(那貴 :原泰久先生 作 キングダム第728話)
本軍が敗戦したことを知る氾善は、このまま宜安城に向かうことを一時踏みとどまるまで考えていたことに対して、何が何でも宜安城に入るまでの意思を見せた砂鬼一家。
このヤル気の違いは一体何なのでしょう?
宜安城に一体何があるのか?
それとも、本軍の劣勢関係なく、砂鬼一家にとって命令を発した桓騎との繋がりはそれほど深いモノなのか?
なにはともあれ、先ずは那貴の誘導に乗ってでもいいので、次週、砂鬼姉さんがペラペラと話してくれることを祈るばかりです。
桓騎が元来、砂鬼一家のメンバーということなら、逆に云えば、砂鬼一家のトップである、この女性こそが桓騎本人よりも上位に位置する人間で、桓騎の狙いは全てこの、砂鬼なる女性の為の行動という予想は飛躍しすぎでしょうか?
ぶっちゃけ、先に予想の結論を書くと…、
桓騎の狙いとは、そもそも秦の為に闘ってやるつもりなんかなくて、飛び地の宜安を趙から奪ったあとは、遠すぎて秦からも手出しの出来ない、この宜安の地で、半独立状態みたいなって好き勝手するのが目的で、、、。
国一つを砂鬼の為に呉れてやるなどというスケールの大きい“盗み”を狙っているとかではないでしょうか?
李牧も油断に次ぐ油断を重ねて、桓騎の独立を大いにサポートしてくれるでしょうし、王翦は全然動いて来ないし、最後に好き放題して、例えば司馬尚の登場に花を添える役割も果たしてから退場するなどというコトもあり得ませんかね?
まぁ、その場合、そんな身勝手な戦争に巻き込まれた飛信隊や楽華軍、おそらく生き延びるであろう壁なんかはどうなるのやら?
宜安を取ったところで、桓騎軍や残った一万そこそこ飛信隊と楽華軍だけで、占領統治できるのか?
先のことはいろいろ気になりますが、先ずは宜安戦の第一夜。
飛信隊と楽華軍はじめ、各地に散った敵味方の暗中模索が気になります。
ではでは、次週の予想を進めていきたいと思います。
キングダムネタバレ‐砂鬼は一体何を語るか?
那貴に促され、話し始めた砂鬼。
『桓騎は砂鬼一家の最古参…。』
この事が事実であるなら、桓騎一家(桓騎軍)の中の砂鬼一家という立場が逆転して、砂鬼一家の一員に過ぎない桓騎が、桓騎軍団を引き連れていて、その延長として、秦国の六大将軍に彼が収まっているという立場関係になってしまいます。
つまり、この砂鬼一家を代表するであろう、この女性は、明に、桓騎よりも自分の立場の方が上であると言いたいのだと考えられます。
いや、まぁ勿論、今の段階で、この女性が勝手にそう言っているだけなのかもしれませんが、先ずは、彼女がココからどう答えるか、那貴が上手く質問で答えを引き出してくれる事を祈る他ありません。
しかし、重要なのは、桓騎軍の真の中核が、桓騎本人ではなく、その桓騎を内包する砂鬼こそが、桓騎軍の真の支配者という可能性は非常に高いように思えてきます。
そもそも桓騎が秦に忠誠を誓っているハズもなく、それこそ現大王の政には真っ向から逆らうわで、まったく建国理念や戦争目的に賛同しているワケでもありません。
王翦以上にいつ秦を裏切ってもおかしくないのが桓騎です。
むしろ、李牧にしたって、ここまで明らかに御し難いことが分かっている、桓騎と王翦なのですから…、
例えば、『趙は、あなた方ような秦王をはるかに超える優秀な指導者を称え、是非、支援させていただきたく思います。力を合わせて秦の暴挙に立ち向かいましょう。』 などと言うノリで、趙の一部を暮れてやって、自分たちの代わりに秦と戦わせるくらいの機転があってもイイのではないでしょうか?
いや、だって李牧自身、このまま普通にやっても王翦にも桓騎にも勝てないでしょう。(笑)
さて、話が少し逸れましたが、戻します。
いずれにしても、砂鬼が桓騎に対して上位の存在であることが、確かなら、宜安戦が開始された以降の道中、砂鬼と桓騎の間で、どのようなやり取りがなされていたのかが気になるトコロです。
李牧本軍との会敵前から、今回の桓騎は特に砂鬼と二人きりでいる場面が何度かあり、那貴のそれに妙な雰囲気を感じ取ている様子まで描かれていました。
この点で、とりわけ私が気になっている部分は、桓騎が砂鬼と共に桓騎軍の私物化に向けて、明確に行動し始めている端緒なのではないか?という部分です。
桓騎が既に秦の為に、自らが軍を率いているわけではないのは、言及しましたが、砂鬼と桓騎本人の立場関係を仲間にも秘密裏にしている背景の先にあるのは、ややもすれば、リン玉や黒桜すら、砂鬼との関係においては道具に過ぎない扱いになってしまわないか心配です。
半ば軍に染まりつつある、これまでの雷土や摩論、黒羊、リン玉にとって、桓騎の真意や行動原理が砂鬼個人に対するモノだったことが明確になると、まぁ、さすがにやってらんねェとはなりませんかね?
桓騎のお頭はミステリアスで何を考えているか分からず、少なくとも、普通の盗賊たちが見ている先とは全く違うモノを見定めてそうな奴だからそこ、カリスマ性が生まれていたのではないかと思われます。
なので、この点において那貴が不審に思うほど、桓騎は普段の軍団活動のなかで、他の仲間から砂鬼一家の存在を遠ざけ、拷問の役割を与えて、桓騎軍内の仲間からも、砂鬼一家を忌避させ、自身と砂鬼の関係性を隠す必要があったのではないでしょうか?
