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キングダムネタバレ第703話 逆手の大戦略 考察 既に戦略崩壊の王翦と昌平君

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(  李白?? 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第703話扉絵)



2週間ぶりのキングダム。

かなり、神(作者)自身も、両軍の戦略意図の構成に力を注いでいたことが読み取れます。

扉絵の長城に立っているのは、兜の形からして、李白でしょうか?

彼や公孫龍には、このままメイン戦線からフェードアウトしつつも、無事に生き残ってほしいものです。

今週も新しい名物千人将に始まり、王翦と秦軍本営との共同作成の発案、李牧が有する雁門という北部拠点との比較衡量。

考察する論点が多々ありまくりで、非常に読み応えのあるお話でした。

ってゆうか、最後の戦略図…、

楊端和軍、最初から戦線にすらいなかったんかーい!?

ではでは、今週もキングダム本編考察に進んでまいります。

キングダムネタバレ-秦軍首脳、李牧帰還という大情報をスルー

今週の冒頭は…、

秦国王都咸陽からです。

モブ大臣たちが、丁寧な状況説明を進めてくれています。

前回から引き続き、武城・平陽の両城の攻略が順調なのがよく分かります。

しかし、ですよ。

流石は秦国が誇るモブ大臣です。

一番、重要な情報をスルっとスルーしています。

曰く―、『扈輒を失い、李牧が復活して邯鄲に入ったと報告もあるが、今のところ然して大きな変化は見られぬ。』

さらに―、

『ここまでくれば、流石の李牧も手の打ちようがないのだ!~中略~、このまま一気に趙を滅ぼすぞ!』

おい?

こら!?

ちょっと待て。

その、異常なまでの無駄且つ無意味な威勢の良さ…、

お前ら全員、段茶かコラ!?

自身の帰還をいとも簡単に、敵陣営側に漏らしている李牧も李牧ですが…、

秦国側も李牧帰還の情報を傍受していながら、そこはスルーするところじゃないだろう。

昌平君も、そこはしっかりと連中を引き締めないとアカンやろ。

前回の予想編でも、“戦は始まる前から勝負が決まっている”って書いたけどさ…、

もう、この状況に対する姿勢の時点で秦国は負けているよ!!

あああああああ!がっかりだよ!!

二週間も休載期間待って、冒頭からコレかよ!!

いろいろ言いたい気持ちを抑えつつ、読み進めてみましょう。

モブ大臣たちが、段茶状態で盛り上がっているトコロ、王翦から昌平君宛てに、飛鳥の伝文が届きました。

その内容は、前回のラストで判明した、邯鄲と武城・平陽を隔てる、長城の出現を報せるものでした。

王翦曰く―、『通過難し。』

困惑して、一気にリアクションに困る一同。(笑)

難事と捉えるモブ大臣もいれば、迂回でオッケー!と意気込む大臣もいます。

しかし、介億先生は『迂回で済むなら、王翦将軍はワザワザ鳥を使ってまで、伝えてこないはず。』と、王翦の意図をさらに深堀します。

嬴政『昌平君、伝令の続きはないのか?』

昌平君『あります…、“これを逆手に好機と見る、宜安を攻め北にフタをすべし”』と進言されていることを読み上げます。

モブ大臣『宜安!?北にフタとはどういう!?』

介億『静かに!』

この介億先生の完全な邪魔者扱い(笑)

モブ大臣がモブ大臣らしい場面になっています。

嬴政、昌平君、昌文君らが思案を巡らせた先に、先に口を開いたのは嬴政。

嬴政『趙王家の脱出経路を潰すと言っているのか?』

昌平君『おっしゃる通りかと。』

キングダムネタバレー戦略崩壊、思い付きで作戦追加。

ここから、いきなり当初の戦略には無い状況想定を喋り出す昌平君。

李牧の誘導策略というよりかは、勝手に秦軍が自滅していく状況誘導が作出されていきます。

他の誰でもない、秦軍総司令の昌平君自身の手によって。

昌平君曰く―、やれこのまま邯鄲を陥落させても、地下道やらなんやらで、王族が生き延びるだの、趙王家がいる限りしぶとく抵抗してくるだの…、

昌文君まで一緒になって、趙王が落ち延びて、残党が再結集して掃討戦が続いていくとか、鄴攻め戦略を採用していた当時に、計画すらしていなかった掃討作戦の話までし始めています。

ねえ!?

バカなの?

二人ともバカなの?

“捕らぬ狸の皮算用”って言葉は、戦国時代に無かったワケ!?

