( 政 作画引用:原泰久先生 作 キングダム岱697話)
10万斬首っつても、扈輒が総大将として正式な停戦合意を示さず、言わば大将軍の責任を放棄して死んだのだから…、
この際、雷土の死関係なく、成り行き上、抵抗と反乱の抑止ということで止む無く10萬斬首を決行したでも桓騎軍の処置の正当性は主張できそうな気がします。
しかしながら、本作品ではこの点で桓騎が抗弁するような形にはならんでしょうね。
いや、繰り返すようだが、扈輒が無能&無責任過ぎたのが一番の要因なんだが、政もそこは汲むことは無さそうです。
なんか、お互いに詳細の確認も無しに、捕虜斬首の是非を問う流れになりそうなので荒れるでしょうね。
桓騎は六将続投か更迭か?
ん?でも桓騎の性格から考えて、六将更迭されても何もダメージないような気がします。
もともとなりたいと言って、六大将軍にさせてもらったわけでもなので。
寧ろ、桓騎が残虐なヤツって分かっている以上、それだったら最初から選任しなければ良かったという秦国本営側の落ち度でしかなくなりますよね。
ではでは今週のキングダムの予想を進めて参ります。
キングダムネタバレ-王の軍と桓騎軍の優劣
先ずは状況整理です。
政が昌平君に言って出動させた随伴軍。
豹司牙・黄龍の直下軍と左丞相である昌文君の軍を引き連れています。
文官職である昌文君がどの程度の動員が可能であったのか?
また、結局、昌平君が何人規模で豹司牙・黄龍の直下軍を準備できたのか不明です。
第697話の政と昌平君の会話のやり取りを見ていても、政が『直下兵何人いる?』って聞いているのに、昌平君は『豹司牙の黒騎兵団ですか?』と質問で返しています。
まあ、ここの確認はいいでしょう。
しかし、そこから先で、政も『黄龍の兵団もね。』と言っているのですから、ここは昌平君も素直に『はい、○○人です。』とスグに答えるべきところじゃないですか。(笑)
更に茶を濁して、『どこへ向かわれるつもりなのですか?』などと、さらに質問に質問で返してしまっています。
ここで政が昌平君に向って、ジョジョの吉良○影みたいに『質問を質問で返すな!!』とか言ってくれたら良かったのですが、そうはなりませんでした。
軍を直接指揮するのは豹司牙・黄龍ですが、現在はほぼ大王直下軍の体を取るこの“王の軍”。
強いことは間違いないですが、それでも桓騎と対峙する以上は、それに負けないだけの圧を用意するのは当然の事でしょう。
この9日間で、桓騎軍がどの程度、軍としての体制を復旧させてきたのかも不明です。
もともと8万規模の軍勢でしたが、戦の終結後、全ての逃散兵が戻って再編成が進んできたとしてどの程度になっているかも予想が付きません。
ただし、逆を言えば桓騎側とて王の軍がどの程度の規模で圧力を掛けにきたのかも分かりません。
でなんで、単純に武力規模で状況の拮抗が図られるでもない形になります。
ここは軍勢の優劣で言うと準備に差が出ます。
嬴政率いる王の軍は、兵力はともかく桓騎と一戦交える覚悟で出陣しており、いわば臨戦態勢で桓騎軍の背後から侵入してきているハズです。
【つーか、697話のラストの見開きをみていると、王の軍、後方の地平埋め尽くす程、めちゃくちゃ人数動員しとる。(笑)】
一方、桓騎軍はと言うと、桓騎や摩論は咸陽から何らかの沙汰があることくらいは覚悟していたとは思います。
