( 李牧 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第623話 )
まあ、予想は完全に当たらずとも、ネタバレ的には求道者としてやっていることの正体って、ヤハリ、つまるところ宗教活動みたいなモノだったということですかね。
神(作者)は“模として人の革新を”的なこと書いてますが、いずれにせよホウケンが自分自身を民衆である自分以外の“人”に対して、(武)神としてアイコン化することが手段で、結果的に自分をロールモデルとなって人を底上げするのが目的だったようです。
正直、原先生がガンダムかなり好きってことが分かっているだけに、ジオン・ズム・ダイクンの原始人バージョン?というか…、
“人類の革新”とか“ニュータイプ”がどうとかと一緒で…、なにやら着想の類型にしても、ジオニズムのスーパー劣化コピーに見えてきてなりません。(泣)
しかもジオニズムどころか、数ある求道者の中の“人類救済グループ”の中の、さらに“武神”を目指す一派の中のたったの一人という感じで、もの凄い小さな一派って感じがします。
かつて李氏が昌文君を相手に、儒家をはじめとする、中原の諸子百家との思想対立が秦の統一事業の最大の難敵になるであろうといった趣旨の会話をしていましたが…、
今回の話であれば、別段、秦の法治国家思想と、他の中原の諸子百家思想との対立構造といったような話に係ってくることはないでしょう。
当初、期待が膨らみすぎて、もしかして神(作者)である原先生は、ある種、諸子百家の一人と言ってもいい、縦横家であった史実モードのインテリホウケンに寄せてくるんじゃないだろうか?などと期待して、最初の出会いの回想談話を待っていたのですが…、
読んでみたら、流石にそんな訳はないよね、というオチでした。(笑) まあ当然、キングダムの“求道者”と歴史上の“諸子百家”を必ずしも一緒とも言い切れませんしね。
ただ、蚩尤族も元々は祭祀の運営から暗殺者の一族に変貌を遂げていった連中だったので、求道者という大きなカテゴリーから類推すると、それほど難しい考察ではなかったような気がします。
しかしそれにしても、蚩尤族は、もともと祭祀運営が目的だったものが、何故か“祭”などというおぞましいまでの割礼儀式を導入してまで、暗殺一族に変貌を遂げるという変化をしてしまったワケですが…、
その点、ホウケンの所属するする求道者である“人の救済クラスタ”の皆さんは、戦国時代が到来するさらに500年以上も前の争乱期から、同じテーマを目的に活動しているワケですから、その“目的の純粋さ”に対する保持期間レベルが半端ありません。
なんでお前らだけそんなにinnocento worldなんだよ!?
いや、絶対に達成不可能な求道者の道だけに、文字通り「果てしなく続くイノセントワールド♪」です。(泣)
提供元:LyricFindソングライター:桜井和寿
innocento world 歌詞©O/B/O Jasrac
とは言え、李牧が“求道者”中でも、瞑想する奴がいたとか、空を飛ぼうとした奴がいたとか、“人を救済する求道者”の中にはホウケンのような“武神カテゴリー”以外に該当する者もいるようなので、
本来の見方をすれば、“求道者の人の救済クラスタ”から、長い時間をかけて、武神カテゴリーが派生したという感じで、500年以上続く“救済者”のライフスタイルの中の話という意味においての変化が続いてきたと考えるべきなのかもしれません。
キングダムネタバレ-李牧回顧の最初の出会い
回想の中の李牧は、普通の兵卒と同じような甲冑を着て瀕死になっています。
そこに、虎の首をバスケットボールでも掴むかのように持って現れた龐煖がでてきます。
李牧は運命的な出会いであったとか言っていますが、どうやら消耗しすぎていて殆どリアクションが取りたくてもとれない様子のようです。
