( 桓騎:作画引用元 原泰久先生 作 キングダム第750話)
なんだか期待上に李牧と桓騎の話が噛み合って来た。
李牧は李牧で、ある意味で寛容を示してくるし、桓騎も桓騎で、秦王嬴政が大嫌い。
つまりこれは…ッ!?
融和の兆しなのかもしれません。
李牧『分かりましたよ、桓騎…。 貴方たちが盗賊の身に落とす程、幼く若い頃、秦の国で虐げられていた背景をかんがみると、正しく桓騎軍の皆さんが、軍事優先の政治ばかりを行い、内政を蔑ろにしてきた秦の暴政の被害者であった事がよく伺えます。つまりッ! これも何もかも全てッ、世界制服をたくらむ悪の大魔王、秦王嬴政の存在が原因であることが明白です。どうです桓騎? 私たちは今こそ手を取り合って、秦の暴威を止めるべく共に奮闘すべきではありませんか?』
桓騎『おう。俺もあの王様(嬴政)は大嫌いだぜ、王翦も誘ってみるよ。』
李牧『なんと!桓騎ッ!』
桓騎『フッ…、李牧ッ!!』
ガシィッ!!(熱く抱き合う二人ッ)
って…、んなワケないか。
でも、まぁ、李牧なりに桓騎の事を半ば理解し始めてくれているのは、どこか読者としても救いがあるような気がする。
敵同士として、ココまで渡り合った仲で…、
李牧の中で、桓騎の事がタダの残虐ファイトが好きなだけの悪党で片付かなくなってきたというか、桓騎の底の深さに気がついてくれただけでも、まぁ、ソコは嬉しかったりするわけです。
うんうん流石、李牧さん、結局は優秀な(?)将軍同士ということで、ある程度は、分かり合えたということでしょうか??
桓騎の事を、『思いを身内にしか向けないお前の心の器はノミよりも小さい。』とか仰ってますが…、
李牧さんが、桓騎と違うのは、あくまでも、彼が直接、殺人の手を汚さないだけの話であって…、
万極を道具扱いにして、秦一般人の虐殺を黙認していたり、趙の宰相であるにも関わらず、犬戎地域の人質政治すら承認していたりと…、まぁ、そこは桓騎とやっていることとそんなに大差ありますかね?
表現の仕方が違うだけで、将軍として、虐殺が戦や統治に効果的だと判断出来れば、その実施を辞さない点に関しては、僕は李牧さんも桓騎さんも、そんなに大きな違いは無いとは思うのですがね。
ではでは、今回もキングダム本編を振り返って参りましょう。
キングダムネタバレーそんなダセェことするわけねーだろ、バーカ。
李牧『武器を捨てて投稿しなさい桓騎。そうすれば配下の命は助けます。』
李牧さんの発言に、モブ趙兵達が騒然します。
上和龍『騒ぐな。』
部下に静粛を求める上和龍が、あくまでも桓騎はいつでも殺せることと、生かした上での利用価値を語ります。
桓騎『クク、甘ちゃんが助けてくれるだとよ。行っていいぞお前ら。』
桓騎兵『お頭はどうするんスか?』
桓騎『そんなダセェことするわけねーだろ、バーカ。』
この一言で、さらに吹っ切れた桓騎軍。
リン玉『ッスよね。雷土もあの世で見てますしねー。』
桓騎兵『雷土さんッ!』
結局、李牧的は至極真っ当な事を伝えただけなのですが、結果的に、桓騎兵に最後の覚悟を決めさせた形になりました。
この期に及んで、誰が投降するのか?
桓騎が欲しいなら、先ず自分達と戦え!
1人でも多く道連れにしてやる!!
