違えておりました。愚かにも、真面目なだけが取り柄で、自分の実力を勘違いした兄君嘉太子こそ、次の大王だと思い込んでいたのですが、今、こうして、遊牧王(幽繆王)様のご裁可と、カクカイ殿ら官僚団の皆様により王都圏護持の後方支援があったればこそ、桓騎・王翦らの六将2人を撃退し得ることが出来たのことから、今、ようやく王位御継承の際に、自分が断罪を受けた非が在った事が理解できました。兄君様もまたご立派な方では在りますが、その現実を見る眼力と、家臣らを従え得る力量は、到底、遊牧王(幽繆王)には及ぶべくもない事実を、この李牧めは、今になって、ようやく理解しえた次第に御座います。この李牧、最早、遊牧王(幽繆王)とカクカイ殿の後ろ盾あってこそ、この小才を発揮し得るものと認識を改めました。なので今後は…、』
とか、事実として、遊牧王(幽繆王)とカクカイら官僚団の強力が無ければ、桓騎と王翦を撃退できなかったという要因を、提示して、今後も自分と王都圏が互いに協力関係に在る事こそが、列国に対する最強の防衛力となる趣旨で歩み寄りを示して、王とカクカイの信用を得ることに李牧さんは、全力を注ぐべきだと思うんですよ。
なんなら、李牧さん?
いっそのこと、遊牧王(幽繆王)と一緒になって、変態プレイに身を染めてみることもオススメします!!
ビジネスマン同士でゴルフに行くのと何ら変わらないじゃないですか。(笑)
1人で行くのが心配なら、フテイも一緒に誘ってプレイすればいいと思います。彼なら絶対順応すると思うんですよね。
そして、その代償に―、
カイネ『り、李牧さま!? 李牧様がスカ○ロ好きなんて知りませんでした!私、雁門に帰らせていただきます!!』
李牧さん『待ちなさい、カイネ!? コレにはワケが!』
王様とご一緒に勤しむ変態プレイがバレた代償に、カイネと別れてしまっても、そんなの天下国家の安泰からしたら、非常にちっぽけな事に過ぎません。(笑)
代わりに女など、いくらでもいますよ李牧さん。
李牧さんが、自分を小さな拘りをすてて、現趙王と一緒に変態プレイを楽しむほど仲良くなり、朝廷との強力関係を築けたら、地方-王都間の全軍の一枚化が成立して、趙の未来は安泰なります。
逆にそうはならずに、彼らが互いにバラバラになれば、再び時間をかけて秦が復活し、趙は負けます。
即ち―、、
次週、李牧さんが変態プレイに目覚めるかどうかが、今後のキングダムの命運を分けます。
- キングダムネタバレ最新799話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。