( 桓騎 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第695話の扉絵)
はい、雷土の最後を迎えた695話が解禁になって現在はや2日。
皆さまもいかがお過ごしでしょうか。
カナリ衝撃の大きい回だったと思います。
キングダムでの桓騎自身とその軍団がこれまで民衆や投降兵に対して繰り広げてきた蛮行を振り返れば、雷土自身の身に降りかかったことも、ある意味、因果応報とも言えるのですが…、
それを受け入れた上でも、尚、どこか釈然としないのはなぜでしょう?
おそらくですが…、
このことは扈輒という史実キャラでもあるにも関わらず、そのキャラ構成が非常にペラペラの、見た目だけヤンキーごっこおじさんという存在でしかなった点が大いに原因にあるかと考えます。
また、そんなオッサンが中途半端に、痛みとは?などという問答を桓騎に吹っ掛けたもんだから最悪です。
その“痛みの底の無さ”を味合わされるのは、ほとんど無関係の一般趙兵たち。
この戦で、扈輒が将軍らしい仕事した瞬間ってあったのか?
扈輒のことを列将などと評価していた李白としても、もう自殺したいくらいの空振り評価だったと思います。
ではでは次週は休載ですが、キングダムの次のお話について予想をすすめていきたいと思います。
キングダムネタバレ-扈輒のカスっぷりのおかげで投降兵虐殺に
桓騎が摩論にむかって『何人だ?』と聞いているのは、投降兵の数のことでしょう。
で、投降兵の数を聞いて桓騎は何をするのか?
もう今更、摩論とて野暮なことは聞けません。
趙軍投降兵の全員を虐殺するに決まっているでしょう。
しかし、この点、摩論はある程度、自分たちを秦軍という立場としても、投降兵である趙兵の扱いについて危惧しているところもあるので、多少は、桓騎の判断について後先の観点から危惧を示すかもしれません。
しかし、それはそうと…。
摩論とて、秦軍本営との距離感を多少気にしようが、桓騎を止めることなど不可能でしょう。
それこそ、ここで野暮は話をすれば、摩論だって桓騎に殺されるやもしれません。
かつて、桓騎は白老蒙驁がご逝去された際に、蒙驁将軍への手向けとして、投降した魏軍兵をまとめて生きたまま火あぶりにしていたことは、全キングダム読者の知るところでしょう。
それこそ、皆さん『絶対にそんな手向け白老は喜ばないよ!?』と、桓騎に激ツッコミを入れたことがあると思います。
そういう意味でも、雷土の手向けにされる、大虐殺は絶対不可避と言えるでしょう。
このように、投降した趙兵の皆さんの事の顛末についての予想は簡単です。
なのでここでは、僕自身含め、多くの読者が感じている後味の悪さの原因がどこにあったのか?
ここから先は予想という話ではないのですが、ここで扈輒というキャラクターについて最後の深堀をしておきたいと思います。
キングダムネタバレー扈輒はキングダム全登場将軍の中で最低の武将
この先のキングダムでも数々の新しい武将が登場してくると思うのですが…、
おそらく今後、今回の平陽戦で出てきた扈輒を差し置いて、その出来の悪さ、構成の薄っぺらさ、人物の深みの無さ、そして、武将としての力量の無さ、いずれの点においても扈輒を下回る将軍が生まれるのは難しいのではないかと思います。
端的に申し上げて扈輒はキングダム作中で最低な武将ではないでしょうか?
人物的にも能力的にもです。
まず、史実武将で鄴攻め編を含めて、かなり以前からビジュアルだけは相当の力の入れ具合を受けて神(作者)から作出されたキャラクターなのですが…、
いかんせん、見た目先行で武将としての中身が皆無の戦闘で終わりました。
神(作者)にとっても、扈輒を描くのには相当の工程数が発生するビジュアルなのがよくわかるのですが…、
読者層に一定の“戦略好き”や“作戦好き”の層がいるキングダム読者に対して、何一つ作戦や分析を立てている様子がなく…、
明らかに無防備な本陣だけを孤立させながら、最後までイエスマンで逆境になれば慌てて恐怖に震える側近しか従えていない、まさしく老害集団の最典型のような“群れのボス”としてしか登場してきませんでした。
李白に列武と言われて、戦そのものは優勢であったにも、それでいて本陣を前線に寄せるでもなく。
そのくせ、本陣が襲われたら襲われたで、あくまでも散兵でしか攻撃してこれない、たった僅か3分の1以下の敵部隊の強襲に、部下と一緒に怯えて迎撃に出るでもなかった扈輒。
ぶっちゃけ今回の戦は、桓騎が本陣の強襲にまでたどりついたとしても、兵を潜伏させてからの離散集合だと、味方の足並みが揃わないのは当然なわけですから、扈輒としては冷静になって迎撃していれば、余裕で桓騎を打てたわけです。
しかも、桓騎軍の強襲部隊は、僅かずつの逐次投入でしか襲って来なかったわけなので、扈輒本陣軍の3千で丁寧に各個撃破できたことがよく分かります。
しかし…
扈輒とその側近たちは何を思ったか?
