(信・王賁(オウホン) 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第576話から)
王翦(オウセン)が私情で判断が鈍るとは考えられない。
河了貂だけでなく、関常と番陽までバカに見えてきた。
ただ、関常が言った「今でも王翦様は賁を疑っている」ってなんでしょう?もはや王翦がどうのではなく王賁の成長にかかっているってだけの話だが、昔に何があったのか気になるコトは確か。
もともと関常は魏火龍編でも気になる独り言呟いていましたからね。
しかし、この王家のお家騒動ネタ、ショックは大きかったのは確かだが、ネットの反応見ていると、既に読者の方が気持ちを切り替えているのがわかる。
キングダムの何が凄いって読者がすごい。
王家の父子問題が発生しても、大多数の読者が僅か一日で、王翦は公私混同などしないコトを見抜き、あとは王賁の成長を信じると来週以降の展開の覚悟を決めている方が多い。
漫画界でこれほど潔い読者層が多い漫画はそうはない。
これで下手に誰かの不倫、隠し子だったとかのネタなんかで引っ張ったら、キングダム朱海平原篇でもまた作者は弄られるだろう。
ここまでくると王翦の強みって、ただ一言に集約できる。
情報がない、ホントこれに限る。
政や昌平君が「失礼だから人前では仮面を取りなさい。」と、ビシッと言ったら王翦どうするつもりなんだろう?やはり丁寧に断るのかな?
朱海平原、停滞する戦線は王賁の親父越えと思春期卒業にかかってる。
キングダムネタバレ第576話おさらい
10月18日ヤングジャンプ掲載キングダム。
詳しい考察⇒【キングダムネタバレ第576話オウセンの下知考察】
前回の予想⇒【キングダムネタバレ576信と王賁だけで李牧を迎撃】
キングダム考察-朱海平原10日目
まずは、前回の予想の通り、
亜光は戦闘不能、10日目はさしたる場面もなく、兵糧と日数の消化で終了。
亜光兵の一人一人の奮戦で凌いだが、趙軍の意図として、そもそも無理攻めはせず様子見であったことがわかる。
さて今回も、河了貂の状況説明が必要だったと思います。
王賁が高圧な態度で突っかかって来ますが、「じゃあ、お前がやれよ」って言われたトコロで、素直に役割を受け入れるような奴でもありません。
貂の役割があることぐらい、分かってやれないのが王賁の人間的な限界です。
殆ど八つ当たりというか、イチイチ仲間の一言や挙動をあげつらって噛みつかなきゃ気が済まない性格。初登場時の17歳ごろの彼ならともかく、人間的成長の無さが目立ちます。
23、4歳にもなって思春期と同じ性情の王賁、
99%の確率で童貞だと思います。
このシーンを吟味すると、正直、主人公のライバルという部分よりも、神経過敏で狭量な小物感しか引き立っていないです。もちろん信との馴れ合いなど要らないですが、似たような描写に何度も頼りすぎている部分が多いですね。
これではハッキリ言って、将来有望な青年将校などというよりも、
むしろ新卒予定者の集団面接とかに居そうな、
承認欲求丸出しの、意識高い系の学生にしか見えません。
もちろん、その未成熟さ含めての布石だとは思うのですがね。このままの姿勢で進むと、いろんな意味で王賁って先がないと思います。
ただし、この点はまだ、キャラクター成長としての分岐方向が残されている節があるので、下記の予想でも追及したいと思っています。
ネタバレ考察-王賁上げてから落とされる
この部分、完全に前回の当キングダムネタバレ予想の通りになりました。
兵卒達が推戴して総大将が完全無視、
見事に王賁を上げて落とすというオチ。
また、それと同時に作者は、
今も王翦は中央陣にいるのでは?と思わせつつも、いま王翦が話している場面を明確に提示してきたわけではありません。
後で居なかった。と、再設定できるような、どうとでもとれる状況を作ることに成功しています。
つまり、作者は朱海平原戦の急所でもある、王翦所在地のネタバレの不明状態をキングダム576話時点でも、しっかりキープしています。
また、作者はここでも、王翦の居場所隠しに合わせて、
河了貂に王賁を将軍に任命しない王翦を馬鹿呼ばわりさせ、
「朱海平原は右翼が重要!」と固定観念丸出しの宣言をここでも吐かせています。
これが貂のいまの役割と分かって見ていても、あまりやりすぎると見苦しくなってくるようです。
キングダム考察-王賁が王翦の息子ではない疑惑
これは、今回のネタバレとしては予想していませんでした。
王賁のもとに声をかけようと、一人歩いていた信が関常と番陽の会話を耳にします。
関常曰く「王翦様は今でも賁様が自分の本当の子ではないと疑っている…。」
