( 桓騎 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第698話)
最後に話の核心について迫ってきてくれたような気がしたんだが、ゴメン桓騎。
多分、それ、話が嚙み合っていない。
嬴政は軍律および非戦闘員への虐殺についての是非の話をしているのであって、別に、“殺した人数”の多寡について論じているのではないですよ。
まあまあ二人とも、話し合いをするなら落ち着こうよ…。
良かったのは秦国にはキチンと軍律があって、原則的に捕虜の殺害が禁止されている事が明確化されていることが政の口から明かされました。
で、政の口からは一度すでに明に“桓騎斬首”の下知が出ちゃったわけですが、ここからどう、桓騎が生きて再度の活躍に至るかが気になるトコロ。
ではでは、今週もキングダムを振り返っていきましょう。
キングダムネタバレ-摩論がんばる。
まずい、まずい! まずい!!
摩論。
とても重要なお知らせなのか、三回も言っています。
王自らが咸陽出て、こんな最前線までやってきたのですから、当然でしょう。
勝利のねぎらい?
そーんなワケがありません。(笑)
間違いなく捕虜虐殺のお叱りでしょう。
摩論だって、こうなることくらい分かっていたハズなのに、直面してみて、やっとこさ狼狽する始末です。
王自らが軍を率いて参上。
まずもって激昂も甚だしいです。
下手したら、桓騎もろとも全員が始末されてしまうやもしれません。
王の軍の数は数万ということ。
摩論『やる気だ…。』
伝令からは大王の出迎えを要請が下っていることが伝えられ、即座に摩論がこれに対応します。
先ずは、出迎えるので行軍を緩めて欲しいと。
言い訳として、戦の直後で少し準備がかかる理由を添えて。
そして、桓騎・黒桜・リン玉にも事態を伝え、桓騎軍も臨戦態勢を敷くように、ゼノウ一家と朱摩一家も呼び寄せます。
部下には兎に角急がせるように。
緊急事態なのは分かるのですが…、アカン。
摩論の慌てぶりをみていると、何故か笑ってしまいます。(笑)
繰り返すようやけど、こういったお咎めがあると分かっていたから桓騎を止めてたんじゃなかったのか?
先週まで普通に寝てただろ。(笑)
大王の予想を超えた行動に狼狽する紳士摩論です。
キングダムネタバレ-斬首って言っちゃった嬴政
桓騎サイドからの返答を得た大王一行。
出迎え地は、既に大王側も想定していた北西側の平野地でるようです。
それも桓騎サイドが軍として配備しやすい場所です。
昌文君がそれを事前に調査していたのは、往年、武将であったこともあり流石でしょう。
政としても想定内。
こちらも軍の展開で応じます。
豹司牙・黄龍・昌文君がこれに即座に呼応。
「史記」秦始皇本記曰く―、
“桓騎が扈輒を討ったあと、秦王嬴政がその地まで足を運んだ”との記述が紹介されます。
いや、これは知らんかったです。
これは逆に深読み読みすると、史実の扈輒さんは、大王が行って何か桓騎に激励してやれるくらい強い武将だったとかでしょうか?
史実上、李牧らに敗れるまで桓騎の戦勝が続くことを考えれば、十万斬首そのものは、文脈上、史実ではそんな大した問題ではなかったのかもしれません。
なんせ、敵国を撃破するのが将軍の仕事ですから。
で、そこからの桓騎軍の面々。
摩論さん≧リン玉≧黒桜の順番で焦りぶりが書き分けされているのが、どこか芸が細かいですね。(笑)
両陣営、首脳を先頭に面会を果たしますが…、
あの?桓騎さん?流石にそれはマズいのでは??(笑)
↓ ↓ ↓
( 桓騎 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第698話)
そりゃ摩論もリン玉も焦るわ。(笑)
当然、激昂する昌文君。
イイですね!
