(韓非子:作画引用元 原泰久先生 作 キングダム第759話)
韓非子的には、本当に自分がわからないと思うことを、大王政に1番近しい李信に対して、率直に聞いてみただけ…、というのが素直なところなのだと思います。
しかしながら、ここでマジレスしてしまった介億さん。
先週では、韓王と張宰相相手に、丁々発止とやりとりしていた彼ですが、あまりにふざけた態度とも取れる韓非子の発言と共同に激高。
とは言え、韓非子の発言の目的が、秦への挑発であるならば、これでよかったと思いますが、そうではなくて、秦を率直に非難した上で、議論を深めることができないか?と介億を制する韓非子。
韓非子が登場して、早々から、会話の主導権が韓非子によって取り仕切っられていきます。
長きにわたり戦場で実体験を積み重ねてきた李信。
机上で語られる、性善説と性悪説を越えたところで見えたもの、強いて言うならば、学者でたどり着ける所の限界。
それを素直に、李信に問い掛ける韓非子の態度は、外交的にどうであれ、確かに、キングダムのテーマの核心をつくためには、必要な行動だったのかもしれません。
韓非子『火?』
驚く韓非子さん。
何やら、自分の予想した以外の何かが聞けたようで、よかったじゃないですか。(笑)
ではでは今回も、今週のキングダムの内容を振り返っていきましょう。
キングダムネタバレーマイペース韓非子
登場して早々から、再度にわたり、李信に絡み出す韓非子さん。
韓非子『人の本質は何だ?』
やっぱりといいますか、今回も、まーまー困った様子を見せる李信。
もはや、秦国一同にとって韓非子の第一印象は、“めんどくせー奴”で一致したことでしょう。
李信に多少は考える時間を与えるためだったのか、ちょっと分かりませんが…、
前々回で、変装してまで登場してきた意味は何だったんだろう?とも、少し考えてしまいます。
で、こうした韓非子さんが自らの態度のままに、勝手に話を進めていくのに、異議を申し立てたのが介億です。
介億『お前下さい! 問題が二つ―。』
まぁ、これは当然の話でしょう。
介億から、今の韓非子の態度と発言について、苦言が提されます。
正式な外交の場で、特使として任命された介億を完全にスルーして、李信に語りかける韓非子は、国の代表を軽んじ侮辱するものであるという事。
更に、その秦国代表の前で、『秦はクソのような国』と発言した事。
韓の重臣一同の表情からも、『うんうん、ウチの韓非子、確かに言い過ぎだよ、やっべ~。』といった様子の顔色がうかがえます。
しかし―、
韓非子の発言は、それだけじゃ止まりませんでした。
韓非子『言ったよ、秦は犬の糞以下の国だ。』
この発言に、韓の国の重臣の皆さんも『これ以上は止めて~~~。(汗)』と云った表情で、先週の李信&録嗚未の顔芸へ応酬しているように見受けられます。
これも、やっぱり、正式な外交の場なのに、一方的に秦の国について、獣の国、糞の国だと、侮辱の言葉を浴びせかけます。
韓モブ重臣A『か、韓非子様、今のは流石に。』
韓モブ重臣B『公子…!』
韓モブ重臣C『韓非子様…!!』
韓非子様『お、汚物以下の国。』
いや?確かに、どうした韓非子? この煽り属性www
ドン!!
結果、拳を床に尽き立てて激昂する介億。
介億『宜しいのですな、韓王! 韓は敢えて、侮辱と挑発を繰り返し、秦と本格的な戦争に入るという事で!!』
韓非子の口上を原因として、韓と秦の開戦を突きつける介億。
確かに、これは苦しいですよね、韓王様と張宰相??
