(我呂と岳雷 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第620話 )
今週のキングダム、龐煖の登場で一気に話がすすんだワケではないですが、蒙恬の脱出戦から龐煖登場、そこからの尾平と昂くんと旧麃公兵の激情、最後に久しぶりのトーンタンタンでの全開巫舞解放などといったように、見どころが散在していました。
神(作者)としても対武神の本戦前に、再度の状況再設定回を設け、次号ヤングジャンプでの休載を挟んで、構想を深化させるといったところなのでしょうか?
それにしても羌瘣さんの目が黒いです。
めちゃくちゃ黒いです。
繰り返しますが目がもう真っ黒っス。
一度は封印したハズの巫舞ですが、解放したらしたで一気に過去最深なのでしょうか?
過去に象姉が“魄領の域”で精神が散りかけてしまったエピソードがあったワケですが、こうなると龐煖との勝負をつける以前に、羌瘣の自我が巫舞から戻ってこれるかの方が心配です。
器物であるはずの愛剣の緑穂まで、羌瘣の願いから自らの命を削るかのように損傷が発生。
今のトコロ、攻撃ヒット回数と手数では羌瘣の速さに分があるようですが実際には大ダメージが与えられたようには見受けられません。
また、実際にこのまま武神がだまって羌瘣に切られ続けるだけとも思えません。
ラストシーンで何気に羌瘣の目から血涙が出てきているので、もう疲労蓄積と巫舞の反動からパワーダウンの兆しが見え始めているようです。
しかし、そんな彼女ですが、誰よりも早期に武士相手に抑止力を発揮してくれたおかげで岳雷のダンナと我呂のそれぞれの一命が取り留められたのは、何よりの幸い。
彼女が姿を現す刹那、とこからともなく聞こえてくる、“トーン タン タン”は、この戦場にいた者の全員の動きを凍り付かせたように止めるものだったコトを振り返ると、キングダムのキャラにとっては、本日(10月31日)のハロウィンなど目じゃないほどの恐怖体験だったと伺える。
いつも死んだふりの尾平が勇を鼓舞して前に進みますが、信を龐煖と戦わせないという意思については羌瘣と思いは同じ。
そして今戦最大の傍観者である李牧は、こでは開き直ったかのように三大天としての龐煖を、わざわざご丁寧に返上したかのように表現して、“武神龐煖”と再定義してまでカイネに説明しています。
結局、合従軍編の終末で龐煖に向かって「一度足元を静かに見直せ… (求道者の)道は終わった。」などと合従軍で説教していたのに、もうそこは同僚三大天の成長は諦めて、あくまで武神としての龐煖でいいということでしょうか?
また逆に捉え方によっては、「やっぱ龐煖は武神のまんまの方が一番強いよなw」と、ある意味に吹っ切れているようにも見えるので、彼の真意が気になるところです。
傅抵はそうか…。あれだけオイシイ包囲状態だったのに、王翦を真正面から通過させちゃったのか。
このまま蒙恬にボコられてしまえばいいのに。
キングダムネタバレ-本陣脱出の王翦
あのまま最前線の対龐煖と李牧本陣前での戦闘が描かれ続けると思いきや、一旦、蒙恬を先導とする脱出隊形で王翦が挟撃された本陣から脱出することが成功した様子が描かれいています。
傅抵もアレだけ包囲を進めていただけに、蒙恬に背面から打破された左翼から逃げられるでもなく、まさか自分が張っていた真正面からの突破脱出をされるとは夢にも思わなかったでしょう。
キングダム考察-脱出プランについて
今回のキングダムでは馬南慈の姿やケガの具合は描かれていません。
しかし、自分たちの対王翦本陣の包囲網に、傅抵ではカバーしきれないほど綻びが生じてしまうほどの状態が発生していたと考えると、
馬南慈のダメージも決して軽いモノでもなく、蒙恬の指揮が功を奏したのか? カナリの応戦力で王翦本陣の兵が馬南慈兵の勢いを相殺したのではないかと考えられます。
何気に、ここは王賁と蒙恬が相当苦労してでの脱出劇であったハズなのですが、この期に及んでも全く表情を崩さない王翦が凄いです。
さすが総大将というだけあって、間違っても「ふゥ~、助かった。さっきはマジで危なかったぜ。」などと余計なセリフは吐きません。
また、本陣再構築を狙ってのことか?
蒙恬が崩した左側面に向かって脱出するのではなく、あくまでも敵の真正面を抜けるというリスクを冒してまで、田里弥軍方面に向かって最短距離で脱出する指示を出したのは王翦でしょうか?
逆にそこまで蒙恬の判断だったとしたら、さらに蒙恬が凄すぎなのですが、あえて脱出するにしても蒙恬と王賁にさらに無理な注文を付け足すといった状況もあったと想定すると、案外、この脱出プランも王翦本人の指示であったのではないか?などと考えたりも出来ます。
傅抵が「逃がしてたまるかよ、バカヤロォが!!」などと激昂してますが、もう充分チャンスが一番大きかったタイミングを逃がしてるよ。と内心突っ込みを入れた読者様も多かったでしょう。
王翦の一団を背後から追撃する傅抵ですが、この点は雁門馬を有する彼らの馬速で趙軍に有利で。
また、本陣のあった地帯に残っている本陣兵は、おそらく馬南慈軍を抑える為に多くの兵力を必要とするハズですから、王翦を含めて脱出をはたした秦兵はカナリ少ないでしょう。
しかしながら田里弥軍に接近するにつれて、王翦もまた李牧の本陣が陥落に近い事を察します。
当然、その様子は蒙恬と王賁も見て取っているのですが、この点、友軍による勝利が近いとあれば、総大将の防衛にもより高い味方の士気に反映されるかもしれません。
そして傅抵がどこまで追従してくるかにもよりますが、田里弥軍に接近するにつれて、作戦の失敗が濃厚になっていくコトの判断も出来ないほど無能ではないでしょう。
傅抵が諦めなくても、馬南慈から撤退の動きを見せるかもしれません。
キングダムネタバレ-龐煖の周囲の飛信隊
龐煖の存在が明らかになり、その近くには去亥の亡骸が描かれています。
ああ、仲間からは「去亥さん」と、さん付けで呼ばれるほど尊重されていたことが同じ騎兵の仲間のセリフで分かります。
キングダム考察-リアクションに走る武神
いままで、その存在感をまるで隠してきたかのように、待機していた龐煖ですが、出てきたら出てきたでイキナリ咆哮を挙げます。
ただ、声がデカいというだけでなく、今回の登場では動物的な威嚇効果が抜群です。
ライオンの咆哮のように周囲数キロ先にまで聞こえて、他の動物を威嚇させるとかでしょうか?
騒音やら怒声で満ちた戦場の音を、武神の咆哮が全て一気に塗り替えてしまい、特に馬が大パニックになっています。
しかしこの点は振り返ってみると、龐煖って今までここまで酷いオーバーリアクション見せるヤツだったか?と考えることもできます。
今まで以上に落着きを無くした様子に唖然とします。
ホント、いい大人が。
求道者? 道を求める者の姿がコレ??
かつての馬陽戦での龐煖を知る尾平と昂くんが、その存在感に武神の姿を見ずとも体が本能的に恐怖で反応しています。
二人とも震えが止まりません。
しかしながら尾平、それだけに信が必ず龐煖と勝負をしてしまうと蕞攻防戦の最後の結果から心配し、武神が現れた地点にむかって歩みを進めていきます。
「多分なにもできねェけど、信のために行かねェと…。」
キングダム考察-李牧の解説
自国の三大天とは言え、カイネはそれほど多く龐煖と接した事は少ないでしょう。
切れ切れに「三大天…、龐煖…様。」と、言い慣れない口ぶりで驚愕しています。
ここですかさず李牧が彼女の言葉を捉えて、敢えて説明するかのように「“武神”龐煖です。」と言い直します。
本記事の冒頭のように、すでに李牧の中では趙国三大天としての龐煖ではなく、単純に一人の男が原点に返ったかのように、やっぱりアイツは“武神”だよな。とばかりに開き直った言葉のように聞こえます。
過去のキングダム本編での李牧の口ぶりを見ている限り、王騎将軍と麃公将軍との勝負。
さらに蕞攻防戦で信に最後の一騎打ちで龐煖が撃ち負けてしまった後に副将の晋成常の伝言で、“求道者としての道はココで終着点”といった趣旨の伝言を残していたワケですが(参照:351話)、
この時のセリフには暗に王騎と麃公とも戦って苦しんだ事実の糧として、龐煖が三大天として相応しい武将に成長する切っ掛けとして、期して言い残した言葉ではなかったのか?と考えていました。
このまま龐煖が“フンガフンガ”と凄んでいるだけのヤツで終わってしまうと、あの名シーンの蕞攻防戦であった最後の一騎打ちが、伏線としては別に無意味なものだったコトになるので少し惜しい気もします。
キングダムネタバレ-飛麃と羌瘣
どうして、彼らの気持ちを思い出すことが無かったのか?
すっかり信と武神の決着ばかりに気が向いていました。
元麃公兵が武神を見たら、当然こうなるよな。と、非常に納得した620話でした。
キングダム考察-我呂と岳雷のダンナ
我ブの姿を見た、名もなき元麃公兵の二人が、一瞬、戦場が静寂に包まれた瞬間の後に、我に返ったかのように麃公将軍が殺された瞬間を思い出します。
楚水さんと渕んらの副長も、気が付かないほどの瞬間的判断で、武神に矛を振りかざす二人の元麃公兵が襲い掛かるや否や、武神に切り伏せられます。
死を厭わず、畳みかけるように突撃を重ねる元麃公兵である飛麃の戦士たちですが、流石に武神には敵いません。
ってゆうか!?貴方たちって飛信隊の中でも、最上級の非常に限られた強力兵種なんですから、頼むから無駄死にしないで下さい!? (泣)
そして、飛麃の筆頭格である岳雷と我呂も武神を視認するやスグに、突撃体制を取ります。
流石に、楚水さんが自重を促しますが…、
我呂、岳雷『待てるわけが、ねェだろうが!!』
はい…、当然そうなりますよね。(泣)
キングダム考察-“トーン タン タン”
そして、そのまま2対1で切り結ぶことになるのか?と思われたその刹那…、何処からともなく“トーン タン タン”のあの律が聞こえてきます。
羌瘣が口にしているこの韻律は、確か我呂と岳雷が連載に登場した期間の上で、二人が耳にした事は無いハズなのですが、「何かヤバい」と思わせるものがあったのでしょう。
武神を含めて、その場にいた全員の動きを凍らせたように止めてしまいます。
龐煖の咆哮が動物的な威嚇であるのに対して、羌瘣のそれはまるで妖気類であるかのような凍り付きです。
変わらず聞こえてくる“トーン タン タン”ですが、彼女の姿はありません。
最初に気づいたのは龐煖。袈裟に振り切った矛の先に羌瘣の気配が残り、武神の右腕にいつの間にか出血を伴う傷が出来ています。
再び、気配だけ反応したように、羌瘣の横なぎの一閃を防ぐ武神。
受けに回っている龐煖に対して、反撃を完全に動きだけ躱す羌瘣。
まさしく蚩尤と武神の対決と言ってもいいかもしれません。
二人とも求道者としての呼吸に染まりきったような、深くて真っ黒に染まった、禍々しい闇の深い目をしています。
それも、とくに羌瘣のほうがそうです。
いままで対幽連戦のトキよりも深い巫舞でしょうか?
緑穂すら損傷を迎えるほどの、深い巫舞の動きを示しています。
しかし、ダメージは浅いながらも彼女の刃は龐煖の胴体を捉えるようになっています。
彼女の決意は、信と武神を戦わせないコト。
そして、ここで次週に続きが託されますが…、
きゅ、休載だと!?
― キングダムネタバレ最新619話 考察 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
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Twitter:しんいち ダム垢(@takikomigohande)
第620話予想⇒【キングダムネタバレ最新620話予想 龐煖と一緒、李牧の真骨頂】
第621話予想⇒【キングダムネタバレ最新621話 龐煖、真の武神として信と対戦】