気炎を吐く、残りの桓騎兵の面々。
しかしながら…、
当然、李牧とてこの桓騎軍の反応は予想していたでしょう。
李牧『やはり、理解に苦しむ。』
李牧としても、当初は暴虐なだけの獣の様な集団と思いきや、そうではなく。それに反して、10万斬首などの大虐殺を行う桓騎軍。
李牧『仲間内の思いがあるなら、相手側にも当然(同じ思いが)あると分かるだろう?』
故に―、
『思いを身内にしか向けないお前の心の器はノミよりも小さい。』と断じる李牧。
李牧が桓騎に問いかけたかった事は、冒頭の投降の呼びかけなどではなく…、
❝桓騎が何故、必要以上に相手を踏みにじるのか??❞
恐らく、この一点だったのでしょう。
で、当然。
李牧が絡んで来た以上、桓騎もまた応酬します。
桓騎『てめえの都合のいい話ばっかしてんなよ李牧。』
李牧『どういう意味ですか?』
桓騎『お前にコイツらの何が分かるのか? 虐げられてきた奴らの思いが分かるのかって言ってんだよ?』
キングダムネタバレ‐絶望しきれない桓騎
一方、退却に動く飛信隊では…、
李信『偲央の死が桓騎を変えた!?』
召『今話しておく…、自分がもう長くないことは分かるから。。』
李信『お前。』
桓騎の過去を知る召クン。
残る命を振り絞って、最後に語れるだけ語ります。
当時の砂鬼の長であった偲央が、桓騎の居ぬ間に、紀巴という地域の城主に惨殺された事。
それから、桓騎が砂鬼を出て、自分の一家を作るようになった事。
巨大な城郭をもつ城主に対抗可能なほど、軍隊規模に大きくなった桓騎一家が、紀巴の城を制服したとき、❝首斬り桓騎❞の異名が付くほどの住民虐殺が行われた事。
同じく召の話を聞いていた摩論もまた、当時の桓騎を目の当たりにして…、
摩論『あんなお頭は一度でした…。』と記憶を呼び覚ましています。
桓騎は本来、虐げられた者たちの解放者になれる男だった。
しかし―、
偲央の死で、桓騎は光を失い、城内皆殺しで更に自分を闇の底へ突き落した。
では?
桓騎は今でも怒りの中に居続けているのか?
ただ闇の中に居続けるだけなのか??
桓騎に問い返された李牧の目にはどう映るのでしょうか??
李牧『…いえ。その気持ちはあなたほど分かりません。しかし―、分からないからと言って、無意味な排除はしませんよ。』
確かに。
冒頭で書いた通り、李牧もまた、戦や統治の関わる範囲での大量殺人は辞さない覚悟はあるものの、いま現在、桓騎軍に投降を呼びかけている様に、相手に生存の余地を残す点においては、桓騎と李牧は大きく違います。
桓騎の問いかけから、少しずつ桓騎の内面を察する李牧。
李牧『桓騎、あなたの怒りの源が何となく分かってきましたよ。虐げられた者たち、欠落した世界への憤り。そこにあなたは絶望……、』
いや…、違う?
ココからの李牧のモノローグは秀逸です。
李牧:逆に絶望していない? 絶望しきれていない??
絶望したなら、ただ虚ろになるだけだが、そうではない。
この不完全な世界に絶望していないから、誰よりも怒り続けているのではないか?
桓騎…、お前は??
ヒョウ公やホウケンの最後に立ち会った時の李牧もそうでしたが、相手をどこか本質で理解しようと努めるのは、李牧の良いトコロです。
とは言え桓騎にとって、一体何が、❝絶望しきれない何か❞なのかまでは分からない李牧。
ココから先の話は、再び、衣央さんが語ります。
キングダムネタバレ‐家族
桓騎の周囲に人が集まるのは桓騎が完全な闇では無いから。
桓騎の中にある、外からは分からない程の小さな光。
それは間違いなく偲央。
衣央『桓騎は偲央姉さんとであったから、これほどの男になれたんだ。』
では、桓騎一家とは何だったのか?
摩論『我々は、偲央の仇を討つために集められただけだったのか…?』
摩論の疑問は尤もです。が、
衣央『そうじゃない摩論。』
確かに偲央の仇の為に、桓騎一家は作られたのは事実かもしれませんが、桓騎は砂鬼に帰らず、桓騎一家も解散しなかった。
何故か?
それは桓騎一家が家族だったから。
衣央は、昨年の雷土の死でそれを確信したとのことです。
あの十万斬首は、正しく偲央の仇でやった、怨念返しであり、大切な者を殺された苛烈な復讐で、雷土はそのくらい存在が大きかった。
雷土だけでなく、摩論もまた同じく。
衣央の話を聞き、桓騎を置き去りにしたことに後悔を感じる摩論。
衣央『いいんだ、摩論。お前はしっかり役目を全うしろ。桓騎の所へは、別の家族が向かっている。』
李牧による桓騎の包囲陣の外。
数十騎、那貴の率いる一団が到達。
那貴『あの中にお頭が居る!行くぞお前達!!』
あれ?
那貴さんたち、無事に到着できたんですね。。
しかし、いやそんな??
あの、水を差すようですいません?
楚水さんたちが、少し手伝ったくらいで、たかが数十騎の那貴一家の駆け付けが間に合うのなら…、
飛信隊…、もっと早く余裕で桓騎を助けられたし、李牧だって打ち取れただろうよ。(汗)
― キングダムネタバレそれ最新750話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。