( ハリー&月華広 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第648話 )
今回の秦魏同盟、本編から読み取ると趙を攻略する為に魏の協力が必要で、魏が協力してくれる気分にさせるための楚の什虎城を手に入れるため戦いってコトで…、
つまり、目的に対しての手段を得るための、さらなる手段ってワケです。
そう考えるとこれから先、キングダムのストーリーが趙攻略という本筋に戻っていくのは何時になるやら…。
それだったら、ギョウを陥落させて、趙と魏の地理的分断に成功したんだから、王翦達が邯鄲を包囲している間に、シンプルに魏が反撃できないくらいになるまで叩きまくるでいいような気がするのは私だけでしょうか?
そうでなくても、史実では秦は次年に先に韓を潰しているので、実情としては緩衝地帯としての弱小国などもう必要ないという判断のもとで、楚、魏、趙をぶっ潰す体制が整いつつある時期だったのだと思います。
キングダムの秦はご周知のとおり、秦は史実よりもカナリ弱い設定になっているので、今回の話で魏国のご機嫌を伺うような形で新しい戦が始まります。
同盟期間は3年という話なので、この点でも派生論点として、キングダム作中では次年攻略を完了する韓も、今回の同盟劇のおかげで成立した体になるんじゃないでしょうか?
騰を始めとする録嗚未や旧王騎軍の皆さんの実力であれば、そんなお膳立てなどなくても、正攻法のファルファルファイトで韓を滅ぼし、魏にダメージを与えられたと思うのですがね…。
詳しくは後述しますが、呉鳳明も秦魏同盟の代償が対趙戦の結果に留まるだけではなく…、
むしろ緩衝国家である対韓戦略においても致命的打撃になることを全く考えていないあたり、ホントにバカなんじゃないのかな?という印象を持たせてくれます。
とは言え、史実のうえで秦が魏を助けて楚を攻撃した…。という、背景不明の非常にマイナーな情報ではあるものの、戦国縦横家書の記述が残っているのは確かなので…、
神(作者)としても、キングダム作中の秦を“史実より弱い秦”としての立場で一貫させるとなると、この歴史ネタを援用するにあたっては、事実を同盟案として転じさせる他の選択肢が無かったのかもしれません。
また、単純に考えると、今までのキングダムは対趙国戦ばかりが長かったので、ここらで蒙武が出てきて、違う相手と戦闘をするって部分は楽しみだったりもします。
こう考えると、神(作者)が自分の作り出した“弱い秦”に固執するために、あまりにも迂遠になってしまった、キングダムのストーリーを本筋に戻してやるためには、我々としても蒙武を応援するしか無いでしょう。
それでは各項目の予想を進めていきたいと思います。
キングダムネタバレ-秦魏同盟で韓の扱いは?
久々の蒙武のバトルが見れるのが楽しみ~、の前に、これからの大戦の大枠を予想したいと思います。
第649話のラストでは、楚方面軍の筆頭である蒙武がさっそくスタンバってるような体での幕引きでしたが、秦魏同盟による秦魏連合軍が構成されて楚との対戦が実現される前に、実際の秦魏同盟の内容や詳細がどういったものなのかが気になるトコロです。
李牧と呂不韋の手によって締結された秦趙同盟は、秦と趙がお互いの不可侵を約束したものであると同時に、呂不韋が要求したカンコウなる城を趙より秦が譲渡を受けるものであったのですが、キングダム本編では、同盟の要約を記した公文書が作中で公開されたワケではありませんでしたね。
なんとなく、趙王が身柄を要求していた春平君の引き受けを李牧にさせる為に、カンコウ城譲渡の履行を確約するための趙の財界要人が代わりに人質になるなどの顛末が示されていた内容であったと思います。
まあ、キングダムは戦国物語なので、メインの見せ所は合戦なのですが、このような政争編に準じた謀略面も見所だと思います。
