( 桃泉殿少年隊の皆さん 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第644話 )
桃泉殿っていうんだ、あのお風呂…。
これでもう誰も使えんだろうな…。
郭開を見ていると、「朝廷でブヒブヒやっている文官(文官と書いてブタと読む)共が嫌いなんだよォ!」って言っていた禍燐のセリフがとてもしっくりきます。
今回の冒頭でも、ホントは早く死んでほしい李牧に対して、ワザワザ気持ち悪いくらいの丁寧な言葉で話をしています。
曰く、「李牧殿の処刑が執行されることが決まりました。」
「王の裁断です。何があろうと覆りませぬ。」
「最後に何か言ってくことはありますか?」
ました…、せぬ…、ますか…? だとォ!?
そーういうのを慇懃無礼っていうんだよォォォオ!!
こーのクッソ豚アアァァァァァァァァアアア!!!
しかもなんだコイツァ!?
『最期に私が遺言を聞いてあげますよ。』的なセリフを語り…、
『極めて自分は中立公平に、なんなら自分はむしろ李牧殿が助かるように尽力していたけれど、悼襄王が決めてしまったから、俺頑張ったけど、もう李牧殿のフォローできねェわ。』的な態度を終始一貫して崩さない厚顔無恥さ…。
キングダム初期の元祖豚野郎である、竭氏と引きわせてやりたいくらいですが、こうなれば悪党という格では、断然、郭開のほうが上かもしれません。
第369話から出てきて、かれこれ連載5年以上も作品の中に生き続けているワケですから、そのしぶとさはなかなかのモノです。
これが、史実で行けば更に、ここから7年以上も権力の中枢に居座り続けると思うと、その執念も凄まじいです。
さて、悼襄王も最後に出ケツ大サービスで作品退場。
酒に毒を盛ったの誰だ?
と考えてたトコロで、実は趙側の全員が犯人でした~♪となってもおかしくないくらいの今週の顛末。
今週の全国のキングダム読者の生活は、犯人捜索週間となるに間違いありません。
ではでは、さっそく今週の内容を振り返っていきましょう!
キングダムネタバレ-嘉太子、頑張った。(泣)
『ようやく明日、“雷還広場”にて李牧殿の処刑が執行されることが決まりました。』
おいおい郭開さん?
『ようやく…』ってなんだよ。
「李牧殿の処刑の予定組むの、凄~く大変だったんだから~。」と言うように。なんでもかんでも李牧に恩着せがましく言いたいのでしょうか?
最期に言い残すコトは?と郭開が聞くので、李牧が最終防衛ラインである“番吾”での防衛戦略を伝え、さらに、カイネ達にも自重を促すようにとの伝言を郭開に託します。
李牧的には郭開がそれらの情報を握り潰してしまうコトも分かっている上でのことかもしれません。
しかし、分かっていてもどうにか出来る状態でもありません。
何気に郭開の腹心、防衛戦略のコトをコチョウ将軍に、部下への自重を呼びかける願いも舜水樹を相手に伝えようとしているあたり、もの凄く真面目か!(笑)
しかし…、
全てを捻じ曲げるのが郭開で、
最初から全てが歪んでいるのが趙王でした。
郭開も何だか、初登場時から益々と顔が鏡餅みたいにブヨブヨしてきて貫禄が付いてきています。
そして表紙では、いったい悼襄王は何を笑っているの?
そこでは…、『父上!李牧だけは殺めてはなりませぬ…!!』と、
嘉太子が必死になって李牧の助命嘆願を悼襄王に呼び掛けていました。
必死ながら、共感できるのは嘉太子としても父王に諌言をささげる中で、『子の分際ながら…』とあくまでも自分自身はへり下りつつも…、
鄴陥落の結果責任としての李牧の進退に伴い、軍総司令剥奪と宰相関退任までは父王の判断が妥当であったと明言して、現国王の判断を“立てる”気遣いと誠意を見せた上で、
李牧助命の諌言を王に捧げる姿を我々読者に見せてくれました。
嘉太子は諌言をするにしても、最大限、言葉を選ぶ努力をしてコトに当たった言えます。
しかし、もう何をどう誠実な気持ちで正論を言っても、悼襄王本人がマトモに意見を受け止めることが出来ません。
嘉太子を『近う寄れ…、大きゅうなったのう…。』と言って、太子の体を抱きしめた途端…、
なんでか知らんけど、いきなり自分の子供の耳を食い千切った悼襄王。
『王に向かって暴言を吐くからだ。』と無慈悲な言葉を吐き捨てます。
太子の側近も驚くしか無く、嘉太子を取り急ぎ太子を王から遠ざけるしかありませんでした。
退席しながらも最後まで涙ながらに再考を呼びかける太子ですが…、
側近の方と共に見せた最後の視線は、何か特別意味するものがあるのでしょうか??