これを読んだ直後は、必ずしも王賁推しではない自分が見ても、かなり気持ちがザワつきましたね。
ただし、キングダムのファンとして確かに心にざわつきを感じたものの、多くの読者にとっても、いつかは王親子の関係性については具体的に描かれる日が来ること自体は想像に難くなかったと思います。
実際に、これまでも関常は彼らの関係性について、なにか知ってそうな素振りを断片的に見せてきましたからね。
キングダム魏火竜編で、王賁が「王家の正当な後継ぎとしての責務だ!」と宣言した395話。
関常が「そういうことか…、」などと意味深く呟いていましたが、ここで彼が知っていることとの繋がりが出てきたように感じます。
というか、キングダム388話で何故、関常が玉鳳隊に王翦直々に送り込まれてきたのかも今だ明らかにされていません。
そして、重ねて気になるのは、関常と番陽の会話を聞いた信ですが、これをそのまま王賁の所に話に行くのでしょうか?信がこんな情報を知ってどうなるんだろうと思いました。
ぶっちゃけ、ライバルとは言え、いきなり部外者に等しい信に家族のコトを口出しされても会話など成立するのでしょうか?
キングダムネタバレ577信と共闘、王賁一族の過去
キングダムのファンの中でも、戦術や歴史の部分が好きな人にとってみれば、王翦一家のドロドロした所なんか見たくない。と思っている方もいるかもしれません。
しかし、キャラクターの側面からキングダムの面白さを感じ取っている方から見れば、キングダム576話のラストは、いろんな意味でカナリ気になる終わり方だったのは間違いないでしょう。
来週のキングダム577話で関常が話す内容が最も気になります。ここからは以下の論点をまとめ、王一族の内面描写だけでなく、それが実際どのような戦略展開として繋がっていくかについて論究したいと思います。
・「今でも…」の意味、実際に何が起きたか?
・キングダム内の王翦と王宗家
・結局、右翼はこれで戦えるのか?
・信と王賁で真の共闘
キングダムネタバレ-“今でも”の意味、何が起きたのか?
「王翦様は今でも賁様が自分の本当の子ではないと疑っている…。」(関常:キングダム576話)
山崎豊子さんの書いた、華麗なる一族の主人公ファミリーみたいなことを言い出した関常ですが、
彼も王賁に「お前に王翦の何がわかる」(キングダム535話)とか言われていたワケで、姿を全く見せない王翦に躍らされてる味方の一人でしょう。
正直、ほとんどの読者が、王翦がそんな私的な理由で大局に関わる判断を下すワケがないと思っている方で大半だと思います。
ただ、展開が進むまでは読者も状況に付き合っていかなければなりません。
この関常の言ったこと真正面に受け止めると、「今でも…」と、彼が言っている以上、実際に王賁の出自が疑われるような事件や出来事が、実際に何かの形で発生していたような言いぐさであるコトがわかります。
キングダムという壮大なスケールの戦国時代が舞台の歴史絵巻が、いきなり法律ドラマの嫡出推定の問題にでもすり替わったかのような息苦しさを感じます。
正攻法で考えてみたら精々、①王翦が遠征している間に嫁の浮気が発覚した。とか、②春申君の女と前楚王みたいに嫁を別の貴族からもらい受けた。とか、後はせいぜい③事故で子供がすり替わった可能性がある。などでしょうか?
ヒョウ公将軍がこんなレベルの話を聞いたら、
「下らん負け犬の感傷だな。貴様の舐めた苦渋など、そこら中に転がっておるわ!」と一喝してくれたでしょう。(キングダム7巻参照)
キングダムネタバレ-語られる王翦(オウセン)と王宗家
とはいえ…。
キングダムにはその反面で、
羌瘣と一族にかかわる因縁や、長年苦労してきた白老と蒙家三代の来歴のように、キャラクターや一族が背負ってきた業を通して、結果的に英雄を生みだすことになった淵源を描いてきた側面もあります。
その観点を鑑みると、ここから関常が語る内容として、下記のようにこれまでもキングダムで断片的にしか語られてこなかった王宗家の来歴に関わるものであることの可能性が高いとも考えられます。
・野心にかかわる真相
・王翦の領内(くに)に関わる問題
・旧六将(特に胡傷と王騎)との関係
・王宗家(王翦)と分家(王騎)の関係
・何故、関常が玉鳳隊に送られてきたか?など。
ネタバレ予想-語られる王宗家の来歴
例えば、王翦が秦国内で危険人物として見られている部分についても、王翦軍の人間がどのように感じているか程度のことすら、不自然なくらいキングダムでは情報が出てきません。
また、キングダム22巻で王翦本人から語られた、領内で必要とされる戦の強い男が何のために厚遇までされて集められているのか?