端的にいえば、ここでは昌平君と呉鳳明の腹の探り合いを指すわけですが、読者様からのコメントを借りれば狐とタヌキの化かし合い、どちらの深慮遠謀が勝利するかが楽しみである部分です。
まあ、見た目からしてキツキツの吊り目で性格もキツそうな昌平君が狐で、童顔でお目眼が大きい鳳明がタヌキって感じでしょう。
649話では同僚の軍師である玻璃(以下、ハリー)から秦魏同盟の対価としての楚の什虎城の譲渡について聞いた鳳明ですが、次回話の展開でコレを良しとして、昌平君の云う条件次第としてのメリット考量と捉えて同盟を是とするのかどうかです。
まあ、文脈的には同盟は成立するのだとはおもうのですが、同盟が実現するにしても鳳明が秦から提案されるがままの同盟案を受け入れるのも魏にとって危機感が乏しい為体ではないかとも思えてきます。
いや、まぁ、上述のとおりキングダムという作品の眼玉はバトルであり合戦というのは重々承知でなんですが、少し言い換えると、これはこれで文官のバトルなワケです。
チョットした企業法務であっても、契約書にあるべき文言の一行の有無でその会社の命運が決まったりなんだのってコトがあるワケで、おそらくキングダムという漫画の行間を読み取って考え抜いてみれば、秦魏の軍事官僚やらが、総出で必死こいて同盟条約の文言をどのように提案するか、受け取る場合も解釈の穴が無いのか吟味を尽くしているコトだと想像してしまいます。
で、長々と書いてしまいましたが、ココで私が予想論点として一番気にしている部分は、秦魏同盟における“韓”の扱いなワケです。
秦魏同盟成立の上で一番重要な部分で、秦魏間の期間不可侵条項が締結されることは容易に想像できるのですが、
ここで、鳳明を始めとする魏国側からの規約提案の中に、“秦から韓”に対してまでの不可侵規約が要求されるかどうかが一番のカギになるかと予想しています。
魏国の軍略は、鳳明が一番発言権を握っているので、コイツがゴーサイン出したら秦魏同盟は成立するでしょう。
あるいは景ビン王はイイ人なんですが…、鳳明がどんなアホなコトいいだしても「まぁ、鳳明のいうコトだし、良く分からないケド多分大丈夫なんだろ…。」とか普通に流されそうです。
で、次回話のキングダムでさっそく同盟締結に向けて、各国が内容を吟味するフェーズに入っていくとは思っていないのですが【神(作者)のキングダムはこの辺りはたぶん雑なので。(笑)】…、
どうせ先々に歴史の勝者になる事が分かっている秦に対して、恐らく魏がイモを引くことになる同盟として、決定的に鳳明が詰めを甘く見てしまうオチというのが見えてくるようでなりません。
大筋としては、魏は什虎城譲渡の履行実現と秦の対趙戦略にばかり意識が行く余り…、
秦による対韓措置について、この時点で全く危機感を抱くことなく秦魏同盟を成立させ…、
その間に、秦が韓を攻略してしまい、完全に列国中央地帯のパワーバランスが傾てしまうというオチになるのではないでしょうか??
そして、秦が韓を堕としてしまえば、結果として、これから魏が取得する什虎城の国境拠点としての価値も大きく変わってしまいます。
むしろ同盟後には、楚と秦に挟まれただけの危険地帯に変貌している可能性が高いです。
黄河に近い王都大梁も王賁に水攻めにされる運命にあるコトを考えれば、もう魏の将校たちって軍属なのに致命的に地理が弱い奴らばかりなのでしょうか??
景ビン王がため息交じりに「だめだこりゃ」と言って、秦に降伏するのが今から待ち遠しいです。
鳳明としては、ホントに秦魏の連合軍で什虎城が落とせるのか?
さらに什虎城を陥落させたとして、城の譲渡をどのように履行させるのか?
秦軍の対趙戦線への不介入と同時に、三年の間、秦と趙への軍備をダウンサイズさせたリソースを楚に向けるべきなのか?