しかし、少なくとも摩論の697話の態度を見ている限り、まさか王自らが軍を率いて出陣して来るとは思っていなかったようです。
桓騎もこの時点で、咸陽から実質的威力行為があることに備えて、何一つ後方配備をしていなかったならば、対峙する兵力はともかく、態勢でかなりの後手を取ります。
そういう意味では、この時点で王の軍に大きな有利さがあるでしょう。
また、桓騎軍と言っても、もともと扈輒軍を相手に、逃げまくってきたような連中です。
仮に桓騎が軍として王の軍に対抗しようとしても、摩論など半分以上軍属化しているような連中は、その反逆行為に従うかと言えばそうでもない奴らが一定出てきそうです。
寧ろ、政としても桓騎軍を処罰しに来たではなく、桓騎個人の沙汰を言い渡しに来たという事で、昌文君辺りが摩論やその一派に桓騎の拘束を命じたら、アッサリ素直に従うでしょう。
摩論『お頭? だから私は「本当にやるんですか?」と聞いたんですよ。』
黒桜『摩論!テメェ!?』
摩論『黒桜さん、こればかりは王命です。私たちは“秦国の軍人”なんですから。』
こんなやり取りが見られるかもしれません。
つーか、摩論はもういつでも桓騎を裏切ってもおかしくない人物であることは、どのキングダム読者にとってみても間違いありません。
この局面を桓騎が乗り切ったとしても、李牧が見ている桓騎の弱点とも絡めて、引き続き注目していきたい人物の一人であると言えます。
キングダムネタバレ-対面の着地点と法治国家としての沙汰
まあ、まずは桓騎とその軍団のにどのような落とし前を付けさせるか?
というのが、王としての役目なのですが、それを決めようとするなら、現代でいうトコロの軍法会議が必要になってきます。
処分を決める以上、桓騎と桓騎軍の適投降兵数万の斬首が、何故、問題であるのか?
逆に、適投降兵数万を斬首しなかった場合、どのようなが問題懸念されたのか?
そもそも論として“適投降兵数万の斬首”が前提としてダメなのではなく…、
あくまでも状況を精査した上で、適投降兵数万の斬首をすることが、必要であったのかどうかの観点から、軍法に照らし合わせながら、桓騎軍の行動を評価していく必要があります。
つーか、そうじゃなかったら“法治国家”じゃないでしょう。
少なくとも、今ここで嬴政が人道的な観点で桓騎を責め立てたしても、何一つとして建設的な着地点にはたどり着けないでしょう。
冒頭で記載した通り、敵総大将(さらに言うと、生存している副将格の虎白公まで。)が、正式な敗戦と降伏を宣言していない以上、桓騎軍側としては、あくまでも“純粋な戦闘の継続の結果”として、敵兵数万が“戦死”した。
と、一定の正当性も主張することが可能です。
秦国が新六大将軍制度を発効するにあたって、その運用の為の周辺法律の整理と実務上の法制度運用配備がどの程度の整理されているかを考えると…、
多分、李斯を始め昌平君はおろか、神(作者)様さえ何一つとして具体的なことは考えていない事でしょう。(笑)
つまり最大の問題は、桓騎がどうこうではなく、法治国家とか言っている割にはキングダムの秦国はあまりにも大雑把すぎる点です。
大体さ?
桓騎が戦場で滅茶苦茶するなんて、最初から分かっとったことじゃないか。(笑)
最悪、ここでもし嬴政が、呂不韋と対峙していた時と真逆の事言いだしたら、絶対に読者は激冷めするでしょう。
キングダムネタバレ-政は桓騎を掌握できるのか?