武将であるはずなのに、なぜか扈輒は動揺してパニックになった側近たちに流されるまま、桓騎の動向を冷静に分析するでもなく、夏満にミスリードまで促されて、まだ三千もいる本陣から、たった100名だけの供回りだけで脊椎反射みたいに逃げ出しました。
もう、この時点で、彼の動き方といい考え方といい…、一般市民と同程度の逃避反応と同じであることがよく分かります…。
今となって思えば、扈輒将軍はそもそも武将ですらなかったのではないか?などと思えてきてなりません。
当然、自分たち100人だけが本陣と何の連携も無く、勝手に抜け駆けしてきただけですから、桓騎と朱摩一家の200騎に捕捉されたところで、三千もいたハズの本陣連中も誰も助けに行くことができません。
繰り返すようですが…、
以上の顛末を反芻していくと、今回強敵として描かれるはずだった扈輒という人物とは…、ホントは単に武将の恰好をしただけの一般人が描かれていただけというのが実態に即した真実ではないでしょうか?
さらにタチが悪いのは、その一般人でしかない扈輒が、全てを後手に回して手遅れになってから喋る喋る…。
五十路も超えて、孫がいてもおかしくないおじいちゃんみたいな初老男性が…、
『人の真の闇とは…。』
『つまり、闇とは痛みのことで…。』
『儂は闇の底も痛みの底を知っている。』などと…。
なにか…、桓騎が初めて口を交わしたと思ったら、最近になってドイツ文学でも読み始めたみたいな中高生のようなことを、聞いてもいないのに話はじめました。
こんなこと、出会って初めての人間に対して通じる話題だとでも思ったのでしょうか?
そりゃ桓騎でなくても、そんな唐突な話を聞いてくれる人間など居るわけがありません。
寧ろ桓騎としても、最低限“痛み”というキーワードで話を合わせてくれて丁寧に反論してくれているだけ、もの凄く大人で親切な反応をしてくれていたと思います。
普通だったら『お前、誰に話してんの?』という感じで、誰も話すら聞いてくれなかったコトでしょう。
これでは、明らかに二回りほど年下である桓騎に『浅い』と言われても仕方がありません。
さらに言うとこの時点で、既に扈輒は一般人レベルのコミュニケーションスキルすら持ち合わせていない人物で、そんな人物が趙軍24万もの人員を抱える大軍団の総帥であったことが分かります。
いや、それだったらさ?
なんで、一般人レベルのコミュニケーションすら取れないような人間が趙軍総司令官になっているんだよ??
つーか?
『俺たちは痛みの底を味わってきた!』とか言っている割には、扈輒はじめ側近たちも、明らかに攻撃を受けた時の耐性がゼロにしか見えないのは私だけでしょうか?
それこそ桓騎軍が姿を見ただけで、何故、小動物が反応的に逃げるような対応しかを見せられないのか、全てに言行一致が見られず、最早本人たちが喋っている言葉の意味すら理解できません。
リン玉は『今回、マジやばかった。』とか言っていますが、これなら桓騎でなくても余裕で勝てたのではないでしょうか?
ぶっちゃけ壁さんを六人目の六大将軍にして当てがってみても、全く余裕で勝てたと思います。
こんなの相手にする秦軍ベストメンバーとしては、総大将に壁さん、副将兼右翼担当に幼なじみの尚鹿さん、左翼には土門さん、主攻かつ中央軍前衛担当に段茶を担当させる程度でよかったのではないでしょうか。
ここまでグダグダなら史実がどうとかもういいから、もう対扈輒戦など、中堅以下の武将に経験値を積ませる練習試合扱いでもよかったと思います。
すでにコメントをいただいていますが、同じ桓騎に殺された武将でも、白亀西将軍などのほうが、出番は少なくても遥かに好感の持てる上に、桓騎に抵抗できた武将であることが分かります。
武将としてのレベルが低すぎて、いまだに神(作者)が何を思って本作の扈輒を生み出したのかが全く理解ができません。
冒頭の通り、戦という前提が分かっていながら、雷土が死んでなかなか釈然としないのは、この通り、扈輒というキングダム史上最悪レベルのポンコツ武将が話を台無しにしてくれている観がどうしてもぬぐい切れないからであると考えます。
この二日間のモヤモヤを、私なりにどうにか言語化できました。
最後に、桓騎軍副将であった雷土の冥福を祈ります。
君も桓騎軍が誇るワル武将の一人なんだけど、やっぱりどこかに憎めなかったよ。
いままでありがとう。
― キングダムネタバレ最新696話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。