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キングダムネタバレ627話 道の行方 考察

投稿日:12月 26, 2019 更新日:

(  信 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第627話 )



今年最後のキングダムとして堂々としたラストでよかったです。

前回まで龐煖が元気すぎてもうどうなるのか、ホウケン死なないんじゃないのか?などと考えてしまうほど心配していましたが、完全に杞憂で終わりました。

今回もたった1話の間でのピンチからの振れ幅がとても大きいのなんの。

ラストの見開きのページの信の一振りを見てみると、明らかにもう死亡判定必要ないよね!?などと心中で一人ツッコミしていたくらいです。

龐煖、長い間お疲れ様でした。

ただ信に斬られただけでは無く、見事に心も折られているので謙虚に成仏できるでしょう。

“道”っつーか本人が自分からモノローグしだしたみたいに『そもそも論』で語るなら、そもそも“道”なんかではなく、李牧が勝手に付け加えた説明のお陰で、誇大妄想でしかない人生を歩んでいた男だったというオチになってしまったワケですが…、

そういう意味でよく考えてみれば、逆にホウケンも信にこうやって止めてもらって、ある意味幸せなヤツだったのかもしれません。

もちろん、そんなコトはホウケン本人に聞いてみないコトには分からないコトなんですがね。

そんなワケで…、

成仏おめでとーぅ! ホーケーン♪

ネェ、

聞かせてくんない?

ねェ?

今、どんな気持ち!?

あれほど下に見ていた、求道者でもない普通の人間に斬り捨てられるってどんな気持ち?

などと、龐煖に殺されてもイイくらいの真摯な覚悟の反面で、非常に不謹慎なノリでもってホウケン本人に聞いてみたい気分です。

それこそ“気持ち”という観点で、今回のキングダム第627話での龐煖のメンタル描写の推移をよく観察してみると…、

『道を間違えていた…?』などとモノローグし始めて、ホウケンが心理的に揺れ始めた部分はまだ予想出来る範囲の出来事だったワケなのですが…、

そこから直後の彼の心境の変化ときたら、間違いどころか『そもそも道そのものが無かったのでは?』などとまで言い出して、もう“揺れ”始めた瞬間から“自信崩壊”に至るまでのスピードがハンパありません。

正しいとか誤り以前に、思い通りにいかなかったら完全否定に走るホウケンの姿を見ていると、まるで一度ヒビがはいったら一気に割れてしまう陶器のような繊細さを持ち合わせているようにも見えてきます。

人間生きていたら、一度や二度は大きく価値観が崩れて、そのたびに精神をアップデートして生きていくワケですが、ややもすればホウケンに関していうならば、遅れてやって来た初めての思春期で命を落としてしまったともいえるのかもしれません。

流石に殆どのキングダム読者も龐煖に対して別に“道そのものが無かった”とまで、君のコトを非難していたワケではないと思うよ?と言ってあげたい気持ちもあるのですが…、

今にして思うと、王騎に勝てなかった馬陽編から現在の信と戦うまでの日々は、ホウケンの精神にとってそれだけ最初に入った心のヒビを徐々に広げるだけの苦痛でいっぱいであったのかもしれません。

李牧のホウケンの過去語りが信に届いていたワケでもないのですが、我らの主人公の信ですから、最後に何か自分達に何か語り掛けようとしていたホウケンの姿、彼と戦った事実もすべて信の心の中の糧として、この先の将軍道を進んでくれるでしょう。

それでは今週もじっくり、考察と感想を進めてみたいと思います。

キングダムネタバレ-信の瞳の色

河了貂と那貴が最前線に急ぎます。

朱海平原の戦闘15日目の既に夕刻になっています。

尾平たちの応援を背にホウケンと打ち合う信。

もう目の色が、生きながら瞳孔開いたようになっていて怖いです。

神(作者)が明らかに信の目に色を入れないで、半分白目みたいにして描き分けているのが死に体を現していているようです。

死闘が続く中、先に死んでいった仲間だけでなく、生きている仲間の声を自分を奮い立たせる力に変えて龐煖に挑みます。

或いはホウケンもすでに、この時点で信の尋常じゃない様子に何か気が付いていたハズです。

自分の攻撃は確実に信に響いていて、既にバイタルサインで言えば相対する信は死んでいてもおかしくはないコトに。

前回から意識を取り戻した羌瘣は、端的に信が限界に来ているコトを示唆します。

そこから何合かうちあった後、再び倒れこむ信。

同じくホウケンもまた、ここで再び地に伏してなお死ない信に、疑問と焦りの表情を隠しきれない様子を見せ始めました。

モノローグに曰く―、

『道を究めし我が刃に、なぜ?』

そしてついに心中で、はじめてあの龐煖が自分を省みるような呟きとして…、

『道が間違っていたとでも言うのか…。』などという心境を一人で吐露しはじめます。

この龐煖が初めて自分を省みた瞬間という出来事は、時間にして本当に刹那の出来事だったのだと思います。

しかし、本人の体感時間としてはどうなのでしょう?