政と桓騎の対峙。
これ、表面上、桓騎の更迭するとか、六大将軍継続させるとか、もちろんそこも重要だと思うのですが、それだけでは大王嬴政が咸陽を離れてまで出陣してきた意味が無いです。
同時に秦国の王としては、今回の数万斬首の斬首の結果として、李斯が話していようなデメリットを想定するだけでなく、その反面で、趙の国力を大きく削減した点も含めて、総合的に判断した上で、この先も秦国のメリットが最大限大きくなるような判断を下していかねばならなりません。
上記までの情報を総合的に考えると、個人的には桓騎は六将として続投させて、李斯が問題提起している外交対策としては、各国に遊説家をアホ程放って『扈輒が総大将としての責任を放棄して、助かるハズの一般兵に責任をなすりつけたのが真相だ。』と喧伝して、寧ろ趙国将軍の無能さをアピールしたいトコロです。
しかし、この方針だと大きな問題と直面してしまいます。
それは、現在の秦国には蔡沢様というレジェンドクラスの超有力外交官が逝去して居ない事です。
これは、特に燕国や斉国(王建王)対策には、致命的な問題になるでしょう。
外交対策を実務レベルで実施できる人材が見当たりません。
言い換えれば、現在の秦国は、戦の落としどころを外交力で補正する力をロストしていると言えます。
しかも、作品中の雰囲気として、既に神(作者)様からして、桓騎一人が悪いことをしたみたいな雰囲気作りになってきているので…、
ここはやはり結果的に、嬴政としては桓騎に何らかの償いを支払わせることで責任を飲ませる形になると考えます。
当然、ここで嬴政が何も桓騎に責任を問えないようでは、作品上の求心力にも関わりますので。
そして最後に問題になってくるのは、ここで嬴政によって桓騎がどのような償いを受けれさせられるかです。
そこで一番に想起出来るのが、やはり桓騎の六将更迭という結果ではないでしょうか。
しかし、これには秦国の軍事上、さらに、作品上にも大きな欠点を抱えます。
単純に対趙戦線に穴が開きます。
そして、何よりも、翌年の紀元前233年といえば、李牧&司馬尚復活で桓騎が打ち取られる結果になる年です。
この観点から見ると、六将将軍でもなくなった桓騎を倒したところで、李牧復活&司馬尚登場の作品上のインパクトとして十分足り得るか?という問題が出てきます。
軍力的な観点から言って、既に桓騎軍は雷土という実質の最高指揮官(桓騎本人は正攻法の指揮官としてほぼカナリ微妙)がいないので、十分すぎるほどの敗北材料が整っているのですが…、
それに正直、六将でなくなった桓騎を撃破しても、正直なところ趙国にとっても首の価値が下がっちゃうと思うんですよ。
秦国的に例えると満極を打ち取ったレベルと同等レベルの戦勝でしかなくなっちゃいませんか?
趙国民にとって嬉しいは嬉しいけど、『別に、王騎やヒョウ公レベルの武将を打ち取ったのと比べたら、そんなにねえ?』って感じじゃないですかね?
そして最大のこの問題として…、読者としても、この2年近くもの間ですよ!?
一体何のために李牧が一時退場している間の敵キャラの小粒さに我慢していたのか分からなくなります!!(怒)
カクカイとかさ?
急造汁粉4将とかさ?
最後にゃ折角の史実キャラと楽しみにしていたハズの扈輒までが、最悪の無能キャラだったワケですよ??
結果、この観点から言うと、桓騎の六将更迭って流石にあり得ないっス。
どうせなら復活した李牧と司馬尚との激闘なら、六大将軍としての桓騎で拝みたいじゃないですか。
アホかって感じです。(この、悪いほうの顛末が当たってしまうと嫌なんですが…。)
しかし、それだったら結局?
政は桓騎にどんな詰め腹を切らせることになるのか?