そんな心配、邯鄲包囲できてから言えや…。

何のために、楊端和軍も含めた三軍で侵攻しているんだ…?

ってゆーか、邯鄲の北方面に逃げ場があるなんて事、秦軍が鄴方面から攻める時点で分かっとったことやろが。

だから史実の王翦も桓騎も、太原や閼与も含め、上党も加えた、半包囲の侵攻ルートを形成していたわけですが…、

キングダムの進軍は、それを実現するだけの国力が無い設定だったから、無理を押して、鄴攻め(太行山脈南側)にて、進行ルートを限定していたんじゃないのですかね??

実際に朱海平原戦からも、拠点としての閼与は放置だったワケですし。

戦略の失敗は戦術では覆らない…。

彼らは分かっているのだろうか?

そもそも“鄴攻め”そのものが、上記の意味で『邯鄲に最短距離で王手をかける』という構想のもと、余計な戦争を省略するという意味で、まさしく言葉通りの“戦略”として成立していたのですが…、

恐ろしいことに、昌平君の下、当所の計画に無かった余計な戦争を突然増やして、タダでさえ弱国設定の秦軍を、自ら窮地に追い込もうとしています。

後述しますが、今の時点で秦国からみれば、趙王は逆に生かしておいて、カクカイとアホのツートップを張っておいてもらった方が、滅亡に追い込むよりも遥かに楽で、非常に高い利用価値を持ちます。

昌文君『厄介なのは、復興しやすい地に王家が逃げ込むことだ、それにより戦が長引く恐れがある。』

昌文君『それが北か…。』

昌文君の命令で、趙の北部地域の盤図が持ち出され、王翦の指示した宜安周辺地域の吟味が始まりました。

かつて、楽毅らが活躍したであろう地域である、中山の地名もココで出てきます。

モブ大臣の一人が、『あそこまで行くと、もはや中華とは言えぬ、流石に趙王がそこまで逃げるとは考えにくい。』

と、意外にもイイ事を言い出したのですが、残念ながら、嬴政まで、昌平君の誘導に乗ってしまいます。

嬴政『いや、むしろ最終的にはそこに逃げ込むと考えるべきだ。』

昌平君『はい、さらに中山の北には不毛の地“代”、一応そこまでは趙の領土です。』

『そして、厄介な事に、この“代”の西側にあるのが“雁門”かつて、李牧が治めていた地です。』

はい、戦国時代終盤の地名伏線の紹介ありがとうございます、昌平君。

んでも、昌平君…。

今まさにキミの思い付きでさ?

当所、何の準備も予定もしていなかった、戦闘を始めようとしていて、さらに、味方の戦力分散まで起こそうとしているのが、分からないのか?

最早、ボードゲーム選手としての実力すら無くなってしまったか…?

哀れである。

この点、上記の通り、史実の場合は秦軍は最初から、太原や閼与を制圧していて、鄴からだけでなく、上党まで含めた北方侵攻ルートも確保していて、最初から半包囲の形成で侵攻していました。

でなんで、キングダム本作で、今になって急に史実の侵攻ルートに合わせているように見える状況ですが、これは実情や意味合いとして全く有効性が違ってきています。

史実の場合は、『順調に進行していったルート上の宜安に、突如として李牧という名将が出てきたために、予想外のところで秦軍が破れてしまった。』という話になるのですが、これだと予測不可能な強敵の出現に負けたという意味で、秦軍の行動趣旨も普通に理解ができます。

少なくとも、本編のように、急な作戦変更で予定に無い侵攻ルートを付け加えただけの話と、全く違う意味であることが読み取れます。

キングダムではこの侵攻ルートについて、真逆の意味を持ちます。

『秦軍は、李牧という強敵がいるのが、事前に分かっていたが、何故か陥落寸前の邯鄲攻撃を突然放棄して、その強敵李牧のホームグランドでさえある北部地域に攻撃目標を変更してしまい、勝手に自滅した。』という話になってしまいます。

『趙王に雁門に逃げられたら、一筋縄ではいかぬ。』

『脅威ではなくなっても、そこに力は割かねばならぬ。』

ということで、昌平君や介億先生の言いたいことは分かるのですが…、

それだったら、逆に秦が“魏”“韓”“楚”と事を構える間、さらに北部に控える“燕”や“騎馬民族”への緩衝地域として、遊牧王とカクカイの部下として、李牧に中原全体の防衛を頑張ってもらえば済む話ではないでしょうか。

寧ろ、李牧達を完全に取り除いてしまい、“代”や“雁門”まで秦が統治する状況を作ってしまっては、秦が北方異民族からの直接攻撃に晒されるリスクに巻き込まれ、趙を生かさず殺さずに御しておくよりも、遥かに難しい問題に直面してしまいます。

繰り返すようですが、そもそも史実と違って、今の昌平君たちは、李牧という強敵の存在を事前に知っていて、そんな優秀な人材を擁しているにも関わらず、趙王がバカで確執まであるという情報を事前に得ているのに、その最大の急所を全く利用しようとしていないのが、不自然極まります。

しかも、昌平君。

『次に控えている、最大の敵の楚との闘いに全力を注げなくなる、あの超大国相手にそれは命取りになりかねない。』

とか言っていますが、その前に、“韓”と“魏”がまだピンピンしているのに、どんだけ先の話をしているんだコイツは??

落ち着け昌平君、足元見ろ。

長城の出現を見て、“邯鄲の南に脱出経路が無くなった”とみるのはいいが、“北も攻めてフタをして脱出路を無くせ”と考えたらなら、それこそ別に、宜安を攻める必要は全くありません。

宜安など無視して、経済・生産力の実利から見ても、黄河流域の大人口地帯である邯鄲を制圧するほうが遥かに重要です。

また、ここでも繰り返しますが、邯鄲を奪った後で趙王が逃げるのが心配なら、それこそ亡命先の王朝でも、そのまま遊牧王とカクカイの馬鹿ツートップが、王朝の中心で居続けてくれたほうが秦国にとって、これほどありがたいコトはないです。

邯鄲を落として趙を経済的に縮小させて弱らせてた後なら、それこそ、遊牧王とカクカイ逃げ出した後、非常に御しやすいでしょう。

秦としても、朝廷上・外交上の立場から李牧など無視して、このウンコ2匹の身分と生活だけを保障して勧告でもしてやれば、その時点で趙を事実上の滅亡に追い込むなど容易いはずです。

例えばですよ?

嬴政『遊牧王よー。私とて、かつての偉大な周王朝、三晋の流れをくむ貴公の貴血までを絶やそうなどとは思っていない。どうだ趙王と賢臣カクカイよ? 予と王家同士の好を交わして、共に中原の統治に力を貸してくれぬか?』とでも、甘言して名目上の地位だけでも保証してやれば、簡単に堕ちませんかね??

しかも、李牧がそのあとで、成長した嘉太子を擁立して、真の趙の血統を報じて挙兵しなおしても、秦軍としては、遊牧王とカクカイこそ、正当なる趙の血筋とバックアップして、代理戦争させて消耗させるとか出来るワケじゃないですか。

しかし―、

そんな余地が残っていた、この状況でも、昌平君が決定打を下してしまいました。

昌平君『いえ、私も宜安を狙うべきと考えます。』

嬴政『…分かった昌平君。スグに宜安攻略の戦略を!』

昌平君『ハッ!』

いやいや、大王政!?

何度も言うが、それもう、予定に無い戦争を増やしている時点で、戦略じゃないから。

キングダムネタバレ-武城と平陽の陥落後

なんやかんやで、無事に武城と平陽の陥落を果たした王翦軍と桓騎軍。

いろいろ見るべき点があるのですが、新しい名物半モブ将の山秀さんが出てきましたよね。

先週は、桓騎軍に氾善さんが出てきたので、王翦軍も負けていられません。

イキナリ、矢に刺されて死んだかと思われましたが、死なない男。

武城は田里弥軍が登城攻撃に徹して、倉央が開門突破して陥落させます。

これより、10日ほど遅れて桓騎が平陽を陥落。

ここでは、桓騎の残虐行為は行われず、捕虜の扱いは飛信隊にゆだねられて、最悪の事態などは起きませんでした。

この二つの城を陥落させた両軍は、再編成を重ねて次戦に備えます。

そして、その2月後、咸陽から昌平君より号令がかかります。

桓騎・王翦軍が長城を迂回して、閼与を制圧、その後、太原からの秦国北方軍と合流して、宜安を攻略するという、作戦が発動。

そして、一番驚いたのは、今回の最後の全体図で、実は楊端和軍が、前線攻撃にも参加すらしていなかったという事実です。

今回の最後になって、武城の遥か南から、ノンビリとノコノコ北上してきています。(笑)

遼陽で休憩でもしていたのか?

話の内容よりも、一体、今まで彼女らが何をしていたのかの方が、全然気になるんですけど。

― キングダムネタバレ最新703話 以上 ―

次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。

皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。

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