初見の龐煖の様子からまさしく人外と思ったようですが、意外にも龐煖の方から李牧に語り掛けてきたようですね。
「我が道を阻むものは、余さず土に還す。」
そのまま龐煖が矛を李牧の首に当てたときに、「目障りなら殺すがいい…。」と、絶望と諦観を吐露しますが、龐煖の目にはどのように李牧が映ったのか気になるところです。
ネタバレ検証-マイペースな武神
龐煖が矛を下げた瞬間、思いもしない龐煖の語り掛けが始まります。
「貴様の役目は、まだ何も果たされていない。」
「貴様らには聴き取れぬ声が俺には聞こえる、〝地の声〟だ、」
「その声が俺とお前を会わせた。」
「貴様は、俺の道を答えに導くものだと…。」
当然、李牧には龐煖が何をいっているのか理解ができないので、龐煖の言っている相手は人違いである旨と、正直言って何言ってんのか分からないとばかりに率直に答えたトコロ…。
一方的に、「いずれ分かることだから、李牧、覚えておけ。」と言われ、「俺の名は〝求道者〟龐煖だ。」と勝手に名乗って治療の手を加えたようです。
一番気になったのは、何故か名乗ってもいない李牧の名前を知っているのか?という点です。
龐煖が自分には地の声が聞こえるとか言っているのを読んで、瞬間的に。「地の声? 天じゃないんだ。いつも天とか言ってなかった? というか、それ多分、幻聴だと思うよ??」などとバカにしたような感想を抱いてしまったのですが…、
最後に龐煖が、いずれ分かることだと言って目の前に、手をわし掴みするように伸ばしたところで、普通に李牧の名前を語っているので、驚きました。
あれ?最初、この二人が出会って李牧は自分の名前を龐煖に名乗ってたっけ? 何故、名前が分かったんだろう? と思った読者様もいるのではないでしょうか。
これはもしや、龐煖が言っているように「地の声」を通して李牧の名前が聞こえてきたとでも解釈すればいいのかもしれません。
もしかしたら、甲冑に「りぼく」などと名前が書いてあったのかもしれませんし、李牧が敵兵から追いかけられている最中に、追跡する敵兵が、「オラ―! 李牧待てー!!」などと敵将であった相手の名前を叫んでいたのを聞いていたとかの可能性も有りますがね。
ネタバレ検証-約束とは?
その後、意識が戻って回復し始めた李牧が見たものは、自身を追跡する敵兵が全員惨殺されている様子、龐煖に自分の命が救われたことを知ります。
以前の612話で李牧は二人で約束を交わしたかのような口ぶりで話していましたが、
これじゃあ、どちらかというと、龐煖が一方的に話しかけてきて、助ける代わりに役目を押し付けてきた体にしか見えないのですが…、
結果的に李牧もそれで今生きていることが出来るのですから、野暮は言いっこ無しにしてくれということでしょうか。
これで先ず、二人の三大天の出会いの話が分かったのですが。
ここからは、求道者について説明される場面に繋がります。ここからが本日のキングダムの本題と言える部分に焦点が当てられていきます。
先ず判明したのは、〝求道者〟とはそれ自体は文字の示すとおり、〝道〟を求める者であるというコト。
そして、その道とは、〝人の救済〟であることが語られます。
ニワカには理解が及ばない、カイネと他の趙モブ将軍がおどろいていますが、どうせそうなるコトは分かっていたので、そのまま説明を続ける李牧。
19年前に龐煖に救われた直後、軍を離れて求道者龐煖が何者であったのかを調べる為の、放浪を続けていたことが分かります。
逆に言えば、ここでその求道者一族を誰よりもしっかりと調べきった李牧だらこそ、李牧は誰よりも龐煖を手なずけることに成功したと言えるかもしれません。
キングダムネタバレ-求道者の正体
簡単にまとめると…、求道者の沿革的経緯は、戦国時代の乱世500年以上まえから古い争乱期があり、その争いを憂いて人の救済のために集まった賢者集団が元だったコトが分かります。
