(田有 :原泰久先生 作 キングダム第731話)
何故かいつもより弱すぎる飛信隊…。
『まともにカチ合えりゃ、お前らなんて目じゃねェんだよ。』
と、河了貂のデビュー戦で言った田有さんの台詞は有名ですが…、
元々、楽華軍にも玉鳳軍にも負けない飛信隊の尋常ならざる強さって、真正面からぶつかり合った際の、抜群の白兵戦での強さだったのではないですかね??
城攻めだって、初期の高狼城戦をはじめとして、も~っと状況のシビアなかで戦闘を進めていたハズなのですが、何で経験値も動員兵力も勝っている今回の方が苦戦しているのか…?
ちょっと、最近の信は一体何やってんのか分かりません。
有体のまま、今の敵の強さを評価すると、ぶっちゃけフテイやカイネの指揮する部隊どころか、李牧や馬南慈クラスの武将が指揮する部隊より強い、趙軍モブ部隊という事になってしまいます。
あと、田有さんは、後期の飛信隊では、普段、騎兵使用だったハズなのですが、今回、歩兵団にコンバートされています。
別にそれ自体はいいんですが、飛信隊の歩兵団の数が少なすぎて、これは、飛信隊が紅春を使いこなせていないのか?
それとも、単に攻城戦に向けた兵力配分を間違っているのではないかと、いずれにしても河了貂も、準備からしていろいろミスっているような気がします。
あー~、、、、。
田有さん、中鉄さん、竜川さんのロスを覚悟させるような休載期間にどんよりしてきます。
ではでは、次回以降のキングダム予想に進んで参りましょう。
キングダムネタバレ-かなり微妙な犠牲の描き方。
正直、私がいま何を一番心配しているかっつったら、飛信隊の古参キャラも、これからドンドン死亡させられるんじゃないかってことです。
①これまでの経緯
で、そんな予想の前に、先ずは、状況を少し振り返って整理してみたいと思います。
岳雷さんの犠牲は、唐突でした。
が、しかし、よくよく考えれば、アレって桓騎としては時間稼ぎをしたかっただけの状況下で、しかも、数時間後に桓騎が突破を図った趙軍左軍(当初の飛信隊担当先)は、趙軍の中で一番愚鈍な部隊だったわけです…。
そういった敵の実力を合戦の端緒で見抜けなかった飛信隊。
よほどパニックになっていたのか、どーなのか?
ややもすれば落ち着いて戦闘に臨めば、上和龍・楽彰連合軍を相手にするより全然余力を出せたと思いますし…、
結果的に、李信は『火を起こす。』とか言って、持ち場から勝手に離脱していましたが、その後は、蒙恬に作戦を丸投げしただけで、何も“起こって”いません。
李牧軍はほぼノーダメージです。
それだけならまだしも、最終、『上和龍・楽彰連合軍を抜いた!』とか、めちゃくちゃ騒いでいましたが、結局その後でも、李牧軍の予備隊に再包囲されているので、“火を起こす”どころか、包囲離脱という目的すら果たしていないことが判明しました。
まぁ、李牧軍としては、勝手に本軍から分離してしまった飛信隊と楽華軍を、各個撃破する準備を進めればいいだけだったのですが…、
31万人全軍で桓騎個人のみを探し続けるという、相も変わらず謎の愚行を展開する李牧のミスのおかげで運よく捨て置かれる結果になり。
李牧から直々に、飛信隊と楽華軍の抑えを命じられていた、骨粗鬆症じゃなかった、誰だっけ?貧相な顔した雁門の総大将…。
あー、骨珉伯か。
その骨珉伯が、李牧に命令されたにもかかわらず、即日で、飛信隊と楽華軍の居場所をロストしてくれているのも、非常に大きな生存要因になっています。
②雑な宜安城攻め
で、ここまで“運”と“思い付き”の行動の重なりでどうにか、やってきた飛信隊と楽華軍ですが…、
よくよく見ると、宜安城攻めも、物凄く雑なんですよね。
(運よく、紅春を擁する氾善隊と合流できたのも、これ自体が大きな謎ですよね。紅春など、あんな大きな物体と共にノコノコ行動している氾善隊を見逃す李牧軍索敵って一体…?)