単純に「あの王もう無理、殺そ。」という暗殺の真犯人伏線なのか期待したいトコロです。
悼襄王の傍に侍っていた女性は江姫と呼ぶようですが、彼女に郭開を呼びつけると同時に…、
その前に、英書記官なる人物を呼びつける悼襄王。
今週の話では、この英書記官なる人物がどのような王命を預かるコトになったのかは分かることなく終了したのですが、コレは、嘉太子の廃嫡に関する事なのでしょうか?
次回以降のキングダムが気になります。
キングダムネタバレ-秦軍に伝わるの早過ぎ!!
邯鄲と鄴の距離がそれなりに近いのは理解できます…。
しかし、それにしてもですよ?
邯鄲に潜り込んでいる王翦軍の諜報員、
前線にいる王翦経由で鄴の信と蒙恬にまで情報を伝達させるこのスピード…。
いくら何でも速すぎませんか??(笑)
いや?邯鄲にいる舜水樹達だって“明日の李牧処刑“を“今日”知ったくらいなのに…、
王翦軍の情報伝達能力はヤバ過ぎます。
王翦軍と邯鄲の間にいるコチョウ将軍は何も防諜施策をして無かったのでしょうか?
それともコチョウ軍の上空を秦軍の伝書鳥が通過できるまで、帰巣ルートを構築できてしまうほど王翦軍の定着化が進んで来ているのでしょうか??
これだったら李牧の生存関係なく、王翦軍は正攻法で勝てるんじゃないのか?とか考えられそうです。
ただ…、
これは逆に考えれば、この先「李牧が死なずに生きているぞ~!?」といった情報が出てきてた場合、
王翦や昌平君が即座に作戦をストップさせることが出来るという反証にも繋がるかと思います。
なので、やや気後れしがちな信と河了貂と、それに反して気持ちを切り替えを促す蒙恬ですが…、
これが結果的に、逆に彼らが邯鄲攻略に前のめりになったトコロで、コチョウ将軍あたりから出鼻を挫く一撃をもらう伏線になってしまわないかなどはカナリ気になってしまうトコロかと思われます。
心情の上では李牧と決着を付けたい信以上に、河了貂も問題をはらんでそうです。
『李牧が死んでも…、後を追ったりしたらダメだよカイネ…。』
気持ちは分かるのですが、河了貂はコレで蕞攻防戦で手痛い目に遭ってますからネ…。
とは言え、秦軍がどうであれ、彼らこれからの進軍を決めるのにも、先ずは邯鄲の動きがどうなるかがカギになります。
キングダムネタバレ-グダグダの邯鄲
邯鄲内で市街地ゲリラを展開する舜水樹とカイネの一派。
ここでも明日が李牧の処刑日であるとの情報が伝わっています。
彼らの会話では、やはり馬南慈やフテイが預かっている李牧軍の将兵のほとんどは邯鄲外部にて待機している他は無く、単純に邯鄲軍に警戒されて、大人数では王都の中に入ることが出来ないコトが分かります。
監視の目を掻い潜り、邯鄲内に侵入できている李牧兵は極めて少数。
そして、李牧を取り囲む王都兵は彼らの五十倍以上…。
春水樹が潜入部隊の大半を使って敵に突入するも、それを囮にカイネを含めた市中に紛れ込むことになる更なる少数部隊も、どちらにせよ人数差があり過ぎて無理ゲーの域に達しています。
李牧に近い市中内の小隊に配される事を望んでいるカイネですが、李牧の処遇に心を痛めて泣いているだけでなく、実質的にこれまで李牧救出活動で負ってしまったケガがリアルに重そうです。
舜水樹は元より、カイネに李牧の救出を託すつもりであったようですが、最後に真っ黒に暗転した目で何を見ているのでしょうか?