キョウを愛した六将であったときの王騎に、勝てなかった馬陽の地から、いままで17年間も戦い続けてきたこれまでの彼の歴史の中で、

この“省みた瞬間”は初めて龐煖が自身の抱える矛盾について言語化できただけの話であって、本当はその自らの間違いやら矛盾に薄ぼんやりと気が付いていたからこそ、もがき苦しんでいたのではないかと思うと、凄まじい密度の“思い”が凝縮された龐煖の瞬間なのではないかと終えてくるのです。

ついでに言うと、もし、ここでの話の“道の誤り”に関する“省み”に、今回の627話ではなく、蕞攻防戦での信との戦闘後にホウケン自身が気付き向き合うことが出来ていれば…、

多分、龐煖はまったく違った形の武人であり武将として目覚めていたかもしれません。

精神的にも非常に強靭な、極めて強大なる敵として…。

キングダムネタバレ-砕けた自信は元に戻らない。

しかしながら、これが運命。

過ちに気が付きながらも退くことを知らない武神は、その思考の刹那、さらに最悪の精神的な迷走に陥ります。

『いや…、そもそも道そのものが無かったのでは? 人にそんな道など…。』

僅かな間とは言え、龐煖が“省み”を通り越して“自己否定”にまで陥った瞬間です。

達人同士の戦闘で、この精神状態にまで心理変化が進むのは流石にマズかったでしょう。

しかし、これって先週、李牧が言っていたコトそのままの事実なんですが、その反面で、李牧は武人としては究極の域である事実も認めているのも確かなので、ホウケンも我に帰らずに、間違っていても狂っているままであれば普通に強いままだったと思います。

端的に表現すると、一度砕けた自信などそう簡単に修復できるモノではありません、ましてや、それが達人同士の戦闘の場であればなおさらです。

そしてマジレスすると、信がダメージを確実に受けているのも分かっていて、これまでに何度も無防備に倒れて動きも鈍くなっているなら、サッサと止め刺しゃあいいワケなのですが、それが出来ない迷いのような何かが、武神の中にすでに芽生えていたのかもしれません。

そして、そこからスグに『そんなことはない、断じてない!』と自分を言い聞かせて戦い始めるホウケンですが、この瞬間的な心境の変化は、結果的に直後から龐煖の戦闘動作に迷いとなって反映されることになりました。

キングダムネタバレ-砕ける矛とバックスピン

ホウケンが完全に後手に回った瞬間がついに訪れました。

彼の巨大な矛が砕けたのです。

信と龐煖の両者が何合も打ち合っていながら、互いの武器を損傷させず、また本人同士が致命傷も受けないで戦ってこれたのは、お互いにダメージや攻撃を受ける際のインパクトを最小限に止める為の間合いと呼吸の読み合いがあったからです。

かつての王騎も、今の信が手にしている矛で、真っ向から龐煖の矛を砕いて見せましたが、信と王騎の見せた武器破壊は単なる二人の技巧だけが見せた業であるとも言い切れません。

間違いなく龐煖の集中力と身のこなしに乱れが生じている証拠だと考えられます。

武器破壊の憂き目にあった龐煖。

すかさず取った反撃対処ですが、ここで彼は最悪とも言える悪手を放ってしまったとしか言いようがありません。

すでに、馬陽戦と蕞攻防戦の各一戦で2度信に仕掛けた上に、信が見ていた対王騎戦でも1度、自分の動きの全体像をみせてしまっている、マント目くらまし+バックスピン攻撃で反撃にでてしまったのです。

4度目の同じ攻撃、しかも、成長と激闘を重ねてきた信という漢を相手に…。

しかも、決まって龐煖が追い詰められた状況で発動するという条件まで同じです。

もはや隠し技でも何でもない、ただのバレバレバックスピン。

推定2兆パーセントの確率で信が回避するに決まっています。

キングダムネタバレ-河了貂が雑魚フォロー

魏加ほどのスーパーアシストになろうはずもありませんが、龐煖の敗北に備える趙モブ騎兵がホントに健気です。

簡単に味方殺しを仕出かす龐煖であっても、勝負に水を差す覚悟をキメる趙騎兵の連中が居ます。

そんな彼らの思惑もむなしく、冒頭で最前線にコマを進めていた、河了貂が勝負の佳境に信の背後を狙う趙騎兵の動きを誰よりも早く察知します。

そして!ここで那貴が影もなく、即座にスイーパーとして精密機械のようなレスポンスで始末するんだな!?さすがだぜ神(作者)!! その為の河了貂に随伴とは恐れ入った!!

っと思ったのですが、この趙騎兵の動きに対処したのは、渕さん、田有、田永でした。

しかし、これはコレで逆に、さらに信の仲間がカッコよく見えた気がします。

あえて貂に随伴した那貴ではなく、王騎将軍の悲劇を目の当たりにした当時の飛信隊のメンバーだからこそ、ここで信の背中を守れたと考えることが出来るシーンと言えるからです。

キングダムネタバレ-なんやかんや言っても、今年もキングダムが面白かったです。

いや、マジでこのまま決着が付かなかったらスッキリ年が越せねェ…。

などと、悶々としていた先週のキングダムでしたが、神(作者)渾身のプラス3ページで到達した場面を見たらそんなことは言ってられなくなりました。

よく見たらホウケンの矛ごと叩き斬っているのが分かるほどの剛力です。

爽快、かつ豪快。

この、ラストページだけでも芸術作品として成立しそうな勢いです。

もしも、色彩を付けて巨大サイズに編集して額縁に飾れば、

例えば…ジャック・ルイ・ダヴィットの『アルプスを越えるナポレオン』

ヴェジーヌ・ドラクロワの『民衆の導く自由の女神』

ピカソの『ゲルニカ』

作者不明の『平家物語絵巻』…。

などといった、有名な戦争絵画にも引けを取らない迫力があると思います。

この絵単品で『信の王騎矛振抜き、武神昇天の図』とでも後世に絵画名が残ってもおかしくないでしょう。

― キングダムネタバレ最新627話 考察 以上 ―

次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。

皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。

Twitter:しんいち ダム垢(@takikomigohande

第627話の予想⇒【キングダムネタバレ最新第627話予想 信の決着を貂が促す。】

第626話の予想⇒【キングダムネタバレ最新第628話予想 李牧逃げる和睦は自殺行為】

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