久しぶり武将モードの昌文君。
この激昂ぶりも、大王暗殺編で見せた『黙れ下郎が!!』と号馬だか朱凶だかを真っ二つにした際を思い出させます。
しかし、それに微動だにしないのも桓騎です。
続けて怒りを示す昌文君ですが、態度を改める様子も見せません。
摩論『お頭、さすがに…。』
昌文君『貴様! オイ!!』
しかし、そこは大王嬴政。
なんといいますが、ここは政も手慣れた初期の信対応。
『よい昌文君、その男が礼を欠くことは分かっていることだ。』
と、落ち着いて席に着きます。
政『俺が何故来たかわかるな?』
と―、単刀直入に、『何故、捕虜を虐殺した!?』と、ここから声を荒げて問います。
桓騎『別に、ただ殺したいから殺した、それだけだ。』
一見、尋問に近い形ですが、桓騎がマイペース過ぎて、そうはなりません。
しかし、大王嬴政の返答も早いです。
ここから政は、理由なき捕虜の殺害は軍律で禁止されている事を提示して、大将軍とてもそれに拘束される故を解きます。
そして、此度その犠牲の数も異常、桓騎の弁明次第で、この場での斬首執行もあり得る旨を語りました。
嬴政『俺はお前と違って冗談を言わぬ。答えろ、なぜ虐殺した?』
…。
桓騎『忘れた。』
…、
はい、舐めたこの態度。
昌文君も、桓騎側の仲間も、その中で一番坐っていたハズの黒桜までが驚きです。
しかし、流石に大王は焦り一つ見せません。
嬴政『そうか、豹司牙―。桓騎の首をはねろ。』と命を発します。
即座に抜刀する豹司牙。
止む無く応じる黒桜。
黒桜『わ、分かってんのかテメエら、そっちもココから生きて帰れてねえぞ!』
当然、そんな脅しで大王軍が制裁を止める訳がありません
大王の本気と迫りくる豹司牙を見て覚悟を決まる黒桜。
黒桜『お頭逃げろ!ここはッ…』
と―、その時ッ。
摩論『待ってください!!』
大声で慌てながら、座る桓騎の前に躍り出る摩論。
豹司牙も寸で黒桜の首に迫った剣を止めます。
ココは、黒桜が手に持つ剣を叩き負った自分の剣を止められる豹司牙の武力の高さが垣間見られます。
ただその反面で、摩論もラッキーです。
豹司牙がこれで攻撃を辞めてくれたからです。
別に豹司牙としては、政が桓騎斬首の命令停止を発したワケでもないので、このまま黒桜とリン玉を殺して、桓騎を斬首しても良かったの訳ですから…。
そして、政も政で優しいです。
優しすぎます。
政『…。』
摩論を一瞥もせず―、
政『何だ。』
と、ここから摩論申し開きを聞き入れることにします。
政としては本来ですよ??
政『豹司牙、誰が斬首を止めよと言った?』
豹司牙『はッ!(黒桜・桓騎を)ザシュザシュッ!!』
という流れでも良かった訳です。
あくまでも桓騎軍の代表は桓騎なのですから。
そして、どうにか理由の説明を許された摩論。
摩論『私の方から説明させていただきますッ!』
と、ココからまくし立てるように、捕虜虐殺の理由と状況説明について話し始めます。
申し遅れましたがと断り自己紹介をしているのはいいのですが、何気に、こんな局面で大王政に向ってまで、『桓騎の側近にして紳士…いえ軍師の!』などと紳士とか言ってしまっているのは、今回もお約束な御愛嬌です。
摩論も必死に説明するのですが、長いので要約すると彼の政に対する説明は以下のとおり。
・虐殺の理由は、桓騎軍は勝ったが扈輒軍に逆転される可能性があった。
・何故なら奇襲が成功して扈輒を討ち、残った敵兵を降伏させるため、王翦軍が来るとか嘘言って降伏させた。
・そしたら捕虜の数が予想を上回り、しかも相変わらず、敵戦力の方が圧倒的に多数なもんだから、王翦軍襲来の嘘がバレて捕虜が一斉に反抗してきたら止められない。
・撤退した敵軍も戻ってくる危険もある。
摩論としては重要なことなので、彼は一生懸命に説明します。(あくまでも桓騎ではなく自分が助かる為に。(笑))
『だから仕方なく…、敵を葬った…、そう、仕方なく…、そうしたのです。』
仕方なかったのが重要な部分なので、大王相手に二回も繰り返し説明します。
摩論としては不可抗力論で説明しきる作戦に出ました。
摩論『私だって、ここまでのことはしたくなかった。』とまで、心情まで添えて。
しかし―、
だからと言って政も黙っているわけではありません。
ここは流石優しい大王。
摩論の意見を完全否定する訳ではなく、Yes&but方式で応えてくれます。
政曰く、皆殺しにする必要があったのか?