集められた者たちは、どのように王翦軍として一体化されていくのか?
そもそも、王翦が秦国内で危険人物と言われてきた割には、キングダム合従軍編の際に、呂不韋のように情報が集まるような権力者や、あれだけ政敵に囲まれていた政ですら、王翦のコトを殆ど知らなかったような扱いだったのもカナリ不自然です。
まだ断片的な、情報と反証の集まりでしかない為に、抽象的な仮説しか作れませんが、上述のキングダム395話の王賁の「正当な後継ぎとしての責務」宣言と、その直後の関常のリアクションを見ると、わざわざ正当性を際立てるために、大きな戦果が必要であると宣言しているようにも聞こえます。
つまり、その反証として、王賁は分家の出身、もしくは、嫡流の優先順位のある兄貴などが死亡すること等で地位が変動した経緯があったのでは?と推察することなどは可能です。
また、同じく魏火竜編であったキングダム388話で、関常が玉鳳隊に合流してきた時も、王翦が彼を送り込んできたコトに何か理由があるにせよ、その理由が何なのかはっきりしないという仕込みも含まれていました。
これまで、判断材料として乏しかった王翦とその一族を取り巻く、断片的な情報に追加のピースが発生するか?あるいは、来週、関常が発する言質の中に、これまでの伏線を回収できる発見があるのか?
次週のキングダムで期待するべき観点があるとすれば、これらの王翦の外堀を埋める情報が何か引き出せるか?といったトコロだと思います。
ネタバレ考察-これも引き延ばしの一手
ぶっちゃけ王翦側から見ると、ホントに閼与城陥落の為に、朱海平原の現状は抑えでよく、すでに中央陣から離れているのであれば、残した部下に伝えたテンプレ以外は返事のしようがない。
仮に中央陣に王翦がいたとしても、総合的に見て王賁を将軍にしないほうが有効だと考えた。で、片付く話ですよね。
むしろ、本当に王賁を将軍にするのを、王翦が知っていてスルーしたのであれば、李牧の目をよりリアルに引き付けるために、あえて右翼が危機的状況になるように仕向けた。と、捉えることも可能です。
もしも関常の言う、王家の家督問題が非常にしょうもないネタであったら、ホントただ単に、王翦が狙っている作戦発動のリードタイムの穴埋めの為だけに、河了貂と関常と番陽が踊らされただけの話に終わってしまいます。
ぶっちゃけそうなると、あれだけ間延びを感じたキングダム遼陽編から、なんも反省しとらんやろが。ってことになってしまうんですがね。
キングダムネタバレ-結局、右翼はこれで戦えるのか?
さて、前項までは関常が何を何を話すのか?