しかも—、
これが、頼りの韓非子様に丸投げした結果ですか??(笑)
張宰相は、相変わらずポーカーフェイスを決めこんでいるのは、さすがですが。
韓王は冷や汗かいてます。
とは言え、2人とも、韓非子が多少…、どころか、かなり変わった王子様であることくらいは織り込み済みでしょうから、これで話が終わりと言うわけではなさそうです。
激昂にも動じずに、ここで再び介億に語る韓非子。
『強国の代表が安易に脅すな介億殿、バカと思われるぞ。』
あたかも、“いちいちキレんなよww”とばかりの態度です。(笑)
介億『なッ!?』
そして、外交に来たのであれば、自分たちが暴言を吐かれた上で、そこから話を深掘りしてみろと牽制してきます。
介億『ならば、憤怒の内に帰国する前に、何故、韓非子様が秦をクソ呼ばわりされるのか、理由をお聞きしておきましょう。』
明らかに挑発の発言ではあったのですが、その上で、発言の意図を問いただす介億。
なんだか介億が韓非子の口上に踊らされたような体にも見えますが、まぁ、介億も介億で、侮辱されたまま笑ってるわけにもいかないでしょうし…、
化かし合いしろ何にしろ、“反論しなければいけなかった事に反論した。”と言う部分はあったと思います。
で、再び語りだす韓非子。
曰く―、秦は強欲で戦争を重ね、繰り返し奪い殺し、何の思想も無く戦い続ける、獣以下の強欲の塊であると。故に秦は犬のクソ以下と—、
ここまで韓非子が発言したところで、今度は李信が激昂します。
李信『違う!!政はそんな奴じゃねえ!!』
寧公主と韓臣一同『…政??』
韓非子『…。』
李信、マジレスしてみたけど、一同、ポカンとしています。(笑)
録嗚未『アホ。』
李信『…あ。』
ただ―、
こうした間で、若干、王宮の空気を変えてしまった李信は流石です。
そこからも、怯むことなく、秦王は自分の為に、施政を行っている訳では無く…、『国を一つにして五百年の戦争時代を終わらせるためにやってんだ!!』と続けて叫びます。
しかし―、
其れを額面通り受け止めることがないのが世間です。
韓臣一同からブーイングの嵐!!
韓モブ重臣A『ふざけんな!そん為に我らに滅べと云うのか!?』
韓モブ重臣B『鬼畜の所業では無いか!』
韓モブ重臣C『それでは秦は本気で六国を滅ぼす心算なのか??』
そして―、李信からリアクションを引き出した韓非子は…、
韓非子『愚かだw 敵国でそれを云えば、こうなるに決まっている。』
李信『うるせえ!!』
なんか、明らか李信をおちょくっています。(汗)
何か、少し韓非子が大人気ないようにみえるのですが…、どうやら、ここで本題に切り込んでいくようです。
韓非子『しかし、ここでもう少し、深く行こうか。。』
李信『?』
曰く、韓非子は武力侵攻のみを指して秦を悪く言っていたわけではないと。
韓非子『秦はどこか歪だ。』
彼が云うには、秦は冷徹なようで、情に厚い面もある。
合従軍でのサイ攻防戦や、10万斬首を行った桓騎への叱責しかり、一面で秦王は性善説者であるようにも見えると語ります。
李信『それの何が悪いんだよ!!』
しかし、、、。
その反面で、李斯を重用し、法治国家の準備を進めている。
そもそも“法”は“性悪説”を理念に発生したものであるにも関わらず、統治者が”性善説者”であるなら、それは“歪”であり、“法”と“性善説”と相反するモノ同士を混ぜると、中途半端なクソ以下のモノが出来上がる。。
そんな、バカな所に行くたくは無いいうのが、韓非子の思うとことだったと語ります。
韓非子『教えてくれ李信殿、秦王は性悪説か性善説か??』
寧公主『??(あの先生が性悪説にここまで執着を??)』
李信『知るかよそんなの!アイツが、秦王がどう考えているなんて…、』
確かに、李信の言う通りだと思います。
其処が気になるのであれば、サッサと咸陽にでも行って、大王政とレスバなり何でも為さればよいと思うのですが、“学者”と自分で言うワリには、自分の目や耳で検分する事をしない韓非子とも言えます。
とは言え…、
離れた視座から秦国と秦王を観てとり、“歪”と評した意見も、確かに読者として、納得させられる部分もあります。
韓非子『だろうね、そこで君に聞きたいことがある。秦王と古い友人という李信殿。君の事が分かればおのずと秦王の事が見えてくる。』
介億『(何故、そんなことまで、それで信に絡んでいたのか。)』
確かに介億が考える通り、韓非子がどうやって、大王政と李信の関係性の深さを知ったのかは謎ですね。(笑)
李信が韓に護衛の将軍として随伴してくることなども、どうやって知ったのでしょうか?
というか、これならもしも、李信が護衛団に呼ばれていなかったら、どうやって韓非子が秦に行くかどうかを判断したのか?ものすごく気になります。
韓非子『(李信将軍がいないなら)お、俺、い、行かねーから。』とかそういう話になったのでしょうか?