ここを振り返ってみると、果たして今回のキングダムは、本当に、田有らを犠牲にするほどの攻城戦だったのか疑問が出てきます。
河了貂曰く―、かなり損傷しているとは言え、飛信隊と楽華軍を合わせて1万規模の人員はいます。
ならば、例えば攻撃に参加できない兵員などを、暗がりを利用して、陽動として他の城壁に差し向けて、敵の兵力を分散させるとか(参照:サイ攻防戦での李牧の夜間心理工作)は出来たはずです。
そして―、
紅春での接壁が成功した後は、拙速に城門を目指すでなく、城上に拠点を作って、紅春でどんどん味方の歩兵を吸い上げる事を優先すべきでした。
梯子も併用してより兵員が上がってくるだけの、仕込みをするくらい、出来たのではないかと推察されます。
この点、今の飛信隊と楽華軍が梯子の準備が無いのは仕方ないのですが…、
攻撃戦専任のハズの氾善隊(千人隊)が、紅春一台だけしか所持していないのは明らかに不自然です。
城攻めを想定して構成された専門部隊なのに、『僕たち紅春以外は何も準備していません。』などと云う設定は、どう考えてもあり得ないでしょう。
また、既に飛信隊では、弓兵部隊を作っているハズなので、城壁の上がった歩兵の掩護射撃を展開するぐらいのことは出来たハズです。
仮に、ここでチートすぎる、あの弓兵兄弟を投入しても、何にも問題にならないと思います。
敵はモブしかいないので、あっさりと李牧級の敵キャラを始末してしまうような、ストーリー上の損失は発生しないからです。
そして、李信本人の部隊指揮能力にも問題が見て取れます。
だって、今の飛信隊…、
城壁の上で、どー見ても皆がテンデンバラバラで、数十人程度のまとまりでしか戦闘していませんよね!?
李信にしたって、折角、将軍の昇格しているのに、何故、百人隊と同じ戦い方しか出来ないのでしょうか?
否―、
むしろ、当時の信の方が、“伍”や“集”の利点を理解して、皆がまとまって戦っていただけ遥かにマシです。
下手に将軍になったことで、百人隊の頃よりも指揮能力が劣化しています。
いずれにしても、将軍として実力不足なのは明らかです。
城攻めを指揮するっつったら超大仕事のハズなのですが、この点での最終決断も河了貂と蒙恬任せにしています。
しかも―、
その河了貂も蒙恬も、誰が今の軍団の責任者なのか明確にしないまま、成り行きで城攻めなんか展開しているもんですから、まるで緊張感が伝わってきません。
これじゃあ、まるで、雰囲気と無し崩しで方針だけが決まり、細部の取り決めが駄々洩れのまま、執行される日本の行政事務みたいです。
なんで、ここまで今の作品展開にネチネチとケチを付けるのかと言えば…、
作中の展開で、やるだけの事をしっかりやってるワケでもないのに、何故か唐突に“悲劇”だけを押し付けられてるような状況なっているからです。
③怪力三人衆の犠牲
ココからようやく次回以降の予想に入っていくのですが…、まぁ、田有さんの死亡が確認されて、飛信隊の皆さん泣くでしょう…。
でも、ですよ?
個人には、これがちょっと苦々しい意味でシンドイ内容だと思うんですよ。
見る人によるんでしょうが、上記のように、飛信隊と楽華軍、別に“命を賭けた歩兵団”とか言っている割に、やるだけの事もやらんと、なんとなく雑な城攻めやって…、
それで『仲間が死んで悲しい―、、』みたいな、切り抜かれた悲劇の展開を描かれても…、
それって、もうなんか、某24時間テ○ビと同じじゃないですかね??
勿論、戦争を描いた漫画なのですから、敵であれ仲間であれ、犠牲が出てくる局面があるのは、分かってるんですが…、
今回は、明らかに、そーゆーのじゃあないんですよね。
どー見たって、『敵兵、野戦に出てて少ないだろうから、井闌車さえあれば、テキトーにやっても勝てるッショw』程度の準備でしか戦ってませんよね。
そう、繰り返すようですが、言語化すると下記のような感じでしょうか??
“命を賭けた歩兵団”とか言っている割には…、
李信も河了貂も、なーんも工夫も凝らさず、何か知恵も努力を尽くしたワケでも無いのに、古参キャラの損耗だけを切り抜ぬいて“悲劇”を見せつけられてが微妙すぎる。といったところでしょうか。
しかも、飛信隊の実力でちゃんと戦えば、勝てるような規模の戦闘でです。
そして―、
読者の我々としても、その田有さん達、古参キャラには、皆、そうとう愛着があるので、そーゆー粗末な使われ方されるのがツライ。
キングダムネタバレ-ここから更に出てくる犠牲
で、宜安戦で問題は、最終的に、田有さんはじめ怪力三人衆のロスでは止まりそうもないことが懸念されるんですよ。
神(作者)様がコレから描くのは、史実べースで云うところの李牧登場による、秦軍の劇的敗戦なので、いよいよ桓騎が反撃に出るも、それもやがて補足されて戦闘上の詰みを迎えるでしょう。
そして、宜安城を占領しようがしまいが、後々の撤退戦で、飛信隊を含む秦軍が秦国国境に向けて離脱する際に、多数の友軍ごと背後を討たれることになるのは間違いないと思われます。
その結果、信を逃がすため、多くの有能な仲間が犠牲になるのは…、今のこの宜安城攻略戦より、よりシビアな状況になるであろうことを考えれば、容易に予想できる事かと思われます。
撤退戦で、信を逃すために犠牲になる…。
そんな意味では、渕さんとか、楚水さんとか滅茶苦茶心配じゃないですか。
あー、考えただけで、またツラくなってきました。
田有さんが、矛を手放したのがツライ。
せめて次回は、竜川と中鉄はなんとか無事だったとかならんかな…。
― キングダムネタバレそれ最新732話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。