などなど…、まぁ一人で勝手に考えるのでしょう。
この点、新キャラの宰相 月華広と軍師ハリーがなんやらと参謀として頑張るかもしれませんが、まぁ、鳳明より冴えた視点を持っているとか、神(作者)もそんな美味しいポジションいきなり彼らに与えるとも思えません。
そして、その先でも鳳明は現場で蒙武を見ては、「これが楚の合従軍大将、肝明を倒した蒙武か…」などと秦軍と主導権争いをしつつ、什虎城の攻略を進めている間に、対魏軍であった謄軍が対韓戦線に南下…。
河了貂曰く、「対韓軍はもともとあまりいない。」と言っていた戦線に…、韓軍が全く予想していなかった、全軍全力の謄軍が電光石火でファルファルファイトを仕掛けて…!
“録嗚未というかけがえのない犠牲”と引き換えに【👈※ココ超重要!!】
六国最初の制覇が謄の口から宣言されるというのが、神(作者)の狙いなんじゃないのかと考えるともう楽しみで仕方がありません。(笑)
いずれにせよ魏にとっては、秦魏同盟を結ぶ際に明確な文言で…、
『秦は魏の隣接国家である韓も攻撃しない。秦による韓への攻撃があった場合、あるいは韓が秦から攻撃を受ける蓋然性が高い情報がもたらされた場合、秦魏同盟は即時に破棄するものとする。』
くらいの縛りを入れておかなくては、逆に秦が韓を攻めたときに、秦魏間の不可侵条項と同盟の3年縛りが足枷になって魏の滅亡を超加速させるだけになるでしょう…。
当然、両国の同盟の使者の責任は重大です。
蒙毅あたりが、ここらで実績を残すと似合いマス!
成功すれば河了貂と結合させてもらえるかもしれません!!
結合がダメなら合体させてもらえるかもしれません!!!
秦は魏に韓の安全保障上の地位について欺くことができなければ同盟のメリットはゼロになりますし、
魏は逆に自ら緩衝国家を見捨てることになります。
キングダムネタバレ‐昌平君の軌道修正
ぶっちゃけ秦にとってみれば、とっくに鄴と列尾を占領していて趙と魏を分断できているんだから、
649話で昌平君が自分で喋っているみたいに、趙を攻略する為としての魏との同盟って、ホントのトコロは必要ないです。
これは前回の本編考察でも書きましたが、既に秦軍は王都圏の鄴、遼陽を占領していて、なおかつ史実通りに閼与を陥落させたワケではありませんが、事実として射程圏内にはあるので、現状では邯鄲周辺を孤立包囲させて敵の弱網戦略を採用することも可能です。
また、この場合、コチョウ将軍が言っていたように、鄴攻め編の最中に趙軍が列尾と遼陽周辺で秦軍封鎖の為に待機させていた大兵力を全て王都圏に結集させていたことは兵糧の面でかえって仇になります。
あれ?神(作者)としても、兵糧という着眼点で連載するんだったら、今のほうが描きやすい条件揃ってない??とか考えてしまいます。
そして、趙川の作戦も、李牧が居るときに秦軍が邯鄲に対して前のめりになっている状態で構築した今の趙軍大防衛線なので、王翦としては一旦前線を思いっきり退いてしまって、さっさと閼与を陥落させて史実と整合させて包囲網を構築させて…。
その後、カクカイが自力で王翦を退けたと勘違いするように誘導していけば、李牧の残した戦略は素人カクカイの思いつき戦略に早変わりするハズなので…、
王翦なら今の戦線を崩すのは造作も無い事だと考えられます。
そして、ここで追撃に出てきたモブ敵や、防衛線を広げて分断しやすくなった小隊・中隊を桓騎料理教室でジックリ処理しつつ、完成物(人体オブジェ)を断続的に送り続ければ、コチョウ将軍周辺を除く王都軍など勝手に崩壊に向かって行くと思います。【※さらに、その後に李牧が司馬尚を伴って復活させれば、史実に寄せた自然な形で形成転換できます】
今の趙軍戦線は急がば回れというか、少し状況を誘導する時間をかければ解決できそうな問題だと考えられます。