ストーリーの部分について論述したわけですが、ここから問題にするのが、結局、重要なのは信と王賁たちが、このまま王翦の指示に従って戦ったところで、本当に右翼が勝てるのか?ということです。
これは、王翦の閼与攻略の布石という意味ではなく、純粋に朱海平原右翼としての戦略価値の観点から話です。
キングダム考察-正確な人物評価
王賁に反して、やけに静かな態度が際立ったのが今回の信です。
ここでの信は蕞攻防戦でも見せたような、落ち着きが見られます。
基本的に周囲の人間の話に耳を傾けることに集中しており、軍師である河了貂よりも冷静な態度を一貫して維持しています。
これも本能型武将の業なのかもしれません。王翦と王賁の関係の異質さを感じ取り、局面を握る部分の本質が何なのか、新軍右翼の中で一人だけ感じ取ることができているのだと思います。
信と王賁、武将としてどちらが強いか?というのは別にしても、信と王賁を人間として比較すると、全く持って信のほうが大人だと思います。理由は上述しているキングダム576話の考察の通りです。
リーダーとしての資質を語る上では、単に武力や戦術の能力が高いという部分以外で本質的に重要な部分。人としての優しさや懐の大きさという意味では、正直、王賁というキャラクターでは、ほぼ表現できていません。
軍議の最中こそ、信は騒がしい態度を見せていましたが、それでも若様を偶像化して頼り切っている亜光兵にツッコミを入れた上で、そこからもそれなりに軍団の様子を静観しています。
何気に、展開上仕方がないこととは言え、原先生がここまで徹底して書くと、キングダム初登場時にあれだけ精強を誇った亜光兵もめちゃくちゃ卑屈に見えてくるのが凄いです。
この点は、亜光兵が王賁の実力を高く評価しているのは間違い無いと思うのですが、予想していたこととは言え、今の状況で王賁が将軍に推薦される状況を考え抜けば、弱り切ってしまった亜光兵が、重圧逃れに王賁を偶像化して祭り上げている側面の方がカナリ強いように感じます。
表面上、彼らから王賁の実績が語られれていますが、この状況でダチョウ倶楽部のように、周囲の人間が推すからという形で、なし崩し的に王賁が中途半端な覚悟で将軍を引き受けても、彼が早死にするだけです。
そういった意味では、結果的に伝令が伝えた、
“現状のまま戦え”という下知も、最終的には、
閼与への布石を抜きに、十分に的を得た指示であったと思えます。
「誰がどう考えたって王賁を右の将に据えたほうがいいに決まってる」とキレながら断言している河了貂も、これは王翦に踊らされているという以上に、彼女の意見も少し違うんじゃないかとも思います。
作戦や戦術をはじめ軍略を考える軍師という仕事と、適正に人事を見抜くリーダー選定能力は必ずしも直結する物ではないからです。
キングダムネタバレ-信と王賁で真の共闘
では、王翦から見放された秦軍右翼はどうやって勝つんだ?
ココからのキングダムを語るとすれば、まさしく議論はこの一点に尽きると思う。
表面的にしかキングダムを読んでいなければ、単純に信と王賁は仲が悪いので、共闘はあり得ないなどと、見たまんまを語るしかできないと思う。
しかしながら、ここで目的のために、時にはライバルとも協力できる男でなければ、信と王賁って本当にここまでの男でしかないでしょう。
キングダム考察-信は王賁に何を伝えるのか?
もともと信はキングダム576話で軍議の後、自軍に戻る途中で河了貂と別れ、直接、王賁に何とかしろと伝えに行こうとしている最中でした。
個人的には仲が悪い二人なので、普通に考えて蒙恬などの仲立ちがないなか、信と王賁が二人で話をしようとすること自体が珍しいです。
ここから、関常と番陽の会話を聞いた後、信が王賁にたいしてどのような理解を示すかはわかりません。当然、多少、王賁の内実を知ったからと言って馴れ合いになることなどないでしょう。
ただ、歩み寄りと言うと違うかもしれませんが、信のほうから、王賁にたいする共闘への切っ掛けが与えられることはあるかと思います。
例えば、家族という部分では、信には漂という相棒がいました。
キングダム576話の時点での信の思惑のとおり、信が直接、王賁に自信を持って何か伝えるとしたら、そういった部分ではないでしょうか?
結果として自力で戦って王賁自身が王翦を超えていく、そういった顛末なんだと思います。
そのために、ここから王翦の援軍もなく、今ある将兵だけで、二人が将軍になるための実績を上げるのであれば、両者がどこかで呼吸を合わせて戦う瞬間が必ず来ると思います。
キングダム543話。尭雲軍に囲まれ、危うく番陽が命を落としかけた際に、信が小隊を伴って登場。そこから飛信隊本体の到着まで、騎馬を並べて、包囲網を抜いていく信と王賁が描かれました。
田永曰く、「この二人が並んだらマジでやべェぞ」と、そして現状、今の趙軍にとって、一番、脅威になる秦軍の攻撃が多分コレになるハズ。その前に王翦の閼与城陥落が発動しているかは分かりませんが、信と王賁で尭雲、趙峩龍を撃破できなければ、多分、キングダム朱海平原が終わらないことになるでしょう。
キングダムネタバレ577信と共闘、王賁一族の過去 以上
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
※皆さんのキングダムネタバレ予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。(笑)
Twitter:しんいち ダム垢(@takikomigohande)
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