確かに桓騎が六大将軍辞めないなら、それはそれで問題が残りそうです。
キングダムネタバレ-嬴政の桓騎掌握
正直なところ…、
考えてみても、桓騎が六大将軍の権をはく奪される以外の責任の取らされ方ってよくわからない。
思いつくのが難しいです。
ごめんなさい。
木曜日からめちゃくちゃ考えていたけれど、考えたけど、もうわからん。
だいたいの話、桓騎をはじめ、他の六大将軍も、確かに六将として敵国を撃破しろと言われても、その撃破の仕方まで難癖付けられてしまっては、何のための“戦争の自由”という包括権限を与えられているか意味が分からないからです。
これは、もう中途半端な説得とか更迭みたいな人事勧告とかでは全く意味がなくて、かつて政自身が敵対した生協(成蟜)を真人間(?)に戻したみたいに、真正面から人間としてぶつかって、桓騎を導くしかないような気がします。
導くというのは、シンプルにそれが王の役目だからです。
そして、そこは政も大王の器。
桓騎と相まみえた瞬間に、桓騎という男の本質、底知れぬ渇き、そして、“岩をも溶かすほどの全てに対する怒り”とやらを、何かしら見て取ってしまうやもしれません。
また、こうして言い換えれば、桓騎が大王嬴政と本気でぶつかることによって、少し、桓騎はこれまでの桓騎で無くななってしまう可能性も出てきます。
もちろん、その下地として合従軍編での薫陶をもたらしてくれた張唐さんの姿や、最後まで自分に忠義を尽くしてくれた雷土も、大きな桓騎の変化に寄与するでしょう。
嬴政の語り掛けが、それらの要因の最後の一押しになって、桓騎がより大きな武将として変化を遂げる切っ掛けとして機能するように、嬴政と桓騎の会談が実現できるのではないでしょか?
そして、桓騎が長年抱えていたや“全てに対する怒り”から一段進んだ姿になるならば、それは張唐と雷土が桓騎の戦いの為に、命を張ってくれた回収劇ともいえます。
もちろん、桓騎の内面性に嬴政が触れて、そこから桓騎が、何らかの心境の変化を得たとしても、上述した外交面での損失は何も回復されません。
でなんで、ここはもう六代将軍制度を復活させた代償として、秦国本営は事実として受け止め、出来る限りの外交努力を重ねるしかありません。
ついでに言うと、列国との更なる軋轢なんか、今更、神(作者)様が余計な場面を描いている場合でもないとも言えるので、王建王との亀裂とか、私個人の杞憂で終わればいいとも考えています。(笑)
そして、最大のポイントとなるのは、やはり嬴政が人間として桓騎という人物を掌握できるかに掛かっています。
結局、それが全てじゃないでしょうか?
逆にそれが出来てしまい、桓騎が以後、嬴政への心服を得るなら信も黙っているしかありません。
そして、桓騎も桓騎で、かつての黒羊戦での信との一幕で『お前が一番の大悪党だw』と中華統一の目的に触れてはいました。
それは、中華統一の目標が嬴政からではなく、信の口から代替的に語られた故での反応でしたが、こと、この目標が嬴政本人から託されると全く違った受け止め方にならざるを得ません。
山陽戦の論功行賞でも、直に政の事を見て『温室育ちの木偶の癖に何であんなに猛った目をしてやがる…。』と、予想に反した印象を受けていたので(参照:243話)…、
そこからさらに成長した政が語り掛けるならば、桓騎としても、これまでに感じたことのない圧を感じることになるでしょう。
そして、ここで嬴政が綺麗ごとではなく、自身が李牧に宣戦布告した際のように、桓騎よりもより強大な規模での破壊者であることを明に示すならば、桓騎もそこは何か琴線に触れるものを感じとる可能性もあると考えます。
少なくとも、やはり政が桓騎を掌握し、戦闘の激しさをそのまま残して、民間人や非戦闘員になった者への虐殺に歯止めを持たせるには、結局のところ、シンプルに政が桓騎に舐められないようにする。
上記の通りキングダムの秦は、法治国家を名乗っている割には、その実務運用がグダグダなんだから、もう、これしかないと思います。
あれ??是ってタダの人治国家やんけ!?(泣)
ギョウ攻めでも桓騎は王翦に従ってたし、白老も〆るところでは桓騎をコントロールできてたんだから出来るやろ。
あと、何度も書いているケド、政も問題が起きてから咸陽を出発してくるんじゃなくて、本来は六大将軍を起動させた結果として、政、君も戦場で一緒に戦うべきではないかと思う。
昭王の時代に六大将軍が上手く運用できていたのは、王と総司令官(胡傷)自らが率先して戦場で戦っていて、目的と連携が共有されているからこそ機能していたんだ。
失敗しない六将制度の本質はそこやぞ。
― キングダムネタバレ最新698話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽にに。