(武霊王? 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第24話から)
山の民に借りた馬で倒れた木をひとッ飛び。
ということで、前回の23話と比べて格段に騎乗が上手くなっています。
やはりバトル漫画の主人公、運動神経は抜群です。
当時のキングダム世界の状況を史実ですり合わせてみてみると、騎乗するにも鐙がまだ発明されておらず、無馬に乗るのって腿の力とバランス感覚だけで馬の動きを制御していたわけですから、やはり貴族の長年の訓練や騎馬民族のような生活背景無く馬を乗りこなすスキルはかなり貴重です。
結果的に、この時点で信が騎乗のスキルを身に着けていたのは、今後、キングダム世界で展開される蛇甘平原でのデビュー戦の勝因に直結していきます。
キングダム考察-漂からの予備知識
後述するように、漂との会話による騎馬に対する予備知識があったコトも、信が騎馬に慣れ親しむ素地になっていたように感じます。
さて、どんどん騎馬の慣れていく信ですが、壁に話しかけるほどの余裕もでてきました。
ここで信が揺れる馬上に有るからと言って、お約束みたいに舌を噛むというコトにならなくて本当に良かったと思います。
信曰く―、「人が馬に乗るようになって戦が変わった…。」
何気に、ここで信に感銘を受けるのは、単に知識として、武霊王の名前を知っているかどうかより、人間が僅か八十年前に騎馬を兵器として運用するようになって、戦の在り様が変わってしまったという本質的な部分に目を向けていることに驚きます。
やはり、バカっぽそうに描かれていて、漂と共に育ってきた影響もあって、本当の意味ではバカではないんだという印象が個々でも見受けられます。
この点、映画の演技は信がバカである側面だけを強調しすぎでちょっと食傷気味だったのですがね。
改めて読むことで原作の深みを振り返るコトができる思いです。
・ここだけのレアキャラ、田さんと武霊王
ここで、武霊王(信にとっては無礼王)を引き合いにして、漂と語らい合った騎馬兵への憧れた日のコトが話されます。
何気に、信が武霊王を無礼王と間違えて覚えてしまったのは、この時からだったことが分かります。
信が武霊王の名を知ったのは漂が市場で聞いてきた耳学問だったわけですが、その上で普段の生活の限られた情報源の中から、自分たちなりに、少しでも役に立ちそうな情報を仕入れてくる漂が凄いです。
そして、漂の凄いトコロは、その情報に対する素直さですね。
ここでの描写の信のように、当時の信を始め、馬は荷物を引くものという固定概念があるので、漂自身が市場で騎馬の強さを仕入れることがあっても、同じく信のように「本当にあんな獣に乗っかって戦えるのか?」で思考停止してしまっていたら、今の信の姿も無かったかもしれません。
キチンと、単に騎馬が目新しい兵種であるという情報だけでなく、田さんという近隣の住民が片腕を騎兵にすっ飛ばされたという、情報の裏どりまでして信に伝えてくれている辺り、妙に印象に残ってしまう回想シーンだったと思います。
その後、田さんどんな人か出てくるのか?などと個人的には期待したのですが、やはり出てきませんでしたね。
さらに何気に、印象的だったのは、この時の漂は騎馬出来るのは貴族で構成された正規軍だけとかいっていたのですが、その後の初陣でしかないハズの蛇甘平原の戦闘で、信がひょんなことから騎兵殿と呼ばれることになるのは、流石に戦国の世の出世の速さと感じるところです。
キングダム考察-成蟜、ワガママの限界
成蟜?その椅子って、見た感じ寝転がってる方がしんどくない?
多分、普通に座った方がラクだと思うよ?って聞きたくなります。
そして、無残にも昌文君の配下のコトを指すのでしょうが、「ランカイのおもちゃが尽きたぞ、次をもって来い。」と冷酷に肆氏むかって言い放ちます。
昌文君の配下は、全て死んでしまったコトを告げる肆氏ですが、それに対して成蟜は昌文君の妻子を含めて、彼の一族や領土民を代わりに連れてきてみろと要求します。
で、ここで以外にも再び名前が出てきたのが王騎将軍でしたね。
王騎が竭氏に協力を申し出たコトの見返りは、昌文君の領土を寄越せと要求していたコトは、既に明らかになっているコトですが、ここで結果的に王騎将軍の存在によって昌文君の妻子の命が守られているコトになっています。
成蟜ほどの王族でも、この点、王騎将軍には道理では勝てない。
やはり、竭氏含めて嬴政がいる以上、それほどまで成蟜と竭氏と言えども秦国を掌握しきれていない様子がよく伺えます。
結果的に、成蟜が嬴政の首を欲しがるのもそのことが分かっているからなのですが、ここで現れた竭氏が、それとなく、彼らの抱える問題がそれだけでは無いとたしなめに現れます。
今さら大王の首など小事とタカを括っている辺り、主人公陣営を軽く見て首を飛ばされるコトになるのですが、いま振り返るとこの小物感が、物語初期の悪役って感じで本当にイイ感じの竭氏だったりします。
いずれ外征から帰国する呂不韋との合戦こそが自分たちの本戦であると、先を見据えます。
今から思うと、成蟜も竭氏も、正攻法で呂不韋と戦って勝てるような連中とも思えないのですが、この点、平時において、竭氏がどの程度のチカラで呂不韋と競争できていたのかは気になる所です。
呂不韋が魏故国に引き連れた軍勢が20万規模の軍隊というだけあって、大王を殺害したあと、国内から呂不韋を迎え撃たんと目論む成蟜と竭氏。
後で兵数が全然足りないと竭氏に肆氏が怒られるのですが、成蟜はカナリお喜び。
「らしくなっきたではないか。」
彼の目下に、軍装を整えた秦国の兵団が整列して彼を迎えます。
一方、若き大王、政の帰還を待つ昌文君。
彼の待機する穆公の避暑地には続々と離散していた部下が集まりつつある様子が分かります。
王騎軍の奇襲を喰らってなお生存を果たしているだけでも、相当彼らも訓練された兵士であると信じたいところです。
やがて部下と共に、山の鳴動を感じ取る昌文君。
政の帰還を察知します。
― キングダム第24話 太子の座 考察 以上 ―
次の考察⇒【キングダム第25話 3千対8万 考察】
次回もキングダム王都奪還編の考察をすすめていきたいと思います。
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