( 寿胡王 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第653話 )
銅鑼を鳴らして配置換え。
総勢で楚軍11万、秦魏軍12万の大規模な会戦様式になってきました。
まぁ、秦魏軍としては652話のラストからの戦闘状態で、一気に勝負を決めようと思えばできたんじゃないのか?とも考えられるのですが、
魏軍に新キャラが投入されていたことと、蒙毅さんとしては、魏軍にが登場する以前から、既に一時撤退の本陣指令をだしていたので、両軍ともすんなりとした配置換えがスムーズに完了したものと思われます。
それにしても、援軍に拠るものとは言え、秦軍が兵力でも武将の手札数においても、敵に勝った状態で実施される今回の什虎戦は、キングダムの中でも非常に珍しい戦闘の類型になってきましたね。
いや、魏のように他国と連携して戦うって時点でレアなんですけど。
しかし実はこの論点、キングダムにとってはカナリ真面目な切り口になるかと思います。
以前、当ブログの読者様からも…、
『これから秦が列国を陥落させて、誤魔化しのきかないくらいの規模で国が大きくなったら、何処まで今の“秦の弱国設定”が通じるんだろう?』という着想の質問をいただいたのですが…、
確かに、そう考えると、今後、趙や魏を下して領地として飲み込んだ後の秦軍が、いつまでたっても“兵隊も武将も足りな~い”とういう弱軍設定が通用し得なくなるのは当然だと思います。
でなんで、今回の什虎戦の様に、今後は兵力で敵に勝っている状態であっても、それなりに秦軍側が物語を盛り上げるくらいの、“イイ感じの苦戦”を演出する展開を、神(作者)としても身に着けておかなくてはならないといけません。
それこそ、これから先、魏が秦に降伏したら、鳳明のような人材は秦軍に糾合されてもおかしくないですし、リアルに李牧亡きあとの、趙国の人材だって、全員が秦との戦いで死亡させてしまうでなく、新しく秦の武将として人生を切り開いていこうと考える者が居てもおかしくありません。
故に、そういった意味でも今回の秦魏連合は、秦が六国を征服していく過程で、被征服国の武将とどうやって親和性を深めていくのか吟味する下地になるんじゃないのか?などとも個人的には考えてしまします。
ではでは、ここから今回も各要因に分けてネタバレ予想を進めていきます。
キングダムネタバレ-抑えの秦軍、録嗚未の活躍
寿胡王が意図的に、千斗雲の軍だけを突出させて中間地点に配備した理由は何か?
これは、キングダム653話のナレーションによる、秦魏両軍が急造同盟軍である点の説明の反証をとれば分かるかもしれません。
互いに戦地が重ならないように、対局配置した秦魏両軍ですが、寿胡王としては乱美伯の特徴を知っていて、両軍の綻び、あわよくば同士討ちを誘発させる為に、ワザと千斗雲を挑発的に配置したのかもしれません。
想像するに、古代の戦闘って、戦闘で興奮状態に陥った兵士連中が同士討ちを誘発する状況になるって、割かしどころか、普通に多発していたんじゃないかと考えられます。
通信技術が未発達な当時としても、兵装や号令の工夫、武将の統率力などで、それなりに対処する方法もあったとは思いますが、それでも同士討ちの防止はカナリ重要な対策項目であったのではないでしょうか?
また、楚軍としても、千斗雲などのような戦闘狂は、複数軍の連動に関係する中間地点にポジションさせるより、遊撃的に好きに戦わせるほうが、楽に感じられたのかもしれません。
でなんで、寿胡王の初手からの狙いは、先ずは連合の接触部から崩して、録嗚未撃破、その次に、最も兵力に乏しい騰を潰して、蒙武+本陣撃破…。という流れだったのではないでしょうか?
満羽と項翼と千斗雲が配されいている左翼方面こそが、楚軍の攻撃面であるコトは明白なのですが、
寿胡王が録嗚未を秦軍で一番弱い部分扱いをしているのが見て取れます。
いやさあ…? そりゃ蒙武と騰と比べたらそうかもしれませんが、寿胡王に録嗚未がそう思われるのは、何かムカつきます。
とは言え、冷静に考えてみると寿胡王としては当然の選択をしているのも事実なので、ここは秦軍は秦軍で、蒙毅が現況から録嗚未をしっかりバックアップできるかが大切です。
まぁ、余剰兵力が無いので、本陣支援もクソもないのですがね。(笑)
来週も蒙毅の仕事は“軍師”ではなく“実況”がメインになるのでしょうか。
これに対する秦軍の強みとしてはどのようなモノが考えられるでしょうか?