政『その道理で言うなら、戦力差が埋まればそこれ止めれた(虐殺)はずだ、一人残らず殺す必要は無かったのではないか摩論。』
と、反論され摩論も困ってしまいます。
摩論『それは…、そうですが…。』
しかし、ここは摩論ッ!?
惜しいッ!
これは惜しいです、摩論。
大王嬴政が状況理由にここまで傾いてくれたのですから…、あと一言だけ勇気をもって食い下がれば、全員助かったかもしれません。
もし、摩論が次の一言を付け足したらどうなっていたことでしょう?
摩論『はい、全ておっしゃる通りです大王様。しかし、もともと我々の兵力は8万で敵は24万、捕虜を全員殺したとして全くもって兵力が埋まらなかったのです。』
『はい、だから仕方なく…、(以下、繰り返し。)』
こう言えば何とか言い逃れが成立したかもしれません。(笑)
しかし、そうはならなかったとしても、ここは流石は摩論です。
豹司牙が政の命令なく、剣を止めてくれたラッキーもあったのですが、摩論の不可抗力論は、政が語る軍律にも『理由なく捕虜を殺すことは禁ずる。』という文言上の…、
“理由あり”の解釈論争にまで漕ぎつけたことは、双方の矛を止める為の一定の間を持たすことに成功しました。
ぶっちゃけ、桓騎的には摩論がこうして斬首寸前で、活躍してくれるとまで計算していたのか?と考えると流石に無理がありますし、むしろそれは桓騎の頭がお花畑すぎるって話でしょう。
摩論、大王様を相手にキミはよく頑張ったぞ!
しかしながら、大王が『斬首』って言い切っちゃった後だけに、摩論がこうして立ち回ってくれたのは運だと思うが、それと同時に、半分、会談も泥試合になってきていています。
そして、摩論の反論が止まり、大王嬴政はここで話を続けます。
政『以前から殺さなくていい者達を殺しすぎがなのだ!』
はい、ここから話がメンドクサイ方向にずれてしまいました。
畏れ多くも大王様、摩論を黙らしての追撃はいいのですが、これでは最初の“軍律違反”という命題から、完全に話がズレてしまいます…。
なにがダメかと言うと、桓騎が滅茶苦茶やっているという、貴方が実権を握る以前からの話と、今回の問題を、ごちゃ混ぜにしてはいけません。
以前からの桓騎軍の素行を問題にしたいのであれば、本来はそれぞれその問題を起こした時点で、逐次処理していかないとダメです。
例えそれが無理でも、以前からの桓騎軍の素行の話をするのであれば、六将就任の時点で、一度、桓騎たちに六将就任にあたっての軍律への誓約なりと、何らかの清算をさせる形で改めさせるべきでした。
何にしても、桓騎軍にとってみれば、今までの戦場虐殺について王朝や本営から何もお咎めが無かった以上、虐殺についてもそれは"黙示の承認”として扱われていると認識しても仕方がないでしょう。
しかも…、ここからの桓騎の反論までもが、話を余計にややこしくします。
桓騎『ククク、お前が殺した人数で怒るのかよ、今この世で、一番人を殺しているのはお前だぞ』
いやいや? そーじゃなくてさ、桓騎?
大王だってそこは呂不韋とも王建王とも何度もやり合ってるし、読者的にはとっくに消化しきった話を『またか…。』って感じだなんだよ。
今は、単純に戦で殺されてしまった人の累計数の話じゃなくて、キミが平陽という戦場内で起こした軍律違反の話な?
アカン、両者とも話が嚙み合ってきていなくなった。
これでは最悪、夫婦喧嘩とか子供の口喧嘩みたいな、水かけ問答になってもおかしくありません。
もう、この時点でどっちもどっちだよ。(笑)
桓騎も別に議論をするのが仕事の人間ではないし、大王様とて、いままでの桓騎に対して何の処分のしてなかったという、不作為問題を露呈してしまっています。
うーん?これ、話会いが続いても…、
政『桓騎のアホー!』
桓騎『大王のバカ―!!』
…という程度の顛末にしかならないんじゃないのか?
なんか、いろいろ心配になってきました。
― キングダムネタバレ最新698話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽にに。