(堯雲 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第610話 )
約2年近くにわたる連載出演、堯雲、本当にお疲れさまでした。
これからは藺相如と趙峩龍と共に、天国から王賁と信のコトを見守っていて欲しいです。
趙峩龍のトキもそうでしたが、きっちり主人公陣営と最後の勝負をつけて逝ったとあれば立派な最後、誠に見事です。
こうしてブログに考察を綴っているわけですが、勝負が見事であった上、今戦の目玉の敵役として立派にその役目を果たしていったのですから、いまさら私如きいち読者が何を言わんやというと感じです。
前回の予想記事の通り、無駄な描写なくほぼ一瞬の超短期決戦でした。
激突の瞬間、矛をいなしてカウンター気味に刺突した乾坤一擲。
勝負を決めた王賁もまた見事。
勝負の直後に信が二人の一騎打ちに到着し、逆上する堯雲の配下を圧倒します。
そこで乱戦かと思いきや、部下の挙動の一切を堯雲が制止。
そして、「逝く前に、その二人には伝えておかねばならぬことがある」と、
ほぼ心臓を貫かれ、即死でもおかしくない致命傷を負いながらも、今回の第610話の残り後半を使って最後まで藺相如の助言を信と王賁に伝えてから逝きました。
茶化すワケではありませんが、ここで信が藺相如の名前だけでもちゃんと知っていてくれて良かったです。
「何言ってんだ?お前」あるいは「何の話を?」と、イマイチ理解が追い付いていなさそうな信にまで、堯雲は親切にも相応の時期が来ればキチンと理解が出来るということまで教えてくれています。
神(作者)も夏休みに入る前に一応の幕引き。
去年の犬戎戦で、バジオウと楊端和が森の中を逃げ回っているだけで、まったく話が進まないで、神(作者)がそのまま夏季休業にまで逃げ切ったという昨年の状況と比べたら、かなりスッキリした気持ちでキングダムファンの夏休みが過ごせそうです。
キングダムネタバレ-達人同士の体感時間
周囲の人間から見れば勝負は一瞬。
当事者同士の堯雲と王賁、そして彼らと同じ力量を備えた信のみが、その刹那たる勝負の流れを捉えることができました。
体力こそ充実していた堯雲に対して心停止寸前の王賁。
王賁としては、無駄な打ち合いをしている余裕が一切ありません。
私が予想していた勝負像として、両者の呼吸の読み合いと、彼本来の戦闘スタイルの持ち味である、一点を穿つ超絶技巧が炸裂するとの流れを想起していたワケですが、
この点で神(作者)としても、一切無駄な動きを両者に与えるでなく、勝負の刹那に堯雲の走馬燈を交える中で、見事に藺相如の最後の遺言を執行する堯雲を描いています。
勝負が一瞬の出来事で、かつ、その要になる点でも、体力勝負などではなく集中力と技量が分かれ目になることが分かっていた時点で、前回の予想記事の通り王賁の快勝が目に見えていたように思えます。
そして、そのことは誰よりも堯雲自身が覚悟していたことでしょう。
結果的に先週のキングダム本編609話の展開が引き延ばし気味であったのも、今回の勝負が一瞬の出来事であった為に、有為な溜めとして転換できたように感じます。
なので、先週の記事で「また引き延ばしじゃねェか!」だなんて書いてしまって、本当にスイマセンでしたぁーーー!という思いです。
ネタバレ検証-戦闘の詳細分析
さて、重要な勝負の詳細ですが、上記の通り、初撃の打ち合いが始まる寸前で信が二人を見て、堯雲の一撃のほうが早いコトを確認しています。
この点、考察を加えるとするならば、利き腕ではなく矛のホールドが若干甘い左腕の一撃を、テレフォン(大振)気味に、かつ腕が伸び切った状態にして、王賁が敢えて引き出したように見えます。
そして、大外から内側に向かって来る堯雲の矛を、内受けで外側に向かって剛的に受け止めた王賁の槍は、両者の前進エネルギーを加味しつつ、堯雲の矛の衝撃エネルギーによる反動を以って、今度は中心部に向かって転進し始めます。
衝撃の余波こそ王賁の騎乗馬の脚を粉砕し、かつ彼の籠手も破損を生じていますが、
両者の物理的な運動エネルギーは王賁の槍の穂先に集約され、彼の極限まで研ぎ澄まされた集中力と技巧によって、吸い込まれるように堯雲の心臓へと誘導された結果が描かれています。
僅かたったの一撃で決した勝負、騎馬の脚が砕かれた王賁は落馬、ほぼ同時に堯雲は即座に戦闘不能になり矛を落とします。
そして、それらの様態に気が付いた周辺の趙兵が決闘の場に侵入してきたところで、通常の時間の流れが戻ってきかのように感じられてきます。
既に、堯雲の近くまで接近していた信がモブの趙兵を蹴散らしますが、信と王賁をまとめて殺すために怒気を強めるのはおそらく残った雷雲の仲間でしょうか?
このまま後続してくる飛信隊も合流して、一気に乱戦になりそうな流れですが、ここで堯雲が残された命を振り絞りつつ仲間をさらに制します。
ネタバレ考察-藺相如からのメッセージ
「逝く前に、その二人には伝えておかなければならないことがある。」
と語った堯雲がと伝えたのは、まさしく藺相如の遺言、それも、敵に対して助言として残されたメッセージでした。
藺相如が在りし日を思い出し、二つ目の遺言として、中華を統べる刃となる敵を止めることが出来なかったときに、その敵に対しての助言として残された言葉です。
曰く-、「中華を一つにする刃足らんと願うならば、胸に深く刻んで置け、何があろうと必ず、振り上げた刃は、必ず、最後まで振り下ろせ。」と、メッセージを伝えます。
いままで当キングダムネタバレでも、明確な形で遺言の正体について触れることは無かったのですが、
藺相如の遺言について何か伝言が託される?藺相如ほどの賢人であればどのような深い意味のメンバーが託されるのか?
その為にも知的水準において信よりも王賁のほうが伝言の受託者として相応しいのか?という見解を立てており、結果として非常に単純明快なメッセージであったことに驚いています。
しかし、極意や助言というものはシンプルであればあるほど体現が難しいものでもあります。
この言葉がいかに、蒙恬や嬴政、昌平君にまで伝わるか?
この先、助言と藺相如の想いが如何様に伝わっていくのか気になるトコロですが、今は堯雲の最後を見届けたい気持ちを優先して本記事を作成しているトコロです。
ただ、王賁こそ黙って聞いていますが、信は素直に意味が呑み込めない。
何だかんだとツッコんできますね。
死に際の人間の言葉なんだから、今は最後まで黙って聞こうよ?と言いたくなります。
堯雲が一生懸命に話をしてくれているのに、「藺相如って何年も前に死んでる」とか、それこそ堯雲にとって分かりきったコトを口にしたりとかは、余計な台詞だったんじゃないか?とも思ったのですが、
堯雲としても最後には非常に親切に答えてくれ、中華が一つになるその時が近づいてきたら多くのことが分かるとまで諭してくれています。
二年近くもの間、キングダムファンは彼に驚かされ続けました。
この二年近くもの間、秦軍のみんなは彼に苦しめ続けられました。
虞寧おじいちゃんを多くの読者の予想通り葬ってくれたと思ったら、何故かほぼキマリの局面で亜光を仕留めそこなっていたり…、
さらに十槍含む11人対王賁1人の戦いが何故か勝てず、神(作者)の為に強さに大きなムラが付与されてしまった堯雲でしたが、
藺家十傑 最後の武将として最後まで戦った生き様は、多くのキングダムファンの心に感動を残していったに違いありません。
藺相如と出会ったのは、もともとは敵国の兵士としての捕虜の立場からだったのか?
趙峩龍とともに盤上の知識から藺相如に戦術を学んだ日々。
廉頗とその四天王とも良きライバルとして過ごした陣幕。
すべての掛け替えのない思い出があふれ出て、古強者の魂を安息で満たしていきます。
キングダムネタバレ-龐煖はこれ以上の戦いを見せられるのか?
信も王賁も消耗が激しく、仮に龐煖が出てきたところで、今戦の意味合い上において何為の戦いになるのか?
あまり存在価値を見いだせにくくなっている龐煖。
個人的な先バレ予想として、伝言を伝えるために、出てきた龐煖を堯雲が最後の力を振り絞って追っ払ってくれるとか想像したんですが、まったく龐煖がこの時点になっても出てきすらしないので、いつ出てくるの?と気なって仕方がありません。
胡漸爺様の一突きによって、出血多量で本当に死亡しているのではないか?などと想像してしまうのですが、 話の描写を振り返ってみるとどうでしょう?
このまま信と王賁がこのまま両隊を先導して、龐煖の接近に気が付いている羌瘣が、武神の面倒を見るというネタバレの大筋が強くなってきたように考えられます。
藺相如から時を超えて、歴史的な大局の立場が問われつつ、今戦においての象徴的な勝負が決まった今、ただ単に個人的な自己満足で戦闘を押し付けてくる龐煖とのエンカウントがこの先存在するのか?と考えたら、
この点、堯雲が潔い見事な勝負と最後を見せてくれただけに、その分、龐煖との戦闘はどういった価値が伴う場面になるのか疑問を抱かざるをえません。
例えるならば最高級の美味しい食事を終えた直後に、いきなりファストフードが出てきたといったような感覚でしょうか?
下手をすると、以下のように王騎将軍の言葉が思い出されてきてしまいそうなぐらいの勢いです。
「久方ぶりにイイものを見せていただきました、これ以上の戦い厭戦以外の何物でもないでしょう。」-第73話
「割に合わないんですよね~、ぶつけ合うものが出来たら、そのとき殺って差し上げますよ~」-第398話
そう考えると、羌瘣が龐煖の接近に気が付いていながら、黙っていまの右翼の戦場から姿を消しているのも、つゆ払いとしての役割に備えているように思えてきてなりません。
ネタバレ予想-李牧と馬南慈の対応
また、李牧も李牧で「堯雲が死んでも大丈夫です。まだ私たちには龐煖がいます。(他力本願)」といった趣旨の発言などを言い出さないか心配でたまりません。
そうでなくても「まさか堯雲が敗れるとは?」とか、「信と王賁、秦軍の若手の実力が予想を上回りました。」系の発言が近い将来に再び残される可能性だけでも十分高いです。
もちろん「王賁は死んだのではなかったのですか?」と一番素直に驚いてくれてもいいのです、あるいは「※馬南慈は何を勝手に単独で退却しているのですか?」で驚いてくれてもいいです、いずれの要因で驚いてくれても、趙軍どんだけマヌケなの?って話に繋がります。
【※馬南慈の退却策は堯雲軍を含め、右翼全体が伴ってこそ意味がある内容でしょう。馬南慈軍、岳嬰軍だけなら河了貂が想定する防御兵も半分以下で済むので李牧軍の攻撃兵力が大きくなることが分かります。】
どう転んでも、もはや軍を指揮してすらいない龐煖が出てきたところで、趙軍が有利になる要素が全く残されていないだけに、ここから先は神(作者)による再度の李牧上げ、または飛信隊下げ等の補正がどのように描かれるのかがネタバレ予想の材料になってくるかと思われます。
― キングダムネタバレ最新610話 藺相如の助言 考察 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。
Twitter:しんいち ダム垢(@takikomigohande)
前回の予想⇒【キングダムネタバレ最新予想610王賁対業雲の勝負は明確】
次回、第611話の予想⇒【キングダムネタバレ最新611話予想 羌瘣、龐煖から信守る】
第611話の予想.2⇒【キングダムネタバレ最新611話予想Ⅱ龐煖のロスタイム】
第611話の予想.3⇒【キングダムネタバレ最新611話予想.3羌瘣が李牧軍横撃成功】
第611話本編考察⇒【キングダムネタバレ最新611話 王翦の分 考察】