この点、事実、実際に趙が陥落するのは、現時点から7年も時間が経った紀元前228年なのですが、悲しいかな昌平君…、別に政が彼に頼んだワケでもないのに、自分から『鄴を陥落させたら3年で邯鄲を落とせます。』とか言ってしまったもんだから、メチャクチャ焦って今の無理な作戦を王翦に指示しているのかもしれません。
これなら最終局面の秦楚戦争で王翦に舐められまくって昌平君が敗北して死んでいくのも納得です。(笑)
さらに、直近の昌平君と河了貂の言動を見ていると、『李牧のいない今のうちに趙を攻略しなきゃ!』っていう時期を狙った修正戦略で戦っているので…、
単純に列国攻略の為の全体像を見失っていて、もともと魏と韓を相手に列国中央地帯の進出を狙う大筋の戦略があったのを忘れているような姿になっているように見受けられます。
この秦軍の急性な実情…、というか昌平君個人の焦りとも取れる作戦方針は、当ブログの勝手な解釈なのですが…、
その反面で、今の状況に前項のような筋立ての秦魏同盟の登場させれば、逆に昌平君の扱いを天才大戦略家として一気に転換できることが分かります。
正確に表現すると、前項に記した“秦魏同盟においての秦の対韓措置を見落とす魏の失策“によってですが…。
昌平君『フッ…、大王様、どうやらお気づきなられましたか、私の真意は実は! 趙よりも先に韓を攻略するコトにあったのです!!』
政 『え? お、おぅ…そっか…。汗』
キングダムネタバレ-魏の猛クレーム
魏が秦の韓攻略狙いに気が付かぬまま、謄が韓を征服したら当然の結果として魏は激怒するでしょう。
韓という緩衝国家を無くしただけでなく、楚とも決定的な亀裂が発生し、さらに上述のように国境が変化することで什虎城の戦略的価値は著しく棄損…。
こうなったら趙も魏を助ける余裕なんてネェよ。
趙が魏を助けようとしても、邯鄲防衛ラインから秦の守る鄴・遼陽ラインに飛び込んだ瞬間に、その趙軍の部隊は間違いなく狩られます。
そして、魏にとってこの恐ろしい未来予想が現実するかについては、来週以降の決断で、鳳明が同盟中の秦軍の“対韓施策”に気が付けるかどうかに全てかかっています。
もう、秦から王族の人質を取ってでも担保するぐらい“詰め”が必要なレベルの話ですが、私はここでシンプルに鳳明がミスると思います。
後になって秦に文句を言っても始まりません。
魏:呉鳳明『オイ!ふざけるな!!魏と同盟するっつたら、普通、韓も攻めないだろう!!』
秦: 蒙毅『そうは申されましても、韓と魏は別々の国です。この戦国の世で、古くから秦が韓と戦をしていたのは魏の皆さまも御存知ではありませんか♪』
魏:呉鳳明『いや、それは!だぁーかーらぁー! その、韓があるから魏は韓を秦の盾にして…、』
秦: 蒙毅『はあ? それは一体どういう意味で??』
魏:呉鳳明『だから、だから!!韓は緩衝国家で~…!!』
秦: 蒙毅『うーん? 呉鳳明 様のおっしゃる意味も分からないワケでもないのですが~、お互いの同盟文書を確認してみたトコロ、秦と魏の三年間の不可侵について記してあるだけですから~w』
魏:ハリー『ですよねーww あは、あは、あはははははー!!(もう、狂ってる)』
魏:月華広『かわいそすぎじゃろ(魏が…。)』
魏:呉鳳明『奴ら、正気か…。(´;ω;`)』
( 作画引用:ハリー&月華広 原泰久先生 作 キングダム第649話 )
…みたいな感じで、秦軍を真の勝利に導いたのは信でもなく蒙武でもなく、若き軍事官僚の蒙毅が魏の第一将である鳳明を軽やかにやり込めたというの顛末になるんじゃないか!? という鳳明炎上案件として今回のネタバレ予想を進めてみました。
― キングダムネタバレ最新650話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。