( 昌平君さん 作画引用元 原泰久先生 作 キングダム801)
うーん?
これは、悲報と捉えたらえたらいいのか?
まあ、そりゃあくまでもキングダムは、フィクションを前提とした娯楽作品なのは、分かるのですが、歴史好きからしたら、『ありゃ?そこ弄っちゃうんだ??』ってな印象はどうしても受けるわけですよ。。
以前から、キングダム秦国は、嬴政の代になって、突然、“法治国家思想”に目覚めたような描き方がされておりますが、今回の話で、その方向性が決定的になってしまったような気がします。
まあ、なんにしても、番吾の戦で、なんぼ李牧さん率いる趙軍が大勝しようとも、歴史上のキャラクターが死んでいない以上…、後付けの理由でもいいので、兎に角、兵力が復活できれば、作品で戦線を再構成するのは、どうとでもなりますからね。
神(作者)様の手に掛かれば、モブ兵の再生産など朝飯前という事でもあります。
そして、有体に言えば、秦国は“法治国家”を名乗っていながら、いままで、ロクな行政機構も備えておらず、住民の把握など地方の領主や長官の“感覚”ベースで管理がなされていた事が、嬴政自身の口から吐露されます。
そうか…、商鞅たちキングダム秦国歴々の先人達…、いままで、ロクに仕事してないことになってたのか…。
さらに、キングダム連作初期、普通に秦国兵制が、厳密な身分と戸籍の管理で成立していた等の初期設定も度外視されてしまった感が否めません。
嬴政が出現する以前から、秦国は法治国家で、中原の韓・魏・趙などとは異なる、もともと中央集権的な国家で、戦の為に、国民を王一人の号令の下、一度に大量動員できる背景を持っていたのが、国としての強みだったワケです。
当然、その背景の中には、今回の話で昌平君が語っている様な、秦国の全国戸籍統制が土台として在ったハズなのですが、それが、今般の話の中で、過去のキングダム秦国には無かった事にされてしまいました。
これって逆に言えば、史実と違い、ロクな法的強権も中央集権体制も無しに戦っていた、キングダム昭王(昭襄王)と旧六将は、どんだけ強かったんだよって話じゃないですか!?
全部、昭王個人の統率力で、秦国の領土拡大を実現していったということですよね、、。
いや~~。。
こうして考えると、王騎将軍たち。
改めて惜しい人物たちであったと、思い返されてなりません。
それと、あと、ようやく韓攻めはじまりましたね。。
永かった...。漸くですよ。。
漸く、一国目の陥落が描かれます。。
連載17年目で、一国目ですよ。。
もう、赤ちゃんが高校生になって、ようやく一国滅亡。。
ではでは、今週もキングダムを振り返っていきましょう。
キングダムネタバレ-兵力把握の為の人口調査
昌文君『一つ目の戦争改革が戸籍を作る!?一体どういう??』
意図を図りかねる昌文君。。
驚き役になってしまった昌文君には悪いですが、そんなもん、租税と徴兵の為に、正確に実施しなきゃいけないことくらい、当然じゃないですか?
寧ろ、何で今までキチンとやってこなかったのか?
キングダム秦国、この時点で、戦争以前の話でしょう。(笑)
結局のところ、昌平君から、キングダム秦国における人口把握の実態が語られます。
城から離れた邑、流民の居住する無国籍地帯(※馬陽編前の信の修行エピソードで懐かしいですよね。)、それから、近年まで敵国領土であった、前線付近まで含めると、秦国朝廷が把握している数と、実際に住んでいる者たちの数は、大きな乖離が在る事が予想されると、昌平君は語ります。
嬴政からも、キングダム秦国では、各地の人口推移は、一体を収める領主からの自己申告で、管理していた事が語られ、どうも、それらの報告の基準がそもそも統一されている訳では無くて、嬴政自身『報告の正確さは、領主の性格によってバラバラだろう。』などと、もの凄く重要で、国家として基本的なことを、ダジャレみたいに解説してしまうキングダム嬴政様には、今週も、多くの読者が脱帽です。(笑)
本紙では、これまでの秦国の人口動態について、各地の領主からの報告に拠るものであることを前提として、それを、今度からは、中央である朝廷自身で把握を行い、秦全土の男女の数と年齢を一人残らず正確にはじき出す事を、目標にするべきと昌平君が語り出します。
うーん??
見事なまでに、戦争力だけでなく、内政力までも、史実よる遥かに劣るクオリティにされてしまった秦国ですが…、今回の昌平君と嬴政の会話は、本紙で描かれている以上に、キングダム秦国が相当深刻なボロボロ国家であることを明言しているに等しいです。
何を計画するにしても、計算の前提となる“数”が曖昧では、その計画で得られる結果予想も、曖昧になるに決まっています。
逆に言えば、何故、いままでの宜安戦を始めとするキングダム秦国の戦争計画が、ああも杜撰だったのか?
昌平君と嬴政の、今回の態度を見れば…、『こりゃあ、ああいう風に成るしかないだろうな…。』と納得せざるを得ません。
国力の源である人口把握ですら、こうなのですから、さらに計算の複雑な、租税の把握など、劣悪なドンブリ勘定で在った事など、間違いありません。
国のトップである嬴政自身が、『領主の性格に依るだろうな~。』などと人治国家的発想で、ノンビリ&究極レベルの性善説的な姿勢で、基幹情報の統制を委ねているのですから…、
当然、そんな奴らに任せておく人口管理から算出される租税徴収など、何一つ信用するに値しません。
絶対と断言してもいいですが…、
間違いなく、領主や下級・中級役人を問わず、朝廷に行きつく以前の、税金の着服や横領が、いつでもどこでも横行しまくるダメダメ国家であったに違いありません。
しかも…、
普通に考えて、そんなん、中央朝廷よりも力を付ける地方領主が続発して当然ですし、いつでも好きなタイミングで反乱し放題です。
今まで秦国は、そんな状態で、よく国を治めてこれましたね??(汗)
もしも、そうじゃなかったら、秦国は、他のどの列国よりも、善人が善意だけで結集した、スーパー性善説国家なのかッ!?って話しです。
冒頭で書いたとおり、以前の昭王はどうやって国を統治し、今より強力な実力をもった六将を、どうやって従える事ができたのでしょう?
全部、昭王の人間的魅力と統率力で、どうにかなっていたのでしょうかね??
しかし、まァ…、
ソレらの設定や前提を、全て、読者として、受け入れるとしまして…、
昌平君の言う通り、“今まで出来ていなかった”というなら、確かに、“今からキチンとやるしかないよね。”って話なのは、非常に理解できる話です。
読者としても、驚きはしますが『キングダム秦国では、今まで戸籍管理が出来ていなかったのは、わかった。じゃあ、今すぐやろうと。』という話で納得するしかありません。
しかし―、
ここは驚き役に徹する昌文君。
『バカな、そんなん出来ひんて! 朝廷から遠方の田舎に行ったり、流民の居住地まで足を運んだり、そんな莫大な重作業無理やで!』と、マジレスしてきます。(笑)
『そんなん、戦争改革違ごて、内政やし。タダの国内整備やで!』などと、役回りとはいえ、極めて愚にも使い無い醜態を演じています。
ここで、嬴政が一言。。
嬴政『昌平君?失った軍を取り戻す心算か?』
昌平君『その通りです。』
その心は、理解し合っている二人。
秦全土の成人男性の人口を正確に把握することで、確実に、大動員できる人数の上限を把握して、新しく“大軍勢”を作り出す事を目的とすると語る昌平君。
それを耳にした昌文君は、今更『そんな極端な軍国主義…、民が付いてくるワケが…。』などと、重ね重ねピエロを演じます。
昌文君『強制徴兵で全土の男を兵士にするなど…、そんなことをすれば各地で暴動が起きるぞ。』
勿論、民の反発を心配という点では、昌文君の言う事も最もなのですが、全人口の把握をしたうえで、どれだけの人員を、戦争に投入するのかを計算する為にも、戸籍統制は必要なので、昌文君の言っている事は、戸籍統制を辞める理由にはなりません。
史実でも、この点、昌文君が心配するような“民の反発を防ぐ”という意味では、史実秦国では法治国家として非常に計算されていて、秦国の戸籍は日本のソレとは違い、家族単位で人口を把握しているのではなく、個人単位で管理されており、親兄弟ですら別れさせて、住む場所や一緒に暮らす者に、他人同士を指定することが出来たなど、秦国国家により決定できることが非常に多く、徹底的に人民の結社性を疎外する設計であった事が分かっています。
当然、キングダム秦国は、善玉側みたいに描かなくてはならないので、史実の苛烈な法治国家然とした秦国は、非常に作品を描く上で神(作者)様にとっても、邪魔になるのかもしれないです。
結局、昌平君の提案した戸籍作りを即断で決定した嬴政。
コレに、スグに李斯・馮却を始めとする文官郡に取り掛からせます。
嬴政『文官を使い切っても構わぬ!』
昌文君『はッ!しかと承りました!』
あれ??
じゃあ、いままで、李斯や昌文君は、一体、何の仕事をしていたんだ??
たまに宮廷に出てきて、驚く以外の仕事以外に、一体、彼らは何をやっていたんだろう??
ますます、キングダムが分からなくなってきた。。
キングダムネタバレ-亜花錦、陸仙、昇格おめでとう!
はい、今回のお話の後半は…、
昌平君の提唱する第二の柱とは?でしたが…。
それは、亜花錦と陸仙の将軍昇格です!!
これは、見事だ昌平君!!
いや、はい嘘です。
スイマセンでした。
昌平君の語る二つ目の柱とは、桓騎を失い、大敗して威を喪失した王翦に代わって、別の武将を台頭させることです。
それが誰かは、嬴政にも読者に明白です。
李信、蒙恬、王賁の三名に外なりません。
昌平君としては、大将軍とまではいかなくても、その手前…。
六将以前の桓騎軍・王翦軍の規模同等に、楽華軍と玉鳳軍には各5万の軍勢を与えて、それぞれ黄都の地と、洛紫の地の守備を命じます。
ここで同時に、軍の規模に合わせて、玉鳳では亜花錦と関常が…、楽華では陸仙と愛閃が将軍へと昇格します。
個人的には、古参キャラの陸仙がようやく将軍の日の目をみたのが、嬉しい限りです!!
ありがとうございます、神(作者)様ッ!!
蒙恬『先生?この狙いは、、まさか??』
同様に、王賁もまた蒙恬と同じ着眼を得ています。
そして―、
毎回毎回毎回毎回毎回毎回…、
今回も1人だけのアホ扱いの李信。(笑)
李信『?????? それで?俺は俺は俺は??飛信隊は??』
ここで、改めて沿革的に、桓騎を失い、今回の敗戦で王翦が更迭された旨を語り、次の戦争では絶対に失敗できないことを語る昌平君。
李信『もったいぶんなよ!昌平君。』
いやさ?李信…、それ、どう聞いても、友達相手の口の利き方でしょ。(笑) もう、少年兵時代じゃないんだからさ?
ここで、助け船を出す蒙恬。
蒙恬『信、正確には楽華も玉鳳も守るんじゃない、魏と趙からの援軍を阻止するんだ。』
王賁『バカが。』
そして同じく毎回毎回、冗談とかではなくて、“心の底から本気で李信の事をバカにしている王賁”が相変わらずで草ですww
李信『ど、どこへの?』
昌平君『決行は来年、飛信隊は六万の軍に、羌瘣を将軍に昇格。楚水と渕を五千将に昇格…、そして飛信隊は、騰軍10万と組み、楽華と玉鳳が魏・趙の援軍を止めている間に“韓”を討ち滅ぼぜ。』
よ、漸くですよ。。
連載17年目にして、、やっと一国に手がかかります。。
- キングダムネタバレ最新801話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。