民衆の救済をいう目的のもと集まった、その賢者集団が出した出した答えは、争いの世の中で〝道を捜しても〟答えはない。理由としては、ヒトに〝偏愛と情け〟がある限り争いは生まれるから。というモノでした。
そして、それを踏まえて彼らが出した結論は、『人は皆、人を超える存在にならねばならぬ』という見解にたどり着きます。
そこから、求道者たちが人の世の中を離れ、深山に姿を消して、各々が人を超えるための〝道〟を捜しだしたのが始まりであるというコトが語られます。
先ずは、自分たちが人を超える〝模〟を示すために。
余談ですが、李牧がここで語る〝求道者〟の意味を額面とおり捉えると、かつて羌瘣が馬陽編の149話で言っていたコトも考慮すると、もともとは蚩尤族も本来は人の救済を目的としていた連中なのかもしれません。
手段として〝偏愛〟〝情〟を切り捨てて人以上の存在を求めている点も共通なので。
キングダムネタバレ-武神の道へ
で、ここから先に説明される求道者の考えから、いよいよ話がおかしくなってきます。
李牧も理解できないコトを断ったうえで語り始めますが、求道者らの考える〝模〟とは、誰か一人でも奇跡の〝模〟を体現したら、人間全体に変化が発生して、皆が一斉に人間以上の存在に昇るという、謎の人類設定に辿り付くという着想です。
無理に脳内補完すると、もしかしたら、何かの自然界の連鎖反応を目撃した求道者の誰かが、シンクロニシティがどうとかいった側面から、その原理的な部分について語りたかったのしれません。
(※例えば季節毎に花が一斉に咲くとか、一匹の猿が食べ物を洗ったら、別の群れでも全ての猿が同じ行動をとりだすとか?といった現象など。)
カイネが、しっかりリアクションしめしてくれていますが、今回は信に変わって彼女とその他のモブ趙将が読者の気持ちを代弁してくれます。
「求道者が人の域を超えた存在になれば、我々人間が救われる??」
カイネも、「ホーケンさまは、自分が最強であるコトを誇示するために暴威を振るっているのでは?」などと李牧に聞き返していますが、大多数の読者も彼女と同意見でしょう。
しかし、李牧としても、上述のように軍を離れてまで、一定の帰還、龐煖と求道者の生態を調査しきった結果、そう考えているとしか思えないところまで調べてしまったがために、それが龐煖の道であると断定せざるを得ないワケです。
ネタバレ検証-答えへの反応
重ねて、総括するように語ります。
『おかしな話ですが、求道者は彼らの中の一人でも人を超え、神に等しい領域に立つとき、我々〝人〟は今と違う上の存在に変化し、争いを止め、苦しみの世から完全に開放されると、本気で信じているのです。』
…なんか、『本気で信じているのです。』のくだりが、普通にバカにしているようにしか聞こえないのですが、
もう李牧の説明で、カイネもモブの側近武将たちが、なにやら呆れとアホすぎる事実に対する驚きとで、硬直しきってフリーズしているのがよく分かります。
特にこれ、モブ将校の皆さん、絶対にリアクション困ってるって。(笑)
そのせいか、何故かカイネを始め、李牧から求道者についての説明を聞かされた一同が、何故か左だけの片目から涙が出てくるという謎現象が発生しています。
かつて自分が求道者の情報を求める放浪先で、語ったと思しき求道者の言葉を反芻する李牧。
そして、その求道者たちの中から、あくまでも人類の救済を目的として、様々な道を模索してきた者たちがいて、龐煖は全てを賭けて“武神”の道を選んだ者であるコトが語られます。
― キングダムネタバレ最新623話 考察 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。
Twitter:しんいち ダム垢(@takikomigohande)
第624話予想⇒【キングダムネタバレ最新624話予想 李牧と龐煖コンビ解消】
第623話予想⇒【キングダムネタバレ623話予想 李牧の追加設定で龐煖頑張る】