そんなの全員困るだろ。(笑)
韓非子『しかも、キミは我ら法家が通らぬ戦場を歩んできた経験がある、そんな君の考えを聞きたい。』
『人の本性は善か悪か。』
秦の外交団からは…、
韓非子が“法=性悪説=悪”と語ったことから、録嗚未含め、一同から『そこは悪って答えとけよ!!』と、何やら李信にプレッシャーを放っています。
李信『悪!』
秦の外交団一同『(よし!よく言った!!)』
李信『―って何だ??』
秦の外交団一同『オオイ!!💦』
李信『うわッ!?』
だんだんと、ココから李信のペースに染まってきているのが面白いです。
韓非子もまた、質問を発したからには、聞くに徹するようすです。
そうすると、李信もまた、、。
『桓騎は悪か?』
ふと、ここで桓騎という存在に思い立ちます。
録嗚未『ンなもん悪に決まってんだろ!極悪だ!!』
李信『…でも、桓騎一家の奴らは桓騎の事を本当の悪とは思っていなかったぞ、多分。あいつらは桓騎こそ光だと思っていたハズだ。』
韓非子『桓騎一家はその中の人間であって、善か悪かは、その他一般の者達の基準で決められる。』
李信『じゃあ桓騎一家が悪で、その他が善か??』
韓非子『いや、そういう訳では無くて、その中にも、また違う悪がいる…』
李信『じゃあ、そいつらを除いたら、善? ん?? でも、残った中にも悪がいて?? でも、そんなのが善の基準を作っているってオカシクないか??』
李信が桓騎と世間一般との比較を論じだしたところで、徐々に韓非子も論調が弱くなっているのが分かります。
録嗚未『ううう、うるせーよお前は!めんどくせ―ことグネグネと!!劉国かお前は!!桓騎は大ぜいから恨まれてたろうが!!』
李信『でも録嗚未。お前も戦場でいっぱい人殺してて、遺族に恨まれているだろうから、お前も悪か??』
録嗚未『ざけんな!俺と桓騎を一緒にすんな!』
李信『えー、だって。』
韓非子『李信殿は善悪の定義が難しいといっているのか??』
李信『環境や状況で人の考えや見え方はコロコロ変わる。』
ここら辺から、李信の方が地に足のついた事言い出しているのが分かります。
李信『特に戦場じゃ互いの正義をぶつけ合って殺し合う、善も悪もそこには関係ねえ。』
韓非子『学者としては関係なくは無いと思いたいが、、』
李信『あえて断定する、関係ねェ!』
なんか李信の様子が、政と舌戦を繰り広げていたトキの呂不韋みたいな感じになってきましたね。
録嗚未『んな事考えている暇ねえよなァ。自分や仲間が死にかけている時に。』
いや?
さっきから、録嗚未は特使なワケでも、韓非子に聞かれているワケでもないのに、何をチョイチョイ話に割って入ってきているのでしょう?
ほぼ三人で会話しているみたいになっているぞ、お前ら、前から仲の良い友達か!?(笑)
韓非子もマイペースですが…、
録嗚未のこの、小学生低学年児みたいな、初対面相手との親和性の高さは、毎回特筆すべきものが在ります。
汁粉編でも、魏の乱美伯や新キャラ将軍一同と最も親しく(?)接していたのも、録嗚未だったことが思い出されます。
本作でも、李信が韓非子の問いに答えているというよりも…、
李信と録嗚未が、相互に問答を繰り返すことで、韓非子の命題が浮き彫りになっていく様が見て取れます。
コレは、アレですよ。。
あのソクラテスが、弟子のプラトンを始め、相手に質問を投げかけてみて、共に議論を展開していった“問答法”と似ているように見えます。
李信もナイスだが録嗚未もナイスだぞ。
録嗚未がクラスに一人いるだけで、いじめが無くなりそうです。
全国の小学校教師を一堂に集めて、“ クラスに絶対欲しい生徒ランキング”を実施したとしたら、間違いなく彼は一位になるでしょう。
まァ、それはイイや。
うんうん、騰をはじめ、みんなスルーしてはいるけど、今回は、録嗚未もいい仕事した。
韓非子『机上で思考を巡らせている学者には耳の痛い話ではあるが、その言葉こと学者が掴みえぬ事実でもある。そういう話が聞きたかった。善悪の垣根の無い異常な世界で、キミの見つけた人の本質とは何だ?李信将軍。』
介億『(李斯の話では、韓非子は最早、性善悪説からは、脱却した境地にいるという。)』
騰『(この答えで韓非子は秦来朝の可否を決める。)』
韓非子『さあ、答えてくれ李信。』
李信『そ、そんなのわかんねーよ…。』
対話が佳境に至ったところで、静寂と、李信一人に重圧が掛かる韓王宮。
ここで、それまで沈黙を守っていた騰が立ち上がります。
騰『信、お前の感じるままに答えるがいい、正解を答えようなどとは考えるな、今のお前が思う人の本質をそのまま話せ。』
…再度、沈黙を守る、王宮一同。
李信『人の本質は…、火だ。』
韓非子『火…?』
うんうん、確かに何か、李信らしい答えだとは思います。
それから、騰の背中の押し方もナイスだった。
さて、どういった意味であろう?
バカとハサミは使い様と同じ話で…、
“火”も“人の本質”も“扱い方次第”と云う事でしょうか。
― キングダムネタバレそれ最新759話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。