となると、事実として桓騎が砂鬼の従属的地位にあると仮定するならば、結局のところ、砂鬼自身が桓騎に何を求めているのか?
桓騎自身の正体も知りたいですが、砂鬼自身の正体もまた一体何なのか気になります。
728話の終幕を見る限り、目の光を失った盲目の女性のようにも見えます。
また、砂鬼一家のいで立ちも、普通の桓騎一家たちのような盗賊というよりは、どこか呪術的といいますが、別の民族や、巫舞族や武神族のような求道者系に近い雰囲気のような異質さを放っていることも特徴的です。
なので、例えば過去のネタを再利用するだけでなく、ミックスして、桓騎の過去が語られるとかあり得るんじゃないかと予想します。
亡国の王子だったのは呉慶さんで、王子とはいかずとも大将軍や軍師だったのが汁粉編の連中でした。
んで、楊端和たちは異民族で、犬戎編で別系統の異民族が出てきたり、巫舞族や武神族含め山界や神仙時代からの呪縛で藻掻く者らの異界との交流もキングダムで描かれました。
なので予想の結論としては、亡国王子だった年少期の桓騎が、黒卑村みたい壮絶な環境で生き抜いていき、異界から出てきた砂鬼一家に拾われて徒党を組み勢力を持つに至った。
そして、大それた目的なんてどうでも良くて、砂鬼と自分の居場所を作る為なら何でもアリで戦っている。案外、そんなトコロが桓騎の“望み”だったりするのではないかと予想してみました。
まあ、それはそうと、那貴も信を差し置いて、勝手に楽華軍まで巻き込んで飛信隊の行動を決めるのはやり過ぎ。(笑)
それが現状正しい選択であったとしても、そこは李信を通して、砂鬼と話をつけるべき。
まあ、李信がリーダーとして未熟だから、こうなっているというのが事実なんだが…。
しかも、桓騎の望みだの、砂鬼一家の正体だのを明確にしたところで、どう戦の結果に影響ができるのか?
それが無ければ、『今それ聞いて何になるの?』って話で終了してしまいます。
まだ、李信が『桓騎と砂鬼一家との関係を知ることで、ここから先の行動に円滑性が生まれるなら確認しておくか…。』とか、『桓騎の真意を知ることで、分断された状態でも、先回りして、桓騎の行動を予測して合流できるかもしれない。』みたいに、あくまで将軍として、信が俯瞰して、那貴の提案を受け入れ、砂鬼とのコミュニケーションを試みるとかだったなら、信もカッコよかったのですがね…。
将軍になっても、信が目先の現象にイチイチ、怒鳴ったり、敵愾心むき出しで激昂しているようじゃ、これは先が無いですよ。
キングダムネタバレ-闇雲に追いかける李牧さんと、仕方なく出てくる司馬尚
もう、那貴と愛閃が言っている通り、李牧さん、野戦包囲に力を注ぎ過ぎて、飛信隊も氾善も、さらには桓騎残軍も取り逃がすでしょう。
神(作者)様的に、雷土も葬って、ゼノウ一家も全滅させて、徐々に桓騎一家の店じまい準備を進めているのは明白なのですが、同時に桓騎の最後の見せ場の為に、李牧さんにも相当の“大ポカ”を準備していることも確かです。
勿論、桓騎らが宜安を落としたところで、秦からあまりに飛び地の宜安城をそのまま占領して、維持できるかと言えば、かなり無理があるとは思います。
国境線も国力も、この点、史実より極めてシビアな状況にあるキングダム版の秦国にとっては、宜安を防衛線に組み込むのは相当至難の業のように描かれてしまっています。
しかし、なんやかんやで後になって万全の状態の王翦が北上を開始できる状態にタイミングよく戻ったり、死んだと思っていた壁が生きていて、王翦群に助けを求めることが出来たとか、李牧軍が桓騎残軍捜索のために、多数分散してしまった等の敵側のミスが重なるなどして、今しばらく桓騎は生き延びるものと予想します。
そうして、一時、宜安は桓騎に預けておく体にして、神(作者)様は史実通り桓騎が宜安を落としたことまでは再現して、その後の局地戦で桓騎が正味敗北する場面の描くものと予想します。
この点、今戦でエエ程ダメージを受けた楽彰さんと上和龍さん?
彼らでは飛信隊と楽華軍を抑えきれず、追跡と包囲、さらに、これから進入してくる王翦軍への対処で分散してしまった李牧本軍の決定力を補う形で、司馬尚の投入が企図されるかもしれません。
桓騎が死ぬタイミングで、その殺害の役目に司馬尚の登場を描くなら、これ以上のインパクトはありませんから、桓騎のワンチャンの生存は、この先の司馬尚との登場に関連してくる可能性があります。
しかし、もっとも―、
司馬尚が桓騎の最後を刈り取るという事になれば…、
李牧さん、登場戦の対王騎将軍以外では、彼自身の立場で一度も秦将に勝ったことはないライバルとして描かれることになるので、それはそれで李牧にとっては悲劇でしかありません。
史実最大の戦果である桓騎打倒も、結局、味方の司馬尚と戦果を取り合う立場になる李牧…。
こうして考えると、秦軍に負ける為だけに生み出されたキャラみたいになってカナリ不憫ですわ。
神(作者)様は何か李牧に恨みでもあるのだろうか?(泣)
― キングダムネタバレそれ最新729話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
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