653話の全体図を見れば、既に楚軍の配置には弱点が発生している点が分かります。
急所は項翼と千斗雲の配置です。
恐らく寿胡王が楚軍の一体化を図ったところで、将軍になったにも関わらず上下の立場も弁えないアホ丸出しの項翼と、いきなり尻見せ変態千斗雲の二者の間には、恐らく連携など発生し得ないように思えます。
また、秦軍側は隣接軍としての騰と録嗚未の配置において親和性が完璧です。
全軍配置図における、右方面の連携性という意味では、秦軍の5万は楚軍6万5千(満羽3万+項翼1万5千+千斗雲2万)に優位すると考えます。
何より録嗚未とて、そもそも弱点扱いされるほどの武将ではないですからね。
また、後述するように、楚軍側としては、魏軍の龍范が千斗雲の背後も包囲して、同時に白麗との間隙に埋まって、楚の左右両軍をほぼ完全分断できる位置にあるので…、
結果、ここで寿胡王が千斗雲突出による、“連合混乱+録嗚未崩し“の戦果獲得を失敗したら、自軍リスクのほうが格段に跳ね上がってしまいます。
録嗚未が両軍兵卒を一括し、同士討ちどころか同じ現場での共闘が実現したことは、波及効果として、秦魏軍全体に安定感を与えます。
山陽戦で輪虎が解説してくれたようにキングダム魏兵の“生真面目属性”がココでも発動したと言えるでしょう。
また、ココからの来週の展開としても、
録嗚未としては、千斗雲など完全放置でよくないですか?
乱美伯がいるんですから。
乱美伯を見ていると、そもそもどうやって彼が部下を統率しているのかが全く想像できません。
前回の653話でも、単騎突出して戦場に登場して、遅れて味方の騎馬勢が到着した体になっていたのですが、いままでどうやって軍隊として戦っていたのでしょうか?(笑)
龐煖と李牧の関係のように、乱美伯の下に優秀な副官が居たのかもしれませんね。
乱美伯の武力が最大限発揮できるよう、且つ、状況にも応じ、鳳明からの伝令を実行するための陰の指揮官がいたのではないかと推察できます。
また、乱美伯の実力を千斗雲にそのままぶつけたいのなら、録嗚未としても、その場でニワカに乱美伯とタッグを組んで戦闘を進めるよりも、
千斗雲の首という手柄は魏に譲って、録嗚未自身は周囲のモブ的、モブ指揮官を殺しまくる方向で動いた方が効率的です。
更に、この点の論点を深堀すると、逆に乱美伯の方を、兵力削減に向けて千斗雲の前から移動させてもいいです。
それができれば、録嗚未としては千斗雲を討つまでの必要は発生しません。
共闘が発生しているので、録嗚未が千斗雲に討たれずに、その場に釘付けにさえ出来れば、千斗雲軍の単純損耗が進んで戦線が崩壊するという流れも作れるからです。
まあ、最大の難点として、“録嗚未が乱美伯に何かを言って聞かせて千斗雲を任せる“という言語作用が実現できるかが分からないのが、最大の弱点なのですが…、
この点、乱美伯では無く、上記の様に乱美伯の副官がその場にいたら、なんとか実現は可能です。
こうしてみると、すでに戦略とか、作戦云々を語る以前に…、準備段階のリソースとして楚軍には取り繕えない程の、破綻が生じているんですがね…。
禍燐も楚は大国で什虎は重要拠点とか言っているワリには、援軍がたった3万とか少なすぎるでしょう。
蒙武の3万の軍勢が接近してきた事にバミュウたちと一緒になって王都にて騒いていた反面で…、
7万もの魏軍が国境まで移動してきた事に、全く感知すらしていないこの状況自体がオカシイでしょう。
その状況であるにも関わらず白麗?