実はカイネを囮にして、舜水樹が李牧を助けるといった“黒さ”を意味するのモノなのか?
それとも、外でのゲリラ活動は自体が囮で、実は趙王の暗殺は舜水樹が仕組んだものなのか?などといったように、嘉太子だけじゃなくて、舜水樹も趙王暗殺の真犯人に思えてきました。
そして、李牧処刑の前日準備を終えた郭開…。
悼襄王がいつもの桃泉殿にいることを配下の者に確認します。
桃泉殿…、
そこには悼襄王といつも一緒にいる、死んだ魚のような目をした少年たちがいました。
そういえば、李牧に邯鄲への連行を実行した特殊騎馬兵たちも(参照:第637話)みんな死んだ目をしていましたね。
悼襄王に直接関わったらみんなこうなるってコトなのでしょうか?
しかしながら、一見いつもの虚ろな目であるコノ少年たち、いつも通り趙王の周囲に侍りながらも、何か意図するモノがあるような面持ちであるのが気になるトコロです。
いつもと違い、周囲に郭開やら胡周さん(参照:第503話)達のような大臣の方がいないのも何やら全く別の雰囲気を出しています。
そして…、
悼襄王『俺に天の与えし宝はこの風呂場とお前たちだけだ…。』
『あとは、どいつもこいつも、この俺を…。』
とか言いつつ、誰も“俺を認めてくれない的“な感じの心情を吐露しかけているのが印象的です。
ヒイ爺ちゃんの武霊王が見たらどう思うことやら…。
また、普通に考えて…、湯船に浸かりながら飲酒するって、それだけでも健康に悪そうなのですが…、
今日の悼襄王は、いつもは慣れているハズの入浴飲酒でやけに咽ていますね…。ってゆうかイキナリ病的な表現で『ゴホゴホ!!』言ってます。
酒瓶を持っている少年が飲み過ぎを心配しても、『うるさい!さっさと注げ!』と言って聞きません。
ってゆうか、今から思えば、この少年たちも、悼襄王に飲むのを止めたところで、酒を飲み続けるだろうと思っていたに違いありません。
明らかに咳き込みの様子が自分でもおかしいと思ったのか、『クソ、飲み過ぎたわ…。』などと言いい、悼襄王が酒を飲むのを止めて湯から出る瞬間まで、少年たちは悼襄王を気遣う素振りを見せ続けます。
口々に心配そうに『大王様!』と言葉にしながら。
湯から悼襄王が上がった瞬間、何やら決定的な胸の痛みが彼を襲います。
そこから倒れ込み、吐血するまでは早いのですが、なんとか「医師を呼べ」とか細く少年たちに呼びかける悼襄王。
吐血だけでなく尻からも血便が流れ出し明らかに、毒物の混入とみられる状況で苦しむ趙王。
少し前まで、悼襄王が倒れたコトに驚いていたハズの少年たちですが…、悼襄王がかろうじて自分の首だけを動かして、医師を呼ぶよう、目線を合わせた先にいた彼らの姿は…、
ついさっきまでの彼らとは、まるで違っていて、完全に冷め切った瞳で自分を見下ろす少年たちの姿でした。
全員が冷めた目で、自分を心配するつもりもなく見下す瞳。
それは、もしかしたら悼襄王の幻覚なのか?
最期は自分が死ぬのを笑っているかのように見せた少年たちの口角。
呆気なく、数ページで絶命する悼襄王。
ホントにこの少年たちが悼襄王を殺したのか?
真犯人が居て彼らはただの道具だったのか?
どうなんや?教えてくれよ桃泉殿少年隊の皆さん!?
李牧の死刑執行を前に悼襄王が死にました。
― キングダムネタバレ最新644話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。
Twitter:しんいち ダム垢(@takikomigohande)