『大軍師寿胡王、その力見せてもらおうか。』とか、明らかに実力以上のハードルを上げすぎですって。(笑)
それにしても、この653話ラストの録嗚未のマジツッコミ…。
乱美伯がバカで録嗚未が本気で『オイ# 』と本気で怒っているのがジワる。(笑)
クラスや仕事場で注目を浴びたいがために、計算して“面白いヤツを演じてくる奴“がいますが、何故か乱美伯と比べた千斗雲を見ていると、そういう奴らを思い出してしまいます。
なので、千斗雲は最後に我に返って、本物の狂気には勝てないと察して逝くのがいいかと思われ。
キングダムネタバレ-魏軍方面からの攻撃
再び全体像に立ち戻ってみると、軍の規模、武将の数。
いずれも秦軍より魏軍に比重があるので、単純に考えて、秦軍が満羽、項翼の二将を抑えて…、
魏軍+録嗚未の面子で、玄右、白麗、千斗雲を攻撃し、手数と分断と包囲で削減していく方が展開は早いんじゃないかと思われます。
ここで、魏軍側の持ち場に絞って、現況を吟味すると、訴訟は白麗を除く、玄右と軍の特性はほぼ未知数なのですが、魏将に関しては、馬介、荀詠、龍范の三人が完全にノーデータですね。
呉鳳明が将軍として起用している人材なので、楚軍としては油断できない連中と捉えるべきなのですが…、
この点、楚将の玄右、千斗雲ともの亡国の大将軍というキャリアがあるのに対して、魏軍側は比較的若手の武将で、経験値に差があるという、難点が発生するかもしれません。
ただその反面で、キングダムの魏国は、史実ほどの脆弱を極めていなくて、連載当初で描かれていたように“敵国に囲まれて年がら年中戦をやっている歴戦な連中”という何故かの強国設定が生きている可能性も捨てきれません。
なので、神(作者)としてはホントにどうとでも描けそうな展開です。
真面目に戦力分析して、予想を進めるより、キャラをネタとしてどう活かしたらキングダムが面白くなるか?の観点から予想を勧めたほうが良さそうです。
先ず、魏軍からの攻撃の取っ掛かりという点で見ると、乱美伯に続いて、龍范が千斗雲の背後を抑えて、白麗と分断できる位置にありますね。
ただし、この白麗が中華十弓としての実力を更に磨いていて、広範囲に敵将をスナイピングしてくる可能性は危惧できます。
まあ、いくら矢が危険…と言っても、単純に重要武将を盾や親衛隊などの遮蔽物で囲ってしまえば何の問題も無さそうなのですが、白麗の強みは彼個人の弓撃だけでなく、大隊発射の大量掃射による全体攻撃も恐ろしいところです。
なので、魏軍としては、白麗の部隊に対して、早期に接近戦に持ち込んで弓大隊を無力化すべきという作戦目的が発生する反面で、
逆に中途半端に接近すれば、白麗個人の弓撃によって指揮官が打ち抜かれるというリスクがもたらされるという危険性が発生してきます。
白麗の前面で対峙する荀詠さんは、見た範囲では、どちらかというと自ら先陣を切る武将というよりは、比較的、鳳明のような軍師家に近い将軍なのではないかと思われるのですが…、
それだけに、白麗と距離をおいたところに対陣していて、油断をしていたトコロに、矢がドスッ!とかってなるとかは勘弁してくださいね。
また、それを言ったら、龍范が千斗雲を背後狙いで、近接してきたところを、コレを白麗の矢が襲う展開も考えられそうです。
作戦的な価値で白麗の矢が効果を発揮するとしたら、龍范狙いの一択が最も効果的なのですが…、
この点、魏軍では、最左翼の馬介さんが既に死んだような顔で描かれている点がどうにも気掛かりです。
まだ、何もしていないのに、ぼさっとしていた馬介を、イキナリ白麗の矢が貫くなどという悲劇すら心配出来ます。
ぶっちゃけ馬介の相対が玄右なので、どちらも両軍において、一番暗くて人気が無さそうな奴らの戦場として、双方ともにどちらがより“影が薄いか勝負“でもやってくれたらいいかもしれません。
もういっそのコト、原先生が什虎戦の終わりまで、二人を描くの忘れていたとかでも、似合いすぎるホドお似合いの展開だと思います。
魏軍は鳳明自身からして、本陣の指揮に於いて実力を発揮する軍師家としての総大将なので、武将を駒として使いつくし、秦軍側の戦局推移も利用できるのが呉鳳明という男の実力と言えます。
しかし、この点、合従軍編における対麃公将軍戦においての局面の如く、鳳明自身が戦線に立って戦術発動させる希少なチャンスであるのも、この什虎戦の特徴です。
でなんで、呉鳳明の出番の準備段階として新規3魏将の中から、誰か犠牲者が発生するの可能性も高そうです。
やっぱり、見た目の冴えない馬介さんが白麗に射抜かれて、玄右軍前進。
鳳明版の流体導術で絡めとられて玄右死亡とかいう、見せ場ぐらいが順当でしょうか?
対魏軍方面の楚軍では白麗が敵に接敵し過ぎて死ぬとも思えません。
キングダムの後半戦において、秦に併呑された魏軍が一緒になって戦うかどうかは、それ1つでかなり大きな項目になりそうなので、また次の機会までにネタバレの着眼点を整理して書いていきたいと思います。
― キングダムネタバレ最新654話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。